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【完全版】メタルギア2ソリッドスネークのストーリーネタバレ!結末から裏設定まで徹底解説

毎日お疲れ様です。

満員電車に揺られながら、あるいは家事や育児の隙間時間に、スマホでこの記事を開いてくださったのでしょうか?

 

実は私も今、片道1時間の通勤電車の中でこれを書いています。

反抗期真っ只中の小学4年生の息子と、同居する義理の両親との絶妙な距離感に悩みながら働く、ごく普通の主婦ライターです。

 

そんな戦場のような日常を生きる私たちが、ふとゲームの世界に没頭したくなる時…

ありますよね。

でも、こんな悩みを持っていませんか?

  • 「『メタルギア』シリーズのストーリー、興味はあるけど昔の作品すぎて手を出しづらい…」
  • 「Wikiを読んでも専門用語や人間関係が複雑すぎて、結局どういうことなのか頭に入ってこない」
  • 「最新作はやったけど、ビッグ・ボスとスネークの間に何があったのか、実は詳しく知らないままモヤモヤしている」

わかります、その気持ち。

痛いほどわかります。

今は2025年12月。

ゲームは進化し、映画のような映像が当たり前になりました。

そんな中で、レトロなドット絵のゲームを「ストーリー理解のために」プレイするのは、時間のない私たちには正直ハードルが高いですよね。

 

でも、ここだけの話、断言させてください。

この『メタルギア2』を知らずして、メタルギアの魂は語れません。

 

私は長崎県出身ということもあり、「核と平和」というテーマには人一倍こだわりを持ってきました。

そんな私が、MSX2版オリジナルから2025年現在の『マスターコレクション』環境までを含めた膨大な資料を読み込み、これまでのライター人生の全てを掛けて、この物語を徹底的に解剖しました。

 

この記事では、以下の内容を余すところなく解説します。

  • ストーリーの全貌と結末を、時系列順に小説のように分かりやすく
  • 「なぜスネークは孤独なのか」「なぜビッグ・ボスは悪に落ちたのか」という核心
  • 『MGSV』や『MGS4』の設定を踏まえた、2025年視点での完全な答え合わせ

この記事を読むことで、あなたはネット上の断片的な情報に振り回されることなく、

わずか20分程度の読書でシリーズ最大の謎を解き明かし、感動のエンディングまで到達できます。

 

結論から言いましょう。

この記事を読み終えた時、あなたは『メタルギア2』という作品が、単なるレトロゲームではなく、

現代社会の矛盾を鋭く突いた「予言の書」であること

に気づくはずです。

 

さあ、準備はいいですか?

ここからはネタバレ全開、手加減なしです。

深呼吸をして、1999年のザンジバーランドへ一緒に潜入しましょう。

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【完全ネタバレ】初代メタルギアのストーリー結末とMGSVの真実を徹底解説!アウターヘブン蜂起の全貌

メタルギアシリーズのストーリーを時系列順に結末までネタバレ

小島秀夫の現在は?リークや最新作の噂を超考察【メタルギア】

序章幻の続編と運命の帰還

新幹線で生まれた奇跡のプロジェクト

まずは、このゲームが生まれた経緯からお話ししましょう。

ここからして既にドラマなんです。

 

時は1980年代後半。

1987年に発売された初代『メタルギア』は大成功を収めました。

でも、生みの親である小島秀夫監督には、当初続編を作る気なんてサラサラなかったそうです。

 

運命が変わったのは1989年。

小島監督が出張帰りの新幹線に乗っていた時のこと。

たまたま乗り合わせた後輩スタッフから、衝撃の事実を聞かされます。

「実は今、海外向けに小島さんの関わらない続編『スネークズ・リベンジ(Snake's Revenge)』が作られてるんです。でも、僕らが本当に遊びたいのは、小島さんが作る本物の続編なんですよ!」

想像してみてください。

自分の知らないところで、自分の子供(作品)の兄弟が勝手に作られている状況を。

クリエイター魂に火がつかないわけがありません。

監督は移動中の車内で構想を練り上げ、翌日には会社に企画書を叩きつけたそうです。

 

もしあの日、監督が飛行機で移動していたら?

あるいは爆睡していて後輩の話を聞いていなかったら?

 

今の『メタルギアソリッド』シリーズはこの世になかったかもしれません。

人生、どこに分岐点があるかわからないものですね。

私たちの日々の仕事だって、どこでどう転ぶかわからない。

だからこそ面白いのかもしれません。

1999年、冷戦後の新たな脅威

物語の舞台は1999年。

現実の世界ではノストラダムスの大予言で持ちきりだった頃ですが、このゲームの世界線ではもっと現実的で深刻な危機が進行していました。

 

冷戦構造は崩壊しましたが、平和なんて訪れませんでした。

むしろタガが外れたように、世界は二つの脅威に晒されていました。

 

一つは「核の拡散」

大国が緊張緩和ムードになる一方で、核兵器の管理が杜撰になり、廃棄予定の核がテロリストや小国に流出しまくっていたのです。

長崎出身の私としては、この設定だけで背筋が凍る思いがします。

平和ボケした世界への強烈な警鐘ですよね。

 

もう一つは「エネルギー危機」

石油が枯渇し、世界経済はパニック寸前。

ガソリン価格が高騰して家計を直撃するなんてレベルじゃありません。

文明社会の崩壊が見えていたのです。

 

そんな絶望的な状況下で、一筋の希望が現れます。

チェコの天才生物学者キオ・マルフ博士が発明した微細藻類「OILIX(オイリックス)」です。

 

これ、凄まじいですよ。

わずかな藻と水があれば、高純度の石油を精製できるんですから。

現代で言えば、水道水からガソリンが湧いてくるようなものです。

主婦としては、食用油も安くなるのかしら?

なんて考えてしまいますが、事はもっと重大です。

 

しかし、人類を救うはずの博士は、学会へ向かう途中で拉致されてしまいます。

犯人は、中央アジアの小国「ザンジバーランド」

 

1997年に独立戦争を経て樹立されたこの軍事政権国家は、世界中の廃棄核兵器をかき集めて「世界唯一の核武装国家」となり、さらにOILIXを独占することで、世界の軍事と経済の両方を牛耳ろうとしていたのです。

 

核とエネルギー。

この二つのカードを握られたら、大国といえども手出しできません。

ザンジバーランドは、国家規模の「人質ビジネス」を始めたようなものです。

OPERATION INTRUDE F014:英雄の再召集

事態を重く見た米国政府は、切り札を切ります。

ハイテク特殊部隊「FOXHOUND(フォックスハウンド)」の出動です。

 

かつての総司令官ビッグ・ボスが失踪した後、新司令官に着任していたロイ・キャンベル大佐は、一人の男を呼び戻します。

 

4年前のアウターヘブン蜂起(前作)をたった一人で鎮圧した英雄、ソリッド・スネークです。

 

スネークは前回の任務後、CIAにスカウトされたものの、組織の腐敗っぷりに嫌気が差して退職。

カナダの原野で一人、隠遁生活を送っていました。

 

「もう組織には属さない」

そう誓っていたはずの彼ですが、「マルフ博士の救出」と「世界の危機の阻止」、そして何より戦場という場所が発する抗いがたい重力に引かれ、再び潜入任務(スネキング・ミッション)を受諾します。

 

作戦コードネームは「OPERATION INTRUDE F014」

決行日は1999年12月24日、クリスマスイブ。

世間がケーキやプレゼントで浮かれている時に、たった一人で敵地へ飛び込む。

これぞハードボイルド。

私なら休日出勤手当を3倍要求するところですが、スネークは黙って任務に向かいます。

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第一部潜入と疑惑の影

進化したステルス、新たなる戦場

ザンジバーランド北側の絶壁をフリークライミングで登りきったスネーク。

彼を待っていたのは、前作とは比較にならないほど進化した警備網でした。

 

ここで特筆すべきは、MSX2というハードウェアの限界に挑んだゲームシステムの進化です。

敵兵士のAIが賢くなっているんですよ。

視界は45度まで広がり、首を振ってキョロキョロと警戒し、さらに「音」にも反応します。

 

床の材質によって足音が変わるため、鉄板の上では音を立てないように匍匐(ほふく)前進をする。

トラックの荷台に隠れたり、通気口を這いずり回ったり。

 

まるで、義実家の廊下を夜中にトイレに行く時のような緊張感です。

板張りの床が軋まないように歩く、あの感覚に近いかもしれませんね(笑)。

 

この潜入を支えるのが、本作で初登場した「9画面ソリトンレーダー」

画面切り替え式のマップ上で、敵の位置(赤い点)と視界を表示するシステムです。

「見えない隣の部屋の状況がわかる」というのは、当時としては画期的でした。

後のMGSシリーズでも標準装備となる、スネークの「第三の目」ですね。

 

サポートメンバーも豪華です。

  • 作戦指揮:ロイ・キャンベル大佐
  • サバイバル指導:マクドネル・ミラー(後のサングラス姿でお馴染みマスター・ミラー)
  • 軍事アナリスト:ジョージ・ケスラー
  • 動物学者:ヨハン・ヤコブセン

そして現地には、ジャーナリストとして潜入中のCIA工作員、ホーリー・ホワイトが協力者として待機していました。

このホーリー、キャリアウーマンとしてバリバリ働いていますが、戦場でも化粧を欠かさないような強さを持った女性です。

最初のボス:ブラック・ニンジャの正体

潜入直後、スネークはマルフ博士の発信機反応を追ってある部屋にたどり着きます。

しかし、そこにいたのは博士ではありませんでした。

漆黒のハイテク忍者装束に身を包んだ刺客、ブラック・ニンジャです。

 

NASAの極秘プロジェクト「地球外環境特殊部隊」出身の彼は、テレポートのような高速移動と手裏剣でスネークを翻弄します。

SF映画かよ、とツッコミたくなる設定ですが、メタルギアの世界では「超人」は日常茶飯事です。

 

死闘の末、スネークに敗れたニンジャは、その正体を明かします。

彼の名はカイル・シュナイダー

なんと、前作『メタルギア』でスネークを無線サポートしてくれた、アウターヘブンのレジスタンスリーダーだったのです。

 

「なぜお前が?」

スネークの問いに、シュナイダーは悲痛な真実を語ります。

「アウターヘブンが崩落した後、NATO軍は残された我々(捕虜や子供たち)を見殺しにして無差別爆撃を行った。我々を救ってくれたのは、スネーク、お前が倒したはずのあの御方だけだった…」

かつての味方が敵になる。

しかも、正義だと思っていた側の国連やNATOが、実は非道な行いをしていた。

 

シュナイダーは「ジャングルの小屋にいる男に会え」と言い残し、爆散しました。

この瞬間、物語の構図が揺らぎ始めます。

善と悪の境界線が曖昧になる。これこそが小島作品の真骨頂です。

勧善懲悪では語れない、大人の事情と政治の闇。

会社勤めをしていると、妙にリアルに感じてしまいます。

疑惑の再会:マッドナー博士と「ビッグ・ボス」

シュナイダーの遺言に従い、スネークはジャングル地帯を抜け、小屋に潜んでいた人物を発見します。

そこにいたのはマルフ博士ではなく、これまた前作の重要人物、ドラゴ・ペトロヴィッチ・マッドナー博士でした。

前作で二足歩行戦車「メタルギアTX-55」を開発させられていた科学者です。

 

マッドナーは怯えきった様子で語ります。

自分もマルフ博士と共に拉致され、またしてもメタルギアの開発を強要されているのだと。

「またですか?」

と言いたくなる展開ですが、彼が告げた黒幕の名前に、スネークは絶句します。

 

「ビッグ・ボスだ」

 

4年前のアウターヘブン蜂起で、スネーク自身がその手で倒したはずの男。

伝説の英雄にして狂気の独裁者、ビッグ・ボスが生きていたのです。

 

ここで、2025年の視点から少し補足を入れさせてください。

『MGSV: TPP』をプレイした方ならご存知の通り、前作『MG1』でスネークが倒したのは、ビッグ・ボスの影武者(ファントム)であるヴェノム・スネークでした。

 

つまり、本作『MG2』で対峙する相手こそが、本物のネイキッド・スネーク=ビッグ・ボスです。

スネークにとっては「死んだはずの親父が生きていた」というホラーですが、プレイヤーにとっては「ついに本物との対決が来た」という歴史的瞬間なわけです。

謎の協力者「ファン」

過酷な潜入の中、スネークの無線に正体不明の男から通信が入ります。

「俺だ。あんたのファンだよ」

男はそう名乗り、地雷原の位置や攻略のヒントを的確にアドバイスしてきます。

 

敵地においてあまりに親切なこの「ファン」。

普通に考えれば罠ですが、彼の声にはどこか懐かしさと、奇妙な信頼感が漂っています。

スネークは疑念を抱きつつも、彼の情報を頼りに砂漠地帯の地雷原や、武装ヘリ「ハインドD」の襲撃を切り抜けていきます。

 

この「ファン」との奇妙な距離感、まるで遠くから見守る兄のような視線。

この正体がわかった時、物語は一気に切なさを増すことになります。

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第二部愛と悲劇の旋律

タワービルの激闘と「音」のパズル

マルフ博士がタワービルに幽閉されているとの情報を得たスネークは、ビル内部へ潜入します。

ここは構造が複雑なだけでなく、クセの強いボスたちが待ち受けていました。

 

まずはランニング・マン

元バルセロナオリンピック短距離選手のテロリストです。

ドーピングで陸上界を追放された男が、神経ガスが充満する部屋でスネークと鬼ごっこをするという、なんともシュールな戦い。

 

彼の足は確かに速い。

でも、スネークは頭脳で戦います。

彼が走り抜けるルートに地雷(クレイモア)を設置して待ち伏せるのです。

脳筋VS知略。

勝敗は火を見るより明らかですね。

 

次にレッド・ブラスター

GRU(ソ連軍参謀本部情報総局)出身の爆発物のプロです。

ワイヤーを張り巡らせた部屋で、天井や壁を利用して手榴弾を投げてきます。

爆発系男子との熱い(物理的に)コミュニケーションを経て、スネークは先へ進みます。

 

そしてここで、伝説のギミックが登場します。

スネークは壁の向こうから「壁を叩く音」を耳にします。

コン、コンコン、コン…。

それはマニュアルに記載された「タップ・コード」でした。

ベトナム戦争で捕虜たちが使った実在の暗号通信です。

 

これ、当時のプレイヤーは本当にゲームのマニュアルを開いて、表を見ながら解読したんですよ。

「デジタルなゲームの中で、アナログな紙のマニュアルを使わせる」。

第四の壁を破る、小島監督らしいメタフィクション的な遊び心です。

 

無線が繋がったものの、マルフ博士は極度のパニック状態でチェコ語しか話せません。

英語も通じない。

「誰か翻訳できる人はいないか?」

スネークは、博士の護衛として同行していたはずのSTB(チェコ秘密警察)隊員を探すことになります。

氷上の妖精、グスタヴァ・ヘフナー

「変装して女子トイレに潜入する」

という、スパイ映画あるある(?)な展開を経て、スネークは一人の女性兵士と接触します。

彼女こそがSTB隊員、グスタヴァ・ヘフナー(MSX2オリジナル版ではナターシャ・マルコバァ)。

 

彼女の経歴がまたドラマチックなんです。

かつては「氷上の妖精」と呼ばれたオリンピックのフィギュアスケート金メダリスト。

しかし、西側の男性と恋に落ち、亡命を試みるも失敗。

選手資格を剥奪され、諜報員への道を歩むことになった悲劇の女性。

 

輝かしいステージから、血なまぐさい戦場へ。

彼女はマルフ博士救出のためにスネークに協力することを約束します。

 

エレベーターでの移動中、彼女はスネークに個人的な過去を打ち明けます。

「ここ(ザンジバーランド)に、かつて私が愛し、亡命失敗で生き別れになった人がいるかもしれない」と。

 

彼女を置いて一人で亡命することはできず、結果として離れ離れになった恋人。

彼に会いたい一心で、彼女はこの任務に志願したのかもしれません。

戦場におけるロマンスは死亡フラグの定番ですが、この時の彼女の横顔はあまりに美しく、そして哀しいものでした。

橋の上の惨劇

グスタヴァの通訳により、マルフ博士の正確な居場所が判明。

スネークはグスタヴァ、そして救出したマッドナー博士と共に、北の収容所へと続く長い吊り橋を渡ります。

 

「この橋を渡れば、博士に会える」

希望が見えたその瞬間でした。

 

ヒュンッ…ドーン!

突如ミサイルが飛来し、橋を破壊。

先頭を歩いていたグスタヴァが爆風に吹き飛ばされ、クレバスへと転落しかけます。

スネークの手も届かず、彼女は致命傷を負い、橋の残骸の上に倒れ伏します。

 

崩れ落ちた橋の向こう側に、土煙を上げて現れた巨大な影。

二足歩行戦車「メタルギア改D」

そしてそのコクピットから降り立ち、冷酷に宣告する男。

「スネーク、引け。さもなくば死ぬぞ」

その声の主は、グレイ・フォックス

 

かつてFOXHOUNDでスネークと背中を預け合った戦友。

無線で「ファン」と名乗り、ここまで導いてくれた男。

そして何より、グスタヴァが愛し続け、再会を夢見ていた恋人(フランク・イエーガー)その人だったのです。

 

なんという皮肉、なんという残酷さでしょう。

フォックスは任務のため、そこに愛する女性がいることを知りながら(あるいは知らずに)、ミサイルのトリガーを引いたのです。

 

グスタヴァはスネークの腕の中で、薄れゆく意識の中、愛する人の名を呟きます。

「フランク…」

彼女は最期に、形見のブローチをスネークに託しました。

「私は氷の上でしか生きられなかった…でもあなたは、自分の足でしっかり歩いて…」

 

息を引き取るグスタヴァ。

スネークの胸に去来したのは、友への不信感と、守れなかった者への罪悪感、そして激しい怒りでした。

親友が、愛する人を殺した。

この事実は、後のスネークとフォックスの対決に、言葉にできないほどの重みを与えることになります。

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第三部裏切りと真実

マルフ博士の死とマッドナーの正体

フォックスの操るメタルギアDに阻まれ、マッドナー博士も連れ去られてしまったスネーク。

彼はグスタヴァの仇を討つため、そして任務を完遂するために、鬼神の如き強さで進撃します。

 

ここからはボスラッシュです。

  • 姿なき暗殺者、ジャングル・イーブル
  • 光学迷彩で姿を消す、ナイト・フライト
  • エレベーターという密室で襲い掛かる暗殺部隊、フォー・ホースメン

彼らは皆、戦争のプロフェッショナルですが、怒りに燃えるスネークの前では通過点に過ぎませんでした。

 

激戦の末、ついにマルフ博士の収容所へ到達したスネーク。

しかし、そこには冷たくなったマルフ博士の遺体がありました。

死因は拷問によるショック死。

心臓の弱かった博士は、過酷な尋問に耐えられなかったのです。

 

その場にいたマッドナー博士は「間に合わなかった…」と嘆き、懸命に心臓マッサージを試みます。

一見、悲劇的なシーン。

しかし、スネークに連絡を入れたホーリー・ホワイトが、通信越しに叫びます。

「スネーク、騙されないで! マッドナー博士は拉致されたんじゃない! 自らの意志でザンジバーランドに行ったのよ!」

時が止まりました。

マッドナー博士の正体は、被害者ではなく加害者だったのです。

 

前作の後、西側に亡命したマッドナー。

しかし、平和利用を目的とする西側の学会で、彼の提唱する「歩行戦車」などの軍事技術は否定され、「マッドサイエンティスト」として異端扱いされました。

 

プライドを傷つけられた彼は、自分の才能を高く評価し、無限の資金と開発環境を提供してくれるビッグ・ボスの誘いに乗ったのです。

 

承認欲求と復讐心。

「私の技術を理解しない世界が悪い!」

彼は再びメタルギアを作るため、OILIXの秘密を握るマルフ博士を自らの手で殺害したのです。

先ほどの心臓マッサージも、実は蘇生に見せかけた証拠隠滅だったのかもしれません。

 

本性を現したマッドナーは、狂気を宿した目でスネークに襲いかかります。

老いた科学者が、伝説の傭兵の首を絞める。滑稽で、哀れな姿です。

 

スネークにあっけなく制圧されたマッドナーは、地面に伏しながら、最後の最後に技術者としての矜持を見せます(あるいは娘エレンへの贖罪だったのかもしれません)。

「メタルギアDの弱点は…脚だ…脚部の装甲が薄い。そこを狙え…」

OILIXの行方と生物兵器(ハムスター)

マルフ博士は死にましたが、彼は死の直前、OILIXの構造式データを隠していました。

隠し場所はなんと、MSXのゲームカートリッジの中。

「ゲームの中に世界を救う鍵がある」。

私たちゲーマーにとっては胸が熱くなる設定ですね。

 

さらに、そのカートリッジが入ったロッカーの鍵は、グスタヴァの形見のブローチでした。

このブローチは形状記憶合金で作られており、特定の温度変化を与えることで鍵の形に変形する仕掛けになっていたのです。

グスタヴァの愛が、結果として世界を救う鍵になった。

彼女の死は無駄ではなかったのです。

 

スネークはロッカーを開けます。さあ、データの回収だ!

…と思いきや、中から飛び出してきたのは大量の「ハムスター」。

そう、マルフ博士の趣味はハムスター飼育。ロッカーの中はハムスターの楽園になっていたのです。

 

「世界存亡の危機にハムスター追いかけてる場合か!」

と突っ込みたくなりますが、これもメタルギア。

スネークはヨハン博士のアドバイスに従い、レーション(食料)を使ってハムスターを誘導し、お腹の中にデータを隠し持っていた一匹を捕獲します。

 

シリアスとユーモアの絶妙なバランス。

これがあるから、重苦しいテーマでも最後までプレイできるんですよね。

私も息子のゲームを隠す時は、こんな風に頭を使わなきゃいけないのかしら。

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第四部決着の時

メタルギアD破壊

OILIXのデータを手に入れ、脱出を図るスネーク。

その前に、再びグレイ・フォックスの駆るメタルギアDが立ちはだかります。

 

圧倒的な火力。

ミサイルとバルカン砲の雨あられ。

しかし、今のスネークには情報があります。

マッドナーの遺言通り、脚部に狙いを定めてグレネードを投げ込みます。

 

巨体がきしみ、爆発音が響く。

ついに最強の兵器メタルギアDは膝を屈し、炎上しました。

 

しかし、その爆発の衝撃で、スネークもすべての武器と装備を失ってしまいます。

銃も、ミサイルも、レーションもない。

文字通り身一つです。

地雷原の拳闘:狐と蛇

燃え盛るメタルギアの残骸から脱出したグレイ・フォックスは、OILIXのデータを奪い、地雷原の中央でスネークを待ち受けます。

 

周囲は地雷だらけ。

一歩間違えれば即死。

その中心で、二人の男が対峙します。

フォックスは語ります。

静かに、しかし熱く。

「俺たちは政治やイデオロギーのためなんかに戦っちゃいない。戦うこと、それのみが俺たちの生きる証だ」

「スネーク、俺たちはとっくに呪われているんだよ。戦場の外では生きられないようにな」

彼は語ります。

かつてベトナム戦争で孤児となり、強制労働させられていた自分を救ってくれたのがビッグ・ボスであったこと。

彼にとってビッグ・ボスは、父であり、神であり、生きる指針そのものだったのです。

 

その恩義のためなら、たとえ愛するグスタヴァを犠牲にしてでも従う。

それは盲目的な服従ではなく、戦士としての「業(ごう)」でした。

 

「来い、スネーク! 決着をつけよう!」

 

BGMが消えます。

聞こえるのは風の音と、拳が肉を打つ鈍い音だけ。

武器も装備もない。

ただ己の拳のみで語り合う。

この「地雷原の殴り合い」は、シリーズ屈指の名場面として、多くのファンの心に刻まれています。

 

長きにわたる友情、裏切り、悲しみ。

すべてを拳に乗せた戦い。

最後に立っていたのは、スネークでした。

 

敗れたフォックスは、地面に倒れ伏しながら最期の言葉を遺します。

「スネーク、俺は死ぬ…だが、一つだけ悔いがある…」

 

それは、やはりグスタヴァのことでした。

彼は冷酷な兵士を演じていましたが、心の奥底では彼女を深く愛していたのです。

自分の手で殺めてしまった女への、消えることのない愛と悔恨。

 

スネークは、瀕死の友に嘘をつきます。

「彼女なら向こうで待ってるさ」

 

「そうか…なら、急がないとな…」

その言葉を聞いて、フォックスは安らかな顔で息を引き取りました。

スネークは友の死を悼む間もなく、踵を返します。

まだ、最後の敵が残っているからです。

父殺し:ビッグ・ボスの哲学

基地の最深部。

ついに姿を現したビッグ・ボス。

歴戦の英雄の威圧感。

彼は武器を持たないスネークに対し、サブマシンガンを向けながら、自らの「アウターヘブン構想」の真意を語り始めます。

 

ここでの彼の演説は、悪役の戯言として片付けるにはあまりに重く、そして論理的です。

「誰が勝っても、戦いは終わらない。敗者は戦場から解放されるが、勝者は戦い続けなければならない」

「私は子供たちに教育を与え、兵士として育て、戦場へ送り出す。そして戦争で傷ついた子供たちをまた私が救う…」

「戦士には戦場が必要なのだ。平和な世界など、我々にとっては地獄でしかない」

彼は戦争の被害者(孤児)を生み出し、それを救済して兵士にし、また戦争を起こす。

この「永久戦争」のサイクル。

 

一見すると狂気のマッチポンプです。

しかし、国に利用され、平和になった途端にゴミのように捨てられる兵士たちにとっては、ここだけが「自分たちが必要とされる場所」だったのです。

 

現代の福祉国家の概念からすれば許されない思想です。

でも、居場所のない者にとって、役割を与えてくれるなら悪魔でも救世主に見える。

これは現代の社会問題にも通じる怖さがあります。

 

スネークは叫びます。

「俺はあんたの幻想には付き合わない! 俺には生きる意味がある!」

「ならば死ね、スネーク! お前も私と同じ、戦場でしか生きられない男だ!」

 

完全武装のビッグ・ボスに対し、丸腰のスネーク。

絶体絶命の状況で、スネークが見つけたのは、部屋の隅に落ちていた「スプレー缶」と「ライター」でした。

日用品です。

彼は即席の火炎放射器を作り出し、父へ向けて炎を放ちます。

 

「ぐおおおおっ!」

伝説の英雄は炎に包まれました。

スネークの名を呪うように、あるいは自分を超えた息子を称えるように絶叫しながら、巨星は崩れ落ちました。

 

スネークはついに、自らの父親であり、呪縛の象徴であったビッグ・ボスを「殺害」したのです。

最新兵器メタルギアではなく、どこにでもあるスプレー缶で決着がついたというのも、なんとも皮肉な結末でした。

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終章悪夢の終わり、そして始まり

脱出、そして別れ

ビッグ・ボスを倒したスネークは、駆けつけたホーリー・ホワイトと共に脱出ヘリに乗り込みます。

背後で爆発炎上するザンジバーランド。

兵士たちの楽園が、夢の跡形もなく消えていきます。

 

ヘリの中で、スネークは奪還したOILIXのカートリッジを確認します。

MSX実機で起動すると、表示された文字は逆さ読みするとマルフ博士のサインになるという仕掛け。

博士の遺志は無事に守られました。これで世界のエネルギー危機は回避されるでしょう。

 

基地に帰還したスネークに対し、キャンベル大佐は再びFOXHOUNDへの復帰を促します。

「君の能力が必要だ」

しかし、スネークは静かに首を横に振ります。

 

「俺はもう自由だ。誰の命令も受けない」

 

スネークはホーリーに別れを告げます。

「いつでも会えるわ。食事でもどう?」

と誘うホーリーに対し、スネークは曖昧に頷くだけで、何も約束しませんでした。

彼は悟っていたのです。

父親殺しという大罪を背負い、戦場の血に染まった自分には、平穏な家庭や恋愛は許されないのだと。

 

エンドロール。

スネークは一人、アラスカの雪原へと消えていきます。

孤独な隠遁生活。

それは自由というよりは、自分自身への懲罰のようにも見えました。

彼の耳には、まだビッグ・ボスの最期の言葉が残響していたのかもしれません。

「勝者は戦い続けなければならない」

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解析物語のその後とシリーズへの影響

物語はここで幕を閉じますが、この『メタルギア2』が遺したものは、その後のシリーズ全体に巨大な影を落としています。

最後に、2025年の視点からいくつかの重要なポイントを整理しておきましょう。

「正史」としての位置づけと変更点(2025年最新考察)

本作発売後の続編(MGS1、MGS4、MGSVなど)により、物語の解釈は劇的に変化しました。

ここが面白いところです。

  1. ビッグ・ボスの生存と真実
    スネークに焼かれたビッグ・ボスですが、実は奇跡的に(あるいは悪魔的に)生きていました。
    仮死状態で回収された彼は、かつての同志ゼロ少佐によってナノマシンで生命維持され、生ける偶像として幽閉され続けます。
    彼が本当の意味で死に、スネークと和解するのは、2014年の『MGS4』のラストシーンまで待たねばなりません。
  2. グレイ・フォックスの復活
    彼もまた、死後に肉体を回収され、遺伝子治療の実験体とされます。
    そして強化骨格を埋め込まれた「サイボーグ忍者」として蘇り、2005年のシャドーモセス島事件(MGS1)で再びスネークの前に現れます。
    「俺を殺してくれ」と懇願するために。
    彼の魂の彷徨はまだ終わっていなかったのです。
  3. MGSV: TPPとの接続
    これが最大の後付け設定ですが、『MGSV』で、1995年のアウターヘブン蜂起(MG1)の首謀者がビッグ・ボスのファントム(ヴェノム・スネーク)であったことが明かされました。
    これにより、本作『MG2』のザンジバーランド騒乱こそが、
    ソリッド・スネークが「ネイキッド・スネーク(本物のビッグ・ボス)」と対峙した、最初で最後の戦い
    という、極めて重厚な意味を持つことになりました。

MGS1への継承:なぜ「リメイク」と呼ばれるのか

『メタルギアソリッド(MGS1)』をプレイした人なら、本作MG2との驚くべき類似点に気づくはずです。

  • 女性協力者との淡いロマンス(ホーリー/メリル)
  • サイボーグ忍者との再会(グレイ・フォックス)
  • エレベーターでの強襲(フォー・ホースメン/ステルス兵)
  • 階段での追撃戦
  • 重要人物の突然の死(マルフ/DARPA局長)
  • 温度変化キーを利用したパズル

小島監督自身、MGS1は

「MG2の脚本とシステムを3D技術で再構築(リメイク)した作品」

だと認めています。

つまり、『メタルギア2』こそが、世界的名作となったMGSシリーズのシステムと物語の「完成形」であり「原点」なのです。

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最後に

『メタルギア2 ソリッドスネーク』は、単なる古いゲームではありません。

そこには、戦争の悲惨さ、兵士の孤独、親と子の葛藤、そして核なき世界への祈りが込められています。

 

35年以上前のドット絵のゲームが、2025年の今もなお、私たちの心に何かを問いかけてくる。

それこそが、この作品が「名作」と呼ばれる所以なのでしょう。

 

もし、まだプレイしていない方がいたら、ぜひ『マスターコレクション』などで触れてみてください。

MSX独特のグラフィックとサウンドの向こう側にある、スネークたちの魂の叫びに耳を傾けてみてください。

きっと、あなたの心にも「何か」が残るはずです。

 

それでは、また次の任務でお会いしましょう。

私はこれから、夕飯の買い物という名の戦場へ向かいますので。

主婦の戦いは、まだまだ終わりませんからね(笑)。

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