吹雪のペンションで窓が割れ、田中の部屋からバラバラの遺体が見つかります。おいしい夕食の後が、もうこの惨劇です。同じ屋根の下にいる人たちまで怖くなるんですよね。
犯人・トリック・結末のネタバレがあります。『かまいたちの夜』のSFC版は、1994年11月25日発売です。
犯人は美樹本洋介。田中も彼が演じた人物です

ミステリー編の真犯人は、遅れてペンションに到着するフリーカメラマン、美樹本洋介です。サングラス姿の田中一郎も、美樹本が変装して名乗った架空の宿泊客でした。
そして、田中の部屋に置かれた遺体の男は「南」。美樹本と銀行強盗をした仲間で、宿に来る前に殺されています。生きていた田中と、見つかった遺体は別の人なんです!
| 名前・姿 | 正体と役割 |
|---|---|
| 美樹本洋介 | カメラマンを名乗る銀行強盗犯。宿での事件を仕組みます。 |
| 田中一郎 | コートやサングラスで姿を隠した美樹本。最初に宿へ入ったときの偽名です。 |
| 南 | 美樹本の強盗仲間。殺されて切断された遺体が、荷物に入れて運び込まれました。 |
「犯人は誰か」と同時に、「誰が殺されたのか」まで仕組まれている事件です。田中と美樹本。二人の宿泊客として覚えた顔が、一人につながるんですね。
スキー旅行が惨劇へ変わるまで
大学生の透は、好意を寄せる真理に誘われてスキー旅行に出かけます。泊まるのは、真理の叔父・小林二郎が営む長野県のペンション「シュプール」です。
小林と妻の今日子、アルバイトの久保田俊夫と篠崎みどりが客を迎えます。宿泊客には関西弁の社長・香山誠一と妻の春子、渡瀬可奈子・河村亜希・北野啓子の会社員三人組もいて、食事や会話を楽しむ夜になるはずでした。
その中で、田中はコートやサングラスを身につけ、ほかの客との会話を避けています。夕食を終えると、自分の部屋へ戻ってしまいました。無口で目立つ客がいると、ついそちらを気にしますよね。
夕食後、三人組の部屋で見つかるのが、「こんや、12じ、だれかがしぬ」というメモです。一同は悪ふざけとして受け流し、遅れて美樹本も到着します。
ところが、午後9時ごろにガラスが割れる音が響き、田中の部屋で遺体が発見されます。予告された午前0時より前に、事件が発覚してしまうんです。外は吹雪、電話も通じず、助けを呼べない状態でした。
一同は建物を捜索し、侵入した殺人犯を探します。やがて疑いは宿泊客や宿の人たちへ向かい、透も真理を守るために推理を始めます。スキーの腕前を見せるつもりが、命がけの犯人当て。旅行の予定としては厳しすぎます。
田中への変装と、窓が割れる時間差のトリック

美樹本は田中として先に宿へ入っていました
美樹本は、田中の姿でチェックインし、切断した南の遺体を荷物に入れて持ち込みます。夕食後に客室へ遺体を置き、窓に仕掛けを作ってから外へ出ました。
外で服装を変え、サングラスを外し、付けひげをつけます。美樹本の姿で再び到着すると、客たちには、夕食後に初めて来た人に見えました。
田中が部屋へ戻った後に、美樹本が到着する。この時間のずれで、一人を二人に見せかけています。服装とひげの違いに加え、交代するような到着で、客たちはそれぞれを別人として受け入れます。
予告状が見つかった時点では、美樹本はまだ来ていない客です。一方、田中の姿ではすでに宿にいました。あのメモを仕込めたのも、この一人二役があったからなんですね。
板とロープ、屋根の雪で窓が自動的に動きます
美樹本は板とロープ、屋根に積もった雪を使い、窓が自動的に動く仕掛けを作っていました。
外側へ大きく動いた窓が建物の壁にぶつかり、ガラスが割れます。その音で、一同が田中の部屋を調べることになりました。
音がしたとき、美樹本はほかの客と談話室にいます。客たちがガラスの音を殺人の時刻だと考えれば、彼にはアリバイがあるんです。窓が割れる音をきっかけに、用意済みの遺体が発見されました。
遺体はすでに部屋にあり、窓だけが後から動く。殺人と発見の時刻をずらし、犯人が外へ逃げたようにも見せています。音が大きいと、つい「いま何か起きた!」と考えてしまいますよね。
南を殺した理由は、銀行強盗の分け前でした
美樹本と南は銀行強盗を行い、その後、南が取り分を増やすよう求めたことで争いになります。美樹本は南を殺し、遺体を運べるように切断しました。
盗んだ金は宅配便でシュプールへ送り、宿で受け取る算段です。美樹本にとって、雪山の宿は強盗後に身を隠す場所でもありました。
この動機や南の身元は、みどりが殺された後に美樹本の正体を暴く分岐で、本人の告白から明らかになります。早期解決で命を救える展開と、犠牲が出てから犯罪の背景まで聞く展開。その差が、ちょっと残酷なんです。
早く解決できた夜、透と真理はどうなる?
透が体当たりし、真理に朝の挨拶をする結末
田中の部屋で遺体が見つかった後、早い段階で美樹本の正体と窓の仕掛けを見抜くと、宿での新たな殺人を防げます。南はすでに死亡していますが、シュプールの客と関係者は生きて朝を迎えられる分岐です。
透が付けひげを引っ張ると、美樹本は透を捕らえて腕をひねり上げます。腕を折られた透が、なお美樹本の背中へ体当たりし、真理や俊夫、小林らも一緒に立ち向かうのでした。
一同が犯人を取り押さえる中で、透は意識を失います。目を覚ましたときにはベッドに寝かされ、腕はギプスで固定されていました。吹雪が収まり、医者が来られる状態になったのです。
隣のベッドには真理がいて、やがて目を覚まします。透は彼女に「おはよう、真理」と声をかけました。
朝の挨拶ひとつが、こんなにうれしい。二人とも生きていることが、その短い言葉に詰まっているんです。
真理が犯人を倒し、透にキスをする分岐もあります
同じ早期解決から、負傷した透を真理が助け、犯人を撃退する展開にも分かれます。自信をなくした透に、真理がおまじないのキスをする結末です。
また、透の推理を真理が引き継ぎ、美樹本を一本背負いで倒す分岐もあります。真理のほうが鮮やかに解決してしまうんですね。頼もしいですが、透の見せ場はかなり持っていかれます。
犯人を暴いてからも、透がどう応じるかで二人のやり取りは変わります。体当たりで朝へたどり着く結末、負傷した透に真理が寄り添う結末、真理が活躍する結末。それぞれに違ううれしさがあると思います。
推理が遅れた夜は、みどりの死から殺人が続くんです

みどりを失った後に解決すると、俊夫も命を落とします
早期解決を逃した展開では、アルバイトのみどりが美樹本と田中の関係に気づきます。本人へ正体を問いただしたことで、口封じに殺されてしまうんです。
みどりの死後に犯人を当てる分岐では、美樹本が南の殺害や強盗の金について告白し、拳銃で一同を脅します。縛られた俊夫は隠していたナイフでロープを切り、透や真理とともに反撃するのでした。
美樹本は倒され、縛り上げられます。みどりを愛していた俊夫は、その後に部屋を離れ、拳銃で自ら命を絶ちました。この分岐で命を落とすのは、南に加えてみどりと俊夫です。
俊夫の死で、透は床へ崩れ、彼まで命を落としたことを嘆きます。せっかく美樹本を捕らえたのに、という苦さが残るんですね。
美樹本が死を偽装し、小林夫妻や香山も殺されます
さらに推理を誤った展開では、香山が犯人と疑われて地下室へ閉じ込められます。美樹本は頭のけがを利用して死んだふりをし、自分も被害者に見せかけるのです。
深夜には小林と今日子が殺され、地下室の香山も遺体で見つかります。その後、俊夫、春子、三人組の亜希と啓子まで犠牲になる展開へ進みました。犯人を隔離したつもりでいる間にも、生きている美樹本が動き続けています。
誰がどこにいたかを見失い、残った人たちまで互いを疑います。透が真理を守ろうとする気持ちにも、焦りと恐怖が混ざっていくんですよね。
真理が透を刺す結末は、可奈子を巡る誤解から起きます
惨劇が続いた末、錯乱した可奈子がスキーのストックで透に襲いかかります。透はモップで応戦し、恐怖から何度も殴って、可奈子を殺してしまいました。
その透を目撃した真理は、彼が殺人犯だと思い込みます。真理はストックで透の喉を刺し、透は命を落とします。美樹本の偽装で真犯人を見失ったまま、二人の関係まで壊れてしまう結末です。
別の選択では、透が真理を犯人と疑い、モップで彼女を殺してしまいます。その直後に真犯人から襲われ、透も命を落とします。二人そろって失われる、救いのない終わり方でした。
また、深夜に美樹本の正体を見抜いて彼の部屋へ向かうと、透が襲われ、真理がナイフで美樹本を刺殺する分岐にも至ります。真理が透の命を救い、二人は生き延びます。早い段階の解決と比べると、残る犠牲があまりに大きいんです。
スパイ編では諜報員が争い、オカルト編では真理が怪異に巻き込まれます
SFC版には、ミステリー編のほかにも、同じ人物たちが別の事件に巻き込まれるシナリオがあります。選択によって、ペンションでの一夜がまるごと違う話へ変わる仕組みです。
| シナリオ | 何が起こるか |
|---|---|
| スパイ編 | 「かまいたち」という諜報員を巡り、各国のスパイが争います。 |
| オカルト編 | シュプールの過去と、真理を巻き込む怪異が事件の中心です。 |
| 鎌井達の夜 | 透と真理が遊ぶゲームが、二人の現実をなぞり始めます。 |
| 雪の迷路編 | 遭難した二人が宿へ戻ると、すでに人々が殺されていました。 |
美樹本が頼れる側になる話もあり、真理の立場も変わります。
同じ顔ぶれなのに、安心して任せられる相手まで変わる。名前を覚えたら安心、という油断をさせてくれないゲームですね。
もう一度遊ぶと、予告状と美樹本の到着が気になります
正体を知った後の再プレイでは、予告状が見つかる時刻、田中が部屋へ戻る場面、美樹本の到着が、ひと続きの犯行としてつながります。初回は怖くて急いだ会話にも、別の意味が出てくるんです。
宿の外で雪が落ちる音を聞く場面には、窓の仕掛けを考える手がかりがあります。犯人名が「みきもと」と分かっていても、解決の分岐には窓が割れる理由までたどり着く必要がありました。
腕を折られる透を助ける選択や、真理が推理を引き継ぐ選択には、二人の関係も表れます。犯人を知った状態なら、どちらがどう動くかを楽しみながら遊べますね。
第1作のメインストーリーは『かまいたちの夜×3』にも収録
2024年9月19日発売の『かまいたちの夜×3』は、シリーズ第3作の移植です。第1作・第2作のメインストーリーも収録し、Nintendo Switch、PS4、Steamで遊べます。
第1作のメインストーリーも収録した、2024年版『かまいたちの夜×3』の公式予告編です。
FAQ
田中も犯人ということですか?
田中一郎という名前と格好で先に泊まったのが美樹本です。犯行前後で外見を変え、ほかの客には二人いるように見せていました。
バラバラの遺体になった人は誰ですか?
強盗の相棒だった南という男です。金の分配を巡って美樹本に殺され、宿へ運ばれました。
早期解決なら、全員が助かりますか?
南の殺害は、透たちが事件を調べる前に起きています。遺体発見の直後に解決する展開なら、その後の宿泊客や従業員の犠牲を止められます。
真理に殺されたなら、真理が連続殺人の犯人なのですか?
真理による透の殺害は、可奈子を殴った透を犯人と誤解した結果です。連続する事件を仕組み、客の間に疑いを広げたのは美樹本でした。
まとめ
SFC版ミステリー編の事件は、美樹本が田中を演じ、南の遺体を持ち込んだところから始まります。窓が割れたときにほかの客と談話室にいたことが、美樹本のアリバイになりました。
早い解決なら、透と真理は生きて朝を迎えます。判断が遅れると、みどりや俊夫を失い、透や真理が相手を殺す展開にもつながるんです。
真理に朝の挨拶ができるか。それがこれほど切実になるペンション旅行、やっぱり忘れにくいですね。