狼は最後に死ぬのか、それとも九郎と生きていけるのか。『隻狼(SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE)』のゲーム本編は、選んだ道によって答えが変わります。狼が自ら命を絶つのは「人返り」。ほかには、修羅へ堕ちる道、仏を彫って暮らす道、西へ旅立つ道があるんです。
しかも、狼が生き残れば九郎も助かる、とはいきません。ようやく最後の敵を倒したのに、まだそんな選択をさせるんですか……と、コントローラーを置きたくなる結末もありますね。ここからはゲーム本編の4つの結末について、分岐と最後の場面までネタバレを含めて書きます。
狼と九郎は、なぜ不死を断とうとするのか
狼は、少年・九郎に仕える忍びです。九郎が持つ「竜胤」は不死をもたらす力で、狼も九郎との契りによって死から戻れます。葦名を守ろうとする弦一郎は、その力を求めて九郎を狙うんですね。
けれど九郎は、不死の力を使って戦い続けることを望んでいません。竜胤があるかぎり、それを欲しがる人が現れる。そこで狼に、不死を断つための協力を求めます。守られる少年が、自分を巡る争いを終わらせようとしているんです。人物関係の出典:RPG Informer、九郎の願いの出典:作品Wikiの物語解説。
フロム・ソフトウェア公式による、ゲーム本編の発売トレーラーです。
ここから結末ネタバレ|4つのエンディングはどう分かれる?
本編のエンディングは、修羅、不死断ち、人返り、竜の帰郷の4種類。最初の大きな分岐は葦名城の天守で梟に従うかどうか、残る3つは最後に九郎へ飲ませる品で分かれます。
| エンディング | 分岐の決め手 | 狼と九郎の結末 |
|---|---|---|
| 修羅 | 天守で梟に従い、九郎を捨てる | 狼は殺戮に走る修羅へ。九郎は守り手に見捨てられる |
| 不死断ち | 桜竜の涙だけを使う | 九郎は死に、狼は荒れ寺で仏を彫る |
| 人返り | 桜竜の涙と常桜の花を使う | 狼が死を引き受け、九郎は人として生きる |
| 竜の帰郷 | 桜竜の涙と氷涙を使う | 九郎は変若の御子の内に迎えられ、狼は彼女と西へ向かう |
分岐の出典:攻略データベース、GamesRadar+の4エンド攻略。末路の出典:RPG Informerの結末解説、もゲつぶ。の終幕記録。
梟を拒んだ狼は、桜竜の涙を取りに行く
梟は狼の育ての父で、九郎が持つ力を手に入れようとします。天守で九郎を捨てないと答えた狼は、梟と戦って倒し、不死断ちの準備を続けることに。その先で源の宮へ進み、桜竜との戦いを経て涙を得ます。
ここで入手する桜竜の涙は、3つの結末に共通する品です。常桜の花や氷涙を探す寄り道は、九郎をどう救うかを変えるための準備なんですね。
最後の相手は、弦一郎が呼び戻した一心
終盤のすすき野では、黒い不死斬りを持つ弦一郎によって九郎が傷つけられています。狼に敗れた弦一郎は自分の命を差し出し、全盛期の一心を呼び戻すんです。自分では勝てなくても葦名を守りたいという執念が、最後の戦いにつながります。
狼は剣聖・葦名一心にも勝利し、倒れた九郎のもとへ。そこで桜竜の涙に何を組み合わせるかを選びます。あの激戦のあとに、主君の命をどうするかまで託される。剣を振るう腕とは別のところが疲れる場面ですよね。出典:最後の戦いと分岐の解説、物語の場面照合。
修羅|九郎を捨てた狼は、梟まで殺してしまう

掟に従う選択で、エマと一心が敵になる
修羅へ進むのは、忍軍襲来時の天守で梟の命令を受け入れ、九郎を捨てた場合です。狼は九郎を守る立場から離れ、柔剣・エマ、葦名一心と続けて戦います。
エマも一心も狼に敗れ、この道では源の宮へ向かう展開に進みません。修羅を選んだ周回では、不死断ち・人返り・竜の帰郷へ戻れません。父の言うとおりにしたら、助けてくれた人たちと斬り合うことになる。従順でいるにも限度があります! 出典:修羅の分岐と連戦、修羅で本編が早く終わることの照合。
勝利を喜ぶ梟の背後から、狼が刃を突き立てる
一心を倒すと、戻ってきた梟は狼の働きを喜びます。けれど狼は、その梟まで背後から刺し殺してしまうんです。父に従うために始めた戦いが、父の命も奪って終わる。ここで狼は殺すことに取りつかれた「修羅」へ堕ちます。
九郎は変わり果てた狼を修羅と呼びます。この場面で九郎が狼に殺される描写はありません。九郎のその後は描かれず、生死も分かりません。
その後を語る結びでは、葦名の兵や町の人々が大量に殺され、生き残った者はわずかだったと示されます。狼だけが恐ろしい姿になる話では済まず、国に暮らす人々まで巻き込む結末なんですね。出典:梟の死と修羅の後日談、九郎の反応を含む場面照合。
不死断ち|九郎を失った狼は、荒れ寺で仏を彫る
九郎の願いをかなえるため、九郎自身を斬る
天守で梟に逆らい、最後に桜竜の涙だけを九郎へ飲ませると、不死断ちへ進みます。九郎の願いに従って竜胤を断つのですが、そのために狼が不死斬りで九郎を斬り、彼の命を終わらせるんです。
不死断ちでは狼は生き残りますが、九郎は助かりません。敵を倒して主君を取り戻しても、主君の願いをかなえた先で別れが来る。勝利した直後だからこそ、私はこの結末が重く感じます。
エマが忍義手を預ける、静かな後日談
後日談の狼は荒れ寺にいて、かつての仏師のように仏像を彫っています。九郎に仕える忍びとしての仕事は終わり、狼は寺に残る暮らしへ移るんですね。
そこへエマが訪れ、忍義手を置いていきます。力を求める別の忍びが来たときのために、狼へ預ける形です。序盤に狼が助けを得た寺で、今度は狼が誰かを待つ側になる。このつながりは寂しいですが、後日談まで見て初めて分かる狼の末路です。出典:九郎との別れと荒れ寺の場面、エマと忍義手の描写の照合。
人返り|九郎を人に戻すため、狼が命を差し出す
常桜の花は、もう一度訪れる平田屋敷で手に入る
人返りには、桜竜の涙に加えて常桜の花が必要です。天守で梟を倒したあと、九郎の独り言を盗み聞きし、エマとともに九郎の命を残す方法を探します。
エマを追って名残り墓へ行き、荒れ寺ではエマと仏師の会話を盗み聞き。そこでエマから得る「義父の守り鈴」を使うと、別の記憶の平田屋敷へ向かえます。狼はその奥で義父と戦い、常桜の花を手に入れることに。
天守の梟を倒すだけでは、花はそろいません。父ともう一戦ですか、と言いたくなりますね。ただ、九郎に生きる道ができるのは、この寄り道があってこそです。出典:常桜の花と守り鈴、エマを追う手順と義父戦の照合。
最後の不死を断つ狼と、墓前に立つ九郎
剣聖・葦名一心を倒したあと、九郎へ桜竜の涙と常桜の花を飲ませると、狼は自分の命を絶ちます。人返りで死ぬのは狼で、九郎は竜胤から解放された人として生き残ります。
このとき断つのは、九郎の血によって不死となった狼とのつながりです。花を渡して終わりにはできず、九郎を人に戻すために狼自身が最後の不死を引き受けるんです。
後日談では、九郎とエマが狼の墓に手を合わせます。九郎は自分も生きて、やがて死ぬという、人としての生を選びます。守ってきた少年の未来は残るのに、狼はそのそばにいられない。人返りを「九郎が助かる結末」とだけ聞いていたら、この墓参りで息が詰まりそうですね。出典:狼の犠牲と九郎の生、不死斬りでの自害と墓前の場面の照合。
竜の帰郷|狼は変若の御子と西へ旅立つ

お米のやり取りから、竜胤を迎える揺り籠の準備へ
竜の帰郷では、仙峯寺の奥の院にいる「変若の御子」が狼に協力します。九郎が竜胤を宿す御子である一方、こちらは別の少女です。同じ「御子」でも、最後に担う役目が違います。
狼は彼女へ永旅経・蟲賜わりの章を渡し、お米を受け取るやり取りを進めます。彼女が体調を崩したら柿を渡し、もらった九郎へのお米を九郎に届ける。九郎はそれでおはぎを作り、狼が食べて報告すると話が続きます。
さらに永旅経・竜の帰郷の章と、生の蛇柿、乾き蛇柿を届けると、彼女は竜胤を迎える揺り籠となる準備を進め、狼に氷涙を渡します。名前は柿でも、蛇柿は大蛇に関わる品。普通の果物を2つ買って済む話ではないんです。おはぎのやり取りの先に、ずいぶん大がかりな役目が待っていますね。出典:変若の御子とのやり取り、経典・おはぎ・蛇柿・氷涙の照合。
九郎を内に迎えた御子を、狼が守って旅をする
最後の選択で桜竜の涙と氷涙を使うと、狼は九郎を変若の御子のもとへ運びます。彼女は儀式を行い、九郎を自分の内に迎え入れるんです。人返りで独り立ちする九郎とは、救われ方が違うんですね。
狼は生きたまま変若の御子に同行し、竜胤を故郷へ返すため、西を目指します。九郎も彼女の内に宿る形で、その旅につながります。不死の力を断つ選択から、不死の由来をたどって返しに行く選択へ変わるんですね。
本編が描くのは、この旅立ちまでです。西へ到着して竜胤を返し終えた場面はありません。結末なのに、まだ先を見たくなる終わり方ですね。出典:揺り籠と西への旅、九郎を迎える儀式と旅立ちの照合。
結末を選ぶ前に注意したい、桜竜と追加の品
人返りを狙うなら、桜竜を倒す前にエマとのやり取りを進め、義父の守り鈴を受け取っておく必要があります。涙を取り終えてから鈴を探そうとしても、その入手イベントを進められません。もう少し早く言ってほしかった、となる前に確認したいところです。出典:守り鈴の期限、桜竜撃破で会話が変わることの照合。
竜の帰郷も、九郎や変若の御子との会話を後回しにしないほうがよいです。桜竜の前に、お米を九郎へ届けるところから経典・蛇柿の受け渡しまで進め、氷涙を受け取っておけば、最後に選ぶ品を準備できます。出典:竜の帰郷の事前準備、必要な会話と品の照合。
狙う結末が決まったら、今の進み具合を確かめる
- まだ天守で答えていない:九郎を守る3つの道を残したいなら、梟の命令に背く選択をします。
- 梟を倒し、桜竜の前にいる:人返りならエマからの鈴、竜の帰郷なら変若の御子とのやり取りを確認する段階です。
- 最後の一心を倒した:九郎への選択肢で、花を合わせるか、氷涙を合わせるか、涙だけにするかを確かめます。
追加の品を集めても、その結末へ勝手に決まるわけではありません。常桜の花と氷涙の両方を準備できているなら、最後の選択で行き先を選べます。戦いを終えてひと息ついたら、ここだけは勢いで押さずに読みたいですね。出典:最後に選ぶ3種類の品、必要な品をそろえた場合の3択の照合。
FAQ|結末で迷いやすいこと
人返りの狼は、いつものように生き返る?
人返りの終幕は、九郎を救った狼の死と、その墓を訪れる2人までです。九郎の竜胤からの解放を伴う犠牲なので、普段の戦闘中の回生と同じ結果にはなりません。出典:人返りの犠牲、墓参りの場面記録。
修羅で戦う一心と、ほかの結末の一心は同じ戦い?
修羅は葦名城でエマから一心への連戦。九郎に忠義を尽くす3ルートはすすき野で弦一郎から、呼び戻された剣聖・葦名一心との戦いに続きます。場所も、直前の相手も違うんですね。出典:修羅の一心戦、両ルートの戦いの照合。
人返りと竜の帰郷、九郎を救うならどちら?
九郎に人としての暮らしを残したいなら、人返りにそれが描かれます。一方で、狼にも生きて旅を続けてほしいなら、竜の帰郷の終幕が合うでしょう。ただし九郎は変若の御子の内にいる形なので、2人が以前のように並んで暮らす結末ではありません。私は、九郎の墓参りでの決意も、西へ向かう狼の姿も、簡単に優劣をつけられないですね。出典:両エンドでの九郎の状態、それぞれの後日談の照合。
まとめ
狼の生死だけで見ると、見落とすものがあります。九郎を捨てた先の惨劇、願いをかなえて主を失う痛み、自分を犠牲にして残す未来、御子とともに続ける旅。4つの終幕は、守ろうとした相手との関係まで変えてしまうんです。
私には、荒れ寺で座る狼と、西へ歩き出す狼の違いが印象に残ります。どちらも生き残っているのに、その先に待つ時間はまるで違う。『隻狼』の結末が重いのは、勝ったあとまで狼の選択を見せるからでしょう。