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ゲット・アウト ネタバレ|救出の結末、別エンディングでは逮捕?

ゲット・アウト ネタバレ|救出の結末、別エンディングでは逮捕?

ここからは、ジョーダン・ピール監督の映画『ゲット・アウト』(2017年、原題 Get Out)を結末までネタバレします。物語は劇場公開版のラストまで。比較する別エンディングは、DVD・Blu-rayなどの特典として公開された映像です。

劇場版のクリスは友人ロッドに救出されます。警察に逮捕され、刑務所にいるクリスが登場するのは別エンディングです。「助かったはずなのに、なぜ収監されているの?」という食い違いは、この二つの結末の違いから生まれます。

恋人の実家へ泊まりに行く。それだけでも気を使いますよね。ところがアーミテージ家では、愛想よく挨拶して帰ることさえ許されません。クリスの体を欲しがる人たちが、もう集まっていたんです。

劇場版の結末で、最後の車に乗っていたのはロッド

終盤、負傷したローズのそばに警光灯をつけた車が到着します。運転してきたのは、空港の保安業務を担うTSA職員で、クリスの親友でもあるロッド。クリスは彼の車に乗り、その場を離れます。

助けが来た! でも、赤と青の光を見た瞬間には、喜ぶより先に「クリスが犯人にされるのでは」と身構えてしまいます。傷ついた白人女性と、そのそばにいる血まみれの黒人男性。観客は襲われた経緯を知っていても、到着した人にそれが通じるかは分からないからです。

この不安を残したまま、ロッドの登場で映画は救出に着地します。

ローズの実家で起きたのは、気まずい挨拶だけではない

カップの音とサンケンプレイスの関係

道中の鹿と警官が、ローズを「味方」に見せる

黒人の写真家クリスは、白人の恋人ローズと一緒に、彼女の両親に会いに行きます。ローズは、両親に彼が黒人だとまだ知らせていないと話し、父はオバマに3期目も投票したいほど支持している、と彼を安心させようとしていました。

道中、ローズが運転する車が鹿をはね、警官が来ます。運転していないクリスにも身分証を求める警官に、ローズは強く抗議。初めて観ると、自分のために言い返してくれる頼もしい恋人に見えますよね。

ただ、彼女がこのとき本心からクリスを守っていたのかは、終盤の正体を知ると疑わしくなります。「警察にクリスの記録を残させたくなかった」という読み方もできますが、それは行動からの解釈です。

カップの音で、クリスの意識が暗闇へ沈む

実家では、脳外科医の父ディーン、催眠療法を行う母ミッシー、弟ジェレミーがクリスを迎えます。ディーンは親しげに接する一方、ジェレミーは夕食の席でクリスにしつこく絡む。歓迎されているのに、会話のたびに居心地が悪くなる家です。

黒人の使用人ジョージナとウォルターにも妙な違和感があります。ジョージナは笑顔のまま涙を流し、ウォルターは夜中に屋外を猛スピードで走る。夜の庭でそんな走り方をされたら、こちらは散歩どころではありません。

ミッシーは禁煙のためという口実で、クリスに催眠をかけます。話題は、幼いころにひき逃げで亡くなった彼の母へ。母が帰らない夜、すぐに助けを求めなかったことを、クリスは今も悔やんでいました。

スプーンがティーカップに触れる音を聞くうちに、クリスは体を動かせなくなります。意識は暗闇へ落ち、遠くの小さな画面のように外の様子を見るだけに。これがサンケンプレイス(Sunken Place)です。気を失って何も知らない状態とは違い、見聞きできても、自分の体を操れません。ティーカップの音に、ここまで身構える映画もなかなかありませんね。

翌朝はベッドで目を覚まし、たばこを吸う気も失せています。妙な夢で済ませたいところですが、ミッシーがクリスを止める手段は、すでにできあがっていました。

パーティーの正体は競売。ローズも逃がす気がない

フラッシュで叫んだローガンは、行方不明のアンドレ

翌日の集まりには裕福な白人の客が訪れ、クリスの体や黒人との性生活について、不躾な質問を重ねます。褒めているつもりの言葉でも、本人の気持ちは置き去り。初対面の客に体を品定めされるなんて、居場所がなくなりますよね。

クリスは同じ黒人のローガン・キングに話しかけますが、彼も口調や振る舞いが古風で、うまく会話が通じません。携帯電話で写真を撮ったとき、フラッシュに反応したローガンは鼻血を出し、突然「出ていけ」とクリスに叫びます。

クリスがロッドに送った写真から、ローガンの体は、行方不明になった知人アンドレ・ヘイワースのものだと分かります。冒頭の夜道で拉致された男性も、このアンドレ。フラッシュで一時的に現れたのは、体の奥に押し込められていた本来の彼でした。

クリスとローズが席を外している間、客たちはビンゴの札を掲げ、ディーンの前にあるクリスの写真を競り落とします。落札者は盲目の美術商ジム・ハドソン。パーティーで評価されていたのは、手術で奪うためのクリスの体でした。

写真の箱と車の鍵で、恋人の嘘が崩れる

帰ろうと荷物をまとめたクリスは、ローズと黒人の男女が親しげに写る写真を見つけます。中にはジョージナ、ウォルターとの写真もありました。自分が初めての黒人の恋人だという話と、まるで違うんです。

それでもクリスは、ローズと一緒に逃げようとします。車の鍵を求める彼の前で、ローズはバッグを探すふりを続ける。玄関ではジェレミーが進路を塞ぎ、ディーンとミッシーも待ち構えています。

やがてローズは、持っていた鍵を渡せないと告げます。ローズは一家に巻き込まれた恋人ではなく、クリスを連れてきた共犯者です。ミッシーがカップを鳴らすと、クリスは再び動けなくなり、地下へ運ばれます。

味方だと思っていた人が、目の前で退路を断つ。体の拘束より先に、クリスが頼っていた関係そのものが壊れる場面です。

アーミテージ家は、黒人の体に別人の脳を移植していた

ローマンとマリアンヌが使用人の体を支配

クリスが目を覚ますと、地下室の椅子に縛りつけられています。テレビではローズの祖父ローマンが、一家の脳移植手術を紹介。彼らは秘密組織コアギュラの仲間に、黒人の体を乗っ取らせていました。

体の持ち主の脳は一部が残り、移植された側がその体を支配します。元の持ち主は、サンケンプレイスで見聞きするだけの存在へ。この手術の被害者は、意識を残したまま、自分の人生から締め出されます。

ジムは映像越しに、クリスの視力と写真家としての目を欲しがっていると説明します。肌の色には関心がないと言いながら、本人の同意を無視して体を奪おうとする。クリスの作品を褒めていた言葉も、もう素直には受け取れませんね。

使用人の正体もつながります。ウォルターの体を支配しているのは祖父ローマン、ジョージナの体を支配しているのは祖母マリアンヌ。彼らが家族同然に扱われるのには、文字どおりの理由があったんです。

ここで催眠と移植は区別できます。クリスは催眠で行動を止められていますが、ジムの脳を入れる手術はまだです。一方、アンドレや使用人たちは、すでに移植を受けた側。

クリスは椅子の綿で催眠を防ぎ、屋敷から脱出する

クリスが綿で催眠を防ぎ屋敷から脱出する流れ

気絶したふりをして、手術直前に反撃

クリスは椅子の肘掛けを引っかき、中の綿を取り出します。その綿を耳に詰めてカップの音を遮り、催眠にかかったふりで機会を待ちます。テレビに合図を流しても、今度は意識を奪えません。

手術のためにジェレミーが拘束を外すと、クリスは球で殴って彼を倒します。その間、手術室のディーンは、ジムの頭部を切り開いていました。クリスは鹿の剥製の角でディーンを刺して殺害。手術室には火が広がり、ジムはそこに取り残されます。

クリスの体にジムを移す手術は、実行されずに終わります。ジムの意識がすでにクリスへ入っていて、別人として逃げ出した、という結末ではありません。

上階でミッシーがカップに手を伸ばすと、クリスはそれを壊します。刃物での争いの末にミッシーを殺し、玄関では再び襲ってきたジェレミーの脚を刺して、頭を踏みつけて殺害。最初の一撃で倒した弟が、もう一度立ちはだかるんです。

ジョージナを置き去りにできず、脱出の車が事故を起こす

屋敷を出たクリスは車で走りだしますが、ジョージナをはねてしまいます。母をすぐに助けられなかった記憶がよみがえり、彼女を車へ運び入れる。自分が逃げるだけなら、そのまま走れた場面です。

ところが目を覚ましたジョージナは、クリスに襲いかかります。彼女を支配しているのはローズの祖母でした。車は木に衝突し、ジョージナは死亡。ローズは銃を持って屋外に現れ、クリスへ発砲します。

ミッシーが催眠に利用した罪悪感は、クリスが引き返す理由にもなりました。誰かを見捨てたくないという気持ちまで、一家の罠の中で彼を危険にさらしてしまいます。

ウォルターがローズを撃ち、ロッドがクリスを連れ出す

ローズはウォルターを「おじいちゃん」と呼び、クリスを追わせました。祖父の意識に支配されたウォルターは彼を押さえ込みますが、クリスはローガンのときの変化を思い出し、携帯電話のフラッシュを浴びせます。

本来の意識を取り戻したウォルターは、ローズから銃を受け取ります。クリスを撃つと見せてローズに発砲し、そのあと自分自身を撃って死亡。祖父がローズを裏切った場面ではなく、奪われていた体の持ち主が反撃した場面です。

負傷したローズは、クリスに愛を訴えます。クリスはいったん彼女の首に手をかけますが、最後まで絞め続けることはできず、手を放す。そこで車が到着し、ローズは助けを求めます。

現れたロッドは、途中からクリスの異変を追い続けていました。アンドレの写真を警察へ持ち込んでも、催眠で黒人を性奴隷にするという彼の推理は笑い飛ばされます。ローズにも電話をかけますが、彼女はクリスがすでに帰ったと嘘をつきました。

ロッドは脳移植の仕組みまで言い当てた名探偵ではありません。でも、クリスが危険な場所にいるという判断を捨てなかった友人です。「あの家には行くなと言ったのに」という調子で迎えに来る、その遠慮のなさも含めて頼もしいですよね。最後にTSAの仕事ぶりまで自慢するロッド。友人の救出も業務に含まれるのかと、ちょっと笑ってしまいます。

最後にクリスはロッドと去り、ローズは出血したまま道路に残されます。クリスの救出までが劇場版の着地。

別エンディングでは警察が来る。クリスは刑務所へ

劇場版の救出と特典版の逮捕・収監

特典の別エンディングは、劇場版で助かったクリスの後日談ではありません。道路での場面から、別の結末へ進む映像です。

こちらではクリスがローズの首を絞め続け、到着した本物の警察に逮捕されます。その後、収監されたクリスをロッドが訪問。ロッドは彼を助けるため、屋敷で何があったのかを聞き出そうとしますが、クリスは詳しい説明に応じません。

クリスが口にするのは、一家の行為を自分が止めたという思いです。面会を終えると、看守とともに刑務所の奥へ戻っていく。体を乗っ取られる運命は避けても、自由な生活は取り戻せない、重い幕切れでした。

比べる場面劇場公開版特典の別エンディング
車で到着する人親友ロッド警察官
クリスの最後の居場所ロッドと走り去る車内収監先の刑務所
ロッドが果たす役割現場から連れ出す面会し、助ける方法を探る

結末を変更した背景には、観客に脱出の喜びを感じてほしいというピールの判断がありました。劇場版でも警光灯は一瞬、逮捕への恐怖を呼び戻す。その不安を消し去らずに、ロッドとの友情でクリスを救っています。

結末の注意点:ローズの最期と、描かれないその後

劇場公開版はロッドに救出される結末で、逮捕後の面会まで描くのが特典の別エンディングです。

劇場版のローズは、撃たれたあとも生きており、クリスに話しかけ、車へ助けを求めます。出血したまま取り残されるのが、ローズの最後の姿です。「クリスが首を絞めて殺し、そのあと警察が来た」とすると、劇場版と特典版が混ざってしまいます。

ウォルターの反撃も、すべての被害者が元に戻った証明ではありません。

ここからはラストの解釈です。私は、劇場版の救いは「世の中の問題が解決した」ことより、クリスを信じて迎えに来た人がいたことにあると感じます。犯行の全貌を理解できなくても、友人の危険を放っておかなかったロッド。あの車内でようやく、クリスが誰かを警戒し続けなくていい時間が戻るんです。

もう一度観るなら、ローズの鍵とフラッシュに注目

再鑑賞では、ローズがクリスをかばう道中、写真を見つけたあとの鍵のやり取り、ローガンがフラッシュに反応する瞬間を続けて追ってみてください。親切だと思った行動への疑いと、逃げるためにクリスが覚えていた手段が、具体的な場面としてつながります。

屋敷での歓迎と催眠の不気味さを振り返れる、Universal Pictures公式の英語版予告です。

収監される結末を映像で観たい場合は、利用する商品の特典一覧で「もう一つのエンディング」の収録を確かめてください。『ゲット・アウト』Blu-ray・DVD作品ページも参考になります。本編を配信していることと、特典まで観られることは別なので、特典を目的に購入・レンタルするなら、収録内容を見てからです。

よくある質問

クリスは最後、脳を入れ替えられていますか?

彼への移植は未実施です。ジムの手術が始まった段階で脱出しており、救出されたクリスは自分の意識で行動しています。

ローガンの「出ていけ」は、クリスへの敵意ですか?

危険な家から逃げろという警告でした。一瞬だけ表に戻ったアンドレが、クリスに自分と同じ被害を受けさせまいと叫んだ、と理解できます。

ローズも催眠で操られていたのですか?

本編に、ローズが催眠で従わされていたという説明はありません。鍵を隠す、ロッドに嘘をつく、銃で追うという行動は、獲物を逃がさない共犯者として描かれています。

「逮捕されるほうが本当の結末」なのでしょうか?

完成して劇場で公開された映画は、友人と立ち去る結末です。逮捕と面会の映像は、特典として観られる別の結び方に当たります。

まとめ

アーミテージ家の企みは、恋人を装ったローズが黒人を連れてきて、別人の脳でその体を支配することでした。クリスは音を遮って拘束から抜け出し、屋外では本来のウォルターの反撃によって、ローズの追跡も止まります。

公開版が残したのは親友の車で去る姿、特典版が残したのは刑務所へ戻る姿。この違いを知ると、あの警光灯がなぜあれほど怖く、ロッドの顔を見た途端になぜ息をつけるのかまで、はっきり感じられますね。

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