満員電車に揺られながら、ふと思うんです。
「この閉塞感、どこかで味わったことがあるな」って。
あ、これ『ファイナルファンタジーV』の「次元の狭間」だわ、と。
通勤片道1時間の私のライフポイントは、会社に着く頃にはすでに黄色信号。
家では夫の両親と同居し、小4の息子の宿題を見ながら、副業の原稿をカリカリ書く日々。
まさに人生はアクティブタイムバトル(ATB)。
コマンド入力待ちなんてしてくれません。
今は2025年の12月。
世の中は便利になりましたが、私たちの心はいつだって、あの「黄金の90年代」に置き去りにされたままかもしれません。
この記事にたどり着いたあなたも、きっと同じ「傷」を抱えているんじゃないですか?
- 「サラマンダーより、ずっとはやい!」という言葉を見るたび、胸の奥がキュッとなる。
- 「家畜に神はいないッ!」という叫びに、社会人としての無力感を重ねてしまう。
- 神竜の開幕タイダルウエイブで全滅したあの日の虚無感が、今も忘れられない。
分かります。
痛いほど分かります。
当時のスクウェア(現スクウェア・エニックス)が私たちに仕掛けたのは、単なる子供だましの冒険活劇ではありませんでした。
あれは、大人の階段を登る前に
「社会の理不尽さ」と「努力が報われない虚無」
を叩き込む、極めてスパルタな英才教育プログラムだったのです。
しかし、ネットで当時の情報を探しても「懐かしいね」という思い出話や、断片的な攻略Wikiばかり。
「なぜあんなに辛かったのか」
という心の深層に触れる考察や、
「大人になった今だからこそできる論理的な復讐(攻略)」
をまとめた記事は、驚くほど少ないのが現状です。
私は40代、フツーの働く母ちゃんですが、ゲーム歴だけは無駄に長い。
長崎から上京して一人暮らしをしていた10年間も、結婚してからも、通勤中の電車内でリメイク版やアーカイブスをやり込み、公式設定資料集から開発者インタビュー、果ては特許情報まで読み漁ってきました。
「なぜスクウェアは私たちを裏切ったのか?」
その答えを探し続けてきたんです。
この記事では、そんな私が以下の内容を徹底的に、そして愛を込めて解説します。
- FF、サガ、ゼノギアスなど名作に潜む「裏切り」のナラティブ(物語)構造の解剖。
- プレイヤーを精神的に追い詰める「システム」と「特許技術」の正体。
- かつて倒せなかった隠しボスたちを、大人の知能とロジック(と少しのズル)で完封する「完全撃破ガイド」。
この記事を読めば、あなたの長年のトラウマは「勲章」に変わります。
理不尽な物語の裏にある「開発者の愛」を理解し、あの最強ボスたちをゴミのように蹴散らす快感を味わうことができるでしょう。
さあ、準備はいいですか?
2025年の今こそ、過去の亡霊たちを鎮魂する旅に出かけましょう。
これが、私たち大人のための「絶望攻略論」です。
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ナラティブ・ディスペア物語はいかにして私たちを「教育」したか

90年代のスクウェア作品がなぜ、これほどまでに私たちのトラウマになっているのか。
それは、彼らが
「ルドナラティブ・ディソナンス(ゲームプレイと物語の不協和)」
という高等テクニックを、プレイヤーへの精神攻撃として完璧に使いこなしていたからです。
簡単に言えば、
「プレイヤーが頑張って積み上げた時間や感情を、シナリオの強制力で無にする」
という手法です。
これ、会社で一生懸命作った資料を
「方針変わったから」
の一言でボツにされるのと構造が全く同じなんですよね。
子育てで言えば、時間をかけて作った離乳食を床にぶちまけられる感覚でしょうか。
心の隙間が生む「裏切り」のメカニズム:『ファイナルファンタジーIV』
1991年、スーパーファミコン初期。
私たちはまだ純粋でした。
「仲間はずっと仲間だ」と信じていました。
その常識を華麗に裏切ってくれたのが、竜騎士カイン・ハイウインドです。
精神支配という名の「本音」ダダ漏れ事件
カインの裏切りは、表向きは「敵(ゴルベーザ)による洗脳」です。
でも、大人になった今なら分かりますよね。
あれ、洗脳というよりは
「酔っ払って本音が出ちゃった」状態
に近いんです。
シナリオライターの時田貴司氏らが描こうとしたのは、ヒーローの転落ではありません。
「人間の弱さ」
そのものです。
カインの心には、親友セシルへの強烈な劣等感と、その恋人ローザへの横恋慕という、ドロドロした「イド(本能的欲求)」が渦巻いていました。ゴルベーザはそこに付け込んだだけ。
プレイヤーとして一番ショックだったのは、彼が
「俺は正気に戻った!」
とキリッと言い放った直後に、また裏切る展開(二重の裏切り)です。
「ごめん、もうしない」
と言った夫がまた飲み会で朝帰りした時のような、
「嘘でしょ?」
という感覚。
これは
「洗脳が解ければめでたしめでたし」
という予定調和を破壊し、
「人間の心の闇は、そう簡単にリセットできない」
という現実を突きつけてきました。
「2943」に隠された開発者の暗号
ちょっとマニアックな話をしますね。
カインが一時期敵対していた際や、ゴルベーザに関連する数値には、開発者の執念めいたメッセージが隠されています。
特にゴルベーザ(実はセシルの兄セオドール)のHP「2943」。
これ、
「に・く・し・み(憎しみ)」
って読めるんですよ。
怖くないですか?
彼は運命に裏切られ、憎しみをエンジンにして動いていた。
でも、続編『THE AFTER YEARS』ではHPが「2971(つぐない)」に変わるんです。
数字だけで「憎しみ」から「償い」への変化を語る。
この芸の細かさこそが、私たちがスクウェアRPGから離れられない理由なのかもしれません。
努力と愛の完全否定:『ライブ・ア・ライブ』&『バハムートラグーン』
ここからは閲覧注意レベルです。
RPG史における「二大トラウマ」として君臨するこの2作品。
ここで破壊されたのは「ヒロイン」という聖域であり、私たちが費やした「時間」そのものでした。
アリシア王女と「魔王オディオ」という名の被害者
『ライブ・ア・ライブ』の中世編。
主人公オルステッドは、絵に描いたような勇者です。
私たちプレイヤーは、彼に感情移入し、レベルを上げ、最強装備を整え、魔王を倒しに行きました。
でも、待っていたのは称賛ではありません。
救出したはずのアリシア王女は、あろうことかオルステッドを陥れた親友ストレイボウ(嫉妬の塊)の肩を持ち、こう叫ぶのです。
「オルステッド……あなたが来てさえいなければ……ッ!!」
聞いた瞬間、コントローラーを取り落としましたよ。
「え、私が悪いの?」って。
彼女のこの言葉は、オルステッドへの拒絶であると同時に、
プレイヤーのゲームプレイ(努力)の全否定
なんです。
「あなたが頑張ってここまで来たから、私の愛するストレイボウは死んだのよ」と。
そしてオルステッドは、人間への絶望から「魔王オディオ(憎悪)」へと堕ちます。
オディオの語源はラテン語圏で「憎悪」。そのままですね。
何が恐ろしいって、魔王を生み出した共犯者が、画面の前の私たちだということ。
正義を行使したつもりが、誰かの悲劇のトリガーになる。
これ、現代社会のSNS炎上とかでもよく見る構図ですよね。
早すぎた社会派ドラマだったのかもしれません。
リメイク版で声優さんの怪演がついたことで、その傷はより深くなりました。
ヨヨと「サラマンダーより、ずっとはやい」問題
『バハムートラグーン』のヨヨ王女。
彼女は「スクウェア三大悪女」の不動のセンターです。
彼女の罪深さは、
「NTR(寝取られ)」の文脈と、ゲームの育成システムが悪魔合体している点
にあります。
主人公ビュウ(=プレイヤー)は、ヨヨが召喚するドラゴンの育成に、文字通り血と汗と涙(と貴重なアイテム)を注ぎ込みます。
息子を塾に通わせ、お弁当を作る母の心境に近いです。
それなのに!
物語中盤、彼女は敵国の将軍パルパレオスとあっさり恋に落ちます。
そして放たれた伝説の一言。
「サラマンダーより、ずっとはやい!」
パルパレオスの乗る竜を褒め称えるこのセリフ。
これは単なる速度の比較ではありません。
「あなたが手塩にかけて育てた最強の相棒(サラマンダー)よりも、私の新しい彼の竜の方が素敵」
という、マウントにも程がある宣言です。
しかも、二人が愛を誓う教会は、かつてビュウとヨヨが約束を交わした場所。
「思い出の場所なんかじゃない。だって……私たち……これからはじまるんですもの」
と、過去を上書き保存されます。
当時の少年たちは、主人公に自分の名前、ヒロインに好きな女の子の名前を付けてプレイしていました。
その純情を、開発チーム(特に鳥山求氏ら)は
「等身大の女性のワガママさ」
という名目で粉砕したわけです。
努力というリソースが、物語の強制力によって「無価値」化される徒労感。
これはもう、ゲームというより「人生の予行演習」でした。
小説版でヨヨが謝罪するシーンが追加されたのは、公式なりの「救済」だったのかもしれません。
歴史の闇に葬られた真実:『ファイナルファンタジータクティクス』
松野泰己氏が描いたイヴァリースの物語。
これはもう、ファンタジーの皮を被った「政治闘争ドキュメンタリー」です。
「家畜に神はいないッ!」と持たざる者の革命
平民出身のディリータ。
彼の妹ティータは、貴族の権力争いに巻き込まれ、ゴミのように殺されました。
その時、彼は悟ります。「家畜に神はいないッ!」と。
これは、既存の道徳や信仰への決別宣言です。
彼はそこから、親友ラムザや王女オヴェリアさえも利用し、手を汚しながら「英雄王」への階段を駆け上がります。
一方、主人公ラムザは「異端者」として歴史から抹殺されながらも、世界の崩壊を食い止めます。
エンディング。
ディリータは愛したはずのオヴェリアに刺され、反射的に彼女を刺し殺してしまいます(致命傷を与えます)。
孤独な王座で彼は呟くのです。
「ラムザ……お前は何を手に入れた……?」と。
松野氏の公式言及によれば、ラムザたちは生き延びて別の地へ渡ったとされています。
「歴史に名を残すこと(名誉)」と「人として幸福であること(愛)」は両立しない。
会社で出世競争に勝った上司が家庭崩壊しているのを見た時のような、苦いリアリティがここにあります。
アイデンティティの崩壊と再生:『ファイナルファンタジーVII』
FF7が世界を変えたのは、美麗な3Dグラフィックのせいだけじゃありません。
「主人公の自我が偽物だった」
という、ミステリー小説顔負けのどんでん返しがあったからです。
クラウド・ストライフの「空白の5年間」
クラウドはずっと「元ソルジャー1st」として振る舞っていました。
でもそれは、親友ザックスの記憶と、ジェノバ細胞の擬態能力、そして何より「弱かった自分を隠したい」という願望が作り出した虚構でした。
何十時間も感情移入して操作してきた主人公が、実は「作り物の人格」だった。
これは、カインやヨヨの裏切りとは次元が違います。
「自己存在」そのものへの裏切りです。
でも、FF7が名作なのは、そこからの再生を描いたから。
精神世界でティファと共に記憶を辿り、「弱かった自分」を受け入れて復活するシーン。
「ああ、ダメな自分でもいいんだ」
と肯定された気がして、当時受験生だった私は号泣しました。
これは、絶望攻略のひとつの答えです。
エアリスの死と「喪失の受容」
そして、エアリスの死。
装備品ごと離脱し、二度と戻らない。
育成データは無駄になる。
「生き返らせる裏技」
の噂が何年も飛び交いましたよね。
「水中呼吸のマテリアがあれば…」とか、デマが拡散しました。
北瀬佳範氏や野村哲也氏は、これを
「死の突然さと不可逆性」
を表現するための演出だと語っています。
私たちはゲームの中で、身近な人の死という「理不尽な喪失」を体験させられたのです。
リメイク版(『REMAKE』『REBIRTH』)で「運命の壁」に抗おうとするクラウドたちの姿を見ると、30年経っても私たちがまだこの喪失を受け入れきれていないことが分かります。
運命への反逆と未完の叙事詩:『クロノ・クロス』&『ゼノギアス』
クロノ・クロス:前作ファンへの最大の「裏切り」
『クロノ・トリガー』の続編!
とワクワクしてプレイしたら、前作で救ったはずの未来が崩壊していて、クロノやルッカが死んでいる(または行方不明)。
加藤正人氏は
「過去にしがみつくな」
というメッセージを込めましたが、ファンからすれば
「思い出を汚された」
と感じるのも無理はありません。
でも、ラスボス「時を喰らうもの」の正体が、時空の闇に囚われたサラ(前作の重要人物)だと分かった時、物語は「絶望の救済」へと昇華します。
ハッピーエンドのその先にある、ビターな現実を受け入れる強さを試されたのです。
ゼノギアス:未完のDisc2と「裏設定」の深淵
そして伝説の『ゼノギアス』。
開発期間と予算の都合で、Disc2が急にノベル形式(椅子に座ったキャラが語るだけ)になった時の衝撃、覚えてますか?
「え、これゲームだよね?」
と困惑しました。
しかし、高橋哲哉氏によるその構成は、逆に「語られなかった空白」への探求心を生みました。
公式設定資料集『Perfect Works』が聖書のように崇められているのは、ゲームが不完全だったからこそ、ファンの想像力が補完する余地があったからです。
不完全さは、時として完全よりも強く人の心に残る。
未完成のサグラダ・ファミリアみたいなものです。
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システム・ディスペア特許技術と高難易度が刻んだトラウマ

物語だけじゃありません。
システム自体が私たちを殺しにかかっていました。
そこには、プレイヤーを追い詰めるための明確な「設計思想」があったのです。
「ATB(アクティブタイムバトル)」という発明が生んだ焦燥
1991年に特許出願(US5390937Aなど)されたATBシステム。
これ、発明としては素晴らしいんですが、プレイヤーにとっては地獄のシステムでもありました。
従来のターン制なら、トイレに行ったり、お菓子を食べたりしながらゆっくりコマンドを選べました。
でもATBはそれを許しません。
「モタモタしてると死ぬぞ!」
このリアルタイムのプレッシャー。
現代のチャットツールで「入力中…」が表示されている時の焦りに似ています。
特に『FF5』や『FF6』では、敵のカウンター攻撃や「あと1分で爆発する」といった時限イベントとATBが悪魔合体。
生理的な恐怖を生み出しました。
スクウェアは、私たちに「判断の遅れは死」という社会のルールを叩き込んだのです。
「初見殺し」の美学:負けイベントと全滅確定ギミック
90年代スクウェアRPGは、基本的に「知らなきゃ死ぬ」のオンパレードでした。
- 『ロマンシング サ・ガ2』のソウルスティール
七英雄クジンシーが放つLP(ライフポイント)吸収技。
初見回避不可。
主人公(皇帝)が死ぬことで技を見切り、次の皇帝に継承する。
「死んで覚えろ」をシステム化した画期的な仕様ですが、子供には刺激が強すぎました。 - 『FF5』の宝箱
ラストダンジョンで宝箱を開けたら「神竜」が出てきて、開幕「タイダルウエイブ」で全滅。
「宝箱=ご褒美」
というパブロフの犬的な条件反射を利用した罠です。
「うまい話には裏がある」という詐欺対策講座でしょうか。
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完全攻略ガイド90年代の亡霊たちを鎮魂せよ

さあ、ここからが本番です。
かつて私たちを泣かせた「隠しボス」たち。
大人になった今の知能とロジック、そしてGoogle検索で得た集合知を使って、完膚なきまでに叩きのめしましょう。
「正々堂々」?
いえいえ、使えるものはバグでも仕様でも使う。
それが大人の戦い方です。
『ファイナルファンタジーV』:オメガ & 神竜
次元の狭間を徘徊する二大巨頭。彼らを倒さずにFF5は語れません。
古代兵器 オメガ
物理も魔法も効かないカチカチの装甲。
カウンターで強制退場。
- 絶望ポイント
とにかく硬い。
そして痛い。
【攻略プランA:魔法剣サンダガ乱れ打ち】
- ロジック
オメガは機械なので雷に弱い。
そして「みだれうち」は防御無視。 - 手順
ジョブはすっぴん。
両手に最強の剣(エンハンスソード等)を持ち、「魔法剣サンダガ」をかけてから「みだれうち」。 - 結果
9999ダメージ×4回×2(二刀流)=約8万ダメージ。
1ターンでスクラップです。
工場のプレス機にかけるようなものです。
【攻略プランB:愛の歌 ハメ技】
- ロジック
実はコイツ、「ストップ」が効くんです。 - 手順
吟遊詩人がひたすら「愛の歌」を歌う。
それだけ。 - 結果
オメガは愛に包まれてピクリとも動けません。
その隙にタコ殴り。
愛は地球を救うし、オメガも止める。
最強の竜 神竜
開幕「タイダルウエイブ」で全滅確定の理不尽竜。
- 絶望ポイント
何もできずに全滅する虚無感。
【攻略プラン:バーサク完封】
- 準備
全員に「さんごのゆびわ」を装備。
これで水属性のタイダルウエイブはただのシャワー(回復)になります。
知ってるかどうかが全て。 - ロジック
神竜は状態異常耐性がガバガバ。
「バーサク」が効きます。 - 手順
調合「バッカスの酒」や魔法でバーサク化。
すると強力な全体魔法を使えなくなり、物理攻撃しかしてこなくなります。 - 結果
あとは「ゴーレム」や「分身」で物理対策をして、「飛竜の槍」でジャンプ。
狂戦士化した神竜を冷静に串刺しにする。
理性の勝利です。
『ファイナルファンタジーVII』:エメラルドウェポン & ルビーウェポン
海底と砂漠のトラウマ。
エメラルドウェポン(HP: 100万)
20分制限と、マテリア数×1111ダメージの理不尽攻撃。
【攻略ロジック】
- 必須
マテリア「せんすい」。
これがないと時間切れで溺死します。
カームの老人から絶対に入手してください。 - オーバーフロー
バレットの「ミッシングスコア」やヴィンセントの「デスペナルティ」を使いましょう。
これらは特定の条件(マテリアAP量や撃破数)でダメージ計算がおかしくなり、一撃で即死級のダメージが出ます。
バグじゃない、仕様です。
ルビーウェポン(HP: 80万 / カチカチ)
仲間がいると無敵モードになる引きこもり。
【攻略ロジック:死んだふり作戦】
- 手順
戦闘開始前に、あえて仲間2人を戦闘不能にしておきます。 - 開幕
ルビーは「お、ひとりか」と油断して触手を地面に刺し、無敵モードを解除します。 - 展開
すかさず生存者が仲間を蘇生。これで3対1(無敵解除済み)の構図が完成。 - 制御
コイツには「麻痺」が効きます。
「ハーデス」召喚などで動きを止めつつ、ナイツオブラウンド連打。
卑怯?
いえ、戦略です。
『ロマンシング サ・ガ2』:七英雄(本体)
7人が合体した異形のラスボス。
1ターン最大7回攻撃とか、労働基準法違反もいいところです。
【リメイク版(Revenge of the Seven)での変化】
2024-2025年のリメイク版では、行動順が見えるようになりましたが、相変わらず強い。
難易度ロマンシングなんて正気の沙汰じゃありません。
【攻略:ラピッドストリームと光の壁】
- 陣形「ラピッドストリーム」で全員先制。
「光の壁」や「金剛盾」でダメージ半減・無効化。 - これ、現代のMMORPGの「DPSチェック」や「バフ回し」と同じ思考が求められます。
【オリジナル版(SFC/リマスター):クイックタイム・ハメ】
SFC版での伝説のハメ技。
- 戦術
水術最強の「クイックタイム」。
これを使うと、敵のターンが強制終了します。 - 手順
JPを大量に用意して、毎ターン誰かがクイックタイム。 - 結果
七英雄は指一本動かせずに死にます。
「ずっと俺のターン」です。
かつて人間に裏切られた彼らを、システムへの裏切りで葬る。
業が深いですが、勝てば官軍です。
『ファイナルファンタジータクティクス』:エリディブス(ゾディアーク)
隠しダンジョン「ディープダンジョン」の最下層「奈落の底」にいる魔道士。
- 目的
倒すだけじゃダメ。
最強召喚魔法「ゾディアーク」をラーニング(食らって覚える)する必要があります。
【攻略ロジック:命がけの授業】
- 召喚士に「MPすり替え」をセット。
これで即死ダメージをMPで受け止めます。 - 算術士
ジョブ「算術士」の「算術」は、FFT最大のバランスブレイカー。 - 「CT」が「5の倍数」の敵全員に「トード(カエル化)」や「石化」をばら撒く。
画面上の敵が一瞬で彫像に変わる様は、もはや戦術シミュレーションではなく「掃除」です。
『ゼノギアス』:アルファ・ヴェルトール(隠しギア戦)
Disc 2で戦うグラーフの機体。
普通は負けイベントですが、勝てます。
【攻略ロジック:チュチュ魔神化計画】
- ロジック
巨大化したチュチュは、ロボット(ギア)ではなく生身扱いです。
つまり、人間用の回復アイテムが効くし、ステータス強化アイテムの効果も乗ります。 - 手順
事前にドーピングアイテム(HPドライブ等)をチュチュに大量投与。 - 結果
最強のギアであるはずのアルファ・ヴェルトールを、巨大なピンクの生き物が物理で殴り殺す。
シュールですが、これが最適解です。
【攻略ロジック:回避特化バルト】
- バルトのギア「ブリガンディア」に回避装備を積み、特殊技「ワイルドスマイル(命中率ダウン)」連発。
敵の攻撃が当たらなくなります。
『クロノ・クロス』:ダリオ(と世界崩壊の真実)
前作ファンへの裏切りの象徴とも言える本作。
最強の隠しボスは、悲劇の剣豪ダリオです。
- 隠し場所:孤島の廃屋。
【攻略ロジック:属性反転の罠】
- ロジック
彼は「使われた魔法の色」に対応して反撃してきます。
攻撃魔法(黒属性など)を使うと即死級の反撃が来ます。 - 手順
実は「白属性の補助魔法」や「回復魔法」に対しては、反撃が緩い(あるいは無害)んです。 - 戦術
赤属性の「マナフィーブル(全属性攻撃力ダウン)」を使って相手を弱体化させ、あとはひたすら物理で殴る。
魔法主体のゲームで魔法を封印する。
逆転の発想です。
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深層考察絶望の先に見える「大人の景色」
なぜ、私たちはこれほどまでに裏切られ、叩きのめされながらも、30年以上も前のゲームを愛してやまないのでしょうか。
記事を書きながら考えました。
「予定調和」からの脱却と、心のワクチン
子供向けの物語は「善は勝ち、悪は滅びる」と教えてくれます。
でも、現実は違いますよね。
理不尽な人事異動、信頼していた人の嘘、どうにもならない別れ。
90年代のスクウェア作品は、そうした「大人の真実」を、ゲームという安全な箱の中で擬似体験させてくれました。
『FFT』でディリータが得た虚しい王座。
『ゼノギアス』でイドが抱えた母への愛憎。
『FF7』のクラウドが直面した「自分は何者でもなかった」という虚無感。
これらは、私たちが社会に出る前に打たれた
「心のワクチン」
だったのかもしれません。
抗体があったからこそ、私たちは今の理不尽な現実をサバイブできているのではないでしょうか。
未回収の伏線と「考察」という永遠の遊び場
『FF8』の「リノア=アルティミシア説」や、『クロノ・トリガー』の「魔王=ギル説」。
公式が否定しても、なお語り継がれるこれらの説。
不完全であるがゆえに、ファンの想像力が入り込む余地がある。
「あそこはどういう意味だったんだろう?」
と居酒屋で(今はZoomで)語り合う時間こそが、このゲームの真のエンディングなのかもしれません。
トラウマを「攻略」するカタルシス
そして何より、あの頃倒せなかった強敵を、知恵とロジックでねじ伏せる快感。
「サラマンダーより速い」裏切りに泣いた少年は、大人になり、酸いも甘いも噛み分けました。
あの頃は理不尽に見えたオメガの猛攻を、今、計算し尽くされたロジックで1ターンキルする時、私たちは過去の自分を救済しているのです。
「大丈夫、今の君なら乗り越えられるよ」と。
90年代スクウェアRPGが残した傷跡は、今も疼きます。
でもそれは、私たちが本気で物語に向き合い、本気で世界を救おうとした、誇り高き「勲章」なのです。
もし、日々の仕事や家事に疲れているのなら、たまには昔のセーブデータをロードしてみませんか?
そこには、変わらぬ絶望と、それを凌駕するだけの強さを手に入れた「今のあなた」を待っている世界が広がっています。
さあ、そろそろ最寄り駅に着きます。
私のATBゲージも満タン。今日の夕飯の支度という名のボス戦に挑むとしますか。
【付録:さらに深く絶望を知るためのキーワード 2025】
検索窓に打ち込む勇気がある方だけ、どうぞ。
- 「ヨヨ王女 悪女」
掲示板が生んだ業の深い議論と、小説版での救済について。 - 「ゼノギアス Perfect Works」
ゲーム本編は氷山の一角。1万年の歴史がここに。 - 「FF7 リバース 世界線」
リメイクで提示された「運命の壁」。エアリス生存の可能性という名の新たな沼。 - 「ラジカル・ドリーマーズ」
『クロノ・クロス』の原型。
かつて幻と呼ばれたテキストADV。 - 「松野泰己 オウガバトルサーガ」
イヴァリースの源流。
こっちも沼です。
