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バーチャファイターシリーズのストーリーネタバレ!結末までチェック

  • 「バーチャファイターのストーリーって、結局どういう話なの?」
  • 「VF5のエンディングがどうなったか分からず、ずっとモヤモヤしている……」
  • 「ネットで調べても、公式情報と個人の妄想が入り混じっていて、どれが本当の設定なのかサッパリ分からない!」

かつてゲームセンターで100円玉を塔のように積み上げ、熱狂の渦の中にいたあなたも、もしかすると同じような悩みを抱えていませんか?

 

昨今のゲームは親切にムービーで全てを語ってくれます。

しかし、1990年代に産声を上げたこの伝説の3D格闘ゲームは、圧倒的な「説明不足」でした。

公式マニュアルの片隅に書かれた設定や、エンディングのわずかな演出だけで物語を推測するしかなかったため、現在でもネット上には真偽不明の都市伝説や、情報が途絶えたままの浅い考察サイトが溢れかえっています。

本当の結末や、隠された裏設定にたどり着けず、貴重な時間を無駄にしている方は驚くほど多いのです。

 

申し遅れました。

私は初代からアーケード筐体に齧り付き、青春のすべてを八極拳やサマーソルトキックに捧げてきたデータ収集狂です。

現在は日々の満員電車に揺られながら、海外の特許庁データベースや商標登録(USPTO等)、公式設定資料集、さらには開発者インタビューの端々までを20年以上にわたって執拗に追い続けてきました。

今回はその狂気の蓄積と、私が専門とする行動経済学・心理学の知見を総動員して、この難解な物語のすべてを解き明かします。

 

この記事では、初代『バーチャファイター』から『VF5』、そして沈黙を破って発表された完全新作『New VIRTUA FIGHTER』に至るまでのストーリーを時系列で完全整理します。

各大会の本当の優勝者や、キャラクターたちの知られざる因縁を徹底的に解説します。

さらに、非公式の通説と公式設定を明確に切り分け、ゲーム史に蔓延る都市伝説の嘘を暴きながら、秘密結社「J6」の真の目的を紐解いていきます。

 

この記事を読むことで、あなたはもうネットの断片的な情報に振り回されることはありません。

長年胸につかえていた「あのキャラはどうなったのか?」「結局黒幕の目的は何だったのか?」というモヤモヤから完全に解放され、点と点が一本の線に繋がる圧倒的なカタルシスを味わうことができます。

 

最後まで目を通していただければ、バーチャファイターが単なる格闘ゲームではなく、人間の「非合理性」をえぐり出した極上のサイバーパンク群像劇であったことに気づくはずです。

さあ、20年以上止まっていた時計の針を動かし、新たな視点でこの作品を100倍深く楽しむための扉を開けましょう。

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「物語不在」という名の悪魔的な罠(ナッジ)

そもそも、なぜバーチャファイターには分かりやすいストーリーモードが存在しなかったのでしょうか。

 

よく言われるのが「初期のハードウェアの限界」です。

鈴木裕氏や、初代VFのゲームデザイナーである石井精一氏(後に鉄拳シリーズを手掛けることになる偉大なクリエイターです)らセガAM2研は、人間の関節の動きや武術のリアリティを極限までシミュレートすることに全力を注ぎました。

そのため、過剰なストーリー演出は意図的に排除された、というわけです。

 

ちなみに、ここで一つネットの海に漂う厄介な都市伝説を斬っておきましょう。

「初代VFのMODEL1基板は、軍事企業ロッキード・マーティンとの共同開発による軍事技術の転用だ」という噂がありますが、これは明確な間違いです。

軍事シミュレーションのテクスチャマッピング技術を取り入れたのは『VF2』で採用された「MODEL2」基板からの話であり、初代の「MODEL1」はセガの完全なる内製ハードです。

また、1998年にスミソニアン博物館に資料が収蔵された際、「ビル・ゲイツが推薦した」という逸話もまことしやかに語られますが、これを裏付ける確たる証拠はどこにも存在しません。

私たちは権威性バイアスにいとも簡単に騙されてしまう生き物なのです。

 

話を戻します。

ハードの制約があったとはいえ、もし本当にストーリーが不要なら、なぜ各キャラクターにあれほど緻密で、ドロドロとした重いバックボーンを設定したのでしょうか。

誘拐、洗脳、暗殺、不治の病。

こうした要素は、単なる対戦格闘の添え物としては明らかに過剰です。

 

行動経済学の視点から見ると、これは情報の空白理論(Information Gap Theory)の極めて高度な応用だと言えます。

人間は、自分の知識に「空白」があると、強烈な不快感と好奇心を抱き、それを埋めずにはいられなくなります。

 

さらにここにはIKEA効果が働いています。

自分で苦労して組み立てた家具に不当に高い価値を感じるように、プレイヤーは自らの手で技を磨き、断片的な情報から脳内でストーリーを「組み立てる」労働を強いられました。

与えられたムービーを受動的に見るだけではなく、自分自身が労力をかけて考察した物語だからこそ、ファンは20年以上経ってもこの世界への執着を手放せないのです。

 

「物語を語らないこと」こそが、プレイヤーを惹きつける最強の行動誘導(ナッジ)だったというわけです。

そう捉えると、バーチャファイターの沈黙そのものが、実は最大級の物語装置だったことが見えてきます。

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秘密結社「J6」の選択アーキテクチャデュラル計画

この群像劇のすべての元凶であり、舞台裏で糸を引くのが、巨大多国籍企業連合「J6(Judgement 6)」です。

公式マニュアルによれば、彼らは兵器開発から国際政治に至るまで絶大な影響力を持つ6つのグローバル企業からなり、その究極の目的は「巧妙な世界支配の完成」です。

 

海外の有力なファンコミュニティ(Fandom Wiki等)における通説では、この6つの部門はタロットカードの大アルカナに由来するコードネームで呼ばれていると考察されています。

  • Judgement(審判):組織全体を統括する最高意思決定機関
  • The Devil(悪魔):通常兵器開発およびデュラル計画の担当
  • Wheel of Fortune(運命の輪):国際政治の裏操作
  • The Moon(月):軍事紛争やテロ活動への資金提供
  • The Tower(塔):組織内の情報収集・監視
  • Death(死):ABC兵器(核・生物・化学兵器)の開発

ここで少し考えてみてください。

これほど高度な兵器や技術を持つ超巨大コングロマリットが、なぜわざわざ「1対1の素手による格闘データ」を集めることに莫大な予算と労力を注ぎ込むのでしょうか。

現代の感覚なら、無人ドローンやサイバー攻撃の方がよほど効率的に世界を支配できそうです。

 

その答えは、プロスペクト理論における損失回避性の極致にあります。

J6は、既存の兵器体系や確率論では対処しきれない「未知のブラックスワン(予測不能な事象や、超人的な個人の力)」の出現を極度に恐れているのです。

人間の肉体と精神が極限状態で生み出す予測不能な「身体知」。

これをデジタルデータとして抽出し、自らの管理下に置くことでのみ、彼らは「想定外の敗北」という損失を完全にヘッジできると考えています。

 

その野望の結晶が、究極のサイボーグ生体兵器「デュラル(Dural)」の開発計画です。

ちなみにデュラルの名前は、手塚治虫の漫画『リボンの騎士』に登場する悪役、デューク・デュラルミンに由来しています。

 

つまり、「世界格闘トーナメント」という華やかな武の祭典は、格闘家たちの承認欲求や復讐心、闘争本能を巧みに利用し、彼らに自発的に良質な戦闘データを提供させるための巨大な選択アーキテクチャなのです。

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【時系列完全解説】第1回〜第5回大会の表と裏

それでは、初代から第5回までのトーナメントの歴史を、参加者たちの非合理的な心理とともに時系列で解き明かしていきましょう。

ゲーム本編では語られない「正史の優勝者」と、裏で進行していた真の結末を網羅します。

第1回大会(VF1):サンクコストの罠と純粋効用の勝利

1993年。

表向きの華やかな祭典の裏で、J6は恐るべき実験を開始していました。

葉隠流忍術の第8代頭首であり、現在の影丸(第10代)の母親である「月影(つきかげ)」を拉致し、初代デュラルへとサイボーグ改造したのです。

 

さらにJ6は、インディ500のスターレーサーであるジャッキー・ブライアントの事故を仕込み、彼の妹であるサラ・ブライアントを誘拐しました。

そしてサラの記憶を再プログラムし、「兄を殺すための暗殺者」として大会に送り込みました。

 

公式には「優勝したかもしれない(may have won)」と慎重な表現がとられています。

しかし、正史における第1回大会の優勝者は、虎燕拳の達人であるラウ・チェンです。

 

なぜラウが覇者となれたのでしょうか。

影丸やジャッキーは、「家族の奪還」という強烈なサンクコストの誤謬に囚われて参戦していました。

すでに失われたものを取り戻すために、さらに無謀な投資をしてしまう心理です。

 

一方のラウは、究極の拳法を極めるあまり妻を過労死させるほど家庭を犠牲にし、己の効用関数を「強さ」という一点のみに特化させていました。

感情的なノイズがゼロだった彼が圧倒的な力で頂点に立ったのは、ある意味で必然だったのです。

第2回大会(VF2):メタ認知の獲得と選択の過剰

第1回大会から1年後。

J6は収集したデータをもとに完成させた初代デュラルの実戦テストと、さらなるデータ収集を目的に第2回大会を開催します。

 

ここで、行方不明の弟子を探す酔拳の達人シュン・ディ、自分が最強だと証明したい蟷螂拳の御曹司リオン・ラファールが新たに加わります。

 

この大会の正史の優勝者は、主人公である結城晶(アキラ)です。

初代の頃の彼は、「十年早いんだよ!」の決め台詞に象徴されるように、自分の実力を過大評価するダニング=クルーガー効果の只中にありました。

しかし、前回の敗北を経て己の弱さを客観視するメタ認知を獲得したことで、彼は精神的な成長を遂げ、真の強さに到達しました。

 

一方の裏舞台では、ジャッキーがついにサラの洗脳を解除することに成功します。

しかし、洗脳が解けたことでサラは重度の記憶喪失に陥りました。

そして「洗脳されていたから兄を殺そうとしたのか、それとも自分の深層心理に兄への劣等感があったからなのか」という新たな苦悩に直面します。

これは、行動経済学でいう選択の過剰(Choice Overload)です。

言い訳のきかない自由を手に入れたことで、彼女はより深い葛藤へと足を踏み入れることになりました。

 

また、影丸は最終ボスのデュラル、すなわち母・月影と対面します。

そして激闘の末に、彼女をJ6の支配から一時的に救い出すことに成功します。

第3回大会(VF3):確証バイアスと変動比率スケジュールの残酷

母を救い出し、平穏な日々を取り戻したかに見えた影丸でしたが、悲劇は終わりません。

約1年後、月影は原因不明の病に倒れ、その肉体は再びデュラル化を始めてしまいます。

影丸は母を治療するための特効薬、あるいはデュラルの特殊なパーツを求めて、再び大会へ身を投じます。

 

ここで、晶の幼なじみである合気道の梅小路葵、相撲力士の鷹嵐が新たに参戦します。

 

第3回大会を制したのは、影丸です。

彼は凄絶な戦いの末、ついにデュラルを完全に破壊し、その残骸から特殊なパーツを持ち帰ることに成功します。

 

しかし、それはJ6が用意した「第2世代の精巧なクローン」、すなわちロボット複製体に過ぎませんでした。

本物の月影は、依然としてJ6の奥深くに囚われたままだったのです。

 

これは、J6による悪魔的な変動比率スケジュールの提示です。

「もしかしたら今度こそ母を救えるかもしれない」という影丸の確証バイアスを利用し、彼を絶望の淵に立たせることで、極限状態の最高の戦闘データを引き出したのです。

J6にとって、月影本人はすでにどうでもよく、影丸の執念こそが最高のモルモットでした。

第4回大会(VF4):ブラックスワンの飛来と正史の揺らぎ

月影の素体としての限界を悟ったJ6は、次世代デュラルのターゲットとして、かつて洗脳を施したサラに再び狙いを定めます。

この危機を察知したバーリトゥードの使い手、ヴァネッサ・ルイスが、サラの専属護衛として大会に参戦します。

 

さらにJ6は、大会のデータ収集を円滑に進め、障害を排除するために、幼少期から育成した冷酷な暗殺者・日守剛(ゴウ)をプレイヤーとして送り込みます。

少林拳法の使い手レイ・フェイや、キックボクサーのブラッド・バーンズもこの大会から登場します。

 

決勝戦は、影丸とシュン・ディの戦いとなりました。

しかし、影丸が最後の一撃を放とうとした瞬間、銀色に発光するデュラル、すなわちJ6が用意した第3世代のダミー機体が乱入します。

影丸は「母上……」と呟き、救えないことを悟って自らの手でこれを両断します。

 

公式マニュアル上では、このデュラル乱入により「大会は中断(勝者なし)」とされています。

しかし、ファンコミュニティの通説では、ここまで到達した「影丸の実質的な連覇(VF3・VF4)」として扱われることが非常に多いです。

 

このデュラルの乱入は、大会という枠組みそのものを破壊するブラックスワンでした。

ファンがどうしても「影丸が勝者だ」と信じたいのは、あまりにも悲劇が続く彼に対する公正世界仮説が働いているからです。

努力した者、苦労した者は正当に報われるべきだという心理バイアスが、ここで強く作用しています。

 

そしてこの混乱の最中、サラを護衛していたはずのヴァネッサが、J6の手に落ちて拉致されるという最悪の事態が発生します。

第5回大会(VF5):終わらないツァイガルニク効果

拉致されたヴァネッサの肉体から極限の戦闘データを抽出したJ6は、ついに最新型「V-Dural(ヴァネッサ・デュラル)」を完成させます。

 

その後、ヴァネッサはJ6内部の「内通者(裏切り者)」の助けによって施設から脱出します。

しかし、囚われていた間の記憶を完全に失っていました。

 

J6は、完成したV-Duralの性能テストと、組織内に潜む裏切り者を炙り出すための罠として、第5回大会を開催します。

ルチャリブレのエル・ブレイズ、猿拳の少女アイリーン、そして自身もJ6に拉致され記憶を操作された空手家ジャン・クジョウ(VF5Rから)が参戦します。

 

さて、この第5回大会の結末。

2006年の稼働から現在(2026年3月)に至るまで、最終的な優勝者や結末は一切公式に描写されていません。

 

エンディングが存在しないまま、15年以上が経過しました。

この異常な状態が、ファンをツァイガルニク効果の虜にしました。

「誰が勝ったのか?」「内通者は誰か?」という未解決の強烈なテンションが、結果的にフランチャイズの寿命を逆説的に延ばし続けているのです。

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キャラクターたちの非合理な情念のカタログ

彼らはなぜ、命を懸けて戦うのでしょうか。

超俯瞰的な視点から、主要人物たちの行動原理と因縁を再定義してみましょう。

「双曲割引」の犠牲者たち

ラウ・チェン、パイ・チェン、そしてレイ・フェイの物語は、双曲割引の典型例です。

遠い未来の大きな価値より、目先の小さな価値を優先したり、逆に極端な未来の価値のために現在を極端に犠牲にしたりする心理が、彼らの関係を歪めています。

 

ラウは「究極の拳法の完成」という遠い未来の価値のために、妻や娘という現在の確実な幸せを完全に切り捨てました。

しかし、第3回大会後に不治の病に直面し、死という「期限」が設定された途端、焦燥感から得体の知れない暗殺者レイ・フェイを弟子にしてしまいます。

その後、レイ・フェイの裏切りに遭い、ラウは姿を消します。

 

娘のパイは、父への憎悪と武術家としての敬意の間で強烈な認知不協和を起こしています。

そして父の虎燕拳を拒絶し、独自の燕青拳の道へと逃避することで、かろうじて精神の均衡を保っています。

「現状維持バイアス」の破壊者

カナダの森で大自然と共に静かに暮らすウルフ・ホークフィールド。

彼は第3回大会の頃から、世界の終末とJ6を暗示する黙示録的な悪夢を見るまで、プロレスの生ける伝説という「現状維持」に甘んじていました。

 

そんな彼に強い羨望と嫉妬を抱き、引きずり下ろそうとするのが、メキシコの覆面レスラー、エル・ブレイズです。

彼はウルフにとって、自らの保有効果、すなわちすでに持っている名声への執着を捨てさせるための、痛烈な外部ショックとして機能しています。

「アンカリング」に縛られる者

オーストラリアの巨漢漁師ジェフリー・マクワイルドは、「サタンシャーク(※VF5以降の公式ソースではデビルシャークとも呼称されます)」というたった一匹の巨大サメにアンカリングしています。

そのサメを捕獲したというJ6の壮大な陰謀に、彼はずるずると首を突っ込んでいきます。

 

フランスの御曹司リオンも、J6のThe Moon部門と繋がりがある父親、ヴァンドール・ラファールへの反発から参戦します。

しかし彼もまた、「ラファール家の人間」という強烈な初期設定、すなわちアンカーから逃れられずにいます。

「デフォルト(初期設定)」を書き換えられた被害者たち

J6の真の恐ろしさは、兵器の威力ではなく、人間の「デフォルト状態」を強制的に書き換える権力にあります。

 

幼少期に両親を殺され、J6の施設で感情を持たない戦闘マシーンにされたヴァネッサ。

彼女は特殊部隊のルイス捜査官に救出され養女となりますが、彼もまたJ6に暗殺されてしまいます。

空手家としての記憶を操作されたジャンも同様です。

彼らは養父や幼なじみとの記憶の断片を頼りに、自らの自我を取り戻そうと足掻きます。

 

一方、幼少期から純粋な殺し屋としてJ6に育成されたゴウには、帰るべき「正常なデフォルト」が存在しません。

彼がジャッキーに執着して復讐を誓うのは、光の世界を歩む者への無意識の嫉妬、すなわちルサンチマンの表れなのです。

 

愛弟子を探すシュン・ディが老体を押して戦うのも、その弟子に投資した時間と愛情というサンクコストが、彼を後戻りできなくさせているからです。

その弟子が、アイリーンと関係しているのではないかという推測も根強く存在します。

 

他にも、アキラに完敗したことで「お嬢様」のプライドを砕かれ再戦を誓う梅小路葵。

角界を追放されながらも連続優勝を果たし、突如失踪した鷹嵐。

スリルと女性を求めて祭りに参加するブラッド・バーンズ。

彼らの戦う理由は論理的ではなく、極めて人間臭い情念に満ちています。

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メディアミックスの「囮効果(デコイ・エフェクト)」

ゲーム本編が物語を語らない一方で、『バーチャファイター』はさまざまなパラレルワールド、すなわちAlternate Continuityを展開しました。

 

代表的なものが、1995年10月9日から放送開始されたTVアニメ版『バーチャファイター』(全35話・監督:殿勝秀樹、制作:トムス・エンタテインメント)です。

このアニメでは、J6ではなく科学者エヴァ・デュリックスが黒幕であり、デュラルは影丸の母ではなく完全なロボットとして描かれました。

アキラは大食いのお調子者キャラになり、サラと影丸の間にはロマンスの気配すらありました。

さらに、パイの婚約者としてアニメオリジナルの「リュウ(劉九龍)」が登場するなど、ゲームのストイックな世界観とはまったく異なる展開を見せました。

 

他にも、七月鏡一氏原作の漫画版『晶の拳』や、2004年に発売されたアクションRPG『バーチャファイター サイバージェネレーション ~ジャッジメントシックスの野望~』(海外名:Virtua Quest)など、数多くのスピンオフが生まれました。

 

熱心なファンは「設定崩壊だ」「キャラが違う」と怒るかもしれません。

しかし、マーケティングの視点で見れば、これは見事な囮効果(Decoy Effect)です。

極端に改変された明るいアニメや別ジャンルのスピンオフを「囮」として提示することで、ユーザーは無意識のうちに比較を行います。

そして「やはり本編のストイックでダークな裏設定こそが至高だ」と、本編のブランド価値を自己強化していったのです。

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2026年の最前線新作がもたらす「物語の言語化」というハイリスク

2006年の『VF5』稼働から長い年月が流れ、ストーリーは完全に停止していました。

しかし2024年末のThe Game Awardsにて、ついに「龍が如くスタジオ」の開発による完全新作『New VIRTUA FIGHTER』プロジェクトが正式に発表されました。

 

2025年1月には『Virtua Fighter 5 R.E.V.O.』がSteamでリリースされ、その後のVF Direct等で山田理一郎プロデューサーらは、シリーズの前提を根底から覆す方針を打ち出しました。

 

最大の焦点は、「キャラクターのバックボーンや人間性を、ゲームプレイを通じて明確に語る(リアリティの追求)」という大転換です。

言い換えれば、従来の“語らなさ”を核としていたシリーズが、あえて物語を言語化するフェーズへ踏み込もうとしているのです。

 

最新映像では、従来の純粋な格闘家から「ハードコアなアメリカン・プロレスラー(ヒール)」のような風貌に変貌したウルフの姿が確認されました。

さらに、謎の女性新キャラクター「ステラ」の登場。

そして何より、現実世界とリンクした「約20年のタイムスキップ」が示唆されています。

グラフィックエンジンも自社のドラゴンエンジンではなく、最新のUnreal Engine(UE5)が採用されていると推測されています。

 

ファンコミュニティでは、未回収の伏線に対する議論が沸騰しています。

  • 不治の病に侵されていたラウ・チェンや、高齢のシュン・ディは生きているのか?
  • ヴァネッサを施設から逃がしたJ6内部の「二重スパイ」は、新キャラのステラなのか、それとも既存キャラの誰かなのか?
  • デュラルにされた影丸の母・月影は、最終的に救われるのか?

ここで、少し意地悪な視点から警鐘を鳴らしておきましょう。

龍が如くスタジオが得意とする「濃厚なストーリーテリング」は、このフランチャイズにおいて諸刃の剣です。

 

なぜなら、ファンが20年という歳月をかけて「情報の空白」を埋めるために熟成させてきた妄想、すなわちIKEA効果による過大な愛着に対し、公式が「これが確定した正史(デフォルト)です」と答えを押し付けることになるからです。

ファンの強烈な現状維持バイアスと激しく衝突するリスクを、セガはあえて背負ったのです。

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メタ構造の極致Arcade Paradiseと我々のアテンション

最後に、超論理的かつ超俯瞰的な視点から、背筋の凍るような仮説を提示してこの記事を締めくくります。

 

セガは近年、「Arcade Paradise」という新たな商標を出願・登録しました。

これが過去の名作を遊べるサブスクリプションサービスではないかという推測もあります。

さらに、eスポーツを見据えた対戦メカニクスの特許保護を強力に推し進めています。

 

ゲームの中の世界では、J6が世界最強の格闘家たちから戦闘データを搾取し、デュラルを完成させようとしていました。

 

では、現実世界はどうでしょうか。

私たちプレイヤーは30年以上もの間、ゲームセンターのアーケード筐体に硬貨を入れ、あるいは自宅からオンライン対戦に繋ぎ、膨大な時間を消費して「バーチャファイター」というシステムに自らの行動パターンを捧げ続けてきました。

 

そう、お気づきでしょうか。

私たちプレイヤー自身が、現実世界における「データ提供デバイス(モルモット)」だったのです。

 

セガ(=J6のメタファー)という巨大な組織が、ゲーマーの行動心理を予測し、最適化された新たなプラットフォーム(Arcade Paradise)や新作を投下してくる。

私たちは「ストーリーの続きが知りたい」「対戦で誰よりも強くなりたい」という抗いがたい欲望(内部インセンティブ)によって、喜んで自らの可処分時間とデータを差し出します。

 

『バーチャファイター』が描く最大のホラーは、デュラルの恐ろしさでも、J6の残虐性でもありません。

画面のこちら側で、完璧にデザインされた選択アーキテクチャの中に組み込まれ、自ら進んでデータを捧げ続けている「私たち自身の非合理性」こそが、最も恐ろしい真実なのです。

「結末をチェックしたい?」

違います。

あなたが、システムにチェックされているのです。

今度、ゲームのコントローラーを握るとき。

あるいは満員電車の中でスマートフォンを開くとき。

少しだけ思い出してみてください。

私たちが生きているこの世界もまた、目に見えない巨大なトーナメントの最中なのかもしれませんね。

新作『New VIRTUA FIGHTER』のリングで、またお会いしましょう。

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