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パーフェクトブルー(アニメ)ネタバレ|犯人は誰?結末の未麻は本物?

パーフェクトブルー(アニメ)ネタバレ|犯人は誰?結末の未麻は本物?

自分の一日が、知らない誰かの日記になっていたら? 『パーフェクトブルー』の「未麻の部屋」には、未麻の私生活や気持ちが本人の口調で綴られています。

『パーフェクトブルー』は1997年に海外上映され、日本では1998年2月28日に公開された今敏監督の劇場アニメです。

犯人・終盤の事件・最後の台詞のネタバレがあります。

犯人は誰?ルミの思い込みと内田へのメール

ルミのメール誘導と未麻への襲撃

事件の黒幕は、未麻の付き人で元アイドルのルミです。ルミは自分こそアイドルの未麻だと思い込み、女優として活動する本人を偽物として排除しようとします。

ストーカーの内田守も、メールでそそのかされて犯行に手を染めていました。内田が信じているのは、清純なアイドルのままでいる「本物の未麻」です。ルミはその未麻を名乗り、女優の未麻を殺すようメールで彼を誘導します。

ルミにとっては自分の居場所、内田にとっては理想のアイドル。ふたりが守ろうとする姿と、生身の未麻が選ぶ人生は食い違っていました。応援していた相手を、変わったからという理由で消そうとする。いや、それでは本人の出番がなくなってしまいます!

アイドル卒業から女優へ、未麻の居場所が揺らぎ始める

チャムを辞めても、新しい仕事は端役から

霧越未麻はアイドルグループ「チャム」を卒業し、女優へ転身します。けれど、最初に得たテレビドラマ『ダブルバインド』の役は小さなものでした。ステージで声援を浴びていた人が、撮影現場ではわずかな台詞を待つ。名刺の肩書きを変える方が、よほど簡単ですよね。

田所は未麻を売り込もうと、ドラマ側に働きかけて出番を増やします。対してルミはアイドル路線にこだわり、過激な仕事に反対していました。未麻自身も女優を目指しているのに、ふたりの意見の間で自分の決断を確かめきれずにいます。

そのうえ、未麻が抜けた後のチャムはヒット曲を出します。自分が離れた場所は順調で、新しい場所ではまだ新人。その落差が、卒業してよかったのかという迷いを深くするんですよね。

「未麻の部屋」に私生活まで代筆されている

ファンからの手紙をきっかけに、未麻は自分名義のサイト「未麻の部屋」を知ります。日記は本人の口調で書かれ、日々の行動や気持ちまで細かく綴られていました。ファン向けの活動紹介を通り越して、他人が未麻の一日を本人のものとして語っているんです。

買い物を勝手に日記にされるだけでも嫌なのに、心の中まで代筆。そこは本人に任せてほしいところです。

一方、収録スタジオでは未麻宛のファンレターが爆発し、封を切った田所が負傷しました。内田の姿も未麻の周囲につきまといます。仕事への戸惑いに、実際に身体を傷つける脅威まで重なっていくのです。

撮影の台詞と殺人の夢が、未麻の記憶に入り込む

性暴力の場面を演じた未麻と、泣いて去るルミ

役を広げるために未麻が引き受けたのは、登場人物が性的暴行を受ける場面の撮影でした。ルミは反対しますが、未麻は女優として頑張ろうと受け入れます。撮影に立ち会ったルミは泣いて現場を去り、未麻も強い苦痛を抱えました。

帰宅した未麻は、水槽の魚が死んでいるのを見て取り乱し、部屋の物を壊します。仕事では平気そうに振る舞っていた気持ちが、一気に崩れた場面です。彼女は、あの撮影を本当は嫌だったと吐き出しました。

未麻はさらに、写真家の村野によるヌード撮影にも応じます。女優として注目されるほど、アイドル時代の自分からは遠ざかっていく。そんな未麻の前に、ステージ衣装の「もうひとりの未麻」が繰り返し現れるようになります。

脚本家と写真家が殺され、未麻も自分を疑う

性的暴行の場面を書いた脚本家の渋谷が殺され、続いて村野も殺害されます。被害者は未麻の仕事を過激な方向へ進めた人たちです。幻のアイドル未麻は、今の未麻を責めるように現れ、彼女の後悔をさらに刺激していました。

村野をアイスピックで襲う未麻の姿が現れるため、観ているこちらも「未麻が犯人?」と疑いたくなります。この殺害場面は、未麻の主観的な夢へつながる仕掛けです。現実の村野の死に、未麻の恐れや暗い感情が重ねられています。

未麻はクローゼットで血の付いた服を見つけ、自分の記憶にも自信を失いました。ドラマの撮影をしていたはずが自室のベッドで目覚め、目覚めたはずがまた撮影へ戻る。何度も切り替わるうちに、こちらまで寝ぼけた気分になってきます。

『ダブルバインド』の結末が、未麻の境遇に重なる

ドラマの終盤では、未麻が演じる人物が姉を殺し、その姉の身になったことが明かされます。撮影中には、霧越未麻という女優を自称する人物の話まで出てくるのです。映画の主人公の名前が劇中の会話へ入り、未麻の芸能生活そのものも役の妄想なのか、と疑わせます。

そこへ監督の声が入り、撮影が終わりました。未麻は『ダブルバインド』を撮り終えた女優として、その場にいます。ドラマ内の殺人と、彼女の周囲で起きた事件が似ているため、演じた人物の行動まで未麻本人の記憶に入り込んでしまうんです。

撮影後の襲撃から、ルミとの追跡と救出まで

内田の襲撃から未麻によるルミ救出まで

内田の襲撃に、未麻はハンマーで反撃する

撮影を終えた未麻は、人のいなくなったスタジオで内田に襲われます。未麻への性的暴行と殺害を図る彼に、未麻はハンマーを振るって反撃し、逃れました。

傷ついた未麻を見つけたルミは、彼女を車に乗せて連れ帰りました。その後、内田も殺されます。田所も遺体となっていて、未麻からかかってきた電話がそのそばで鳴るんです。守ってくれるはずの仕事仲間に、もう助けを求められない状況になっています。

よく似た部屋で、鏡がルミの姿を映す

目覚めた未麻は、自分の部屋に戻ったと思います。ところが、水槽には元気な魚がいて、窓の外の景色も違っていました。そこはルミが未麻の部屋に似せて作った部屋です。家に帰れたと思った瞬間が、いちばん危ない場所への到着だったんですね。

目の前には、チャムの衣装を着たアイドル姿の未麻が現れます。鏡の中に映っているのは、かつらと衣装を身に着けたルミです。

ルミは未麻を刃物で傷つけ、逃げる彼女を街まで追います。軽やかなアイドルの姿と、ガラスに映るルミの姿が食い違うため、追跡中も現実の身体と本人の思い込みが重なって見えるのです。

トラックの光をステージの照明と思ったルミを救う

もみ合う中で未麻がかつらを外すと、ルミは割れたガラスで負傷します。ふらついて車道へ出た彼女の前に、トラックが迫っていました。ルミにはヘッドライトがステージの照明に見え、逃げる代わりにアイドルとしてポーズを取ります。

未麻はとっさに飛び出し、ルミを助けました。襲ったルミと、襲われた未麻は、ふたりとも生き残ります!

結末の未麻は本物?病院とルームミラーの答え

療養中のルミと最後の未麻の台詞

女優になった未麻が、療養中のルミを訪ねる

後日、未麻は女優として活動し、病院で療養するルミを訪ねます。ルミは今も、自分をアイドルだと思って過ごす時間が多い状態です。未麻はルミとの経験を経て今の自分があると話し、面会を終えました。

病院を出る未麻を見た看護師たちは、有名女優の霧越未麻に気付きながら、こんな場所に本人が来るはずはないと、そっくりさんだと思います。本人がそこに立っていても、他人の想像に合わないだけで「偽物」にされる。最後まで未麻は、自分についての勝手なイメージに囲まれているんですね。

車に乗った未麻はルームミラーの自分へ笑みを向け、「私は本物だよ」と言います。その台詞で映画は終わりました。

最後の鏡が不穏に見える理由――結末の考察

最後に車にいるのは、再び自分を保てるようになった未麻です。この結末には、混乱をくぐり抜けた彼女の成長が込められています。鏡を通して言わせる演出には、その成長がこれからも続くという意味があるのです。

私には、周囲の期待に合わせて自分を確かめていた人が、自分の側から名乗れた瞬間に見えます。人から褒められた姿にしがみつく苦しさを知った未麻が、変わった自分も引き受ける。だから、この笑顔にはほっとするんですよね。

それでも鏡越しなので、素直に安心していいのかと身構えてしまいます。ルミが未麻に入れ替わったという読みも、そこから生まれる考察です。私はあの不穏さを、事件の後も女優として人の視線にさらされる未麻の、これからの危うさとして感じました。

観る前の注意:性暴力と殺傷の描写が強い映画

裸体、性暴力、刃物による殺傷の描写は強烈です。家族がいる居間で、気軽に流して楽しむには刺激が強い作品だと思います。絵がアニメでも、受ける痛みはかなり生々しいんですよね。

再鑑賞で変わる「あなた、誰なの?」の響き

GKIDS Filmsによる、今敏監督の劇場アニメ版の公式予告です。

「あなた、誰なの?」は、未麻の出演するドラマの台詞でもあり、彼女が自分に向ける問いでもあります。同じ言葉が仕事と日常を行き来するので、未麻がどこで誰を演じているのかが揺らぐんです。

結末を知ってから聴くと、初見では謎めいた一言だったものに、未麻が自分の姿を確かめたい切実さも感じます。犯人当てを終えた二度目ほど、言葉の受け取り方が変わる映画ですね。

FAQ|パーフェクトブルーのよくある質問

未麻とルミの日本語版の声優は誰ですか?

未麻は岩男潤子さん、ルミは松本梨香さんです。内田守は大倉正章さん、田所は辻親八さんが演じています。

原作と脚本は誰が担当していますか?

原作は竹内義和さん、映画の脚本は村井さだゆきさんです。キャラクター原案には江口寿史さんが参加しました。

まとめ

『パーフェクトブルー』の後味が苦いのは、好きな人が変わる寂しさには、私にも覚えがあるからだと思います。その人の新しい人生を受け入れるか、自分の望む姿へ戻そうとするか。ささやかな寂しさの先に、あれほど恐ろしい行動が待っている。応援する側の身勝手さまで突きつける映画なんです。

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