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【2025年版】トライエース没落の真実と復活へのシナリオ!スターオーシャン3のトラウマから新作の展望まで徹底考察

この記事はこんな人に向けて書いています

  • 「トライエース」と検索するたびに「倒産」「サービス終了」「ひどい」というサジェストを見て、胸が締め付けられるような思いをしている人
  • 『スターオーシャン3』の「FD人」設定で受けた心の傷が20年以上経っても癒えず、それでもシリーズの行く末を見届けたいと思っている人
  • ネット上の「オワコン」という無責任な言葉に疲れ果て、決算書や技術動向に基づいた「本当の現状」と「希望」を知りたい人

伝説のスタジオが直面した「現実」という名のラスボス

「昔はよかった」

なんて言葉、私は大嫌いです。

夕飯の献立を考えるときに

「昔はもっと安く野菜が買えたのに」

とぼやくのと同じくらい、生産性がないですからね。

 

でも、こと「株式会社トライエース」に関しては、どうしてもその言葉が喉まで出かかってしまう。

そんな経験はありませんか?

 

かつてスーパーファミコンやPlayStationの時代、彼らは間違いなく「神」でした。

圧倒的な技術力、変態的(褒め言葉です)な戦闘システム、そして桜庭統さんの脳髄を揺さぶるプログレサウンド。

 

それがいつしか、

「バグが多い」

「グラフィックが人形みたい」

「予算不足が見え見え」

と言われるようになり、2022年にはついに「債務超過」という、企業としての心肺停止寸前の状態にまで追い込まれました。

 

私たちファンは、ただ面白いゲームが遊びたいだけなのに、なぜか経営の心配までさせられる。

まるで、才能はあるのに金遣いが荒くて借金を繰り返すバンドマンの彼氏を支えているような、そんな奇妙な愛憎関係が続いています。

通勤電車で決算書を読む主婦ライターが、真実を暴きます

申し遅れました。

私は都内に住む40代の会社員兼ライターです。

家では義理の両親と同居し、反抗期に片足を突っ込んだ小4の息子と格闘し、満員電車に揺られて通勤する、ごく普通の主婦です。

 

でも、ひとつだけ普通じゃないことがあります。

それは、青春のすべてをトライエースのRPGに捧げ、今はNJホールディングス(トライエースの親会社)の決算資料を読み解くことが趣味になっている点です。

 

「感情論」や「懐古趣味」だけで語るのは簡単です。

でも、それでは現実は見えません。

 

私はライターとしてのリサーチ力と、主婦としてのシビアな経済感覚(スーパーの底値にはうるさいのです)をフル活用し、徹底的に調べ上げました。

この記事であなたが手に入れる「装備品」

この記事を読み終えたとき、あなたは以下の情報を手に入れています。

  1. 没落の構造的要因
    なぜ「技術屋集団」は、HD開発の波に溺れ、債務超過に陥ったのか。
    その「本当の理由」を、技術と経営の両面から解剖します。
  2. 空白の20年を埋める解釈
    『SO3』のトラウマから『SO5』の虚無まで、私たちが感じた違和感の正体を言語化します。
  3. 未来へのロードマップ
    2025年現在の財務状況と、Unreal Engine 5への移行が意味するもの。
    そして『スターオーシャン7』や『ヴァルキリープロファイル3』の実現可能性。

結論:伝説は死んでいません。リスポーンの待機中なだけです

断言します。

この記事を読めば、ネット上の「トライエースは終わった」という言葉が、いかに浅いかが分かります。

 

彼らは今、30年分の垢を落とし、新しい装備で再出発しようとしています。

その「再生」の物語を、私と一緒に目撃しませんか?

 

少し長くなりますが、中央線が東京駅に着くまでの時間、あるいは家事の合間の息抜きに、お付き合いください。

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第1章反逆の狼煙(1995年以前~1996年)

若き天才たちの「独立戦争」:ウルフチームからの脱走

時計の針を、私がまだ長崎の実家で怖いもの知らずだった1990年代半ばに戻しましょう。

当時のゲーム業界には、今のベンチャー企業のような熱気と、少し危なっかしい空気が充満していました。

その中心で起きた「事件」こそが、トライエースの始まりです。

 

舞台は、日本テレネット傘下の「ウルフチーム」。

そこでスーパーファミコン用ソフト『テイルズ オブ ファンタジア』(1995年)を作っていた若者たちが、この物語の主人公です。

 

中心にいたのは、当時19歳という若さでメインプログラムを組み上げていた天才・五反田義治氏。

それに、ゲームデザイナーの則本真樹氏、ディレクターの浅沼穣氏ら。

 

彼らは、ただ優秀なだけじゃなかった。

「自分たちの理想」のためなら、親会社だろうが何だろうが噛みつく、制御不能なエネルギーの塊でした。

 

当時の彼らが直面していたのは、販売元であるナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント)との深刻な確執です。

仕様の変更、納期の強制、タイトルの書き換え。

そして何より、

「自分たちが作ったという証(クレジット)が正当に残らない」

という現実は、クリエイターとしての自尊心をズタズタにするものでした。

 

これ、今の私の仕事でもあります。

「渾身の記事を書いたのに、クライアントの意向で骨抜きにされ、しかも記名なし」みたいな。

胃が痛くなりますよね。

でも、彼らの怒りはその程度じゃ収まりませんでした。

「自分たちが本当に面白いと思うものを、妥協なく作りたい」

「クオリティこそが正義だ」

そんな純粋すぎる、そして若さゆえの無謀な動機で、彼らはウルフチームを集団脱退します。

そしてエニックス(現スクウェア・エニックス)の出資を受け、1995年3月、新会社を設立しました。

 

社名は「トライエース(tri-Ace)」

 

3人の創業メンバーを、トランプの最強カード「エース」になぞらえた名前。

「俺たちは最強だ」と自ら名乗るその度胸。

上京したての頃、根拠のない自信だけで東京の街を歩いていた自分を思い出して、なんだか眩しいです。

『スターオーシャン』:SFCの限界をあざ笑うオーパーツ

独立翌年の1996年、彼らは処女作『スターオーシャン』をリリースしました。

これがもう、技術的な暴力でした。

 

当時、スーパーファミコンは末期も末期。

PlayStationなどの次世代機が出回り、「SFCはもう古い」と言われていた時期です。

しかし、トライエースはそこに「未来」を詰め込みました。

 

まず、容量が48M。

当時のカートリッジとしては規格外のサイズです。

そして何より衝撃だったのが「声」です。

 

SFCの音源チップでは不可能と言われていた「クリアな肉声」を、戦闘中に再生させたんです。

「フレキシブル・ボイス・ドライバー」という独自技術らしいですが、理屈はどうあれ、テレビからキャラが喋りまくる衝撃は凄まじかった。

「技術のトライエース」という異名は、この瞬間に爆誕しました。

 

物語も尖っていました。

剣と魔法のファンタジー世界に、いきなり宇宙船や遺伝子工学といったSF要素をぶち込む。

「未開惑星保護条約」なんて単語がRPGで飛び交うなんて、誰が想像しました?

 

彼らは、「RPGとはこうあるべき」という常識に中指を立てていたんだと思います。

そして私たちは、その反骨精神に痺れたんです。

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第2章黄金期の輝きと青春の幻影(1997年~2000年)

『スターオーシャン セカンドストーリー』:もはや「教科書」になった名作

1998年、戦場をPlayStationに移して発売された『スターオーシャン セカンドストーリー(SO2)』。

これはもう、私が語るまでもないでしょう。

シリーズ最高傑作との呼び声も高い、不朽の名作です。

 

このゲームの何が凄かったって、その「自由度」と「やり込み」の深さです。

  • 主人公を男女どちらから選ぶかで物語の視点が変わる「ダブルヒーローシステム」
  • 仲間との親密度によってイベントやエンディングが無数に変化する「プライベートアクション(PA)」
  • そして、料理、執筆、アート、錬金術……戦闘以外のスキルを極めまくれる「アイテムクリエイション」

これ、今のオープンワールドゲームに通じる「遊びの幅」を、PS1の時代に実現していたんですよ。

私は当時、攻略本を片手に、全員分のエンディングを見るまでコントローラーを離しませんでした。

 

桜庭統さんの奏でる、あの疾走感あふれるプログレ・バトルBGMを聞くだけで、今でも夕飯の支度をする手が速くなります。

世界累計109万本。

トライエースは、名実ともにJRPGのトップランナーになりました。

『ヴァルキリープロファイル』:死と芸術の舞踏

そして1999年。『ヴァルキリープロファイル(VP)』が登場します。

これがまた、とんでもない作品でした。

 

北欧神話をベースに、「死」を真正面から描いた重厚なシナリオ。

主人公のレナス・ヴァルキュリアは、死にゆく英雄たちの魂を集め、神界戦争へと送る「死神」のような存在です。

毎回、仲間になるキャラクターが死ぬところから始まるんですよ?

暗い。

あまりにも暗い。

でも、美しい。

 

システムも革命的でした。

ダンジョン探索は横スクロールのアクション。

戦闘に入ると、コントローラーの4つのボタン(〇×△□)に割り振られたキャラクターをタイミングよく押してコンボを繋ぐ。

 

まるで格闘ゲームのような爽快感と、RPGの戦略性が融合していました。

「決め技(必殺技)」の演出も、ドット絵アニメーションの極致。

「ニーベルン・ヴァレスティ!」というボイスと共に敵が粉砕される快感。

あれは中毒になります。

 

この時期のトライエースは、まさに無敵でした。

出すゲームすべてが傑作。「スクウェア、エニックス、そしてトライエース」と並び称されるほどの存在感。

私たちファンは信じて疑いませんでした。

「この会社が作るRPGにハズレはない」と。

 

でも、満月は欠けるためにあるんです。

黄金期は、永遠には続きませんでした。

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第3章神殺しと技術の迷宮(2001年~2010年)

『スターオーシャン3』:あまりにも残酷な「真実」

2003年、PlayStation 2で発売された『スターオーシャン3 Till the End of Time(SO3)』。

この作品は、トライエース史上最大の商業的成功(約140万本)を収めたと同時に、ファンの心に消えないトラウマを植え付けた「問題作」でもあります。

 

ゲームとしては最高峰でした。

フル3Dになったフィールド、さらに進化したハイスピードバトル。

 

しかし、物語の終盤で明かされる「ある設定」が、すべてをひっくり返しました。

ここからはネタバレ全開で書きますね。

もう20年前のゲームだし、時効でしょう。

 

物語のクライマックス、主人公たちは世界の真実にたどり着きます。

なんと、彼らが冒険していた広大な宇宙、守ってきた惑星、愛したヒロイン、そして過去作(SO1、SO2)の伝説的な英雄たち……

 

そのすべてが、「4次元人(FD人)」という上位存在が作ったオンラインゲーム『エターナルスフィア』の中のデータに過ぎなかったのです。

 

分かりますか、この絶望感。

私たちが何百時間もかけてレベルを上げ、世界を救ってきたのは、高次元の存在(プレイヤーである私たち人間に近い存在)が暇つぶしで遊ぶための「ゲームの中の出来事」だったと突きつけられたんです。

 

これは、五反田氏なりの究極のSF的アプローチだったのでしょう。

「我々の宇宙もシミュレーションかもしれない」

というシミュレーション仮説はSFの定番ですから。

 

でも、RPGというジャンルにおいて、それは「禁じ手」でした。

ファンは「あちら側の世界」に没入したくてゲームをしているのに、

「お前たちがいるのは作り物の世界だ」

と公式から宣告されたようなものです。

 

「ドラクエの映画でラストに『大人になれ』と言われた時の冷や水」と言えば、伝わるでしょうか。

あれに近い感覚を、2003年の時点でやってしまったんです。

 

この「FD人設定」により、スターオーシャンシリーズの時系列は完全に詰みました。

SO3より未来を描こうにも、「どうせゲームの世界だし」という虚無感が付きまとう。

結果、これ以降の続編はすべて「SO3より前の時代」を描くしかなくなりました。

自らの手で、未来への扉を閉じてしまった。

まさに「神殺し」です。

職人はなぜ道具に溺れるのか:ASKAエンジンの功罪

2000年代後半、ゲーム業界に大きな波が押し寄せます。

「HD(ハイデフィニション)開発」の波です。

PS3やXbox 360の登場により、グラフィックの表現力は飛躍的に向上しましたが、同時に開発費と労力も爆発的に増大しました。

 

ここで、トライエースの「職人気質」が裏目に出始めます。

海外のスタジオが「Unreal Engine」などの汎用ゲームエンジンを採用し、効率的に高品質なゲームを量産する体制へシフトする中、トライエースは自社開発エンジン「ASKA Engine」に固執しました。

「自分たちの作りたい表現は、汎用品では作れない」

「レンダリングの一ドットまでこだわりたい」

その心意気は、日本のモノづくり精神そのものです。

でも、ビジネスとしては悪手でした。

限られたリソースの大半を「エンジンの開発・維持」に取られ、肝心の「ゲームの中身」を作り込む時間が削がれていったのです。

 

料理人で例えるなら、最高の料理を作ることよりも、最高の包丁を研ぐことに熱中してしまい、客を待たせている状態。

その結果生まれたのが、『インフィニット アンディスカバリー』(2008年)や『スターオーシャン4』(2009年)といった作品群でした。

 

グラフィックは確かに綺麗。光の表現なんてため息が出るほど。

でも、バグが多かったり、システムが独りよがりだったり、キャラクターのモデリングが「不気味の谷」現象を起こしていたり。

特に『SO4』のキャラデザは、海外で「人形みたいで怖い」と酷評されました。

技術に溺れて、ユーザーの感性が見えなくなっていたのかもしれません。

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第4章没落へのカウントダウンと「虚無」の到来(2011年~2021年)

独立の終わるとき:買収、そして下請けへ

開発費の高騰は、中規模スタジオの体力を容赦なく奪っていきます。

2015年、ついにトライエースは独立を維持できなくなりました。

モバイルコンテンツ事業を行う「ネプロジャパン(現・NJホールディングス)」に買収され、子会社となったのです。

 

かつてナムコに反旗を翻して独立した彼らが、生き残るために別の資本の傘下に入る。

サラリーマンとして働いていると、この辺りの事情が痛いほど想像できて辛いですね。

「理想だけじゃ食っていけない」という現実。

 

これ以降、トライエースは「自社オリジナルの新作」よりも、親会社やスクウェア・エニックスからの受託開発、そしてスマホゲームの開発へと軸足を移さざるを得なくなります。

『スターオーシャン5』:シリーズを殺しかけた「虚無」

そして2016年。ファンにとって悪夢のような出来事が起きます。

『スターオーシャン5 -Integrity and Faithlessness-』の発売です。

PS4で出る久しぶりのナンバリングタイトル。

「原点回帰」を謳っていただけに、期待は高まっていました。

 

しかし、蓋を開けてみると……。

言葉を選ばずに言えば、「未完成品」でした。

  • ボリューム不足
    メインストーリーが20時間そこそこで終わる。
    RPGとしては短編小説レベル。
  • 演出の欠如
    予算がなかったんでしょうね。
    ドラマチックなムービーシーンがほとんどなく、フィールド上でキャラが棒立ちで会話するのを眺めるだけの「シームレスイベント」が延々と続く。
    カメラワークも悪くて、何が起きているのか分からない。
  • カルガモ移動
    仲間キャラ全員が、主人公の後ろを一列に並んでついてくる。
    その姿が「カルガモの引越し」みたいで、シリアスな場面でも笑ってしまう。
  • 戦闘の単調化
    かつての戦略性はどこへやら、エフェクトが派手すぎて画面が見えず、とりあえずボタンを連打するだけのゲームに。

Metacriticスコアはシリーズ最低の61点

 

Amazonのレビュー欄は阿鼻叫喚の地獄絵図。

「金返せ」ならまだしも、「悲しい」「もう休ませてやってくれ」という諦めの声が多かったのが印象的でした。

この作品で、スターオーシャンというブランドは一度、完全に死にました。

債務超過:数字が示す「死」

コンシューマーでの失敗を埋めるため、会社はスマホゲーム『スターオーシャン:アナムネシス』に命運を託しました。

歴代キャラ総出演のお祭りゲー。3Dモデルの出来は素晴らしく、最初は盛り上がりました。

私もやってましたよ、通勤電車の中で。

 

でも、ソシャゲの運営って難しいんですよね。

インフレが進み、ユーザーが離れ、2021年にサービス終了。

 

そして2022年6月期の決算。

突きつけられたのは「債務超過」という四文字でした。

 

売上高は前年比4割減の12億円。最終赤字は約7億円。

赤字が積み重なり、会社の資産より借金の方が多い状態。

いつ倒産してもおかしくない、まさに瀕死の状態です。

 

ネットニュースでこの文字を見たとき、私は思いました。

「ああ、終わったんだな」と。

かつての栄光を知るだけに、ボロボロになって消えていく姿を見たくない。

そんな気持ちでした。

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第5章:比較文化論なぜ彼らは勝てなかったのか

ここで少し視点を変えて、同時期を生き抜いた他のRPGスタジオと比べてみましょう。

なぜトライエースだけが「没落」と言われるまでになってしまったのか。

超俯瞰的な視点で分析すると、残酷なまでの戦略の違いが見えてきます。

vs モノリスソフト(ゼノブレイド):パトロンを見つけた天才たち

モノリスソフトも、かつてはスクウェア(ゼノギアス)やナムコ(ゼノサーガ)で苦労したスタジオです。

トライエースと似た境遇でした。

 

しかし彼らは、2007年に任天堂の子会社になるという「最強の生存戦略」を選びました。

任天堂という潤沢な資金源と、故・岩田聡社長のようなクリエイティブへの深い理解。

この後ろ盾を得て、高橋哲哉氏は採算度外視で広大なフィールドを作り込むことが許されました。

 

結果、『ゼノブレイド』シリーズは世界的な評価を獲得。

「理解あるパトロンを見つけること」。

これがモノリスの勝因でした。

vs フロム・ソフトウェア(エルデンリング):狂気をブランドにした異端児

フロム・ソフトウェアは、さらに異質です。

『デモンズソウル』以降、「死にゲー」という超ニッチでマゾヒスティックなジャンルを貫き通しました。

 

普通なら「難しすぎて売れない」と日和るところを、彼らは一切妥協しなかった。

その結果、その高難易度が逆に世界中のゲーマーの挑戦心に火をつけ、ブランド化しました。

また、KADOKAWAグループの下で経営を安定させつつ、IP(知的財産)の権利をしっかり自社側でコントロールしたのも賢かった。

 

「独自性を極限まで尖らせ、それを世界標準にする」。

これがフロムの勝因です。

トライエースの敗因:中途半端な優等生

対してトライエースは、どっちつかずでした。

スクエニという巨大パブリッシャーに依存しつつも、完全な後ろ盾(ファーストパーティ化)は得られず、常に予算と納期の板挟み。

 

技術へのこだわりはあったけれど、フロムのようにゲーム性を尖らせきる勇気もなく、大衆受けを狙って中途半端に丸くなってしまった(SO5のような)。

 

「技術はあるけど、プロデュース力と経営戦略がなかった」。

厳しい言い方ですが、これが私の結論です。

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第6章再生への道(2022年~現在)

『スターオーシャン6』:崖っぷちで見せた職人の意地

債務超過。

倒産寸前。

そんな絶望的な状況下で、2022年10月に発売されたのが『スターオーシャン6 THE DIVINE FORCE』です。

正直、私も期待していませんでした。「どうせまた未完成なんでしょ?」と。

 

でも、プレイして驚きました。

「面白い……!」

 

確かに予算不足は感じます。

UIの文字は豆粒みたいに小さいし、キャラの顔は好みが分かれる。

最適化不足でカクつくこともある。

 

でも、それを補って余りある「熱」があったんです。

 

新システム「D.U.M.A.(デュマ)」。

フィールドを縦横無尽に飛び回り、敵に向かって超高速で突撃する。

このアクションが、とにかく気持ちいい。

「ああ、トライエースはこれをやりたかったんだ」と直感しました。

 

移動と戦闘がシームレスに繋がり、ストレスなく広大な世界を駆け巡る快感。

SO5で失われた「冒険している感覚」が、そこには確かにありました。

 

Metacriticスコアは70点台まで回復。

ユーザー評価はさらに高い。

爆発的なヒットではありませんが、堅実に売れ、親会社NJホールディングスのゲーム事業を黒字転換させました。

首の皮一枚で繋がったんです。

『スターオーシャン2R』:外部の血が証明した価値

そして2023年、『スターオーシャン セカンドストーリー R』が発売されます。

ただし、これを作ったのはトライエースではありません。

元社員が立ち上げた「ジェムドロップ」という別の会社です。

 

これが皮肉なことに、大絶賛されました。

ドット絵と3D背景を融合させた「2.5D」グラフィック。

現代的に遊びやすく調整されたシステム。

Metacriticスコア87点。

神リメイクの称号を得ました。

 

「トライエースが作らなくても、スターオーシャンは面白い」

これはある意味で屈辱かもしれません。

でも、ポジティブに捉えれば「スターオーシャンというIP(素材)には、まだ世界で戦えるだけの輝きがある」という証明でもあります。

決断:ASKAとの決別、UE5への合流

そして現在、2025年。

トライエースの求人情報には、ある変化が起きています。

 

「Unreal Engine 5(UE5)経験者募集」

 

長年固執してきた自社エンジン「ASKA」に見切りをつけ(あるいは併用し)、ついに世界標準の汎用エンジンを受け入れたのです。

これは、老舗の頑固親父が、自分の打った包丁を置いて、最新の電動スライサーを導入するようなものかもしれません。

寂しさはあります。

 

でも、それによって「エンジンのメンテ」という重荷から解放され、得意な「ゲームの面白さ作り」に専念できるなら、それは正しい進化です。

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第7章:未来展望銀河の果てで待つもの

さて、30周年を迎えたトライエースは、これからどこへ向かうのでしょうか。

一介のファンであり、ライターである私の勝手な(でもガチな)予測を聞いてください。

1. 「AAA」の夢を捨て、「AA(ダブルエー)」の覇者になれ

もはや、数百億円をかける超大作(AAAタイトル)で、海外勢と真っ向勝負するのは無理です。体力が違いすぎます。

でも、トライエースには「手触りの良さ」という武器があります。

 

予算規模は中程度(AA級)でも、システムが深くて、やり込み要素が異常にあるRPG。

『ヴァルキリープロファイル』のような、グラフィックの物量ではなく「センス」で勝負する作品。

そこに活路があるはずです。

UE5を使えば、少人数でも見栄えの良い絵は作れますから。

2. 『ヴァルキリープロファイル』正統続編の待望

2022年に出た『ヴァルキリーエリュシオン』(外注作)は、悪いゲームじゃなかったけど、「これじゃない」感が強かった。

ファンが待っているのは、横スクロールとRPGが融合した、あの独特のシステムです。

 

『SO2R』で証明されたHD-2D的な表現や、ヴァニラウェアのような美麗な2Dアートで描かれる、原点回帰した『VP3』。

これが出たら、私は泣いて喜びますし、発売日に有給取ります。

3. 受託開発のスペシャリストとして

自社ブランドへのこだわりを捨て、他社の大作ゲームの「戦闘パート」だけを請け負うという道もあります。

実際、過去に『FF13-2』などの開発協力をしていましたし、彼らのバトル構築能力は業界随一です。

「アクションRPGの戦闘ならトライエースに任せとけ」

という、最強の傭兵部隊。

それでも会社は存続しますし、技術も継承されます。

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エピローグそれでも私は、新作を待っている

長々と語ってきましたが、結局のところ、私はトライエースが好きなんでしょうね。

「FD人」に絶望しても、「カルガモ移動」に呆れても、それでも新作が出ると聞けば心が躍る。

 

それは、彼らが作るゲームにしかない「匂い」があるからです。

桜庭統さんの激しいキーボード、中二病全開の技名、桁外れのダメージ数値、理不尽な隠しボス……。

 

没落?

上等じゃないですか。

一度死んだ英雄が、地獄から這い上がって神に挑むなんて、それこそ『ヴァルキリープロファイル』のシナリオみたいで燃える展開です。

 

2025年11月現在、彼らはまだ生きています。

静かに爪を研ぎ、次の「エース」を切る準備をしているはずです。

 

だから、検索窓の「没落」なんて言葉に惑わされないでください。

伝説は死にません。

ただ、リスポーン(再出撃)のタイミングを計っているだけなんです。

 

さて、そろそろ息子が塾から帰ってくる時間ですね。

今夜は久しぶりに、押し入れからPS2を引っ張り出して、『SO3』でも起動してみようかな。

あの頃の私が、まだ宇宙の果てで待っているような気がするから。

タイトル発売年プラットフォームMetacritic特記事項
スターオーシャン21998PS180シリーズ最高傑作。世界累計109万本超。
ヴァルキリープロファイル1999PS181カルト的人気を誇る名作。
スターオーシャン32003PS280シリーズ最大売上(約140万本)。FD人問題で賛否。
スターオーシャン42009X360/PS372モデリング不評。売上は堅調だが評価下落。
スターオーシャン52016PS458シリーズ最低評価。未完成品との批判。
スターオーシャン62022PS5/PS470評価持ち直し。D.U.M.A.システム好評。
スターオーシャン2R2023Switch/PS587Gemdrops開発。リメイクとして極めて高評価。

※売上データは各社発表および推計値に基づく。Metacriticスコアは執筆時点のもの。

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