竹林で別れたゴンは、テウルのところへ戻ってこられるのでしょうか。最終回まで見ても、過去のリムと現在のリム、よく似た顔の人たちが頭の中で渋滞しますよね。名前を思い出している間にも、話は別の世界へ。こちらの脳にも交通整理がほしいところです。
『ザ・キング: 永遠の君主』は、2020年にSBSで放送された全16話の韓国ドラマです。最終第16話の結末までネタバレがあります。
結末を先に言うと、ゴンとテウルは2021年に再会し、それぞれの世界で働きながら、週末を一緒に過ごす関係になります。そこへ至るには、1994年の謀反を止める戦いと、離れ離れになった二人の再会が必要でした。
二つの世界をつないだ、半分の笛とテウルのIDカード
皇帝と刑事の出会いが分かる、Netflix Japanの公式予告編です。
始まりは1994年、大韓帝国の宮殿で起きた謀反。イ・リムは、不思議な力を持つ笛「萬波息笛(マンパシクジョク)」を奪おうと、弟である皇帝、つまりゴンの父を殺します。幼いゴンが剣を振るったことで笛は二つに割れ、リムはその片方を持って逃走しました。
窮地のゴンを救ったのは、黒い服を着た何者かです。その場に落ちた警察のIDカードには「チョン・テウル」の名前と顔写真があり、ゴンは命の恩人を探す手掛かりとして持ち続けます。幼いころから気にしていた顔が、大人になってからの恋につながるんですね。
2019年、皇帝となったゴンは笛の力で、大韓帝国と並行して存在する大韓民国へ渡ります。そこで出会うのが刑事のテウル。本人は皇帝だと名乗りますが、彼女の反応は当然、警察としての警戒です。白馬で街に来て「私は皇帝」。職務質問する側の苦労も相当でしょう。
その後、テウルも大韓帝国を訪れ、ゴンが本当に皇帝であることを知ります。互いの世界へ行き来するうちに、二人は恋人同士に。ただ、リムも同じ笛の力を使っていました。
同じ顔でも、それぞれ別の人生を送っています
| 大韓帝国の人物 | 大韓民国の人物 | 物語での違い |
|---|---|---|
| イ・ゴン | イ・ジフン | 皇帝のゴンと、韓国で生まれたジフン。テウルが恋した相手はゴンです。 |
| ルナ | チョン・テウル | 身寄りのないルナと、刑事のテウル。リムはルナを使い、テウルに成り代わらせようとします。 |
| チョ・ヨン | チョ・ウンソプ | 近衛隊長のヨンと、警察署で働くウンソプ。性格の違う二人が、ゴンを支える仲間です。 |
俳優の顔は同じでも、生まれ育った場所や性格が違います。特にヨンとウンソプは、きっちりした護衛と人懐っこい青年。顔が同じぶん、態度の差が妙に楽しい組み合わせです。
イ・リムは人を入れ替え、二つの世界を支配しようとする
逃げたリムは大韓民国で、自分と同じ顔の人物を殺害します。その遺体を大韓帝国へ運び、自分の死を偽装。生き延びたまま両方の世界を行き来し、協力者を増やしていきました。
貧しさや家族の問題に苦しむ人に、別世界の裕福な自分の写真を差し出すのがリムのやり方です。相手の暮らしを奪う代わりに、自分の手駒として動かす。人生を取り替える話の裏に殺人があるので、甘い誘いほど怖いんです。
シンジェの正体は、大韓帝国に生まれたカン・ヒョンミン
テウルの同僚カン・シンジェは、大韓帝国で「カン・ヒョンミン」として生まれた人物です。幼いころ、リムの手で大韓民国へ連れてこられました。同じ顔を持つ韓国生まれのシンジェは、事故で昏睡状態に。リムはヒョンミンをその子と入れ替え、シンジェの名で暮らさせたんです。
リムは二人の母親を利用して、シンジェを従わせようとします。自分の幼いころの記憶に違和感を抱いていたシンジェにとって、もう一人の自分との対面は、人生の土台を揺さぶる出来事でした。
ルナの襲撃とプヨン君の死で、ゴンたちも追い詰められる
リムは皇族のプヨン君を殺し、ゴンから大切な家族を奪います。さらに、テウルは大韓帝国へ連れ去られ、逃げた先でリムの手下に追われることに。ヨーヨーを持つ少年に助けられた後、駆けつけたゴンと再会しました。
一方、リムに取り込まれたルナは、テウルの姿でゴンに近づいて毒を飲ませます。ゴンはヨンに救われますが、ルナの手はテウル本人にも及び、彼女を刃物で刺しました。恋人に会いたいという気持ちと、相手の命を守りたいという切迫感が重なっていきます。
幼いゴンを救ったのは未来のゴン!最初の時間移動

黒い服と、テウルのIDカード。ルナの襲撃を受けたゴンは、1994年に自分を救った人物の正体に気づきます。幼いゴンの命の恩人は、未来から来たゴン自身でした。
笛の二つの半分がそろうことで、移動は世界の境界を越え、過去の時間にも届くようになります。第14話でゴンは謀反の夜へ戻り、幼い自分を救出。このときはリムが逃げるため、ゴンが生きてきた歴史につながる出来事が繰り返されました。
現在のリムも1994年へ向かい、若い自分に警告しようとします。ところが、当時のリムは目の前の男を信用せず、未来から来た自分を殺害。自分同士で協力できるはずが、野心と疑いが勝ってしまうんですね。
ゴンは元の時代へ戻るまでに、幼いテウルや2016年のテウルにも会います。その接触で彼女の記憶にも変化が生まれ、2020年に帰ってきたゴンと再会。ここで二人は、時間を渡る行為が現在の記憶まで動かすことを経験します。
今度はリムの逃亡を止めるため、もう一度1994年へ
ゴンが次に目指すのは、謀反の夜にリムを討つことでした。幼い自分の命さえ危険にさらし、リムによる二つの世界への介入を断とうとします。成功すれば、テウルとの出会いにつながった歴史も変わる。勝って帰ればすべて元どおり、という戦いよりずっと厳しい選択です。
第15話では、リムに息子ジフンを殺されたソン・ジョンヘが、自ら毒を飲んで亡くなります。ゴンの母と同じ顔を持つ彼女の死も経て、ゴンたちは現在のリムを捕らえました。
世界の狭間へリムを連れていく役を担う予定だったのは、シンジェです。テウルは自分が行くと申し出て、シンジェを説得。彼は長く抱いていた恋心を告白しますが、ゴンを愛するテウルの決意を受け止めます。
ゴンとヨンが過去へ向かう一方、テウルは現在のリムと狭間で待つ。最終回の決戦は、この二手に分かれて始まります。
最終回は二か所で決着。ゴンが斬り、テウルが撃つ

1994年のリムを討つのはゴン
第16話でゴンはヨンとともに、再び謀反の夜へ戻ります。ヨンは幼いゴンを救おうと動き、銃撃を受けながらも抱きかかえて守りました。父である皇帝はこの夜に亡くなり、ヨンが命を救うのは幼いゴンです。
当時のリムが完全な笛を手にすると、未来から持ち込んだ半分の笛は消えます。ゴンは逃げたリムを竹林まで追い、四寅剣(サインゴム)で斬首。世界の行き来と人の入れ替えを続けてきたリムの出発点に、ここで決着をつけました。
世界の狭間にいる現在のリムを撃つのはテウル
同じころ、テウルは狭間で現在のリムに銃を向けます。最初は引き金を引いても銃が作動せず、リムに追い詰められる状態でした。
やがて銃から弾が発射され、テウルはリムを撃ち倒します。
過去のリムはゴンが剣で討ち、現在のリムはテウルが銃で倒します。それぞれが引き受けた場所で戦い抜くからこそ、離れた二人の行動が一つの結末につながるんです。
リムの介入を止めたことで歴史が変わり、ゴンの首に残っていた傷も消えます。テウルとの出会いも、周囲の人の暮らしも、変化した歴史の中で新しい形へ進んでいきました。
2021年、テウルを探し続けたゴンが戻ってくる
テウルが戻ったのは、2020年4月25日の大韓民国です。ゴンへの思いも、シンジェと過ごした記憶も持ち続けていますが、帝国から連れてこられたシンジェは、彼女の日常から去っていました。
街で見かけた海軍の制服姿の男性は、ゴンと同じ顔のイ・ジフンです。歴史が変わり、韓国で生まれたジフンは生きて成長しています。テウルのことを知らずに通り過ぎていくその姿に、待っている相手への思いが募ります。
一方のゴンは、負傷したヨンを連れて帰った後、テウルを探していくつもの世界を巡る旅へ。顔が同じ女性に会えても、女優だったり軍人だったり、別の人生を送っている。ゴンが求めているのは、二人の記憶を持つあのテウルです。
そして2021年。ナリからの連絡をきっかけに、テウルは白馬を連れたゴンのもとへ走ります。ゴンは彼女が自分を忘れたかもしれないと思っていましたが、テウルは覚えて待っていました。ようやく抱き合える二人。待っていた人が手の届く場所にいる。それだけで、ほっと息をつける場面ですね。
歴史が変わった後、シンジェ・ルナ・ヨンはどうなった?

ヒョンミンは帝国で刑事に。韓国のシンジェにも新しい人生
リムの介入が消えた歴史では、帝国のヒョンミンが幼いまま韓国へ連れていかれることを免れます。母が幼いヒョンミンと橋から身を投げようとしたところへ、プヨン君が駆けつけて二人を助けました。
成長したヒョンミンは、大韓帝国で刑事として働きます。同じ職場にいるのが、変化した人生を送るルナ。かつてテウルの同僚だった顔が、今度は別の世界で彼女と同じ顔の女性と組むのが面白いところです。
大韓民国に生まれたシンジェも、幼いころの事故を免れ、裕福な家で育つ人生へ進みます。もとの歴史では一人が昏睡し、もう一人が名前を借りていた二人に、それぞれ自分の人生が戻ってきました。
ルナはク・ソギョンとなり、ソリョンは刑務所へ
幼いルナは金を盗もうとして、ク・ソリョンに見つかります。ソリョンの母がルナに食事を与え、家族として受け入れたんです。「ク・ソギョン」の名で育ったルナは、2022年には刑事になり、ヒョンミンと働いています。
ク・ソリョンは国会議員となりますが、横領によって服役する結末です。ソギョンが面会に訪れる場面には、育った家族のつながりが残っています。帝国の首相の座に就いているのは、ゴンの秘書だったモ秘書でした。
ヨンは生還し、ウンソプはナリと交際
銃撃を受けたヨンは生還し、ゴンの近衛隊長として宮殿で働き続けます。広報担当のミョン・スンアとの親密な様子は、防犯カメラに映っています。護衛のときはあれほど隙がないのに、恋の隠し方には少々隙があるんですね。宮殿の設備が優秀すぎます。
韓国側のウンソプは国家情報院で働き、ナリと交際しています。ヨンとウンソプは、それぞれの世界で仕事を持ち、大切な相手との暮らしへ進んだんですね。
二人が選んだ幸せは、仕事を続けながら会う週末

再会後、ゴンは大韓帝国の皇帝として、テウルは大韓民国の刑事として働きます。平日はそれぞれの生活を送り、週末には世界や時代を越えてデートする。これが二人の関係の着地点でした。
旅先では、同じ顔の人物と鉢合わせしそうになったら別の場所へ移ります。ゴンが暴君になっている世界から立ち去ることもあれば、2000年を訪れ、生きているプヨン君に会うことも。別れた人に会える喜びが、週末の旅に重なります。
テウルを連れて宮殿に戻ったときは、ヨンに気づかれそうになり、ゴンが彼女を上着で隠す場面もあります。世界を越えられる皇帝でも、恋人をこっそり連れ帰るときの行動はずいぶん身近です。笛は便利でも、顔に出る恋心までは隠せない!
終幕では、二人のつないだ手に、年を重ねた手の映像が重なります。私はこの表現を、週末の逢瀬を積み重ねながら一緒に年を取っていく未来の示唆、と受け取りました。恋を終わらせず、日々の中で続けていく余韻が残ります。
ヨーヨーの少年と、テウルの記憶には考察が残る
ヨーヨーを持つ少年は二つの世界に現れ、テウルを助けたり、笛や世界の均衡に関わる言葉を口にしたりします。最終話には、少年の姿から青年の姿へ変わる場面もありました。
少年を「神そのもの」とする正体の説明や、テウルの記憶が残る仕組みの説明は、考察です。出来事として確かなのは、歴史が変わった後もテウルがゴンとシンジェを覚えていること。再会したゴンも、探していたテウルとの記憶を持っています。
考察としては、ヨーヨーの少年を、笛の力や二つの世界の均衡を象徴する存在と受け取れます。笛の両端と二つの世界、糸でつながれたヨーヨーが重なるイメージも印象的ですね。時間の仕組みをきっちり解きたくなる作品ですが、二人が覚えていたという事実が、再会の喜びを支えています。
第1話のIDカードと、第16話の再会をもう一度
第1話の謀反に登場した救出者が落とすのは、テウルのIDカード。第14話にはゴン自身がその夜へ向かう過程が、第16話にはヨンとともに挑む最後の戦いがあります。最初の謎から決着までが、同じ1994年の夜につながる構成です。
最終話の後半には、ジフンとのすれ違い、ゴンとの再会、週末の旅が続きます。テウルが街で見た顔と、抱きしめた相手。その違いが分かると、再会の場面がより胸に来るでしょう。公式配信はNetflixの『ザ・キング: 永遠の君主』作品ページにあります。
FAQ
最終回はハッピーエンドですか?
恋人同士が再び会い、共に過ごす時間を作っていくハッピーエンドです。いくつもの世界を探したゴンと、記憶を抱えて待ったテウルの思いが報われます。
ゴンの父も謀反から救われますか?
ゴンの父は謀反の犠牲になります。最終話ではヨンが幼い皇子を抱えて守り、その命が未来の皇帝につながっていきました。
テウルが見かけた海軍の男性は誰ですか?
大韓民国のイ・ジフンです。リムの介入を免れた歴史で成人した、ゴンと同じ顔の男性で、テウルと恋をしたゴンは大韓帝国の皇帝として生きています。
テウルは皇后になって宮殿で暮らすのですか?
テウルは韓国で刑事を続け、ゴンも帝国で皇帝の務めを果たしています。二人が選ぶのは、それぞれの仕事と、世界を渡って会う恋人としての暮らしです。
まとめ
ゴンは謀反の夜に叔父を討ち、テウルも狭間でリムとの対決を終えます。その結果、シンジェやルナたちには、リムに人生を奪われずに育つ道が生まれました。
歴史が変わっても、ゴンが探し当てたのは、出会ったころの記憶を持つテウルでした。恋の結末が週末の積み重ねになるのは、ちょっといいですよね。平日を生きて、また会いに行く。最後のつないだ手には、その約束を続ける二人の時間が感じられます。