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芸能人の離婚・結婚はなぜ年末年始?契約金・税金・メディア戦略から読み解く12月31日の真実【2025年最新】

この記事でわかること

今年も残すところあとわずかとなりましたね。

いかがお過ごしでしょうか。

年末のこの時期、ふとスマホを見るとこんな通知が来て、「またか」とため息をついたことはありませんか?

  • 「大掃除やおせちの準備で猫の手も借りたいほど忙しいのに、芸能人の離婚ニュースが飛び込んできて気が滅入る」
  • 「元日の朝、お雑煮を食べていると必ず『超大物カップル結婚!』のニュースが一面を飾っていて、なんだか出来すぎている気がする」
  • 「『どうせ税金対策でしょ?』と意地悪な見方をしてしまうけれど、本当のところはどうなのか気になってモヤモヤする」

私たちが仕事納めをして「やっと休める!」と思った瞬間に、まるで狙いすましたかのように降ってくる重大発表の数々。

正直、お腹いっぱいですよね。

 

でも、ちょっと立ち止まって考えてみてください。

なぜ、彼らはわざわざ世の中が一番バタバタしているこの時期を選ぶのでしょうか?

一般的に言われる「マスコミがお休みだから」とか「おめでたい時期だから」という理由は、間違いではありませんが、それは氷山の一角に過ぎません。

 

実はこの現象の裏側には、私たちが想像もしないような

「大人の事情」

が複雑に絡み合っています。

数千万円、時には億単位のお金が動くビジネスの契約、たった一日の違いで天国と地獄が分かれる日本の法律、そしてメディアを巧みに操るプロフェッショナルたちの情報戦略。

これらは偶然の産物ではなく、

緻密に計算された必然の結果

なのです。

 

私は普段、フルタイムの会社員として働きながら、副業でライターをしています。

職業柄、情報の裏側を調べたり、複数のソースを突き合わせて事実を検証したりするのが大好き(というか癖)なんです。

今回は、長年「芸能界の七不思議」と言われてきたこのテーマについて、過去10年分の膨大なデータ、業界関係者の証言、法律・税金の専門知識、そして最新の2025年の事例までを徹底的にリサーチしました。

一人の生活者としての視点と、ライターとしての分析力を総動員して、ゴシップ記事には書かれない「構造的な真実」を解き明かします。

この記事のポイント

  1. メディアの論理
    なぜ12月27日以降は「離婚の特異日」となり、元旦は「結婚の特異日」となるのか。
    テレビと週刊誌の空白期間が生むマジックを解説します。
  2. お金と契約の論理
    CM契約の「3ヶ月前ルール」や違約金回避のロジック、そしてアイドルカレンダーの在庫リスクまで、生々しいビジネスの裏側を暴きます。
  3. 法律と税金の論理
    配偶者控除の判定日である「12月31日」が持つ意味と、24時間開いている戸籍窓口の実態、さらにはデジタル資産(YouTube等)の最新事情まで網羅します。
  4. 心理と文化の論理
    日本特有の「実家プレッシャー」や「年越しのケジメ」といったメンタリティが、いかに決断を後押ししているかを分析します。

この記事を読めば、ただ流れてくるニュースを受け取るだけでなく、「なぜ今日発表されたのか?」という背景まで読み解けるようになります。

年末年始の飲み会や親戚の集まりで、

「実はね、これにはこういう理由があるんだよ」

と話せるようになり、ちょっとした雑学王として一目置かれるかもしれません。

何より、芸能ニュースの裏側にある人間ドラマと戦略を知ることで、エンターテインメントをより深く楽しめるようになるはずです。

 

結論から言うと、年末年始に発表が集中するのは、

「メディア対策」「経済的合理性」「法的メリット」「心理的区切り」のすべてが奇跡的に合致する唯一のタイミングだから

です。

それでは、その驚くべきメカニズムを一緒に見ていきましょう。

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プロローグ師走の満員電車とスマートフォンの通知

こんにちは。

今日も今日とて、東京の満員電車に揺られて出勤してきました。

長崎ののんびりした空気が恋しくなる瞬間ベスト3に入りますね、この通勤時間は。

 

車内の中吊り広告が、週刊誌のドロドロした見出しから、華やかなおせち料理や百貨店の初売りの広告に変わっていくのを見ると、妙な焦燥感に駆られませんか?

私だけでしょうか。

「あ、家の換気扇の掃除まだだ」

「年賀状のデザインすら決めてない(義実家関係の分だけは手書きしなきゃいけないという謎ルールがあるんです)」

そんな現実逃避の最中、ふと手元のスマートフォンを見ると、ニュースアプリの通知が鳴りました。

 

「人気俳優〇〇、電撃離婚を発表」

 

……またか。

 

正直、そう思いましたよね?

私も思いました。

だって、これ、毎年のことなんですもの。

まるで「冷やし中華はじめました」と同じくらいの季節感で、「有名人の離婚はじめました」というニュースが飛び込んでくる。

それも、私たちが仕事納めをして、

「さあ、これから休みだ!一年お疲れ、自分!」

と缶ビール片手に解放感に浸ろうとしている、まさにそのタイミングで。

 

あるいは元日の朝。

義実家でお雑煮の餅がまだ柔らかいうちに(そして私が義母の視線を気にしながら配膳を手伝っている最中に)、「国民的アイドル〇〇、結婚!」というニュースが一面を飾る。

これもまた、おせち料理の栗きんとんくらい定番の光景になっています。

 

でも、ちょっと待ってください。

不思議に思いませんか?

 

私たち一般人にとって、年末年始といえば一年で一番忙しい時期です。

帰省の準備、親戚への挨拶、お年玉の用意、そして溜まった家事の処理。

そんな猫の手も借りたい時期に、なぜわざわざ人生の一大事である「結婚」や「離婚」を発表するのでしょうか。

私だったら絶対に嫌です。

大掃除の最中に離婚届を書くなんて、想像しただけで埃っぽい気持ちになりますし、お正月のめでたい席で「実は別れまして……」なんて切り出すのは、罰ゲーム以外の何物でもありません。

 

「まあ、芸能人も人間だから、区切りがいい時にしたかったんじゃない?」

 

そう思う方もいるでしょう。

確かにそれも一理あります。

でもね、長年ライターとして、そして一人の社会人として世の中の裏側を覗いてきた私の直感が告げているんです。

 

「これは単なる偶然や気まぐれではない」と。

 

ここには、もっと冷徹で、もっと計算高い「大人の事情」が渦巻いています。

私の年収の何十倍ものお金が動くビジネスの論理、私たちの想像を絶するメディアコントロールの戦略、そしてたった一日の違いで天国と地獄が分かれる税金のルール。

それらが複雑に絡み合った結果、弾き出された最適解が「年末年始」なのです。

 

今回は、そんな芸能界の「年末年始のミステリー」について、私が持てる限りの知識と、主婦ならではの生活者視点、そして会社員としての実務的な感覚を総動員して、徹底的に解剖してみたいと思います。

2025年の最新事例も交えつつ、ゴシップ記事には書かれない「真実」に迫ります。

 

読み終わる頃には、きっと皆さんの年末年始のニュースの見方が、ガラリと変わっているはずです。

それでは、少し長くなりますが、忘年会の暇つぶしだと思ってお付き合いください。

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第1章 メディア構造の死角ワイドショーという名の「井戸端会議」が消える日

まずは、メディアの視点からこの問題を考えてみましょう。

私たちが平日のお昼休みに、会社の休憩室でお弁当を食べながら何気なく見ているテレビのワイドショー。

あれって、言ってみれば「日本最大規模の井戸端会議」ですよね。

 

「ねえ奥さん、聞いた? あの女優さん、別れたんですってよ」

「やっぱりねえ、最初から合わないと思ってたのよ。旦那さんの方が若かったし」

「慰謝料すごいらしいわよ。何億とか」

 

そんな会話を、プロのアナウンサーやコメンテーターたちが、公共の電波を使って大真面目に展開しているわけです。

フリップボードを使って時系列を整理したり、専門家を呼んで心理分析したり。

芸能人にとって、これがどれほど恐ろしいことか想像できますか?

自分のプライベートな失敗や痛みを、全国ネットで詳細に解剖され、あーだこーだと言われる。

まさに公開処刑です。

1-1. 12月27日のマジックアワー

ところが、この巨大な井戸端会議には、年に一度だけ「休業期間」があります。

それが年末年始です。

 

テレビ業界の慣習として、12月27日から28日あたりで、生放送の情報番組やワイドショーは年内の放送を終了します。

そこから年明けの1月4日か5日までは、各局とも「年末年始特別編成」に突入します。

特番といえば、長時間のお笑い番組や、ドラマの一挙再放送、あるいは駅伝などスポーツ中継などがメインですよね。

 

ここに、芸能事務所の狙いがあります。

 

もし、平日のど真ん中に離婚を発表したらどうなるか。

翌日のワイドショーは朝から晩までその話題で持ちきりです。

コメンテーターが

「性格の不一致って言いますけどね……裏には何かあるんですよ」

と意味深に語り、リポーターが自宅前に張り込み、過去のラブラブだった頃の映像が残酷にも掘り返される。

この「二次情報の拡散」と「深掘り」こそが、タレントの好感度を最も下げる要因なんです。

 

しかし、ワイドショーがお休みの期間に発表すればどうでしょう。

 

第一報はネットニュースやスポーツ新聞で報じられます。

確かに騒ぎにはなります。

でも、それを「深掘り」して「拡散」するテレビ番組という装置が動いていないんです。

特番の合間の短いニュース枠で「〇〇さんが離婚を発表しました」と淡々と伝えられるだけ。

コメンテーターの辛口コメントも、街角インタビューの無責任な声も、そこにはありません。

 

年が明けて番組が再開される頃には、もう一週間近く経っています。

今の時代、一週間前のニュースなんて「大昔」のことです。

今更蒸し返してトップニュースで扱う番組はありません。

結果として、離婚というネガティブな事実は「過去の出来事」としてさらりと処理され、タレントのダメージは最小限に抑えられるのです。

 

これを業界用語で

「ゴミ出し」

とか

「駆け込み処理」

なんて呼ぶこともあるそうですが、言い得て妙ですよね。

生ゴミは収集日に出さないと臭いますが、芸能人のスキャンダルという名のゴミは、収集車(ワイドショー)が来ない日に出すのが一番臭わないんです。

主婦としては「ゴミ出し」という表現に少し複雑な気持ちも抱きますが、リスク管理としては完璧な正解と言えるでしょう。

1-2. 2025年の事例に見る「金曜日の午後」の法則

さて、今年2025年の年末を振り返ってみましょう。

記憶に新しいのが、12月27日(土)に発表された、元乃木坂46の高山一実さんとQuizKnockのふくらPさんの離婚発表です。

 

このタイミング、絶妙だと思いませんか?

 

27日は土曜日です。

多くの企業がこの日で仕事納めを迎え、年末年始の大型連休へ突入した日です。

世の中のサラリーマンやOLたちは、一年の疲れを癒やすために飲みに行ったり、帰省の準備を始めたりと、心が完全に「オフモード」に切り替わる瞬間です。

 

そんなタイミングで発表されたニュースは、人々の記憶に深く刻まれることなく、年末の慌ただしさの中に溶けていきます。

もしこれが週の半ばの水曜日だったら、翌日の木曜日、金曜日と職場で話題になったかもしれません。

「ねえ、あのニュース見た?」って。

でも、金曜日の夕方や夜に発表されれば、翌日はもう休み。

わざわざ休みの日に、職場の同僚にLINEしてまで「離婚したね」なんて話しませんよね。

私ならしません。

休みの日は仕事関係の人とは極力連絡を絶ちたいタイプなので。

 

さらに週刊誌のスケジュールも関係しています。

文春や新潮といったスクープを狙う週刊誌は、年末年始に「合併号」を出します。

つまり、次の号が出るまで2週間近く間が空くんです。

この「情報の真空地帯」においては、もし離婚の裏に何か言えない事情があったとしても、それを追及する記事が出ることは物理的にありません。

記者の皆さんもお休みを取って温泉にでも行っているのでしょう。

 

タレントを守る芸能事務所のマネージャーや広報担当者は、カレンダーを睨みながら、この「メディアの隙間」を虎視眈々と狙っているのです。

まるで、スーパーの半額シールが貼られる瞬間を待つ私のように、彼らもまた「最もダメージが少ない瞬間」を待っているのです。

1-3. ネットニュースの洪水による「煙幕効果」

「でも今はネットの時代でしょ? テレビが休みでもネットニュースはずっと動いてるじゃない」

 

鋭いですね。

その通りです。

私が記事を書いているウェブメディア業界も、年末年始なんて関係なく稼働しています。

むしろ、みんな暇でスマホを見る時間が増えるから、PV(ページビュー)稼ぎ時だなんて言われています。

 

しかし、ここにも逆説的な戦略があります。

年末年始はニュースの「総量」が異常に多いんです。

  • 紅白歌合戦のリハーサル情報、誰が出場するとかしないとか。
  • レコード大賞の結果。
  • 箱根駅伝の区間エントリー予想。
  • そして、他の芸能人の結婚や離婚のニュース。

これらが怒涛のように押し寄せてくる中で、一つのニュースがトップページに留まり続ける時間は極端に短くなります。

次から次へと新しい話題が出てくるので、一つの話題に固執している暇がないんです。

 

これを「情報の希釈化」と呼びます。

濃いカルピスの原液も、大量の水で薄めれば味がしなくなるように、衝撃的なニュースも、大量の他のニュースと一緒に流せば、そのインパクトは薄まります。

 

「赤信号、みんなで渡れば怖くない」

ではありませんが、

「離婚発表、みんなで出せば怖くない」

という心理が、芸能界全体に働いているのかもしれません。

私たち一般人が年末の大掃除で不用品を一気に捨てるように、芸能界もまた、一年の「膿」を年末の情報の洪水に紛れて洗い流そうとしているのです。

なんだか、情報の断捨離みたいですね。

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第2章 新聞と芸能事務所の甘い関係元日の一面トップという「お年玉」

ネガティブな情報を「隠す」ために年末が使われる一方で、ポジティブな情報を「最大限に利用する」ために使われるのが元日です。

ここには、新聞社と芸能事務所の、持ちつ持たれつの「共犯関係」とも言える構造が存在します。

2-1. スポーツ新聞の苦悩と救世主

お正月の朝、新聞を読みますか?

最近は紙の新聞を取っている家庭も減りましたが、コンビニに行けばスポーツ新聞がズラリと並んでいますよね。

元日のスポーツ新聞の編集部は、実は頭を抱えているんです。

なぜなら、「書くことがない」から。

 

プロ野球はオフシーズン。

キャンプインまでもまだ時間がある。

サッカーJリーグもシーズンが終わっている。

もちろん、天皇杯決勝などのイベントはありますが、毎日の一面を飾るようなビッグニュースが、構造的に不足しているのが元日なんです。

新聞記者さんたちの

「一面どうするよ……」

という焦り、想像に難くありません。

ライターとしてネタに困った時のあの脂汗が出る感じ、私には痛いほどわかります。

 

そこへ現れる救世主が、芸能事務所です。

 

「うちの看板タレント〇〇、結婚させますよ。元日の一面でどうですか?」

 

新聞社にとっては、喉から手が出るほど欲しいビッグニュース。

年始の部数を稼げる最高のコンテンツです。

一方、芸能事務所にとっても、元日の一面トップというのは特別な意味を持ちます。

 

まず、単純に目立ちます。

「今年最初のビッグカップル誕生!」

なんて見出しが踊れば、そのタレントの「格」が上がったような気がしますよね。

そして何より、「おめでたいムード」の利用です。

 

お正月って、日本中がなんとなく「おめでとう」という空気に包まれていますよね。

初詣に行って、おせちを食べて、お酒を飲んで。

そんな浮かれた気分の時に飛び込んでくる結婚ニュースには、批判的な感情が湧きにくいんです。

 

「えー、あのアイドル結婚しちゃうの? ショック……でもまあ、正月だし、めでたいからいっか!」

 

そんな風に、ファンの心理的ハードルを下げさせる効果が期待できます。

これを心理学的に言えば「情動伝染」の一種かもしれませんし、単なる「どさくさ紛れ」かもしれません。

いずれにせよ、批判を封じ込め、祝福ムード一色に染め上げるためには、元日以上のタイミングはないのです。

2-2. 2024年、2025年の事例から見る「格」の演出

思い出してみてください。

2024年の元日には、HIKAKINさんや安住紳一郎アナウンサーが結婚を発表しました。

そして2025年末にも、KinKi Kidsの堂本光一さんの結婚が報じられました。

 

彼らに共通するのは、長年第一線で活躍してきた「超大物」であるということ、そしてファン層が幅広く、結婚によるインパクトが計り知れないということです。

 

特に堂本光一さんのような、長年「王子様」としてのイメージを守り続けてきたアイドルの場合、結婚発表はファンにとって核爆発級の衝撃です。

下手をすればファンクラブの会員が激減し、ビジネスモデルが崩壊しかねない危険な賭けでもあります。

私の友人に熱狂的なファンがいるのですが、彼女のことを思うと胸が痛みます。

 

だからこそ、元日なんです。

 

「新しい年の始まり」

という象徴的なタイミングを選ぶことで、結婚を単なるプライベートな変化ではなく、タレントとしての「第二章の幕開け」のように演出する。

新聞社にも事前に情報を流し(これをリークと言います)、美しいツーショット写真や、感動的なエピソードを用意させ、完璧な「祝賀記事」を作らせる。

 

これはもう、一種の芸術的なプロモーション活動です。

私たちが年賀状で

「旧年中はお世話になりました、今年もよろしく」

と書くのと同じレベルで、彼らは

「独身時代はお世話になりました、既婚者としてもよろしく」

というメッセージを、新聞の一面を使って全国民に送っているわけです。

スケールが違いすぎて目眩がしますね。

2-3. 「ハワイ取材」という昭和の遺産

余談ですが、昔のお正月芸能ニュースといえば「ハワイ」でしたよね。

成田空港で、芸能リポーターが巨大なマイクを持って走り回り、ハワイへ旅立つ芸能人を直撃する。

「井上公造です! どこ行くんですか!?」

なんて光景、昭和や平成初期には当たり前でした。

私も子供の頃、テレビでよく見ていました。

 

でも、最近見なくなりましたよね。

 

これには2つの理由があります。

一つは、コンプライアンスとセキュリティの強化。

空港内での撮影許可が降りにくくなり、一般客への迷惑行為として厳しく制限されるようになりました。

 

もう一つは、タレント自身が「メディアになる」時代になったことです。

 

昔は、ハワイで撮られることがステータスでした。

「撮られる=人気がある」

という証拠だったんです。

でも今は、InstagramやYouTubeで、自分でおしゃれなハワイの写真をアップすればいい。

わざわざリポーターに追いかけ回されて、寝起きのような変な顔の写真を撮られるリスクを冒す必要がないんです。

 

かつて芸能界を震え上がらせたリポーターの方々が、今はYouTubeで「ハワイのおすすめパンケーキ屋」を紹介しているのを見ると、時代の流れを感じずにはいられません。

メディアと芸能人の関係性は、かつての「追う・追われる」という緊張関係から、もっとドライで戦略的な関係へと変化しているのです。

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第3章 数億円の攻防会社員としての「契約」と「カレンダー」の裏事情

さて、ここからは少し視点を変えて、ビジネスのお話をしましょう。

私も普段は会社員として働いていますが、会社という組織は「契約」で動いています。

契約書にハンコを押すときの手の震え、皆さんも経験ありませんか?

芸能人の結婚や離婚は、愛だの恋だのという感情の問題である以前に、巨大なビジネス契約の変更手続きなんです。

ここには、私たちが想像するよりもはるかにシビアなお金の話が絡んでいます。

3-1. CM契約という名の時限爆弾

芸能人にとって最も実入りのいい仕事、それがCMです。

テレビを見ていると、15秒の間に有名人がビールを飲んだり、車を運転したりしていますよね。

あの一瞬の出演で、数千万円から時には億単位のギャラが発生します。

私の年収の何倍……

いや何十倍もの金額が動くわけですが、高いギャラには高い責任が伴います。

CM契約書には、必ずと言っていいほど

「倫理条項(コンプライアンス条項)」

という恐ろしい項目が入っています。

 

簡単に言えば、

「契約期間中に、商品のイメージを損なうようなことをしたら、契約解除はもちろん、損害賠償も請求しますよ」

という約束です。

 

ここで問題になるのが「離婚」です。

 

特に、住宅メーカーや保険会社、ファミリーカー、食品などのCMは、

「幸せな家庭」

「信頼できる人柄」

というイメージを売りにしています。

そんなタレントが泥沼離婚なんてことになったら、企業のブランドイメージは失墜します。

 

「おしどり夫婦だと思って起用したのに、実は仮面夫婦だったなんて詐欺だ!」

 

スポンサー企業は激怒します。

そして、違約金の請求書が届くわけです。

私たち一般人が、住宅ローンの支払いに追われるのとは桁が違うプレッシャーです。

 

では、どうすればこの違約金を回避できるか。

 

答えはシンプル。

「契約が切れるのを待つ」です。

 

多くのCM契約は、企業の決算に合わせて4月や10月に更新されますが、1月スタート(12月末終了)の契約も少なくありません。

そして、契約を更新するかどうかの話し合いは、通常その3ヶ月前、つまり9月から10月頃に行われます。

 

もし、ある芸能人夫婦が夏頃に離婚を決意したとします。

でも、すぐに発表はできません。

まだCM契約が残っているからです。

そこで、事務所はスポンサー企業に水面下でこう伝えます。

 

「実は、年末で離婚することになりまして……次回の契約更新は辞退させていただきます」

 

企業側も、契約期間中に騒ぎになるのは困りますから、

「わかりました。では12月末での契約満了ということで処理しましょう」

と合意します。

そうして、契約期間が無事に終了した12月末、晴れて(?)離婚を発表するわけです。

 

これなら「契約違反」にはなりません。

あくまで「契約満了後のプライベートな変化」です。

 

年末に離婚発表が多いのは、単にメディア対策だけでなく、こうした

「数億円の時限爆弾」

を安全に処理するための、解除コードを入力するタイミングがそこだった、というわけなんです。

会社員の皆さんなら、この「年度末の帳尻合わせ」の感覚、痛いほどわかりますよね。

私も年末の経費精算で似たような冷や汗をかいていますから。

3-2. アイドルカレンダーと在庫リスク

もう一つ、忘れてはならないのが「カレンダー」です。

 

アイドルや若手俳優のファンにとって、カレンダーは聖典です。

来年一年間、推しの顔を毎日拝むための必須アイテム。

事務所にとっても、確実に売上が見込める重要な「ドル箱商品」です。

このカレンダー、だいたい秋頃から予約が始まり、11月から12月にかけて発売されます。

 

想像してみてください。

もし、カレンダーの予約受付中に

「結婚します!」

なんて発表したらどうなるか。

 

「は? 結婚する人の顔なんて毎日見たくないわ!」

 

怒ったファンによるキャンセル祭りです。

あるいは、これから売り出そうとしていたカレンダーが大量に在庫として積み上がる。

倉庫に積まれた山のようなカレンダー(しかも日付が入っているから来年には売れない)を見る事務所社長の顔、想像するだけで胃が痛くなります。

 

だから、ビジネスの鉄則として、順番はこうなります。

  1. カレンダーを売る。
  2. 商品をファンの手元に届ける。
  3. 売上を確定させる。
  4. 結婚を発表する。

「えげつない!」と思いますか?

でも、スーパーだって賞味期限ギリギリの商品を売り切ってから新しい商品を並べますよね。

在庫リスクを避けるのは商売の基本です。

2025年の堂本光一さんのケースも、コンサートツアーやグッズ販売という一連のビジネスサイクルが一区切りついたタイミングを見計らったものでしょう。

ファン心理への配慮であると同時に、徹底的なリスク管理の結果でもあるのです。

 

愛さえあればお金なんて……

なんて言えるのはドラマの中だけ。

現実の芸能界は、愛も契約書で管理される世界なのです。

なんだか夢がない話ですけど、これがリアルなんですね。

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第4章 税金と法律のデッドライン12月31日の深夜、役所は眠らない

お金の話が出たところで、次はもっと生々しいお金の話、つまり「税金」の話をしましょう。

私たちも年末になると「年末調整」の書類を書きますよね。

生命保険の控除証明書を探して家中をひっくり返したり、マイナンバーカードが見つからなくてイライラしたり。

あの面倒くさい作業、芸能人も(あるいはその税理士も)やっているんです。

 

そして、ここにも「12月31日」という絶対的なデッドラインが存在します。

4-1. 38万円の壁と配偶者控除

日本の税制には「配偶者控除」という仕組みがあります。

簡単に言えば、養っている奥さんや旦那さんがいるなら、税金を安くしてあげましょう、という制度です。

 

この控除が受けられるかどうかは、「その年の12月31日の状況」で決まります。

 

たった一日の違いで、天国と地獄です。

 

例えば、年収数億円の売れっ子芸能人が、一般の方(あるいは収入の少ない若手タレント)と結婚するとします。

もし、12月31日までに婚姻届を出せば、その年の1月1日まで遡って配偶者控除が適用される可能性があります(所得制限などはありますが)。

 

控除額は最大38万円。

これに税率を掛けた分だけ税金が安くなります。

高額納税者の芸能人にとって、節税効果は数十万円、場合によってはそれ以上になることもあります。

 

「たかが数十万でしょ?」

 

いやいや、主婦感覚で言えば、数十万は大金です。

高級焼肉に何回行けると思っているんですか。

どうせ結婚するなら、年明けにするより年内にしちゃった方がお得じゃない?

という計算が働くのは当然です。

これを「節税婚」と呼ぶのは野暮かもしれませんが、経済合理性に基づいた行動であることは間違いありません。

 

逆に離婚の場合はどうでしょう。

 

もし12月31日までに離婚してしまうと、その年の配偶者控除はゼロになります。

「あと一日我慢して年明けに離婚届を出せば、去年一年分は控除が受けられたのに!」

なんてことになりかねません。

 

しかし、ここで別の力学が働きます。

扶養されている側(多くの場合、妻側)の論理です。

 

「新しい年は、あなたとの縁を切ってスッキリした状態で迎えたいの」

「児童扶養手当の手続きもあるし、年内に籍を抜いておきたい」

 

税金のメリットを取るか、感情的なスッキリ感や行政手続きの都合を取るか。

年末の芸能人夫婦の間では、そんなギリギリの攻防が繰り広げられているのかもしれません。

ドラマのワンシーンのようですが、弁護士を挟んだ泥沼の交渉がそこにはあるのでしょう。

4-2. 深夜の区役所という「ステルス入籍」スポット

ところで、皆さんは知っていますか?

日本の役所の戸籍窓口は、24時間365日開いているということを。

正確には「時間外受付」や「守衛室」での対応になりますが、法律上、戸籍の届出はいつでも可能です。

これ、芸能人にとっては神システムなんですよ。

 

平日の昼間に、有名人が区役所の窓口に行ったらどうなるか。

 

「あ! 今、〇〇がいた! 離婚届持ってた!」

 

瞬く間にSNSで拡散され、大騒ぎです。

プライバシーもへったくれもありません。

でも、大晦日の深夜や元日の早朝ならどうでしょう。

役所はガランとしています。

いるのは眠そうな守衛さんだけ。

誰にも見られず、ひっそりと書類を提出できる。

これを

「ステルス入籍」

「ステルス離婚」

と言います。

 

提出した書類に不備がなければ、出した日がそのまま受理日になります。

つまり、12月31日の23時59分に出せば12月31日付けになるし、1月1日の0時1分に出せば1月1日付けになる。

 

私が以前住んでいた東京の某区役所でも、年末の深夜にサングラスとマスクで完全装備したカップルが裏口から入っていくのを見かけたことがあります。

あれはきっと……

いや、詮索するのはやめましょう。

4-3. 新たな論点:デジタル資産(YouTube動画)の行方

そして、2025年ならではの新しい法的論点もあります。

それは「デジタル資産」です。

 

先ほど触れた高山一実さんとふくらPさんの離婚事例で興味深かったのが、YouTube動画の扱いです。

離婚発表と同時に、ふくらPさんがYouTubeチャンネルの概要欄を更新し、「(元妻と共演した)動画を削除しない」方針を明文化したことが話題となりました。

 

従来、芸能人が離婚した場合、過去の共演映像やツーショット写真は「黒歴史」として削除・封印されるのが通例でした。

しかし、YouTuberやインフルエンサーにとって、過去の動画は再生され続ける限り収益を生む「資産(ストックコンテンツ)」です。

 

「愛の終わり」が「ビジネスパートナーシップの終了」を意味しない。

この合理的かつドライな価値観は、これからの芸能界のスタンダードになるかもしれません。

年末の発表は、こうした新しい形の関係性の変化に対する世間の違和感を、どさくさに紛れて受け入れさせるための「煙幕」としての機能も果たしたと言えるでしょう。

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第5章 「ケジメ」と「実家」の重力日本固有のメンタリティ

ここまで、メディア、金、法律という、かなりドライな話をしてきましたが、最後にもっと人間臭い理由について触れておきましょう。

それは、日本人のDNAに刻まれた「ケジメ」の文化と、「実家」という最強のプレッシャー装置についてです。

5-1. 「帰省」という名の最終面接

年末年始といえば帰省です。

私も義実家への帰省は毎年気が重……

いえ、楽しみで仕方ありませんが(棒読み)、独身やカップル、あるいは夫婦仲が冷え切っている人たちにとって、帰省ほどプレッシャーのかかるイベントはありません。

 

田舎の両親や親戚からの容赦ない質問攻め。

 

「いつ結婚するんだ?」

「いい人はいないのか?」

「孫の顔はまだか?」

 

この「実家プレス」に耐えかねて、

「もういっそ、年末に入籍して堂々と連れて行こう!」

と決断するカップルは後を絶ちません。

芸能人も例外ではないのです。

いや、むしろ芸能人だからこそ、親を安心させたいという思いは強いかもしれません。

 

逆に、離婚を考えている夫婦にとっても、帰省はトリガーになります。

 

不仲なのに仲良よさそうなフリをして数日間実家で過ごすなんて、地獄の苦しみです。

「もう嘘をつきたくない」「親には直接会って説明したい」。

そう思ったら、帰省前に離婚届を出して、「実は別れました」と事後報告するしかない。

 

私の友人もそうでした。

年末ギリギリに離婚届を出して、一人で実家に帰り、こたつでみかんを食べながら親に報告したそうです。

「あんたも大変だねえ」

と言いながら剥いてくれたみかんの味が忘れられないと言っていました。

切ない話ですが、これもまた年末年始ならではの人間ドラマです。

5-2. フレッシュスタート効果:「年越し」の魔法

心理学に「フレッシュスタート効果」という言葉があります。

人間は、新年や誕生日といった「節目」をきっかけに、過去の自分をリセットし、新しい目標に向かって行動したくなる生き物だそうです。

 

「今年のうちに悪いことは全部清算したい」

「新しい年は、新しい自分で迎えたい」

 

この感覚、わかりますよね?

大掃除でゴミを捨てるのと同じ感覚で、人生の重荷も下ろしたくなる。

 

欧米ではクリスマス休暇は家族と過ごす神聖な時間で、この時期の離婚発表は避けられる傾向にあります(もちろん、ニュースに埋もれさせるための「Holiday News Dump」という戦略はありますが)。

でも、日本には「年越しそば」や「除夜の鐘」のように、「旧年の厄を落とす」という文化が根付いています。

 

泥沼の離婚協議や、仮面夫婦としての生活というストレスフルな状況を、2025年に置いていきたい。

そして2026年は、独身として、あるいは新しいパートナーと共に、真っ白な気持ちでスタートしたい。

 

そんな「年越しの魔法」にすがりたくなる気持ちは、華やかなスポットライトを浴びる芸能人でも、私たち一般人でも、何ら変わらないのかもしれません。

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第6章 SNS時代のニューウェーブ隠す時代から「魅せる」時代へ

さて、ここまで長々と「年末年始の定説」についてお話ししてきましたが、実は今、この定説が少しずつ崩れ始めています。

犯人はスマートフォン、そしてSNSです。

6-1. HIKAKINが変えたゲームのルール

2024年の元日、YouTuberのHIKAKINさんが結婚を発表しました。

その方法は、週刊誌へのリークでも、FAXによる事務的な報告でもなく、自身のYouTubeチャンネルでの動画公開でした。

 

彼は100パターンの発表動画を用意し、どれが一番ファンに喜んでもらえるかを考え抜いたそうです。

結果、動画は大バズりし、祝福のコメントで溢れかえりました。

 

これは革命的でした。

 

これまでの芸能界の常識では、結婚や離婚は「マスコミにどう報じられるか」を気にして、コントロールするもの、あるいは隠すものでした。

しかし、HIKAKINさんたちインフルエンサーにとっては、結婚さえも「最高のコンテンツ」なんです。

 

隠す必要なんてない。

むしろ、自分たちの言葉で、自分たちのタイミングで、一番面白い方法でファンに伝える。

そうすれば、メディアに曲解されることもないし、再生数も稼げる。一石二鳥です。

6-2. デジタルタトゥーを恐れないZ世代

さらに、Z世代を中心とした若いタレントたちは、離婚や破局に対する感覚も変化しています。

彼らは「デジタルタトゥー」のリスクを熟知しており、別れた後もネット上に画像や動画が残り続けることを前提に行動します。

 

そのため、離婚発表においても、単なるFAXでの事務的な報告ではなく、お互いのSNSでツーショット写真と共に「パートナーシップの解消」をポジティブに語るなど、円満さをアピールする「演出された離婚」が増えています。

 

このようなスタイルであれば、必ずしも年末のどさくさに紛れる必要はなく、平日の夜などに発表して、ファンからの応援コメントを集める方が得策となる場合もあります。

彼らにとって年末年始は、単なる「隠れ蓑」ではなく、ファンとのコミュニケーションを再定義するための「戦略的なリセット期間」へと進化しているのかもしれません。

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エピローグニュースの行間を読む、大人の楽しみ方

長くなりましたが、芸能人の年末年始の発表ラッシュの裏側には、これほどまでに複雑で、人間臭いドラマが隠されていました。

  • メディアの空白を突くステルス作戦。
  • 新聞社とのバーター取引。
  • 数億円を守るための契約更新の攻防。
  • 税金と戸籍のデッドライン。
  • そして、実家という重力と、新年への希望。

これら全ての要素がパズルのように組み合わさり、最適解として導き出されたのが「年末年始」だったのです。

 

次にあなたが、年末のコタツでみかんを食べながら「電撃離婚!」のニュースを見たとき、あるいは元日のお雑煮を食べながら「祝・結婚!」のニュースを見たとき、単に「へぇー」と思うだけじゃなく、その向こう側にあるドラマに思いを馳せてみてください。

 

「ああ、この発表まで、マネージャーさんは胃の痛い思いをしてスポンサー調整をしたんだろうな」

「このカップル、昨日の深夜にこっそり区役所に行ったのかな」

「税理士さんに『年内の方がお得ですよ』って言われたのかな」

 

そうやってニュースの行間を読むことができれば、芸能ニュースはもっと深く、もっと面白いエンターテインメントになります。

情報に踊らされるのではなく、情報の裏側にある「人間の営み」を楽しむ。

それこそが、情報過多なこの時代を生きる私たちに必要な、大人の知恵なのかもしれません。

 

さて、私もそろそろ年賀状を書かなければ……

いえ、その前に溜まった洗濯物を片付けなければなりません。

現実は待ってくれませんからね。

年末年始が、素敵なニュース(個人的なもので構いませんよ!)で彩られますように。

それでは、良いお年を!

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