レッドの帽子は覚えているのに、家族関係を思い出そうとすると手が止まる。『ブラックリスト』って、そんなドラマですよね。
リズの死とシリーズ最終回までのネタバレがあります。『ブラックリスト』は、2013年から2023年まで放送された全10シーズンの米国ドラマです。
結論からいうと、現在のレッドは、亡くなった本物のレイモンド・レディントンの身元を引き継いだ人物です。リズの母カタリーナがその正体だという考察は、終盤の描写で強く示唆されます。一方、リズはシーズン8で死亡し、レッドも最終回で牛に殺されます。名前の謎を残しながら、二人の命にははっきり終わりが来るんです。
レッドはリズの父親?骨が覆した、シーズン4のDNA検査

FBIへの投降で始まった、リズだけを指名する取引
物語の始まりは、大物犯罪者レッドが自らFBIへ投降する場面です。彼は、FBIも把握していない危険な犯罪者の情報を提供する代わりに、新人捜査官エリザベス・キーン、通称リズと話すことを要求します。
捜査を率いるクーパー、現場を走るレスラーたちは、レッドの情報で犯罪者を追います。ただ、レッドはその捜査を使って自分の敵も排除し、商売を広げていくんですよね。逮捕に協力する人が、別の場所では次の犯罪を仕込んでいる。FBIの同僚としては、胃薬が欲しくなる相手です。
リズの出生名はマーシャです。母はロシアのスパイ、カタリーナ・ロストヴァでした。実父は米海軍の将校だった、本物のレイモンド・レディントン。レッドがリズを特別に守る理由と、この父親の名前が長く絡み合います。
検査に使われた血液は、過去の事件の証拠だった
シーズン4の終盤、クーパーは昔の事件で保管されていたレディントンの血液を使い、リズとの親子関係を調べます。結果は父と娘。リズは目の前のレッドを父として受け入れ、抱きしめました。
現在のレッドから採ったものとは違います。この違いが、次のシーズンで父親という答えをひっくり返すんです。
同じころ、レッドと対立したミスター・キャプランは、彼が隠していた人骨を掘り出し、その秘密をリズへ届けようとします。キャプランは橋から身を投げて死亡。骨の入ったバッグは、リズの夫トムへ託されます。
トムは骨のDNA鑑定を進め、持ち主の正体にたどり着きました。しかし、バッグを狙うイアン・ガーヴェイに襲われ、シーズン5第8話で命を落とします。重傷を負ったリズは10か月の昏睡から目覚め、夫の死を知ることに。家族の秘密を調べるために、家族を失ってしまったんですよね。
シーズン5最終話で、リズも鑑定結果を知ります。骨の持ち主はリズの実父、本物のレイモンド・レディントンでした。実父はすでに死亡しており、いつも帽子をかぶって隣にいるレッドは、その名前を使う別人です。
幼いリズは、母と父が争った火事の夜に実父を撃っています。名前が同じだと、つい一人の顔で考えてしまいますが、骨が示したのは二人の存在でした。
カタリーナを名乗った女性は誰?リズがレッドを憎むまで
イリヤがレッドになった、というドムの話
骨の正体を知ったリズは、レッドの元の身元を探し続けます。シーズン6では、カタリーナの父ドムから、彼女の仲間イリヤ・コズロフがレディントンになったという話を聞きました。
イリヤは、亡くなったレディントンの銀行口座から資金を取り出す計画に関わっています。ただし、現在のレッドになった人物をイリヤとする部分は、ドムのうそでした。シーズン8第21話で、この話が訂正されます。
父の名前が解けたら、今度は母の仲間の名前。人名をメモした紙まで疑いたくなりますよね。リズにとっては、自分の過去を教えてくれる身近な大人が、何度も肝心なところを隠す苦しさです。
リズが母と信じたのはタチアナ・ペトロヴァ
シーズン7から母カタリーナを名乗る年長の女性が登場し、リズは彼女を信じます。レッドがその女性を殺し、リズは彼への復讐に走りました。やがて、レッドを倒すため、犯罪者タウンゼントと手を組みます。
しかし、この女性の正体はタチアナ・ペトロヴァです。過去にドムとイリヤの計画でカタリーナの身代わりにされた人物で、計画中の爆発で夫を失い、その後もカタリーナと間違われて追われていました。
レッドはタチアナの逃亡生活を援助していましたが、彼が本物のカタリーナの居場所を知っていると気づいたタチアナは、レッドを追います。リズへ母として近づいたのも、真相を探るためでした。リズの実母カタリーナと、母を名乗ったタチアナは別人です。
この違いをリズが知るのは、レッドを敵と決めて行動したあとでした。母を奪われたと思って憎んだ相手から、母についての新しい事実を聞かされる。リズの戸惑いも大きいですよね。
ラトビアの拠点で明かされる、ブラックリストの始まり
シーズン8第21話、レッドはリズをラトビアの情報拠点へ連れていきます。そこで過去の人物たちの姿を通じ、カタリーナがリズを守るために、新たなレディントンという人物を作った経緯が明かされます。
母の協力者イヴァン・ステパノフが渡した機密情報は、世界規模の情報網へ育ちました。ブラックリストとレッドの犯罪帝国は、リズを守る仕組みとして築かれたものです。
けれども、リズが現在のレッドの元の身元を問い詰めている最中に、タウンゼントが襲撃します。リズは銃撃で負傷し、レッドとデンベとともに地下の安全な部屋へ逃れました。レッドは拠点を炎に包み、タウンゼントと部下たちを殺します。
娘を守るための巨大な情報網は、彼女の周囲に敵も集めてしまったんです。危機をしのいだレッドは、次にリズを守る方法として、自分の死と帝国の継承を持ちかけます。
リズの死はシーズン8最終回。レッドを撃つ計画はどう崩れた?

リズに自分を殺させ、後継者にするつもりだった
レッドは病気で自分の命が長く続かないと考え、リズに自分を公の場で撃ち殺すよう頼みます。大物レッドを倒して後を継いだ実績があれば、犯罪の世界でリズを狙う者へのけん制になる。
レッドは、母からの手紙で正体を知れると約束します。受け取る条件は、彼を殺したあと。先に正体を知ればリズは自分を殺せなくなる、とレッドは考えていたんです。
リズを守るために、リズへ殺人を頼む。ここはつらいですよね。彼女が望む家族の答えと、レッドが考える生き残る方法が、別々の方向へ進んでしまいます。
引き金を引けないリズを、ヴァンダイクが撃つ
シーズン8第22話の夜、リズはレストランの外でレッドに銃を向けます。けれど、目の前の彼を撃つことができません。そこへタウンゼントの部下ヴァンダイクが現れ、リズを撃ちました。
レッドはヴァンダイクを撃ち殺し、倒れたリズを抱きます。リズの人生の記憶が重なり、幼い彼女を抱くカタリーナの姿と、今のリズを抱くレッドの姿がつながるんです。リズはここで死亡し、リズへ帝国を継がせる計画は崩れます。
デンベはレッドをその場から連れ出しました。その直後、レスラーやクーパーらが到着します。ずっと守ると決めていた人が腕の中で死ぬ。レッドが積み上げてきた力も情報も、この瞬間には間に合いませんでした。
手紙は死の前に渡されていた、とシーズン9で分かる
デンベはレッドの指示より早く、リズが殺される前に手紙を渡していました。
私には、手紙で答えを知ったことが、レッドへ向けた銃を下ろす理由になったように見えます。
リズ殺害の黒幕はマーヴィン。最後の裏切りがシーズン10へ続く

シーズン9は、リズの死から2年後に始まります。散り散りになっていた捜査チームが再び集まり、レッドは彼女の殺害を調べていくんです。かつてレッドを守っていたデンベは、この間にFBI捜査官になっていました。
撃ったヴァンダイクの背後にいたのは、レッドの弁護士マーヴィン・ジェラードです。彼は、長年レッドと築いた犯罪帝国をリズへ渡す計画に反発し、彼女の殺害を手配しました。
タウンゼントの部下に撃たれたという表面の出来事から、身内の裏切りへ話が進みます。レッドを支えてきた人間が、リズへ向けた特別扱いを許せなかったんですよね。守るために作った帝国の継承が、彼女を殺す動機になったのが苦いところです。
マーヴィンは逮捕後、レッドに命を狙われ、最後は自殺します。その前に、獄中のウージンへレッドとFBIの協力関係を暴露し、レッドに売られた犯罪者のリストを渡しました。本人が死んでも、この置き土産は残ります。
シーズン10でウージンは、レッドに復讐するため、過去のブラックリスターたちを集めます。しかし第9話で、レッドの仕掛けた捜査本部の偽装にはまり、レッドに殺されました。レッドは同じ作戦で、自分とFBIのつながりを示す記録も消します。
敵を倒したあとも、レッドはこれまでどおり帝国を広げ続ける道を選びません。物流会社や情報収集網をFBIの捜査へ差し出し、自分の組織を閉じていきます。シーズン8でリズへ継がせたかったものを、シーズン10では自分で解体していくんです。
一方、議員アーサー・ハドソンは、捜査チームとレッドの関係を追及します。レスラーの携帯を通じた盗聴で協力関係が知られ、クーパーたちは捜査を受ける立場に。ついには、長年の情報提供者であるレッド本人を捕らえるよう命じられます。
最終回ネタバレ:デンベを救ったレッドは、スペインで牛に殺される

ハドソンの銃撃と、レッドの輸血
終盤、デンベはレッドにFBIの動きを知らせたことで逮捕されます。レッドは護送車に車をぶつけてデンベを救い出そうとしますが、緊迫した現場でハドソンがデンベの首を撃ちました。
レッドはハドソンを撃ち殺し、レスラーにも発砲します。レスラーは防弾装備で命を守られました。レッドは重傷のデンベを医療施設へ運び、自分の血を輸血して救います。
その代わり、もともと体調の悪いレッドはさらに弱ってしまうんです。デンベの容体が安定すると彼は去り、その後は血を吐くほど消耗していました。いつもデンベに守られていたレッドが、最後に自分の体を使って彼を生かす。二人の長い関係が、ここで胸にきます。
雄牛イスレロの頭骨が、逃亡先の手がかりになる
レッドの行き先は、スペインのアンダルシアでした。彼は以前から、闘牛士マノレーテを殺した牛イスレロの頭骨を持っており、スペインのミウラ牧場へ戻したいと話していました。
レッドの居場所を調べるクーパーとシーヤは、持ち物の中からその頭骨が消えたことに気づきます。そこからスペインへ捜索がつながり、レスラーが現地でレッドを追うことに。珍しい収集品が、最後には自分の足取りを知らせてしまったんですよね。
レッドは滞在先で休み、市場で果物を買い、リズの娘アグネスと電話します。恋の話を聞き、母親のようにあれこれ気にかける。追われている最中でも、彼女との日常の会話を持っていたい人なんです。
レスラーは市場でレッドの痕跡を探し、スイカの配達先から滞在場所へたどり着きます。けれど、そのときレッドはすでに散歩へ出ていました。
突進する牛の前に立ち、レスラーが遺体を見つける
レッドは丘を越えて歩き、一頭の雄牛と向かい合います。牛は彼へ突進しますが、レッドは逃げずにその場に立ち続けました。
場面が切り替わり、ヘリコプターで探していたレスラーが、草地に倒れたレッドを見つけます。レッドは牛に殺され、レスラーがその遺体を発見してシリーズは終わります。レスラーはクーパーに発見を知らせ、そばに落ちていた帽子を拾いました。
あれだけFBIと犯罪者の追跡をかわした人の最期が、牛との対面! 一瞬、持っていたリモコンを置きたくなる結末ですよね。
牛の意味は?死を受け入れたという解釈
レッドは、闘牛士マノレーテと、彼を殺した牛イスレロの話をシーヤにしていました。イスレロの頭骨を戻そうとする旅と、牛の前から逃げない姿をつなぐと、自分の最期を受け入れたという解釈ができます。
デンベも最後に、レッドが死を恐れず、冒険に満ちた生を選んできた人だと語ります。その言葉に重なるのは、病気と輸血で弱りながら、自分の足で風景の中を歩くレッドです。
私には、捕まるまで待つより、歩けるうちに自分の好きな場所へ行きたかった人の最期に見えます。ただ、牛に殺される計画を最初から立てていたという動機は推測です。
レッドの正体はカタリーナ?母親説を支える三つの場面
レッド=リズの母カタリーナは、本編の手がかりをつないだ考察です。カタリーナは、リズを守るために新たなレディントンを作りました。
この考察が強くなるのは、まずシーズン8第21話の過去の説明です。実父の死、イリヤ説の訂正、タチアナの正体が明らかになり、残ったのは娘を守るために人生を変えたカタリーナ。レッドの存在そのものが、その決断とつながります。
次にシーズン8最終話。死にゆくリズを抱くレッドと、幼いリズを抱くカタリーナの映像が重なります。先に正体を知ったらレッドを殺せなくなるという話も、母を撃てない娘という読み方に結びつくんです。
三つ目は、シリーズ最終話のアグネスとの電話です。アグネスは、レッドの言うことが母親みたいだとからかいます。レッドは、自分ではどうにもできないという趣旨で受け止めました。母親という言葉に、あえて含みを残す会話です。
私は、この三つを重ねたカタリーナ説が最もしっくりきます。娘の人生から姿を消した母が、別の名前でそばに居続けた、と考えるとレッドの執着にも悲しさが出るんですよね。
デンベは生還し、レスラーはレッドの遺体を発見する
リズが死亡するのはシーズン8第22話で、シリーズ最終話はシーズン10第22話「レイモンド・レディントン 穏やかな眠り」です。シーズン9の殺害事件の解明は、亡くなった彼女をめぐる捜査として進みます。
レッドの具体的な病名は不明です。終盤には衰弱や吐血があり、デンベへの輸血も彼を消耗させますが、最後に命を奪ったのは雄牛。
| 人物 | 終盤の出来事 |
|---|---|
| デンベ | 銃撃から生還。刑事訴追は免れる一方、FBIの職は失い、銃と向き合う生活から離れる気持ちをクーパーへ話しました。 |
| クーパーとアグネス | クーパーがリズの娘アグネスを育てています。レッドは最後までアグネスとの電話を大切にし、スペインからも話します。 |
| レスラー | 発砲を受けても生存し、スペインまで追跡。追い続けたレッドの遺体を最初に見つける捜査官になります。 |
| ハービー | ニクソンがレッドを殺す意向を示したため、その捜索への参加をやめました。 |
| アラムとパーク | シーズン9終盤で、アラムは休職を選び、妊娠したパークは医療上の休暇に入ります。 |
レッドを慕う人たちの決断がそれぞれ違うところに、最後まで人間関係の温度が残っています。
もう一度観るなら、骨の鑑定と手紙、最後の電話が気になる
正体の謎を振り返るとき、印象が変わるのはシーズン5最終話の骨の鑑定、シーズン8第21・22話の過去と手紙、シーズン9第8話の手紙を渡した事実、シーズン10最終話のアグネスとの電話です。
リズが銃を下ろす場面は、手紙を受け取っていたという補足を知ると、彼女の表情が気になります。牛の場面にも、頭骨を持っていたレッドの話とデンベの言葉が重なるんですよね。私は大きな種明かしを待っていたぶん、最後の電話をもう一度聴きたくなりました。
NBC公式のファイナル・シーズン紹介映像です(英語)。
最終話の邦題は「穏やかな眠り」です。あの草地を思い出すと、この静かな題名にも少し引っかかりが残ります。
FAQ
レッドはリズの実の父親ですか?
リズの実父は、過去の火事の夜に撃たれて亡くなったレディントンです。物語で彼女と組むレッドは、その身元を引き継いでいます。骨の鑑定で、この二人の違いが分かりました。
レッド=カタリーナは、最終回で確定しますか?
レッド=カタリーナは、母と娘の映像、手紙の条件、最後の電話から導く強い考察です。アグネスの「母親みたい」という言葉も、その読み方を後押しします。
リズを殺した犯人はタウンゼントですか?
リズへ発砲したのは、タウンゼントの配下にいたヴァンダイクでした。その殺害を手配した人物は、シーズン9で弁護士マーヴィンだと判明します。
レッドが死んだのは偽装ですか?
最終話は、雄牛の突進と、レスラーによるレッドの遺体発見で終幕します。牛の前に立った理由には解釈の余地がありますが、生死については死亡という結末です。
まとめ
リズの家族をめぐる謎は、本物の父の骨と、母を名乗るタチアナの正体によって大きく変わりました。カタリーナ説は、娘を守るために作られたレッドの人生と、母子を重ねる映像、アグネスの言葉に支えられています。
リズへの継承はマーヴィンの裏切りで失われ、レッドは最後のシーズンで自分の組織を閉じます。そしてデンベを生かし、スペインで雄牛と向き合って命を終えました。
名前の答えを本人の口から聞きたかった気持ちは残ります。それでも、娘を失った人が最後に誰を救い、誰と話したかは、具体的な場面として残るんです。帽子を拾うレスラーの姿まで含めて、すっきり納得とはいかないけれど、忘れにくい最期でした。