ここから、TV版・旧劇場版『Air/まごころを、君に』と『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の結末までネタバレします。
エヴァのラストを思い出そうとして、浜辺と駅が混ざっていませんか? タイトルには新もシンもあって、文字を追うだけでも忙しいんですよね。まず確かめたいのは、シンジが最後に何を選んだかです。
旧劇とシンエヴァの結末はどう違う?

旧劇場版では人類補完計画が進みますが、シンジは人々が一つになる状態を拒み、自分と他人が別々に存在する世界へ戻ることを選びます。最後に描かれるのは、赤い海に面した浜辺のシンジとアスカ。人と向き合う痛みを残した結末なんです。(参照:アニメイトタイムズの補完計画解説、旧劇場版のストーリー)
シンエヴァでは、シンジがエヴァンゲリオンのない世界を選びます。終幕では大人の姿のシンジが駅のホームに座り、迎えに来たマリと手をつないで駅の外へ走り出す、という着地です。浜辺で終わる旧劇と、駅から出ていくシンエヴァでは、最後の相手も動きも違いますね。(参照:Real Soundのラストシーン評、シンエヴァのストーリー)
| 比較する点 | TV+旧劇場版 | 新劇場版~シンエヴァ |
|---|---|---|
| 対象作品 | TV『新世紀エヴァンゲリオン』と旧劇『Air/まごころを、君に』 | 『:序』『:破』『:Q』『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の4作 |
| 結末でのシンジ | TV最終回では自分の存在を肯定。旧劇では補完を拒み、他者のいる世界へ戻る | エヴァのない世界を選び、自分もエヴァから離れる |
| 最後の場面 | TVは周囲からの祝福。旧劇は浜辺のシンジとアスカ | 駅でマリと再会し、二人で外へ走り出す |
旧劇はTVシリーズ側の完結編で、新劇場版は『シン・エヴァンゲリオン劇場版』で完結する4部作。この二つの系列は、作品のまとまりを区別する呼び方です。同じ世界の出来事を年代順に並べた表とは受け取らないでください。(参照:系列の比較、TV・劇場版の概要)
TV最終回は、シンジが自分を肯定するところで終わる
TV版の第25話と第26話は、補完の中でのシンジたちの内面を中心に描きます。シンジは自分を嫌う気持ちや、他人の評価に縛られた考えと向き合い、自分には別の可能性もあると気づくんです。
最後には自分の存在を肯定し、周囲の人たちに祝福されます。自分を認められるようになることが、TV最終回の着地ですね。(参照:アニメイトタイムズのTV最終2話解説、TV版の結末)
ただ、外の世界がどうなったのか気になる人には、あの祝福だけで全部納得するのは難しいでしょう。戦いを追っていたら、最後に自分の気持ちまで考えることになる。リモコンを置く前に、こちらも少し考え込んでしまいます。
TV版の第26話と、旧劇場版の『まごころを、君に』は、同じ映像の最終回ではありません。旧劇は、TV最終2話とは違う描き方と結末を持っています。TVでシンジが祝福された場面を、旧劇の浜辺の後日談にするのは話が合わないんですよね。(参照:TV最終2話と旧劇の比較、TV・旧劇の結末の区分)
旧劇の結末:補完を拒んでも、人間関係は楽にならない
人類補完計画で何が起きたのか
旧劇の補完は、人と人を隔てる境目をなくし、人類を一つの生命にまとめようとする計画です。実際に計画が動き、人々は体の形を失って、LCLという液体の状態へ変わっていきます。(参照:旧シリーズの補完計画、旧劇の補完の過程)
他人との境目がなくなれば、傷つけられる苦しさもなくなる。でも、自分と他人が別々の人として会うこともできなくなるんです。人付き合いが面倒な日でも、全人類を一つにするのは、さすがに対策が大きすぎますよね!
シンジは最終的にその状態を望まず、他人がいる世界を選びます。傷つく可能性ごと引き受けて、もう一度誰かと会いたいと願う決断。そのため、旧劇の結末を「補完計画が成功し、人類は一つのままになった」と説明すると、シンジの最後の選択が抜けてしまいます。(参照:シンジが望んだ世界、補完の中断)
浜辺のシンジとアスカは、仲直りして終わったのか
ラストの浜辺では、シンジがアスカの首を絞めます。アスカがシンジの頬をなでると、シンジは手を離して泣くんです。その後、アスカは不快感を言葉で示し、映画は終わります。(参照:旧劇の浜辺の描写、旧劇の最後の場面)
シンジが他者のいる世界を選んだことと、アスカとの関係が円満になったことは別です。触れる動作と痛みのある応答が同じ場面に残るので、二人の幸せな暮らしまで決まった結末とは受け取れないでしょう。
また、シンジとアスカ以外にも、人の形へ戻れる可能性が示されています。最後の浜辺に二人がいるからといって、残りの人々が永久に消えたとまでは読めないんです。全員が戻った場面も、その後の社会も描かれていません。(参照:補完後の帰還の可能性、人の形へ戻る可能性)
シンエヴァの結末:エヴァをなくし、マリと駅の外へ
父との対話から、エヴァのない世界を選ぶ
シンエヴァの終盤で、シンジは父ゲンドウと対話します。ゲンドウの孤独やユイへの思いを聞き、父と向き合うんです。さらにアスカ、カヲル、レイにもそれぞれ語りかけ、別れを経て送り出していきます。(参照:FILMAGAの結末考察、終盤の対話)
最後にシンジがレイへ伝えるのは、エヴァのない世界を作る選択です。母ユイの助けを受け、エヴァは消えていきます。シンジ自身もマリに迎えられ、エヴァから離れる結末を迎えるんですね。(参照:シンエヴァの終盤、ユイとマリの役割、エヴァの消滅)
旧劇では、人々が一つになる状態をシンジが拒みました。シンエヴァでは、エヴァのない世界をシンジが選びます。どちらも本人の選択が結末を変えますが、何を終わらせたのかが違うんです。
駅のホームで、最後にシンジといるのはマリ
終幕では、大人の姿になったシンジが駅のホームに座っています。マリが現れて首のチョーカーを外し、二人は手をつないで階段を上がり、駅の外へ走り出すんです。最後にシンジと一緒に進む相手はマリ!(参照:駅でのラストシーン、Real Soundの二人の動作の記述、シンエヴァの終幕)
向かいのホームには、レイ、カヲル、アスカの姿も描かれます。ここで見えるのは、旧劇の浜辺とは違う終幕ですね。(参照:向かいのホームの人物、駅の描写)
私には、駅から二人で走り出す姿が、先の生活を感じさせる終わりに見えます。旧劇の浜辺には、人と生き直す痛みが残る。シンエヴァには、エヴァから離れて進む明るさを感じるんです。「どちらもシンジが救われた」で済ませると、この後味の差がもったいないですよね。
注意:似た浜辺や駅の人物だけで、世界線と恋愛関係は決まらない
シンエヴァの浜辺は、旧劇の直接の続きなのか
シンエヴァにも、終盤でアスカとシンジが浜辺にいる描写があります。旧劇のラストを思い出すのは自然でしょう。ただ、シンエヴァではそこでアスカと別れ、その後にマリとの駅の場面があります。(参照:新旧の浜辺の比較、アスカとの別れと終幕)
共通する場面があっても、旧劇と新劇を同一世界線の確定した続編としてつなぐ根拠にはできません。同じ場所を思わせる描写があることと、その場面が旧劇の直後の出来事であることは、別の話なんです。(参照:系列の関係とループ説の扱い)
マリは妻なのか、レイとカヲルは恋人なのか
マリがシンジと手をつないで走り出すこと、レイとカヲルが向かいのホームにいることは、ラストの描写です。そこから恋愛的な意味を感じるのは、一つの受け取り方でしょう。
ただ、駅にいる組み合わせだけで、その後の結婚や交際まで確定したことにはなりません。マリとシンジの将来を想像する楽しさはありますが、映画で見せる二人の行動と、その先の人生は区別したいですね。
同じく、「それまでの出来事が全部夢だった」は、結末への解釈です。シンジがエヴァのない世界を選び、マリと駅を出る場面は本編にあります。その二つの出来事を夢オチの一言で済ませてしまうと、シンジが選び取ったものが見えなくなるんですよね。(参照:駅の場面に残る解釈の幅、描写と系列の関係の区別)
結末を見返すなら、シンジが何を選んだかを確かめる

ラストを確かめたいときは、作品ごとにシンジの言葉と行動に注目してみてください。気になる場面は、次の三つです。
- TV第26話:シンジが自分の存在を肯定できるようになる場面。
- 旧劇『まごころを、君に』:補完の中で他者のいる世界を選び、浜辺でアスカと接する場面。
- 『シン・エヴァンゲリオン劇場版』:レイにエヴァのない世界を伝える場面と、マリと駅の外へ走る終幕。
全部の専門用語を暗記してから感想を決める必要はないと思います。そんな宿題まで出たら、エンドロールの後もなかなか寝られません。誰と生きたいのか、何から離れたいのか。シンジの選択を見ていると、二つの結末の違いを自分の言葉でも話せるはずです。
シンエヴァの雰囲気を確かめる公式予告
株式会社カラー公式の『シン・エヴァンゲリオン劇場版』本予告・改2です。
映像はエヴァンゲリオン公式の動画ページにも掲載されています。
よくある質問
旧劇の最後、シンジとアスカは生きている?
浜辺には体のある二人が戻り、アスカがシンジに触れる描写があります。二人のその後の生活まで描いた結末ではありません。
TV最終回と旧劇のラストは同じ?
違います。TV最終回はシンジの自己肯定と周囲の祝福、旧劇は補完を拒んだ後のシンジとアスカの浜辺で終わるんです。
シンエヴァで最後にシンジといる女性は誰?
マリです。駅でシンジのチョーカーを外し、手をつないで二人で外へ走り出します。
旧劇とシンエヴァは、どちらがハッピーエンド?
私は、エヴァから離れて進むシンエヴァに、より明るい後味を感じます。旧劇にも他者と生きる選択はありますが、浜辺には二人の痛みが残るので、単純な幸せの結末とは受け取りにくいですね。これは結末への感想です。
まとめ
旧劇のシンジは、人類が一つになる補完を拒み、他者のいる世界へ戻ります。最後はアスカとの浜辺。シンエヴァのシンジはエヴァのない世界を選び、最後にマリと駅の外へ走り出すんです。
人と生きる痛みが残る浜辺と、エヴァから離れて進む駅。主人公がシンジでも、私には、この二つの後味はずいぶん違って感じられます。