「エンディングを見たけど、結局ソラはどうなったの?」とモヤモヤして夜も眠れない。
「過去作が多すぎて、誰が敵で誰が味方なのか、人間関係のパズルが全く解けない」と頭を抱えている。
「ネットの考察を読んでも専門用語ばかりで、結局自分が知りたい核心的な答えが見つからない」と時間を無駄にしている。
そんな風に、コントローラーを握りしめたまま途方に暮れていませんか?
キングダムハーツ(KH)シリーズは、13年以上にわたって紡がれてきた壮大な物語です。
派生作品やDLC、果てはスマートフォン向けアプリまで網羅しないと全貌が見えないという、現代のゲームの中でも屈指の「超難解なストーリー構造」を持っています。
そのため、断片的なまとめサイトや個人の感想レベルの考察をいくつ読んでも、本当に知りたい「なぜそうなったのか」という根幹にたどり着くのは至難の業というのが現状です。
でも、安心してください。
初代の発売日からシリーズを追い続け、設定資料集(アルティマニア)は文字通りページが擦り切れるまで読み込み、毎日の通勤電車の1時間をすべてKHの考察と情報整理に費やしてきた私が、この複雑怪奇な物語の謎を徹底的に解き明かします。
この記事では、KH3本編のあらすじから、DLC『Re Mind』が描いた裏側の真実、シークレットムービーの意味、そして未回収の伏線(ヨゾラや黒い箱など)まで、時系列順に分かりやすく解説します。
さらに、単なる事実の羅列ではなく、物語の深層心理や隠されたテーマまで踏み込んで考察していきます。
この記事を読むことで、ネットの情報の海をさまようストレスから完全に解放され、KH3が描きたかった「本当の結末」をスッキリと理解できるようになります。
最後まで読んでいただければ、あなたの頭の中で散らばっていた無数のピースがカチッと一つにつながり、キングダムハーツという作品をこれまでの10倍深く、そして全く新しい視点で楽しめるようになることをお約束します。
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ダークシーカー編の終焉壮大な「お片付け」の始まり

『キングダム ハーツIII』は、初代から続いてきた「ダークシーカー編」の完結作です。
マスター・ゼアノートという一人のキーブレードマスターが、世界を光と闇の衝突によって作り直そうとする。
その途方もない野望を食い止めるため、ソラたちが立ち上がる。
これが物語の大きな骨組みです。
ゼアノートの目的は、究極の鍵「χブレード」を完成させ、すべての心の集合体である「キングダムハーツ」を開き、世界をリセットすることです。
彼は、ただ世界をめちゃくちゃに壊したいだけの悪役ではありません。
人の心に巣食う闇や、世界の不完全さに絶望し、「こんな歪んだ世界なら、一度すべてを白紙に戻して、純白の新しい世界を創り直したほうがマシだ」と考えたのです。
これ、少しだけ気持ちが分かる気がしませんか?
たとえば、同居している義両親の荷物と、小学5年生の息子が散らかしたおもちゃで足の踏み場もなくなったリビングを見たとき。
「ああもう、この家を一度更地にして、基礎から建て直したい!」と発狂しそうになる、あの瞬間の感情の全宇宙規模バージョンです。
もちろん私は実行に移しませんが、ゼアノートは本気でそれをやろうとした極端な理想主義者なのです。
そのために彼は、自分自身の心や過去の自分を集め、「真XIII機関」という13の闇を組織します。
対するソラたちは、7人の「光の守護者」を集めなければなりません。
これが、KH3の物語を動かす最大のエンジンです。
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力を失った主人公皮肉な逆転現象
物語の冒頭、私たちの主人公ソラは、かなり危うい状態からスタートします。
直前の物語(Dream Drop Distance)で、ゼアノートの罠にはまり、器として利用されかけたソラは、これまで培ってきた力の多くを失ってしまいました。
キーブレードマスターの承認試験にも落ちてしまいます。
一方、ライバルであり親友のリクは立派にマスターとして認められます。
かつて闇に魅入られ、もがき苦しんでいたリクが光のマスターとなり、常に光の側にいて皆を引っ張ってきたソラが力を失ってゼロから再出発する。
この皮肉な逆転現象からKH3は幕を開けます。
ソラが取り戻さなければならないのは「目覚めの力」です。
これは「眠っている心を元に戻す力」なのですが、これが後々、とんでもない代償を引き起こすことになります。
ソラは目覚めの力を取り戻すため、そして世界に散らばった仲間たちを救うため、ドナルド、グーフィーとともに再びグミシップに乗り込みます。
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真XIII機関の正しいメンバー構成を把握する

ここで、物語を複雑にしている「真XIII機関」のメンバーをスッキリ整理しておきましょう。
ここを間違えると、終盤の展開で必ず迷子になります。
現役の13人は以下の通りです。
- マスター・ゼアノート
- ヤング・ゼアノート
- アンセム
- ゼムナス
- シグバール
- サイクス
- ルクソード
- マールーシャ
- ラクシーヌ
- ヴァニタス
- テラ=ゼアノート
- ダーク・リク
- シオン(最終的に加わる)
よく勘違いされがちなのですが、ヴェクセンとデミックスは現役の13人ではありません。
彼らは予備メンバーであり、いわば裏方です。
特にヴェクセンはレプリカ(人工の肉体)の研究者として、密かに光側に内通し、後の救済劇に欠かせない役割を果たします。
デミックスも飄々とした態度でレプリカを運搬する重要な任務をこなします。
また「No. i」という存在も、単なる13番目のメンバーではなく、レプリカ計画における重要な試作体として機能します。
「誰が本命で、誰が裏で動いているのか」。
この組織図を頭に入れておくと、終盤の展開がパズルのようにカチッとハマります。
会社組織で言えば、役員と現場のプロジェクトリーダー、そして外部の業務委託メンバーをしっかり区別しておくようなものです。
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ディズニーワールド「心と器」の壮大な予行演習

KH3のディズニーワールドでの冒険は、一見すると本筋のゼアノート戦とは関係のない寄り道に見えるかもしれません。
しかし、超俯瞰的な視点で見ると、これらのワールドはすべて「終盤でソラが直面するテーマの予行演習」として完璧に計算されて配置されています。
一つずつ、その深層を紐解いていきましょう。
オリンポスとトワイライトタウン:立ち上がる強さと器の準備
『ヘラクレス』のオリンポスでは、力を失ったソラが「誰かを守るためにもう一度立ち上がる強さ」を学びます。
具体的なスキルや魔法ではなく、心の在り方を取り戻すのです。
続くトワイライトタウンでは、ソラの中に眠るロクサスを復活させるための手がかりを探します。
ここで「心があっても、それを入れる『器(肉体)』がなければ人は復活できない」という、KH3の超重要ルールが提示されます。
キングダム・オブ・コロナ:奪われた自由と本来の自分
『塔の上のラプンツェル』の世界では、マールーシャが暗躍します。
彼はラプンツェルを「光の守護者が足りなかった場合の予備(ニューセブンハート)」として観察しています。
塔に閉じ込められていたラプンツェルが外の世界で本来の自分を取り戻す姿。
それは、ソラの中で眠り続けているヴェントゥスやロクサスの境遇と重なります。
閉じ込められた心は、いつか必ず外へ出なければならないのです。
トイ・ボックス:おもちゃの魂と架空のゲームの侵食
『トイ・ストーリー』の世界は、哲学的な大傑作です。
ヤング・ゼアノートは「おもちゃ(無機物)に心は宿るのか」を実験しています。
これはそっくりそのまま「レプリカ(人工の器)に心は宿るのか」という、ロクサスやシオンの復活への問いかけです。
お弁当箱(器)が新しくなっても、中身の卵焼きやタコさんウィンナー(記憶と心)が同じなら、それは「お母さんのお弁当」として成立するのか。
トイ・ボックスは「成立する」と力強く肯定してくれます。
さらにここで、架空のゲーム『Verum Rex』とその主人公ヨゾラが登場します。
ただの劇中劇だと思っていたこの存在が、まさか物語の根幹を揺るがすことになるとは、この時は誰も思いません。
モンストロポリス:心の闇とつながり
『モンスターズ・インク』の世界では、ヴェントゥスの心の闇から生まれたヴァニタスが登場します。
彼は子どもの悲鳴という負のエネルギーを利用しようとします。
ここで、ヴェントゥスの心がまだソラの中に眠っていることが明確に示されます。
ソラの心は、まるでシェアハウスのように複数の心を匿っているのです。
アレンデール:愛が溶かす氷
『アナと雪の女王』の世界では、恐れから心を閉ざしたエルサを、妹アナの愛が救います。
ラクシーヌがエルサを観察する中、ソラは「閉ざされた心は、力ではなく愛(つながり)でしか開けない」ことを学びます。
これは後に、闇に堕ちたアクアを救うための重要なヒントになります。
力ずくで扉をこじ開けるのではなく、ノックして待つことの大切さです。
ザ・カリビアン:死と運命のカード
『パイレーツ・オブ・カリビアン』の世界は、死と心臓、そして運命がテーマです。
ルクソードはここでソラに謎の「カード」を渡します。
このカードは本編では使われませんが、ソラが運命を書き換えるという禁忌を犯す本作において、非常に意味深なアイテムとして残ります。
まるで、人生の分岐点で渡されたジョーカーのようです。
サンフランソウキョウ:記憶が人格を形作る
『ベイマックス』の世界では、記憶チップが物語の鍵を握ります。
ロボットであっても、記憶の蓄積があればそこに「その人らしさ(人格)」が生まれる。
これは、人々の記憶から消え去ってしまったシオンが、再び存在を取り戻すための強烈な伏線です。
記憶とは、私たちが私たちであるための証明書なのです。
100エーカーの森:薄れゆくつながり
『くまのプーさん』の世界で、ソラはプーたちとのつながりが以前より薄くなっていることに気づきます。
ソラの心は多くの存在を抱え込みすぎて、彼自身の輪郭が少しずつぼやけ始めている。
これは、結末でソラが世界から消滅してしまうことへの、静かで残酷な予兆です。
忙しすぎて自分を見失いそうになる、現代人の孤独にも似ています。
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中盤の転換点闇からの帰還と目覚め
ディズニーワールドでの予行演習を終え、物語は一気に加速します。
リクと王様は、長年「闇の世界」に取り残されていたアクアを探していました。
孤独と絶望で闇に蝕まれ、アンチ・アクアとなってしまった彼女を救い出したのは、ソラでした。
ソラはアクアを力でねじ伏せるのではなく、光の世界へ引き戻します。
これこそが、ソラが本当に取り戻すべき「目覚めの力」の本質でした。
救出されたアクアの導きで、一行は「忘却の城(本来の旅立ちの地)」へ向かいます。
そこにはヴェントゥスが眠っています。
ヴァニタスの襲撃を受ける中、ソラの心の中からヴェントゥスの心が戻り、ついに彼が目覚めます。
Birth by Sleepから続いた悲劇の一部が、ここでようやく報われます。
しかし、テラはまだゼアノートに肉体を奪われたままです。
本当の戦いは、これからなのです。
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キーブレード墓場最初の全滅と「運命の書き換え」
ソラ、リク、王様、アクア、ヴェントゥス、アクセル、カイリ。
7人の光の守護者がそろい、決戦の地「キーブレード墓場」へ向かいます。
そこにはマスター・ゼアノート率いる真XIII機関が待ち構えていました。
しかし、最初の衝突で光の守護者たちは圧倒的な力になす術なく、テラ=ゼアノートと無数のハートレスの群れに飲み込まれ、全滅してしまいます。
ソラの心は肉体を離れ、生と死の境界である「終わりの世界」へ飛ばされます。
ここでソラは、チリシィや「名もなき星」と出会い、散り散りになった自分自身を集め直します。
そして、消えかけた仲間たちの心をつなぎ止めるため、「目覚めの力」を使います。
ここが、KH3最大の特異点です。
目覚めの力は本来、眠っている心を起こすためのものです。
しかしソラは、死にかけた仲間を過去に遡って救い出すという、現実そのものを書き換えるような使い方をしてしまいます。
これは、宇宙の熱力学第二法則(エントロピー増大の法則)に逆らうような行為です。
覆水盆に返らず。
こぼれた水を無理やりコップに戻せば、その歪みは必ずどこかに現れます。
ソラは仲間を救うため、自らの存在を担保にして運命を書き換えたのです。
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怒涛の救済劇過去の清算

運命を書き換えてキーブレード墓場に戻った光の守護者たちは、今度こそ真XIII機関と激突します。
ここからの展開は、過去作の悲劇を次々と回収していく怒涛の救済劇です。
テラの解放
アクアとヴェントゥスは、テラ=ゼアノートと戦います。
テラの心は完全に消滅したわけではなく、内側からゼアノートの支配に抵抗し続けていました。
最終的にテラは自らの肉体を取り戻し、Birth by Sleepの三人はついに本当の再会を果たします。
ロクサス、シオン、アクセルの再会
トワイライトタウンのデータ、ヴェクセンたちが用意したレプリカの器、そしてソラの中の心のつながり。
これらが奇跡的に噛み合い、ロクサスが空から降臨します。
さらに、真XIII機関側として現れたシオンも、アクセルやロクサスとの記憶を取り戻し、光側へ帰還します。
存在を否定され、記憶から消去されていた彼らが、自分の名前と居場所を取り戻した瞬間です。
このシーンで涙腺が崩壊したファンは数え切れません。
ナミネの復活とサイクスの本心
ナミネもまた、ダーク・リク戦で残されたリクレプリカの器を通じて後に復活を遂げます。
そして、冷徹な敵として立ちはだかったサイクス(アイザ)も、敗北の果てにアクセルとの友情や、かつて救えなかった少女への後悔という本心を吐露します。
KH3は、敵対した者たちの心にも、ある程度の救いと理解を示していくのです。
ヤング・ゼアノート、アンセム、ゼムナスとの決着
ソラたちは、ゼアノートの異なる時間軸や側面である三人(ヤング・ゼアノート、アンセム、ゼムナス)と対峙し、これを打ち破ります。
これはKH1、KH2からの長い因縁の総決算です。
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カイリの消失スカラ・アド・カエルムの最終決戦
しかし、戦いの最中、マスター・ゼアノートはχブレードを完成させるための最後の鍵として、カイリを容赦なく砕き散らしてしまいます。
目の前で大切な人を失ったソラは、怒りと悲しみに包まれます。
ゼアノートは完成したχブレードを手に、キングダムハーツを開こうとします。
ソラ、ドナルド、グーフィーの三人は彼を追い、最終決戦の舞台「スカラ・アド・カエルム」へ突入します。
白く美しいこの古代都市で、三人はゼアノートと死闘を繰り広げます。
ゼアノートは世界を白紙に戻すことが正しいと信じて疑いません。
しかしソラは、世界には闇や悲しみがあっても、心と心のつながりがあれば前へ進めると証明してきました。
激闘の末、ゼアノートは膝をつきます。
そこに現れたのは、かつて彼が手にかけた旧友、マスター・エラクゥスの心でした。
エラクゥスに優しく諭されたゼアノートは、憑き物が落ちたように敗北を認め、ソラにχブレードを託して光の中へ消えていきます。
ソラはχブレードを使い、キングダムハーツの扉を閉じます。
こうして、長きにわたるダークシーカー編は幕を下ろしました。
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エンディング救われた世界と、消えゆく少年

戦いが終わり、デスティニーアイランドの美しい浜辺に仲間たちが集います。
アクア、テラ、ヴェントゥス。
ロクサス、シオン、アクセル。
ナミネ。
王様、ドナルド、グーフィー、リク。
誰もが笑顔で、平和な時間を噛み締めています。
しかし、そこにカイリの姿はありません。
ソラは、砕かれたカイリを救うため、再び「目覚めの力」を使う決意をします。
仲間たちはそれがどれほど危険なことか分かっていましたが、ソラの決意を変えることはできませんでした。
そして、エンディングのラストシーン。
夕暮れの浜辺で、パオプの木に座るカイリ。
その隣にはソラがいます。
ソラはカイリを救い出すことに成功したのです。
しかし次の瞬間、ソラの姿はふっと透過し、風に溶けるように消え去ってしまいます。
カイリだけを残して。
これが、KH3本編の結末です。
ソラは死んだのでしょうか?
いいえ、違います。
彼は運命を書き換えるという禁忌を重ねすぎた結果、この世界の「現実」というシステムからバグとして弾き出され、別の次元へ強制退去させられてしまったのです。
全員を救った勇者が、自分自身の存在をシステム利用料として支払わされた。
あまりにも美しく、残酷な結末です。
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DLC『Re Mind』が描く、空白の裏側
KH3の結末を真に理解するためには、DLC『Re Mind』の存在が不可欠です。
Re Mindは単なる後日談ではありません。
本編のクライマックス、ソラがカイリを救うために何を行っていたのかを描く「裏側の物語」です。
ソラは実体を持たない状態となり、キーブレード墓場での戦いをもう一度なぞりながら、仲間たちの心を巡ってカイリの心の欠片を集めていきます。
この過程で、リクやアクア、ロクサスといった他のキャラクターの視点での戦いが補完され、本編では見えなかった死闘の全貌が明らかになります。
最終的にソラはカイリの心を再構成し、二人で協力して「装甲ゼアノート」と戦います。
カイリがただ守られるだけの存在ではなく、ソラと共にキーブレードを振るって戦うこの場面は、彼女のヒロインとしての意地を感じさせます。
しかし、カイリを現実世界へ送り届けた直後、ソラの存在は限界を迎えます。
Re Mindのラストは、本編エンディングの「ソラが消える瞬間」へとシームレスにつながり、彼がどれほどの代償を払ったのかを痛烈に描き出します。
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Limit Cut Episode不在の1年とデータ機関
Re Mindの後半「Limit Cut Episode」では、ソラが消滅してから約1年後の世界が描かれます。
1年経っても、ソラは戻っていません。
仲間たちは必死に彼を探しています。
カイリはレイディアントガーデンでアンセム賢者たちの研究に協力し、自ら深い眠りについてソラの手がかりを探っています。
リクは、夢の中に現れる「高層ビルが立ち並ぶ近代的な街」のビジョンを頼りに調査を進めます。
ここでは、過去の戦闘データを解析するという名目で、極悪な難易度を誇る「データ化された真XIII機関」とのバトルが展開されます。
このエピソードが示すのは、「ソラはただ迷子になっているのではなく、光の世界や闇の世界といった既存の宇宙のルールが及ばない『論理的圏外』にいる」という事実です。
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Secret Episodeヨゾラとの邂逅と「虚構」への反転
そして物語は、Re Mindの「Secret Episode」で、人間には到底思いつかないような超次元的な展開を迎えます。
ソラがたどり着いたのは、夜の巨大都市。
現実の東京・渋谷に酷似したその場所は、後に「クァッドラトゥム」と呼ばれる世界です。
そこに現れたのは、トイ・ボックスの架空ゲーム『Verum Rex』の主人公、ヨゾラでした。
ゲームの中の架空のキャラクターが、なぜ実在しているのか?
ヨゾラは「お前を救うように頼まれた」と言いながらも、目の前のソラを偽物だと疑い、武器を向けてきます。
ここで繰り広げられるヨゾラ戦は、KHシリーズ史上最高峰の難易度と演出を誇ります。
バトルに勝利しても敗北しても、ヨゾラは「現実の車の中で目を覚ます」というエンディングを迎えます。
そして、ソラとヨゾラが同時に呟くのです。
「最近、変な考えを巡らせるんだ。これは現実なのか、それとも夢なのか…」
初代KH1の冒頭と全く同じこのセリフ。
ここに至って、KHシリーズのテーマは「光と闇」から「現実と虚構(フィクション)」へと完全に反転します。
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俯瞰的考察なぜソラはクァッドラトゥムへ落ちたのか
ここで、少し日常的な視点も交えながら、この超次元的な現象を考察してみましょう。
キングダムハーツの世界(光と闇の宇宙)を、一つの巨大な「プログラム(物語)」だと仮定します。
このプログラムには「死んだ者は生き返らない」「砕かれた心は消滅する」という絶対のルール(運命)がありました。
しかしソラは、「目覚めの力」というデバッグツールを悪用し、死ぬはずだった仲間たちを次々と復活させ、プログラムのシナリオを強引に書き換えてしまいました。
システム側から見れば、ソラは「物語のルールを破壊する致命的なバグ」です。
だからシステムは、ソラをキングダムハーツの宇宙から強制的に「切り取り(Cut)」し、別のディレクトリへ「貼り付け(Paste)」しました。
それが「クァッドラトゥム」です。
クァッドラトゥムは「不在の世界(World of Unreality)」と呼ばれます。
キングダムハーツの住人から見れば、そこは「架空(フィクション)の世界」です。
しかし、ヨゾラたちクァッドラトゥムの住人から見れば、自分たちこそが「現実(Verum)」であり、ソラたちキングダムハーツの存在こそが「架空のゲームのキャラクター」なのです。
長崎から上京してきた18歳の春、東京のスクランブル交差点に立ったときの「ここは本当に現実なのか? 私はテレビの中に迷い込んだんじゃないか?」という圧倒的な異物感。
ソラが味わっているのは、次元の壁を越えたその究極のカルチャーショックです。
ソラは物語の枠組み(第四の壁)を壊してしまったため、より上位の次元、あるいは全く異なる物理法則を持つ「別の現実」へと放逐されてしまった。
これが、KH3の結末の真の構造です。
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エピローグ未回収の伏線たち(ロストマスター編への布石)

KH3はゼアノートとの戦いを終わらせましたが、同時に次なる「ロストマスター編」への巨大な伏線をいくつもバラ撒いています。
シグバールの正体と予知者の帰還
エピローグ(Ver.1.02追加)で、シグバールの正体が古代のキーブレード使い「ルシュ」であることが判明します。
彼はマスター・オブ・マスターズの弟子であり、何百年も姿を変えながら歴史を監視していました。
彼がキーブレードを掲げると、かつての予知者たち(イラ、アセッド、インヴィ、グウラ)が時を超えて現代に召喚されます。
アヴァの姿だけがありません。
黒い箱の中身
ルシュがずっと守り続けてきた「黒い箱」。
マレフィセントも探しているこの箱の中身は、KH3が終わっても一切明かされません。
希望なのか、絶望なのか、それとも次なる世界へのバックアップデータなのか。
2026年5月現在でも、最大の謎として君臨しています。
Subject Xと名もなき星
記憶喪失の少女「Subject X」や、終わりの世界でソラが出会う「名もなき星」。
彼女たちは古代の時代や、クァッドラトゥムの世界と深く結びついている存在です。
特に名もなき星が待っている人物は、ヨゾラである可能性が極めて高いと考察されています。
ルクソードのカードとデミックスの謎
ソラに謎のカードを託したルクソード。
Re Mindの映像でヨゾラの運転手が彼に酷似していることから、彼がクァッドラトゥム側のスパイだった説が濃厚です。
また、飄々としているデミックスも、その出自には古代の秘密が隠されている匂いがプンプンします。
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結論KH3は「喪失」を描くことで永遠を手に入れた
『キングダム ハーツIII』の結末は、決して手放しのハッピーエンドではありません。
全員を救った主人公が、自分自身の居場所を失う。
これは、家族のために自分の時間やキャリアをすべて捧げた親が、ふと「私自身の人生って何だったんだろう」と立ち尽くす瞬間に似た、とても普遍的で残酷な喪失感を含んでいます。
しかし、だからこそこの物語は美しいのです。
ソラは犠牲になったのではありません。
彼は自分の意志で、愛する者たちのために運命を書き換えるという「選択」をしました。
その結果として新しい次元(クァッドラトゥム)へ進んだ彼の姿は、悲劇の主人公というより、未知のフロンティアへ足を踏み入れた開拓者です。
KH3は、13年以上続いた「光と闇の戦い」を見事に終わらせました。
そして同時に、「現実とは何か」「虚構とは何か」という、より深淵で現代的なテーマへとシリーズを脱皮させることに成功したのです。
ソラは今、私たちが生きる現実に極めて近い大都市の空の下にいます。
ヨゾラとは何者なのか。
マスター・オブ・マスターズの真の狙いは何なのか。
黒い箱には何が入っているのか。
すべての答えは、ソラをもう一度見つけ出すための次なる旅、『キングダム ハーツIV』へと引き継がれていきます。
満員電車の窓に映る東京のビル群を眺めながら、私はふと思います。
もしかしたらこの街のどこかのビルの屋上で、ソラが目を覚ましているかもしれないな、と。
そんな想像をさせてくれるだけで、『キングダム ハーツIII』という作品は、私たちプレイヤーの現実すらも少しだけ書き換えてしまった、紛れもない傑作なのだと思います。
Reチェインオブメモリーズのストーリーを結末までネタバレ【キングダムハーツ】
