『おジャ魔女どれみドッカ~ン!』は、2002〜2003年放送のTV第4作、全51話です。
最終回までのネタバレがあります。
どれみたちは魔女になる資格を得たうえで、人間として生きることを選びます。その返事をするのが第50話で、翌第51話が小学校の卒業式です。
憧れの夢にも、大好きな友達と毎日会える暮らしにも、大きな変化が訪れる春。卒業証書を受け取る準備ができても、心の準備まで同時に済むとは限りませんよね。
魔女になる夢が、自分の人生を選ぶ問いに変わるまで
ハナちゃんが小学生になった一年
第4作の始まりでは、ハナちゃんがどれみたちと学校に通いたくて、自分の体を魔法で小学6年生の姿に成長させます。その際に魔力を使いすぎ、大切な水晶玉が割れてしまいました。
魔女に戻るため、ハナちゃんは見習いとして修行を始めます。育ての親だったどれみたちと同じ小学校に通うのですから、毎日は大騒ぎです。育児の次は同級生。時間割を渡されたママたちも、なかなか忙しいですね。
第40話の佐倉未来が教えた、長く生きる現実
どれみにとって大きな出会いが、第40話「どれみと魔女をやめた魔女」の佐倉未来です。ガラス細工をする魔女の未来から、どれみはコップ作りを教わりました。
未来がかつて好きになりかけた男性は、すでに90歳。若い姿の未来を、昔の知人の娘や孫だと思って接しています。未来もその娘や孫として会い続けてきたんです。
魔女の長い寿命は、親しい人と年齢を重ねる速さまで変えてしまいます。魔法が使えるうれしさと、大切な人を見送る寂しさ。どれみは、その両方を生きる人に出会ったのでした。
第45〜46話で呪いが解け、返事まで1か月をもらう
終盤の大きな事件は、先々代の女王を深い眠りに閉じ込める悲しみです。人間の家族との別れや孫たちとの行き違いを抱えた彼女の悲しみは、茨となって人間界にも眠りを広げていました。
第45話「悲しみのイバラよ、消えて!」で、どれみたちは織り上げたタペストリーと孫のロイの日記を携え、先々代の女王の心の中へ向かいます。孫たちは、父の最期に駆けつけようとしていたんです。その思いが女王に届き、最後の茨が消えて、女王は目を覚ましました。
続く第46話「さらば、魔女ガエルの呪い」では、人間との幸せな日々を受け止め直した先々代の女王が、魔女ガエルの呪いを解きます。現女王はハナちゃんを次期女王に推薦し、どれみたちを魔女にすると告げるんです。
そこで突きつけられるのが、家族や友人との寿命の違いでした。魔女になると寿命が延び、大切な人たちとの別れを経験しながら生きていくことになります。どれみたちは即答できず、1か月の猶予をもらってMAHO堂に戻りました。
第47〜49話:親友たちの進路が一人ずつ決まっていく

おんぷは東京の私立中学へ、ももこはニューヨークへ
第47話「たとえ遠くはなれても」では、おんぷが芸能活動と勉強を両立するため、東京の私立中学へ進むことが分かります。寂しさを感じながらも、どれみたちはその挑戦を応援しました。
同じころ、ももこは父の仕事の都合で、春に両親とニューヨークへ帰ることになっていました。日本に一人残る案もあり、両親とも友達とも離れたくないももこは悩みます。
夢の中で出会ったマジョモンローに気持ちを聞いてもらい、ももこは両親と帰る決心をしました。日本で最初の友達になったどれみに先に打ち明け、パティシエになりたいという夢も話します。
どれみはショックを受けながら、その夢を応援するんです。送り出す側の寂しさも、ちゃんとある場面でした。
あいこは両親の再婚を経て、大阪で家族と暮らす
第48話「あいこのいちばん幸せな日」では、あいこの家族が大きく動きます。あいこは大阪の施設にいる祖父・惣一の世話を手伝いながら、母・あつこの思いを祖父に話していました。
そこへ父・幸治も訪れ、あつことやり直したいと願い出ます。あいこも両親の再婚を認めてほしいと頼み、祖父の心が動いたのでした。
卒業を待って、妹尾家は大阪で一緒に暮らすことになります。願いがかなった喜びと、どれみたちから離れる悲しさが、あいこにいっぺんにやってくるんです。
どれみはあいこの幸せを喜び、仲間も祝福しました。引っ越し先が決まるだけで泣けるなんて、この子たちの数年間を見てきたせいですね。
はづきは自分の夢を選び、カレン女学院への進学を告げる
第49話「ずっとずっと、フレンズ」のはづきは、卒業の記念に作った曲「フレンズ」の練習に集中できずにいました。実は、みんなに秘密で私立のカレン女学院を受験し、合格していたのです。
はづきは、どれみと一緒に美空中学校へ行くと約束していました。その約束と、バイオリニストになりたい自分の気持ちの間で揺れていたんですね。
関先生との進路指導をきっかけに、自分が望む道に気づいたはづきは、どれみに本心を打ち明けます。どれみは穏やかに受け止め、合格を祝いました。
心のつかえが取れ、みんなの「フレンズ」の演奏も成功します。
第50話:女王様の正体と、ハナちゃんに託す水晶玉

女王様は、ゆき先生としてどれみを見守っていた
約束の返事をする夜、どれみたちは魔女界の城へ向かいます。第50話「さよなら、おジャ魔女」では、その前に女王様から大きな秘密を打ち明けられました。
女王様の人間界での姿は、保健室のゆき先生です。どれみが幼稚園に通っていたころから、その優しさを知っていました。人間と魔女の交流を取り戻すため、どれみに希望を託していたんです。
その期待を聞いたあとも、6人の返事は変わりません。女王様は決断を受け入れますが、全員で魔女になって一緒に暮らせると思っていたハナちゃんは、激しく動揺しました。
6人の理由は、それぞれが過ごした時間につながる
どれみは、人間として生き、子どもや孫にいろいろなことを伝えていきたいと話します。魔法がなくても夢を持ち続ければかなえられる、という思いもあるんです。
ほかの5人も、自分の言葉でハナちゃんに気持ちを伝えます。
- はづき:母に自分の考えを言えるようになりたいと願い、今はその思いを伝えられるようになりました。
- あいこ:家族がやり直すという願いを、みんなに助けられながら、魔法に頼らずかなえられたんです。
- おんぷ:母が果たせなかった夢を魔法で実現しようとしていたころを経て、夢は自分の力でつかむものだと分かっています。
- ももこ:遠く離れた友達を思う気持ちがあれば、友情はつながり続けると知りました。
- ぽっぷ:大好きな姉のどれみが人間のままでいるなら、自分も同じ道を選びたいと答えます。
みんなが人生について話す中で、ぽっぷの答えには、姉と一緒にいたい気持ちがまっすぐ出ています。背伸びした説明をしないところが、妹の本音なんですよね。
ハナちゃんと、二つの世界で頑張る約束をする
ハナちゃんは、ママたちに置いていかれると感じ、泣きながら城を飛び出しました。みんなは自分を嫌いになったのかと悲しむハナちゃんを、どれみたちは追いかけます。
そこでどれみも涙を流し、別れが胸を裂くほどつらいと伝えました。はづきたちも、ハナちゃんを愛している気持ちを次々に言葉にするんです。
そして、ハナちゃんは魔女界で人間への理解を広げ、どれみたちは人間界で魔女や魔法を受け入れる人を増やしていく、という役割を話し合います。離れた場所から、人間界と魔女界の交流を取り戻すために力を尽くす約束です。
いつか立派な女王になって会いに行くという希望も生まれ、ハナちゃんは魔女界で頑張る気持ちを取り戻しました。それでも最後はママたちに抱きついて泣いてしまう。ここは、強がりきれないハナちゃんが愛おしいです。
マジョリカを元に戻し、最後のマジカルステージへ
城へ戻ったどれみは、タップを返す前にマジョリカを元の姿へ戻したいと願い出ます。自分が正体を見破って魔女ガエルにしてしまった師匠を、ようやく自分の魔法で戻せたのでした。
続いて6人は、ハナちゃんを中心に最後のマジカルステージを行います。自分たちの水晶玉をハナちゃんの水晶玉と一つにし、これからのハナちゃんに託します。
ハナちゃんは正式な魔女に戻りました。どれみたちはタップを返し、魔女界を後にします。長い修行の終わりに、大切な子へ自分たちの力を渡すんです。別れの支度が、こんなに温かくてつらいとは。
第51話:卒業式の日、どれみがMAHO堂に立てこもる
みんなを応援してきたどれみが、学校へ行けなくなる
最終回・第51話「ありがとう!また会う日まで」の朝。笑顔で家を出たどれみは、友達と離れる悲しみに耐えられなくなり、学校へ向かう代わりにMAHO堂へ立てこもります。
卒業式は、どれみが来ないまま始まっていました。マジョリカから事情を聞いたはづきたちは会場を抜け出し、店へ駆けつけます。さらに関先生やクラスメイト、家族も集まりました。
どれみは、みんなと一緒にいられないなら卒業式に出たくない、と訴えます。扉の内側にいるのは、人の夢や幸せを喜んできた子の、こらえきれなくなった寂しさでした。
仲間の言葉と、ハナちゃんの「つかまえた」
クラスメイトたちは、どれみに助けられたことや、どれみの好きなところを話します。学校に通うのがつらかったかよこも、一緒に卒業できる喜びをどれみに伝えました。
はづきは、どれみが卒業式に出ないなら自分も出ないと、その場に座り込みます。今度は友達が、どれみの隣から動こうとしないんです。
最後にハナちゃんが水晶玉を掲げ、みんなの前で魔法を使って秘密をばらすと宣言します。止めようと慌てたどれみは、とうとう店の外へ飛び出しました。
待っていたハナちゃんが、どれみを抱きしめます。「どれみ、つかまえた」。ママに育てられてきたハナちゃんが、今度はママを受け止める場面です。
あんなに小さかった子が、ここまで育ちました! 抱っこの向きが変わったようで、もう胸がいっぱいです。
どれみも仲間と一緒に学校へ戻り、卒業証書を受け取ります。そして、自分は「世界一幸せな美少女」だったと気づいたのでした。
ハナちゃんとの別れで、MAHO堂の毎日が終わる
卒業式を終えたみんなは、もう一度MAHO堂に集まります。ハナちゃんはマジョリカやララと魔女界へ帰り、どれみたちもそれぞれの生活へ進む時が来ました。
ハナちゃんは立派な女王になって会いに来ると約束し、幼い姿に戻って魔女界へ向かいました。どれみたちとハナちゃんが交わすのは、感謝の言葉です。
扉が閉まり、5人はMAHO堂を出ます。建物を振り返るどれみをはづきたちが呼び、どれみも走りだしました。
最後の告白相手は小竹?TV最終回で分かること

締めくくりは、中学校の制服を着たどれみです。海辺で背の高い男の子を前にし、ラブレターを差し出します。TV最終回の告白相手は不明です。
小竹も卒業式の日の説得に加わり、6年間同じクラスだったどれみに、みんながどれみを大好きだと叫んでいました。小竹を応援したくなる気持ちは分かります。あの言いかけ方には、こちらまでそわそわしますから。
一方、最後のどれみが成し遂げたことは、はっきりしています。好きな人を前にして、自分から気持ちを伝えたんです。
魔女に憧れたころ、どれみが欲しかったのは告白する勇気でした。私には、この一通が、魔女見習いとして過ごした時間でどれみ自身が育てた勇気のように思えます。
『ドッカ~ン!』の作品情報と公式振付映像
『おジャ魔女どれみドッカ~ン!』は、dアニメストアに全51話の作品として掲載されています。
第4作の主題歌「DANCE!おジャ魔女」をどれみたちが踊る、東映アニメーション公式の振付映像です。
FAQ
第50話と最終回は、いつ放送された?
第50話は2003年1月19日、最終回の第51話は同年1月26日の放送でした。
ハナちゃんが幼い姿に戻るのはどうして?
第50話の儀式の直後、マジョリカはハナちゃん自身がかけた成長の魔法が解けたのだと考えます。女王様が卒業式の終わりまで小学生の姿でいられるようにしてくれました。
卒業式や最後に流れる歌は?
卒業式へつながる一連の場面では、合唱の「わたしのつばさ」が流れます。MAHO堂を出て走るどれみたちには、第1作の主題歌「おジャ魔女カーニバル!!」が重なるんです。始まりの曲で送り出されるのも、ぐっとくるところですね。
まとめ
友達の幸せを願う気持ちと、ずっとそばにいてほしい気持ち。卒業を迎えたどれみには、どちらもありました。
自分の寂しさをさらけ出した子を、友達も、育ててきたハナちゃんも抱きとめます。成長したあとにも誰かに甘えられる。その温かさまで残る最終回なんですよね。