※最終回までの結末ネタバレがあります。
ステファンの墓に別れを告げたのに、最後は兄弟が抱き合う。あの再会で、いったん飲み込んだ涙が戻ってきませんでしたか?
『ヴァンパイア・ダイアリーズ』は全8シーズンのテレビドラマで、最終話はシーズン8第16話「I Was Feeling Epic」です。
結末では、ステファンがデイモンを人間に戻し、キャサリンとともに地獄の炎で命を落とします。エレナは目を覚まし、デイモンと長い人生を歩むことに。最後の抱擁は、その人生の後に待っていた再会なんです。
兄を救った弟、友達を目覚めさせたボニー、夫の愛を受け取って生きていくキャロライン。恋愛の決着と家族への思いが一度に押し寄せるので、ティッシュを一枚ずつ取る余裕まで持っていかれます。
エレナの眠りと治療薬は、シーズン6から続いている

ボニーが生きている限り、エレナは眠るという呪い
最終回のエレナは、もともと人間です。シーズン6第20話でヴァンパイアの治療薬を飲み、普通の寿命を持つ身体に戻っていました。
ところが同シーズンの最終話で、カイがエレナとボニーの命を魔法で結びつけます。ボニーが生きている間、エレナは眠り続けるという仕組み。友達の人生が終わるまで恋人に会えないなんて、呪いの性格が悪すぎですよね。
デイモンはボニーを救い、エレナの目覚めを待つ道を選びます。エレナも、ボニーに自分の人生を全うしてほしいと願っていました。この選択があるから、最終回でボニーが倒れると「エレナが戻る代わりにボニーが死ぬの?」と身構えてしまうんです。
エンゾの死と、ステファンを人間にした注射
治療薬は、シーズン8第11話で別の人へ渡ります。感情を切り捨てていたステファンが、ボニーの恋人エンゾを殺害。ボニーはエレナの血から取り出していた治療薬をステファンに注射し、彼を人間に戻しました。
エンゾとボニーは、二人で年を重ねる未来を望んでいたんです。その相手を奪ったのがステファンでした。
人間に戻ったステファンは、自分の犯した罪と向き合います。キャロラインとの幸せを手に入れようとする彼の中に、エンゾを殺した後悔も残ることに。最終回の自己犠牲には、この直前の傷が重なっています。
薬の移動はエレナの血→ステファンの血→デイモンです。注射器一本が、兄弟の寿命と恋人たちの将来を変えてしまいました。
ケイドを倒した先に、キャサリンと結婚式が待っていた
最終シーズンで兄弟を追い詰めるのは、地獄を支配するケイドです。デイモンとステファンは彼に魂を集める役を負わされ、殺人を重ねていきます。
第14話では、兄弟とボニーがケイドを倒しました。ところが、地獄の新しい支配者になったのはキャサリン。かつてサルバトーレ兄弟を翻弄した相手が、最後の敵として戻ってくるんです。
地獄から戻ったカイも、ボニーによって新たな牢獄世界に閉じ込められます。エレナを眠らせた男の再登場が、彼女の棺をめぐる争いまで引き連れてきました。
カイが戻ってくるシーズン8の場面。ワーナー英国公式の映像です(英語)。
第15話では、キャサリンを誘い出すため、ステファンとキャロラインが結婚式を挙げます。作戦を兼ねた式でも、二人が交わす誓いは本物です。
披露宴を襲ったのは、マットの母ケリーが仕掛けたガス漏れと火災でした。ボニーとキャロラインの双子は魔法を使って脱出します。その後、町の鐘が鳴り、ボニーが倒れる事態に。新婚の夜に町の存亡まで背負わせるなんて、ミスティック・フォールズの式場予約は怖すぎですよね。
最終話の危機は、ビッキーが鳴らす12回目の鐘
倒れたボニーは、生と死の間でエレナに会います。ステファンとキャロラインが蘇生を試みる一方、彼女が会いたいと願うのはエンゾです。
エレナは彼女に生きてほしいと願い、エンゾも生へ戻るよう促します。ボニーは意識を取り戻しました。まだ、彼女自身の時間が残っているんです。
その頃、デイモンの前にエレナそっくりの女性が現れます。抱きしめた相手の正体はキャサリンでした。眠っている本物のエレナは、高校のボイラー室へ運ばれ、カイの魔法で閉じ込められています。
キャサリンは、ケイドが兄弟を狙うよう仕向けた張本人でもあります。最後の復讐は、町ごと焼き払うこと。地獄から戻ったマットの姉ビッキーに、マクスウェル家の鐘を鳴らさせます。鐘の12回目が、ミスティック・フォールズを地獄の炎で焼く引き金です。
デイモンがビッキーを止めようとしても、死んだ彼女は再び戻ってきました。マットは姉と向き合い、住民の避難も進めます。姉が地獄へ連れ戻される恐怖と、町を守る責任。その両方を抱える弟の立場もつらいですよね。
ボニーは、迫ってくる炎そのものを地獄へ送り返す計画を立てました。キャサリンを地獄に戻すタイミングと合わせれば、地獄とその支配者をまとめて滅ぼせます。
キャサリンは骨の短剣で刺されても、何度も地上へ戻ってくる相手です。炎が来る瞬間に彼女を刺し、逃がさず押さえる役が必要になります。誰か一人が、あの炎の中に残ることに。
ステファンはなぜ兄を救った?治療薬と最後の犠牲

デイモンも、自分が残るつもりだった
デイモンは、自分がキャサリンと残ると決めます。弟には人間としての未来があり、結婚したばかりのキャロラインもいる。兄として弟を生かしたいという選択でした。
ステファンも、自分が残ると主張します。彼の後悔は、エンゾの死と、昔デイモンをヴァンパイアにしたことにまで及んでいました。兄から奪った人間の人生を、今度は返したいんです。
どちらも、相手が生きる未来を望んでいる。あれほど喧嘩してきた兄弟が、最後は同じ理由で譲れなくなるのが苦しいですね。
デイモンは、人間になった弟に暗示をかけて立ち去らせます。ステファンは従ったふりをしました。暗示を防ぐ薬草バーベナを摂っていたため、自分の意思で動けたんです。
自分の血を兄へ渡し、キャサリンと炎の中に残る
ステファンは自分の血にある治療薬を注射器に取り、デイモンへ注入します。ここでデイモンは人間になり、エレナと同じ時間を生きられる身体を得ました。
そしてステファンは、キャサリンを短剣で刺して押さえたまま、炎の中へ。二人の命はそこで尽きました。弟が兄を逃がし、自分の命で最後の役を引き受けた結末です。
治療薬を失ったステファンの身体には、急速な老化が迫っていました。自分に残る時間の短さを知りながら、デイモンに生きてほしいと願うんです。エレナに会ったときも、兄が彼女にふさわしい人になったと話します。
私はこの選択を、ステファンが大事な人へ返せるものをすべて返した瞬間だと感じます。兄へ人間の人生を、町へ平穏を。それでもキャロラインには一緒に暮らしてほしかった。新婚の二人を思うと、素直に拍手だけで受け止めるには痛すぎます。
ボニーが地獄を消し、エレナの眠りも終わらせる
鐘の12回目で噴き出すのは、地獄の炎です。ボニーは武器庫でその炎を受け止め、魔法で押し返そうとしていました。
エンゾの励ましに加え、祖母シーラをはじめとするベネット家の魔女たちがボニーを支えます。死者となった先祖たちも一緒なんです。彼女たちの力が重なり、炎は地獄へ送り返されました。町を救ったのは、キャサリンを押さえるステファンの犠牲と、炎を操るボニーの魔法です。
ボニーはこの大仕事を生き延びました! さらにカイの呪いを破り、エレナを目覚めさせます。ボニーとエレナは、二人とも生きているんです。
地獄を止めて、友達の眠りまで終わらせる。もう翌日の予定は全部休みにしてあげたいです。
エレナは目を覚ます前、生と死の境にある高校でステファンと別れを交わします。彼は自分の犠牲とデイモンに託した未来を話し、キャロラインへの言葉をエレナに預けました。
その後ステファンを迎えるのは、親友レクシーです。再会して抱き合う姿に、彼がようやく安らげる場所へたどり着いたと感じました。
キャロラインへの返事と、仲間たちが選ぶその後

留守電の愛情は、ちゃんとステファンへ届いた
キャロラインはステファンのそばに残ろうとしますが、最後に選ぶのは双子の安全です。町を離れる彼女は、ずっと愛していると夫の留守電に残しました。
目覚めたエレナは、その返事をキャロラインに届けます。ステファンは言葉を聞いていて、自分も永遠に愛していると伝えていたんです。
夫婦として暮らす時間は、あまりに短いものでした。それでも、彼が自分の愛を受け取ったという返事が妻に届く。電話を切った側だけが返事を待ち続ける苦しさを思うと、このひと言には救われます。
ステファンの墓に仲間たちが残すのは、それぞれの思い出の品です。目覚めたエレナもデイモンたちと再会します。喜びと喪失が同じ場所にある、静かな別れでした。
キャロラインとアラリックは、子どもたちの学校を作る
キャロラインはヴァンパイアのまま生き続け、アラリックとともにサルバトーレ家の屋敷で学校を始めます。魔法など特別な力を持つ子どもたちのための学校です。ジェレミーも協力します。
クラウスから届くのは、300万ドルの寄付と手紙でした。金額の桁に目が止まりますが、その寄付はキャロラインたちが始める仕事を後押ししています。
失った夫の家が、子どもたちの居場所になる。キャロラインの結末には、悲しみを抱えたまま毎日を作っていく強さを感じますね。
ボニーは旅へ、マットは町に残る
ボニーはパスポートを持ち、世界を旅する人生を選びます。彼女のそばには、見守るエンゾの姿もあるんです。
町や友達の危機のために力を使ってきたボニーが、ようやく自分の行きたい場所へ向かう。旅行の荷物を詰めるような普通の楽しみが、彼女にはとびきりのご褒美に思えました。
マットは保安官として町を守り、市長への立候補も考えています。町からは、彼をたたえるベンチの贈り物。ビッキーとタイラーが見守る中、人間としてこの町で生きてきた彼にも、穏やかな未来が続きます。
エレナとデイモンは、人間として長い人生を送る
エレナが選ぶ仕事は医師です。医学校を卒業し、ミスティック・フォールズへ戻ってきます。デイモンとは結婚し、二人で人間として長い人生を送りました。
デイモンが気にかけるのは、ステファンにまた会えるかどうかです。自分が救われ、弟が命を落とした。その悲しみを抱えながら、エレナと暮らしていきます。
エレナの日記に重なるのは、喪失を経験しても生き続けることへの思いです。愛する人と普通に年を取れる未来を、ステファンとボニーがつないでくれました。
私はこの「長い人生」という部分が、すごく好きです。いつか誰かが帰ってくるかもしれないと待つ日々から、同じ一日を二人で過ごす日々へ。派手な魔法の後で、その普通がいちばんぜいたくに見えるんですよね。
最後の兄弟の抱擁は、デイモンの人生が終わった後

ラストは、二人が長く生きた先の「安らぎ」へ移ります。エレナは両親やジェナ、ジョンと再会しました。大切な家族が彼女を迎える、死後の再会です。
デイモンが帰る先には、ステファンがいます。「Hello, brother.」と声をかけ、兄弟は抱き合うんです。
ステファンの死、エレナとデイモンの長い人生、死後の兄弟の再会には、時間の隔たりがあります。最終決戦で命を落とした弟を、人生を全うした兄がようやく抱きしめる。その間に、エレナと過ごした年月が流れています。
「ステファンは亡くなったのに、どうしてデイモンと会えるの?」という戸惑いは、この時間の移動から生まれます。最後のデイモンは、弟に再び会える場所へたどり着いたんです。
恋人同士の幸せを受け取った後、最後に残るのは兄弟の顔。デイモンは、ステファンにもう一度会いたかったんですよね。あの短い挨拶と抱擁で終わるから、私はエンドロールの間もしばらく座り直せませんでした。
観返したくなるのは、留守電に残したキャロラインの声
もう一度最終話を観るとき、私ならキャロラインの電話に立ち止まります。双子を守るために夫と離れ、その声がステファンに届き、エレナが返事を持ち帰る。三人をつなぐ小さな会話が、あの別れを支えています。
兄弟が互いに残ろうとするやり取りにも、結末を知った後だからこその切なさがあります。デイモンには弟を生かしたい思いがあり、ステファンには兄へ人生を返したい思いがあるんです。
シーズン8第11話のエンゾの死と治療薬の注射、第15話の結婚式も、最終話へつながる大きな節目です。ステファンの後悔と新婚の幸福を思い出すと、最後の選択がいっそう重く感じられます。
もう一度観る前にティッシュを補充したくなりますね。地獄の炎を相手にした彼らにも、声ひとつで涙腺を持っていかれる私たちにも、あの夜は忙しすぎます。
FAQ
ステファンは最終回で死亡しますか?
はい。キャサリンを逃がさず地獄の炎にとどまったことが、彼の最期です。死後はレクシーに迎えられ、やがてデイモンとも会います。
エレナが起きたのは、ボニーが死んだからですか?
目覚めを実現したのは、ボニーによる呪いの解除です。彼女は決戦を生き延び、旅へ出る未来を選びました。
エレナはステファンとデイモンのどちらと結ばれますか?
夫となるのはデイモンです。人間になった彼と暮らし、エレナ自身は医師としての人生も歩みます。
キャロラインは人間に戻りますか?
彼女の結末は、ヴァンパイアとして学校の運営に携わることです。アラリックと協力し、特別な力を持つ子どもたちを支えます。
まとめ
最後にステファンが兄へ渡したのは、人間の寿命と、エレナの隣で生きる未来でした。ボニーは地獄の炎を退け、長く眠っていた友達との再会まで成し遂げます。
キャロラインが学校を始め、ボニーが旅に向かい、エレナが医師になる。その年月のずっと先で、デイモンは弟に迎えられました。弟が守った人生を兄が生き抜き、ようやくもう一度抱き合える。あの挨拶にたどり着いたとき、私は寂しさと同じくらい、二人が会えたことにほっとします。