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【完全保存版】ゼノブレイドクロスDEストーリー全解析|第13章の真実と「消失」の彼方にあるもの

お疲れ様です。

東京の満員電車に揺られながら、

「いっそこのまま惑星ミラに転移して、ドールで空を飛びたい」

なんて妄想していませんか?

私は毎日してます。

会社の最寄り駅に着くたびに現実に引き戻されるあの感覚、なんとかならないものでしょうか。

 

さて、2025年3月に発売された『ゼノブレイドクロス ディフィニティブエディション(DE)』。

Wii U版発売から10年という長い歳月を経て、ついに、本当に、ようやく完結しましたね。

 

でも、クリアした後にこんな風に思っていませんか?

  • 「Wii U版のあの『投げっぱなしエンディング』で受けた心の傷がまだ癒えていない」
  • 「DE版の追加ストーリーが良いって聞くけど、忙しくて2万文字くらいの要約で把握したい」
  • 「結局、ラオはどうなったの? 『あの人』は誰? ストーリーが難解すぎて消化不良を起こしている」

わかります。

すごくわかります。

私もWii U版をクリアした当時、エンドロールを見ながら

「えっ、これで終わり!?嘘でしょ?」

とテレビ画面に向かって独り言を叫びましたから。

夫に「更年期か?」と心配されたのも今ではいい思い出です(よくない)。

 

最近のオープンワールドRPGって、自由度が高いのは最高なんですけど、ストーリーの情報が断片化しすぎていて、全体像を把握するのが本当に大変ですよね。

ネットで検索しても、古いWii U版の情報と新しいDE版の情報がごちゃ混ぜになっていたり、個人の感想レベルの考察ばかりが出てきたりして、「私が知りたいのは『事実』と『正解』なのよ!」とスマホを投げたくなる気持ち、痛いほどわかります。

 

そこで、この記事の出番です。

私、こう見えても「ゼノシリーズ」に関してはちょっとうるさいんです。

10年前のWii U版発売日には有給を取り、家族の冷ややかな視線を浴びながらプレイに没頭。

設定資料集『Art of Mira』はボロボロになるまで読み込み、今回のDE版も発売日に購入して、睡眠時間を削りに削って150時間以上プレイしました。

家事は……

まあ、夫と息子が協力的で助かりました(感謝)。

 

そんな「ゼノクロおたく」の兼業主婦ライターである私が、その知識と情熱のすべてを注ぎ込んで、この複雑怪奇な物語を完全解説します。

 

この記事では、以下の内容を徹底的に掘り下げます。

  • Wii U版本編のストーリーを、時系列順に整理して分かりやすく解説
  • DE版で追加された「第13章」の衝撃的な展開と真の結末を完全ネタバレ
  • 未回収だった伏線(ラオの生死、エルマの正体、ミラの謎)への明確な答え
  • シリーズ全体との繋がりを、最新の情報を基に論理的に考察

この記事を読めば、10年間抱え続けてきた「モヤモヤ」が嘘のように晴れ、ゼノブレイドクロスという作品が持つ真の凄さに震えること間違いなしです。

ネットの海を彷徨うのはもう終わり。

ここで、惑星ミラの真実に辿り着いてください。

 

準備はいいですか?

かなりの長旅になりますから、コーヒーでも用意して、ゆっくり読んでいってくださいね。

それでは、物語の始まりである「地球最後の日」へ、時間を巻き戻しましょう。

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序章人類の黄昏と「プロジェクト・エクソダス」

物語を理解するためには、まず時計の針をゲーム開始前まで戻す必要があります。

私たち人類がなぜ故郷である地球を捨て、宇宙の放浪者とならなければならなかったのか。

そこには、あまりにも理不尽な理由がありました。

西暦2054年7月:地球が「戦場」になった日

物語の幕開けは、西暦2054年7月。

私たちの住むこの現実と地続きのような近未来。

その日、地球の静寂は唐突に破られました。

衛星軌道上に、人類の理解を超えた二つの巨大な異星文明が出現し、激しい戦闘を開始したのです。

 

一方の勢力は、後に私たちが惑星ミラで泥沼の戦いを繰り広げることになる「グロウス(Ganglion)」

紫色の生体兵器を操る、好戦的な軍事組織です。

そしてもう一方は、長らく正体不明とされてきましたが、DE版でついにその役割が明かされた「ゴースト」

黒い霧のような流動的な姿を持ち、物理攻撃を受け付けない不気味な存在です。

 

彼らの目的は何だったと思いますか?

地球の資源?

人類の奴隷化?

いいえ、違いました。

彼らは互いを殲滅し合っていただけ。

地球は、たまたまその戦場の射線上にあった「障害物」に過ぎなかったのです。

 

人類の科学力を遥かに凌駕する彼らの超兵器が火を吹くたび、地球の大地は抉られ、海は蒸発し、都市は灰になりました。

アリが巨人の喧嘩に巻き込まれて巣ごと踏み潰される。

そんな絶望的な状況が、世界規模で発生したのです。

エルマの警告と「箱舟」の建造

しかし、人類はただ座して死を待っていたわけではありませんでした。

この破滅的な事態を事前に予見し、警告を発していた人物がいます。

それが本作の実質的な主人公、エルマです。

 

彼女は地球滅亡の約30年前にひっそりと地球に降り立ち、政府高官に接触しました。

そして、来るべき危機に備えるため、自身の持つ高度な異星技術

――巨大ロボット「ドール」の基礎技術や、光速を超える恒星間航行技術――

を提供したのです。

すべては、人類という種の絶滅を防ぐための脱出計画、通称「地球種汎移民計画(プロジェクト・エクソダス)」のためでした。

 

運命の日、世界中の主要都市から巨大な恒星間移民船(アーク)が次々と打ち上げられました。

しかし、軌道上はすでに地獄のような戦場。

多くの船が脱出する前に撃墜され、宇宙の塵となっていきました。

唯一、アメリカのロサンゼルスから発進した「白鯨(ホワイトホエール)」だけが、奇跡的に重力圏を突破し、外宇宙へと逃れることに成功したのです。

 

白鯨に乗っていたのは、軍人、技術者、政府関係者、そして一部の一般市民を含む約2000万人。

「2000万人も助かったの?」

と思うかもしれません。

でも、当時の地球人口は約100億人。

つまり、99%以上の人類は、地球と共に運命を共にしたということです。

この「選ばれし者」と「見捨てられし者」という残酷な構図が、後の物語に暗い影を落とすことになります。

惑星ミラへの不時着

地球脱出から2年後の2056年。

あてのない逃避行を続けていた白鯨は、しつこく追撃してきたグロウス艦隊に捕捉されてしまいます。

船を守るために出撃したのは、「英雄」と呼ばれる一人のパイロットが駆る伝説の機体「アレス(オリジナル)」でした。

 

彼の超人的な活躍で敵艦隊を退けることには成功しましたが、白鯨も無傷では済みませんでした。

主機関が大破し、航行不能に陥ってしまったのです。

制御を失った巨大な船は、近くにあった未知の惑星「ミラ」の重力に捕まりました。

 

船体は大気圏突入の衝撃でバラバラに分解。

居住区ユニットを含む主要な区画は、ミラの地表へと落下していきました。

そしてこの時、人類再生の要であり、物語の核心となる最重要ユニット「セントラルライフ(ライフホールド・コア)」が、船体から切り離され、行方不明となってしまったのです。

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第1部惑星ミラでの生存闘争(Wii U版本編の全貌)

ここからは、プレイヤーである「あなた(主人公)」が目覚めてから、Wii U版のエンディングに至るまでの物語を解説します。

異星の地でのサバイバル、新たな仲間との出会い、そして明かされる衝撃の真実。

ジェットコースターのような展開についてきてくださいね。

第1章〜第4章:覚醒、そしてBLADEへの入隊

白鯨の墜落から2ヶ月後。

ミラの「原初の荒野」に落ちていた救命ポッド(ステイシスポッド)から、一人の人間が目覚めます。

それが主人公、つまりあなたです。

発見者はエルマ。

彼女によってポッドから解放されたあなたは、自分が誰なのか、ここがどこなのか、一切の記憶を失っていました。

「記憶喪失」なんてRPGのお約束設定だと思いましたか?

実はこれ、DE版の第13章で明かされる超重要な伏線なんです。

覚えておいてくださいね。

 

エルマに導かれて生存者の拠点「ニューロサンゼルス(NLA)」に到着したあなたは、民間軍事組織「BLADE(ブレイド)」に入隊することになります。

BLADEの任務は主に二つ。

  1. 惑星ミラの調査と開拓
    情報システム「フロンティアネット」を広げ、人類の生存圏を確保すること。
  2. ライフホールドの捜索
    行方不明になったセントラルライフを見つけ出し、回収すること。

あなたはエルマ、そして13歳の天才メカニック少女リン・リー・クーとチームを組み、ミラの広大な大地へと足を踏み出します。

道中では、食材にされそうになっていたノポン族のタツを救出したり(彼はいじられキャラとして優秀です)、異星人のマ・ノン人ラース人と交流したりと、NLAは徐々に多種族が共存するコロニーへと発展していきます。

この「異星人とも普通に会話が成立しちゃう」というミラの不思議な現象も、実は大きな謎の一つでした。

第5章:戦慄の真実「ミメオソーム」

物語が大きく動くのは第5章。

ここでプレイヤーは最初の、そして最大の衝撃を受けることになります。

忘却の渓谷での作戦中、グロウスの奇襲を受けた主人公たち。

タツを庇った主人公の左腕が、敵の攻撃によって肩からスパンと切断されてしまいます。

 

悲鳴を上げるリン。

しかし、切断された腕から流れたのは赤い血ではありませんでした。

そこに見えたのは、無機質な金属パーツと、青白く発光する液体、そして散る火花

 

動揺する仲間たちに、エルマは静かに、しかし冷酷な真実を告げます。

「今、NLAで暮らしている人間は全員、生身の肉体じゃない。意識データを移した機械の義体(ミメオソーム/B.B.)なの」

想像してみてください。

自分が人間だと思って生きてきたのに、実は精巧なロボットだったとしたら。

恒星間航行という過酷な環境に、脆弱な生身の肉体は耐えられません。

だから人類は、脱出の際に肉体をセントラルライフの中で冷凍保存し、意識だけを遠隔操作でミメオソームにリンクさせていたのです。

つまり、NLAの住人は全員、セントラルライフにある「本体」からWi-Fiのように信号を受け取って動いている端末に過ぎないということ。

 

そして、これは同時に恐ろしい事実を突きつけます。

セントラルライフの予備電源には限りがある。

電源が落ちれば、ミメオソームへの信号は途絶え、全人類の意識は消失する。

つまり、私たちには明確な「死のタイムリミット」が設定されていたのです。

ライフホールドの捜索は、単なる任務から、種全体の生存を懸けた時間との戦いへと変貌しました。

第9章〜第11章:ラオの裏切りと悲しき動機

探索が進む中、身内に裏切り者がいることが発覚します。

その人物とは、BLADEの優秀なチームリーダーであり、リンとも兄妹のように親しかったラオ・ホアンでした。

彼は極秘裏に開発されていた新型機動兵器「プログ・アレス」を強奪し、ライフホールド・コアの座標データを宿敵グロウスに売り渡してしまいます。

 

なぜ、彼は人類を裏切ったのか。

その理由は、あまりにも人間臭く、悲しいものでした。

 

地球脱出の際に行われた「地球種汎移民計画」。

表向きは公平な抽選とされていましたが、実際には政府による冷酷な選別が行われていました。

ラオは軍人としての能力を買われて選ばれましたが、彼の最愛の妻と幼い娘は選別から漏れ、地球に残されました。

燃え落ちる地球と共に家族を見殺しにした罪悪感。

そして、自分たちだけがのうのうと生き延びようとしている欺瞞。

 

「98億の命を見捨てて、選ばれた人間だけが生き残る。そんな人類に未来なんてあるのか?」

 

彼の裏切りは、グロウスへの忠誠ではなく、人類そのものへの絶望と復讐だったのです。

私はこのエピソードを見たとき、満員電車で感じるあの何とも言えない疎外感や社会への不信感を思い出して、妙に共感してしまいました。

正義って、視点を変えれば悪にもなるんですよね。

第12章:最終決戦と「データ消失」の謎

ラオの情報により特定されたライフホールド・コアの場所は、黒鋼の大陸近海、海底深く。

BLADEは全戦力を投入し、コアへの突入作戦を決行します。

最深部で待ち受けていたのは、グロウスの総帥ルクザールと、彼が起動させた古代の超兵器「ヴィータ」。

 

激戦の末、エルマたちはヴィータを撃破します。

追い詰められたルクザールは、ライフホールド内に貯蔵されていた「原形質溶液(全人類のDNAプール)」を自らに取り込み、怪物化して逆転を図ろうとします。

そこに割って入ったのがラオでした。

彼はルクザールを道連れに溶液のプールへと落下。

二人の意識と遺伝子が暴走・融合し、悲劇の怪物「ラオ=キマイラ」が誕生してしまいます。

 

「……殺してくれ」

キマイラの中から聞こえるラオの悲痛な叫び。

リンの慟哭。

主人公たちは涙をのんでトリガーを引き、キマイラを撃破します。

ラオは光の粒子となって消滅していきました。

 

戦いが終わり、エルマたちはついにライフホールド・コアのメインコンピュータにアクセスします。

これで人類は助かる。

誰もがそう思った瞬間、モニターに表示されたのは絶望的なログでした。

『データベース、全損』

ログによれば、ミラの墜落時の衝撃で、ライフホールドの記憶媒体は数ヶ月前に完全に破壊されていたのです。

本来の仕組みなら、データが消えた時点でミメオソームへの信号は途絶え、NLAの人類は全員活動を停止しているはず。

しかし、現実に私たちは生きている。

思考し、感情を持ち、ここまで戦ってきた。

 

「データがないのに、なぜ?」

論理的な矛盾を前に、エルマは夜空を見上げて一つの仮説を口にします。

「この星(ミラ)そのものが、私たちの意識を繋ぎ止めているのかもしれない……」

Wii U版の物語は、この巨大な謎を残したまま幕を閉じました。

エンディング後の映像で、死んだはずのラオが浜辺で目覚め、謎のフードの人物(通称:黒騎士)が歩み寄るという意味深なシーンを残して。

当時、これを見た私は

「えっ、ここで終わり!? 嘘でしょ!?」

と深夜のリビングで叫びましたよ。

このモヤモヤを抱えたまま10年過ごすことになるとは、その時は知る由もありませんでしたが。

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第2部:DE版追加ストーリー第13章 未来への胎動

お待たせしました。

ここからがSwitch版『Definitive Edition』の核心部分です。

10年越しの答え合わせ。

それは、私たちの予想を遥かに超えるスケールと感動を用意してくれていました。

第13章 前編:崩壊する現実と「消失現象」

エンディングからしばらく経った頃、平穏を取り戻しつつあったミラに異変が起きます。

「消失現象」

空間が歪み、山や岩、建物が、まるでデータが削除されるように唐突に消滅していく現象です。

時を同じくして、かつて地球を滅ぼした元凶の一つである「ゴースト」の大群が、ミラへの侵攻を開始しました。

彼らは物理的な攻撃が効きにくく、触れたものを虚無へと還す厄介な敵です。

 

この絶体絶命の危機に、一人の少年が主人公たちの前に現れます。

彼の名はアル(アロイス)

彼こそが、プロローグで白鯨を守るために「オリジナル・アレス」と共に戦い、次元の裂け目に消えたあの「英雄」の正体でした。

彼は次元の狭間を漂流し、いくつもの並行世界(ここ、ゼノファンならピンと来ますよね!)を観測して帰還したのです。

第13章 中編:すべての黒幕「ヴォイド」とサマールの罪

アルとエルマによって、一連の事件の黒幕がついに明かされます。

敵の名は「ヴォイド」

彼は、かつて銀河を支配した古代文明「サマール」の天才科学者であり、エルマのかつての同胞でした。

 

ヴォイドは、高次元エネルギー機関「コンデュイット(ゲート)」の研究に没頭し、その過程で超兵器「アレス」や「ヴィータ」を開発しました。

しかし、強大すぎる力は宇宙の理(ことわり)を歪め、結果として宇宙の免疫システムである「ゴースト」を呼び寄せてしまったのです。

自らの手で文明を滅ぼす引き金を引いた大罪人。

彼はサマールの民によって次元の牢獄に封印されましたが、死ぬことができず、数千年の孤独の中で狂気に支配されていきました。

 

「死にたい。完全に消滅して、無になりたい」

彼の目的は、自分を殺すことができる唯一の力である「アレス」と、それを起動させる鍵となる因子を持つ「人類」をミラに引き寄せ、宇宙ごと自爆することでした。

なんという迷惑な自殺願望でしょうか。

中二病をこじらせて宇宙規模にしちゃった感じですが、笑い事ではありません。

エルマの正体と、グロウスの哀れな真実

ここで、Wii U版から引っ張られてきた最大の謎、エルマの正体も完全に確定します。

彼女は地球人ではなく、サマール文明の正統な末裔である異星人でした。

本来の姿は、銀髪に褐色の肌、そして神秘的な光をまとった美しい姿。

彼女が地球に来たのは、同胞であるヴォイドの罪を清算し、サマールの被造物(グロウス)に狙われる人類を守るためだったのです。

 

また、宿敵だったグロウスが人類を執拗に狙った理由も判明しました。

グロウスは、サマール人によって作られた「人工生命体(生体兵器)」でした。

彼らの遺伝子には、

「創造主(サマールの末裔である人類)には逆らえない」という絶対的な安全装置(フェイルセーフ)

が組み込まれていたのです。

彼らが人類を攻撃したのは、侵略欲ではなく「恐怖」からでした。

創造主が存在する限り、自分たちは永遠に奴隷のまま。

だから、主を殺して自由になりたかった。

上司に逆らえない部下の極限の反乱……

会社員の私としては、少し同情してしまう部分もあります。

彼らもまた、運命の被害者だったのですね。

第13章 後編:復活のラオ、そして決戦へ

ヴォイドは自身の居城である「浮遊大陸ヴォリタリス」を出現させ、ミラそのものを消滅させようと動き出します。

NLA、そしてミラの存亡を賭けた最終作戦が発動。

主人公、エルマ、リン、そしてアルは、修復された「アレス・プライム」を含む全戦力でヴォリタリスへと突入します。

 

最深部での決戦。

神に近い力を手に入れたヴォイドの前に苦戦する主人公たち。

そこに駆けつけたのは、なんとラオでした。

彼はWii U版のラストで浜辺に打ち上げられた後、ミラの意思(あるいはアルの干渉)によって再構成され、蘇っていたのです。

 

「待たせたな」

なんてキザなセリフは言いませんでしたが、その背中は完全に主人公のそれでした。

「俺たちの戦争を終わらせる!」

主人公、エルマ、リン、アル、そしてラオ。

かつての仲間が再び集結し、渾身の一撃でヴォイドを撃破します。

ヴォイドは消滅の間際、ついに望んでいた「完全なる死」という安らぎを得て、満足げに消え去りました。

真のエンディング:リング状の惑星への帰還

ヴォイドは倒れましたが、進行していた「消失現象」は止まりません。

ミラの崩壊は避けられない運命でした。

そこでエルマたちは、最後の決断を下します。

それは、白鯨の予備パーツと、マ・ノン人やラース人たちの技術を結集して建造された「新・白鯨(ホワイトホエールMk-II)」に全種族を乗せ、アレスに搭載された次元跳躍エンジンを使って、この崩壊する宇宙から脱出することでした。

 

「この星(ミラ)が私たちを生かしてくれた。次は私たちが未来を掴む番だ」

 

人類、ノポン、マ・ノン、ラース、バイアス……

ミラで出会った全ての種族が協力し、巨大な箱舟が空へと舞い上がります。

背後で惑星ミラが光の中に消えていく中、船は次元の壁を突破します。

 

そして、エンディングムービー。

次元を超えた先で、彼らの目の前に広がっていたのは、見覚えのある光景でした。

雲海、巨神と機神の残骸、そして融合した大地。

画面には、リング状の大地を持つ青い惑星が映し出されます。

 

これ、『ゼノブレイド3 新たなる未来』をプレイした方なら、鳥肌が立ったのではないでしょうか。

そう、これはクラウスの実験によって分かたれた二つの世界が融合し、再生された「真の地球」と酷似しているのです。

これにより、『ゼノブレイドクロス』の世界は、独立したパラレルワールドではなく、

「壮大な遠回りを経て、最終的にシリーズ本流の世界(再生地球)へと合流する物語」

であったことが確定しました。

人類は、シュルクやレックスたちが守り抜いた世界へ、長い長い旅路の果てに「帰還」を果たしたのです。

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徹底考察ミラの正体と伏線回収

物語は感動の大団円を迎えましたが、まだいくつか気になる点が残っていますよね。

ここでは、作中の情報を論理的に整理し、少し俯瞰的な視点から「ミラの正体」と「主人公の秘密」について考察してみます。

考察1:なぜデータなしで人類は生きていたのか?

結論から言うと、

惑星ミラは「オリジン」のプロトタイプ、あるいは同質の機能を持っていた

と考えられます。

 

『ゼノブレイド3』に登場した「オリジン」。

あれは、消滅する世界から全人類の魂と遺伝子をデータ化して保存し、再生するための箱舟システムでした。

ミラもまた、古代サマール人、あるいはそれ以上の高次存在によって作られた「巨大な情報保存システム」だったのではないでしょうか。

  • 意識の具現化
    データがなくても意識が残る。
    強く思ったことが現実になる。
  • 異種族間の意思疎通
    言語翻訳機なしで会話ができるのは、ミラというフィールドが意識レベルで情報のパスを繋いでいるから。

つまり、物理的なサーバー(ライフホールド)が壊れても、ミラという惑星自体がクラウドサーバーとなって、人類の意識をバックアップし続けていたのです。

「この星のせい」というエルマの言葉は、「この星のおかげ」という意味でもあったわけですね。

考察2:地球消滅の「同時多発的」真実

「2054年に異星人の戦争で地球が消えた」

これはXCXの視点での事実ですが、シリーズ全体で見るともっと複雑な事象が重なっていた可能性があります。

おそらく、この2054年は、クラウス(『ゼノブレイド1・2』の元凶となった科学者)が相転移実験を行った「西暦20XX年」と同時刻です。

  1. 物理的な破壊
    グロウスとゴーストの戦闘による破壊。
  2. 次元的な消失
    クラウスの実験による次元転移(地球が消えて、2つの世界に分かれた)。

この2つが奇跡的なバッドタイミングで同時に起きた。

XCXの人類(白鯨)は、地球が次元転移する瞬間の「余波」で弾き出され、本来の宇宙とは異なる「狭間の宇宙(虚数領域)」に飛ばされてしまった。

そして、そこに漂っていたのがミラだった。

そう考えると、すべての辻褄が合います。

彼らは「迷子」になり、1000年以上の時を経て(ゼノブレイド3の後の時代へ)ようやく「家」に帰れたのです。

考察3:主人公(アバター)=「あなた自身」というメタ構造

主人公が記憶喪失だった理由。

それは「忘れた」のではなく、

「最初から持っていなかった」

からではないでしょうか。

第13章での示唆や、イエルヴのキズナクエストで語られた「J-Body(人工人格)」の設定を総合すると、主人公の正体が見えてきます。

 

ミラ(意識の深淵)は、危機に瀕した人類を救うために、集合無意識の中から新たな「英雄の器」を形成した。

それが主人公です。

中身は空っぽ。

だからこそ、画面の前の

「あなた(プレイヤー)」

が入り込むことができた。

あなたは、ミラというシステムが生み出した、この世界に干渉するための最強のインターフェースだったのです。

だからこそ、主人公は誰よりも強く、誰とでも絆を結ぶことができた。

このメタ的な構造も、ゼノシリーズらしいギミックと言えますね。

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終わりに私たちは、どこへでも行ける

長崎から東京に出てきた時、私は不安で押しつぶされそうでした。

言葉も(微妙に)違う、習慣も違う、人の多さに酔う。

満員電車は戦場。

「ここでやっていけるのかな」

と毎日思っていました。

 

でも、人間って不思議なもので、適応するんですよね。

住めば都、とはよく言ったものです。

 

NLAの人々もそうでした。

体が機械になっても、故郷を失っても、明日が見えなくても。

彼らはピザを焼き、恋をして、冗談を言い合い、必死に生きました。

ラオのように絶望することもありました。

でも、最後には希望を選びました。

 

「人間とは何か?」

その問いに対するゼノブレイドクロスの答えは、とてもシンプルで、力強いものです。

「どこにいても、どんな姿でも、心がある限り、そこは人間の生きる場所だ」

 

ヴォイドは「死」を救済と呼びましたが、私たちは泥臭くて、面倒くさくて、でも愛おしい「生」を選びました。

DE版で完結したこの物語は、私たちに

「どんな環境でも生きていける強さ」

を教えてくれた気がします。

 

さて、この長い長い解説記事も、そろそろ終わりです。

ここまで読んでくださったあなたなら、もうモヤモヤは晴れたはず。

もし、まだDE版をプレイしていないなら、ぜひその手で確かめてみてください。

知っていてもなお、あのエンディングの感動は色褪せませんから。

 

そして、クリアした後に夜空を見上げてみてください。

もしかしたら、遥か彼方の宇宙で、ドールに乗った彼らが、新しい地球を開拓しているかもしれませんよ。

 

さあ、私もそろそろ現実(家事と仕事)という名のオープンワールドに戻らなきゃ。

今日の夕飯は……

タツ……

じゃなくて、ジャガイモ料理にしようかな。

それでは、またどこかの記事でお会いしましょう!

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