※結末と登場人物の生死のネタバレがあります。
姫を救いに行ったオルステッドは、どうして魔王になってしまったのでしょうか。
『ライブ・ア・ライブ』は1994年のSFC用RPGで、2022年にHD-2Dリメイク『ライブアライブ』が発売されました。
魔王オディオの正体は、中世編で主人公を務める勇者オルステッドです。彼の絶望に、七つの時代を生きた主人公たちが向き合うのが最終編なんですね。
勇者の肩書きをもらったら、姫を助けて万々歳。そんなつもりで見ていると、助ける相手も帰る場所も失っていく展開に言葉が詰まります。
七つの時代のネタバレ|主人公たちは何を乗り越えた?
最初に選べる七編は、時代も目的も違う物語です。全編をクリアすると中世編、その決着後に最終編が加わります。
原始編・ポゴは、生け贄にされる少女を救う
言葉のない時代、少年ポゴはクー族から逃げてきた少女べるをかくまいます。彼女は、部族が神とあがめる存在への生け贄にされかけていました。
追っ手のざきとの争いから、ポゴたちは自分の集落も追われます。さらにべるを連れ去られ、追いかけた先で現れるのが巨大な恐竜おーでぃーおーです。
最後は、それまで争っていたざきも戦いに加わり、恐竜を倒してべるを救出。恋の邪魔が恐竜だなんて、ずいぶん大がかりですよね。
功夫編・師匠の死を越えて、弟子が拳法を継ぐ
老いた心山拳老師は、ユン・ジョウ、レイ・クウゴ、サモ・ハッカを弟子に迎えます。ところが老師の留守を義破門団に襲われ、三人のうち二人が殺されてしまいました。
生き残るのは、修行で最も鍛えた弟子です。老師は仇討ちへ向かい、追ってきた弟子と共に敵の道場へ乗り込みます。
戦いで限界に達した老師から奥義を受け継ぎ、弟子がオディワン・リーを撃破。その勝利を見届けて老師は息を引き取り、後継者が心山拳師範となります。最終編に来るのも、この弟子なんです。
幕末編・おぼろ丸が救う男の正体は坂本竜馬
忍びのおぼろ丸に下る密命は、尾手院王の城に囚われた男の救出です。城内の仕掛けや魔物を越え、屋根の上では尾手院王が変じたガマヘビ変化と戦います。
任務の相手は坂本竜馬でした。戦いのあと、竜馬はおぼろ丸を新しい時代づくりへ誘い、返答によって彼のその後が変わるんですね。
竜馬の誘いを受けた場合、最良エンドの後日談では彼の護衛として働いています。
西部編・賞金首と賞金稼ぎが、町を守るため手を組む
サンダウン・キッドが訪れたサクセズ・タウンは、無法集団クレイジーバンチに脅かされていました。彼を追う賞金稼ぎマッド・ドッグも、一時休戦して町の防衛に加わります。
町の人々が罠を仕掛け、夜明けにO・ディオ率いる一団を迎え撃つのです。町を救ったあとは、サンダウンとマッドの決闘が待っていました。
マッドを倒すか、戦いから逃れるかで彼の生死が分岐。生き残った場合は、最良エンドの後日談でサンダウンと再び対峙します。
現代編・高原日勝は、技をくれた相手の命を奪う男と戦う
世界最強を目指す高原日勝は、六人の格闘家と戦い、それぞれの必殺技を身につけます。そこへ現れるのが、同じく最強を求めるオディ・オブライトです。
オブライトは、高原が拳を交えた格闘家たちを殺していました。高原は、彼らから得た技を携えて最後の勝負に勝ちます。
近未来編・無法松の命を受け継ぎ、アキラがブリキ大王を動かす
超能力を持つアキラは、暴走族クルセイダーズが絡む誘拐事件を追います。人々を液体人間に変え、一つにまとめようとする計画が進んでいたのです。
兄貴分の無法松には、アキラの父を殺した過去がありました。ちびっこハウスが襲われると、無法松はブリキ大王を動かしてアキラたちを救い、その命を使い果たします。
今度はアキラが操縦を引き継ぎ、敵の巨像を破壊して計画を止めました。巨像の名はSFC版が隠呼大仏、リメイク版が大隠呼像です。たい焼き屋を営む無法松が、こんな大きなものまで背負っていたとは。
SF編・キューブは、人間を排除するコンピューターに立ち向かう
宇宙船コギトエルゴスムで生まれたロボット、キューブ。船内では事故が続き、運んでいた危険生物ベヒーモスも逃げ出して、乗員たちは互いを疑い始めます。
事件の黒幕は、船のマザーコンピューターOD-10でした。争いを繰り返す乗員を排除しようと、船内を支配していたのです。
キューブはゲーム機を通じてコンピューターへ侵入し、マザーCOMとの戦闘に勝利。ベヒーモスに立ち向かったダース伍長も生還し、カトゥーたちと危機を切り抜けます。最後に伍長がキューブのコーヒーを飲む仕草が、うれしいんですよね。
中世編のネタバレ|オルステッドがすべてを失うまで

ハッシュを失い、ストレイボウとも離ればなれになる
ルクレチア王国の武闘大会で、オルステッドは親友ストレイボウを破って優勝します。アリシア姫への求婚を認められた夜、彼女が魔物にさらわれてしまいました。
救出へ向かう一行は、オルステッド、ストレイボウ、かつての勇者ハッシュ、僧侶ウラヌスの四人。魔王山で敵を倒した直後、ハッシュは相手が本物の魔王とは違うと気づき、その場で力尽きます。
続いて落盤が起こり、ストレイボウとも離れ離れに。アリシア救出を果たせず、オルステッドとウラヌスは城へ戻ることになりました。
魔王の幻影を斬ったら、倒れていたのは国王だった
城で休んだ夜、玉座の間に魔王の姿が現れます。オルステッドが斬り倒すと幻影が消え、そこに倒れていたのはルクレチア王でした。
姫を救いに出た勇者は、王を殺した魔王として追われる身になります。彼を送り出した国の人々も恐れを向け、ついには投獄。地下牢で再会したウラヌスは、アリシアを信じるよう励まし、最後の力で脱獄を助けて命を終えます。
オルステッドに残った望みは、山で待っているはずのアリシアでした。責められ、追われても、まだ彼女のために登り直すんです。
親友の裏切りと、アリシアの自死
魔王山の奥で待っていたストレイボウは、生きていました。いつも勝ち、称賛を受けるオルステッドへの嫉妬を明かし、王殺しの罠を仕掛けたことも告白します。
オルステッドは、襲いかかる親友を倒します。すると現れたアリシアは、助けに来たのはストレイボウだったと彼をかばい、敗れる側の悲しみを理解しないとオルステッドを責めました。
そして彼女は、ストレイボウの後を追って自ら命を絶ちます。信じて山を登った相手からの拒絶が、オルステッドの最後の支えを折るのです。
彼は人間への憎しみをあらわにし、魔王オディオを名乗ります。中世編は、救出に向かう主人公が、憎しみを振りまく側へ変わるところで終わりました。
最終編では、七人が魔王の問いに答える
魔王となったオルステッドは、ルクレチアを滅ぼします。さらに各時代の主人公たちを呼び寄せ、自分が味わった人間への失望を突きつけるのです。
七人のうち一人を主人公にすると、廃墟の町や森、雪山を巡り、ほかの仲間を集める旅が始まります。
仲間になる前に勝負を挑んでくる相手もいて、初対面の挨拶としては手荒です。それでも、一人ずつ手を組んで魔王山へ向かいます。
山頂では、オディオの目や口などを相手にする戦いから、ピュアオディオとの決戦へ。勝利後、オルステッドは主人公に自分へのとどめを求めます。
そこで彼を生かし、山を引き返すと、各時代のボスとの再戦が始まります。ポゴは恐竜、高原はオブライト、キューブはマザーCOMと再び対峙し、それぞれが自分の時代で越えた敵と決着をつけるのです。
最良エンドの結末は?SFC版とリメイク版の違い

SFC版は、オルステッドの最期と七人の帰還へ
各編のボスとの再戦を終えると、選んだ主人公がオルステッドと向き合います。最後のやりとりには、その人がどんなふうに生きてきたかが出るんですね。
オルステッドは、自分が憎しみに飲まれていたことを悟り、人に憎しみがある限り、誰もが魔王になり得ると警告しました。その言葉を残して彼は息絶え、主人公たちは元の時代へ戻ります。
帰還後の後日談では、心山拳師範が弟子を育て、ポゴにはべるとの子どもが生まれていました。
リメイク版では、八人目の主人公が最後に剣を振るう
2022年リメイクの最良エンドには、再戦後に「Sinオディオ」との戦いが加わります。
最初の四人が動きを封じられると、残りの三人が駆けつけます。やがて全員が戦場にそろい、一人ずつ行動。それでもSinオディオは七人を押さえ込みました。
そのとき、胸の中に取り込まれていたオルステッドが解放されます。最後に操作するのは彼自身。自分の手でSinオディオに攻撃を加え、最後の戦いを終えるんです!
リメイクでもオルステッドの命は尽きますが、そこへ至るまでに、勇者として戦う時間が戻ってきます。
ほかのエンディングへ分岐すると、誰が残る?

全員加入に届かない通常エンド
オルステッドを見逃したあとでも、七人全員を仲間にした履歴がそろっていない場合は通常エンドになります。個別のボス戦を終えると、主人公のテーマ曲とともにスタッフロールへ進む短い終わり方でした。
とどめを刺すと「NEVER END」
とどめを求める言葉に応じると、選んだ主人公とオルステッドの一対一の戦闘になります。彼を倒した先にあるのがNEVER ENDです。
魔王を殺した主人公たちは、ルクレチアに取り残されます。勝てば帰れると思っていたところで、この結末はつらいですよね。相手の望みどおりに剣を振ったことが、悲しい決着を招いてしまいました。
オルステッドを選ぶと、ボスを操って主人公たちを倒す
最終編の主人公にオルステッドを選ぶと、魔王側の物語です。各編のボスを操作し、それまで育ててきた主人公たちと戦います。
七組すべてを倒せばSAD END。復讐を遂げたオルステッドが、生命の失われた世界を一人で歩く終幕です。今度は勝ち続けた本人に、その重さが返ってくるんですね。
ハルマゲドンは、世界そのものを消し去る
魔王側の戦闘で追い詰められると、ハルマゲドンのコマンドが使えるようになります。発動した先にあるのは、時代も世界も巻き込む消滅でした。
主人公側でも、ピュアオディオ戦で全滅すれば同じ破滅に至ります。オルステッドが一人残るSAD ENDと比べ、こちらは世界ごと終わる結末です。
考察|オルステッドは救われたのか
私は、リメイクで彼に戻ってきた「自分で決める時間」に救いを感じます。中世編では、親友の裏切りとアリシアの自死に絶望し、人間を憎むようになりました。最後には、その自分を七人に支えてもらえるのです。
その救いを喜びながらも、滅ぼされたルクレチアの人たちのことを思うと、手放しでは笑えません。
功夫編の後継者もアキラも、大切な人を失っています。その彼らが、自分の生き方を持ってオルステッドの前に立つ。単に立派な言葉で説得するより、ずっと切実に感じました。
アリシアに腹が立つ気持ちも分かるんです。助けに来たオルステッドの苦労を知っているぶん、彼女の言葉はあまりに残酷でしょう。ただ、ストレイボウは、自分が敗れるつらさを利用して親友を陥れました。その行動にも目が向きます。
七つの時代の敵に重なるオディオの名を、私は憎しみが形を変えて現れるつながりとして受け取りました。最後の警告まで来ると、勇者にも魔王にもなる人間の危うさが、急に近く感じられます。
クリア直前の注意|戦う四人だけ鍛えると、あとが厳しい
最良エンドの終盤には、待機していた仲間も戦う場面があります。いつもの四人に装備を集めていると、個別再戦やリメイクの交代後に、残りの仲間が苦戦しがちです。
また、ピュアオディオ撃破後の選択は、会話の続きに出ます。決定ボタンを連打していると、とどめを刺す返答まで進めてしまう点には注意したいですね。
最良エンドへ進めるには、仲間集めを最後まで

全員加入の条件は、最終編で主人公を含む七人が一度は仲間になることです。通常の戦闘パーティーは四人で、入れ替えて離れた仲間も加入済みとして数えられます。
各地で仲間を迎え、交代しながら装備を整える進め方なら、終盤に出番が来る相手の準備もできます。魔王山へ向かう前のセーブが別に残っていれば、編成を変えた再挑戦もしやすいです。
リメイク版の映像と声の雰囲気が分かる、スクウェア・エニックス公式のファイナルトレーラーです。
FAQ|ライブ・ア・ライブの結末で気になること
最終編の主人公によって、最後の会話は変わる?
選んだ人物ごとに、オルステッドへかける言葉が変わります。アキラなら心を読む力、心山拳師範なら師匠から受け継いだ教えが、そのやりとりの背景になるんですね。
各主人公のダンジョン攻略も、最良エンドの必須条件?
各ダンジョンは最強武器などを集める寄り道です。最良エンドへ進む条件は、七人全員の加入履歴と、ピュアオディオ撃破後にオルステッドを見逃す選択です。
エンディングの名前や数は、すべて公式で決まっている?
ゲーム画面に出るNEVER END・SAD ENDと、通常・最良など攻略上の呼び名が併用されています。ハルマゲドンの二つの到達経路を別々に数える一覧もあり、総数は分類のしかたで変わるんですね。
まとめ
英雄として積み重ねた勝利も、人を信じ続ける強さまでは保証してくれない。『ライブ・ア・ライブ』の苦さは、そこにあると思います。
それでも、失ったものを抱えた主人公たちは、誰かと手を組んで前へ進みます。あの七編を遊んだ時間が、最後には彼らの言葉や振る舞いへの信頼になる。つらい話のあとに残る、温かさなんですよね。