※ここからは、2012年発売の『スペックオプス ザ・ライン』(Spec Ops: The Line)のシングルプレイヤー本編と、エンドロール後のエピローグまでのネタバレです。マルチプレイヤーと追加の協力モードは別モードになります。
「任務完了!」で切り上げたいのに、頭の中では反省会が延長戦。飲み物を取りに立っても、「あの無線は誰と話していたの?」が気になるんですよね。
実は、コンラッドはすでに自殺しており、ウォーカーが会話していた生きたコンラッドは幻覚です。ウォーカー自身の最期は4種類に分かれ、塔で死ぬ場合もあれば、救援部隊と帰還する場合もあります。
本編のネタバレ:救出任務はどこで変わった?

最初の命令は、生存者を調べて報告すること
砂嵐で外界から切り離されたドバイには、ジョン・コンラッド率いる第33歩兵部隊が残っていました。彼らは市民を救おうとした米軍部隊ですが、避難は失敗し、街では軍による暴力と市民の抵抗が続いています。
そこへ入るのが、マーティン・ウォーカー大尉と部下のアダムス、ルーゴの3人です。コンラッドはかつてアフガニスタンでウォーカーの命を救った、彼にとっての恩人なんです。
ただし、出発時の命令は生存者の存在を確かめ、砂嵐の外から本部へ連絡すること。3人だけで街全体を救ったり、コンラッドを裁いたりする任務ではなかったんです。
第33部隊にも、現地の武装勢力にも敵と見なされる
街の外縁で遭遇した武装勢力は、ウォーカーたちを第33部隊の仲間だと思って攻撃します。一方、第33部隊からはCIA側の人間と誤認され、同じ米軍同士で撃ち合うことになりました。
助けに来たのに、誰からも歓迎されない。歓迎セレモニーの代わりに銃弾が飛んでくる始まりです。
CIAは現地の人々を武装させ、第33部隊に対抗していました。ウォーカーは捕らわれた兵士の救出や街の状況の解明を優先し、報告のために引き返すはずだった行動を、奥へ進む行動へ変えていきます。
尋問されているCIA工作員の声を流す無線も、救助を誘う罠でした。ウォーカーたちは工作員グールドに助けられるものの、彼も後に第33部隊に捕らわれて命を落とします。
グールドが狙っていた拠点「ゲート」へ向かい、ウォーカーはその攻撃を引き継ぐことにしました。生存者を発見しても帰らず、新しい救出対象や敵を見つけて進み続ける。その積み重ねが、白燐弾を使う場面へつながるんですね。
白燐弾の攻撃で、守るはずだった母子を殺してしまう
ゲートには多数の第33部隊の兵士が待ち構えており、3人は白燐弾を使った迫撃砲で突破しようとします。白燐弾は、この場面では広い範囲の人々を焼く兵器として描かれるものです。
ルーゴは使用に反対しました。それでもウォーカーとアダムスは、突破するにはこれしかないと押し切ります。
攻撃時の画面では、人間は白い影のように見えるだけ。砲撃が終わってから焼け跡を歩くと、そこでようやく、遠くから撃った相手の姿が見えてくるんです。
第33部隊が避難民を保護していた場所にも着弾しており、兵士だけでなく民間人まで死亡していました。ウォーカーの前には、子どもを抱きかかえたまま焼け死んだ母親の姿があります。
ウォーカーたちは救うつもりだった人々を、自分たちの攻撃で殺してしまいました。この場面をやり直しても、白燐弾を使わずに先へ進む別ルートはありません。
ウォーカーは、避難民をあの場所に集めたコンラッドと第33部隊に責任を向け、彼を追い続けます。ここで引き返して自分の行動を報告する代わりに、コンラッドを倒すための戦いを続けてしまうんですね。
水を失った街で、ルーゴとアダムスも帰れなくなる
リッグスの狙いは、水の確保を装った隠蔽だった
次に協力するCIA工作員リッグスは、第33部隊が管理する街の残りの水を奪おうとしていました。ウォーカーたちは、相手の支配を弱める作戦だと考えて水の輸送車を確保し、運び出すのを手伝います。
ところが、リッグスは輸送車を破壊してしまいました。本当の狙いは、第33部隊の惨状が外へ知られるのを防ぐため、ドバイの生存者を水不足で死なせることだったんです。
避難民を焼いたうえに、今度は残った人々の飲み水まで失わせる。救出のために協力したはずの作戦が、街で生き延びる手段を奪ってしまいます。
車の下に挟まれたリッグスは、ウォーカーに自分を撃つよう求めました。撃って死なせるか、立ち去って炎に任せるかという選択になりますが、どちらでも彼は死亡し、壊れた水の供給は戻りません。
ラジオマンを殺し、通信塔を壊し、ヘリは墜落する
3人は街の人々に避難を呼びかけるため、第33部隊側の放送を続けるラジオマンの通信塔へ向かいます。ラジオマンは通信設備の扱いに協力しましたが、ルーゴは彼を撃ち殺してしまいました。
白燐弾の使用を嫌がったルーゴも、ここでは相手の殺害を必要な行為として正当化するんです。
ウォーカーはヘリで脱出する際に、通信塔を攻撃して破壊しました。救助を呼びかける場所まで壊してしまったわけですね。
ヘリで敵機と撃ち合う場面は、ゲーム冒頭にあった空中戦へつながります。同じ出来事に追いついたウォーカーは既視感を口にしますが、ヘリは砂嵐の中で墜落してしまいました。
ルーゴは市民に吊られ、アダムスは最後の戦闘で死ぬ
墜落後、ウォーカーとアダムスは再び合流します。離れたルーゴは難民のいる場所に身を寄せますが、2人がたどり着いたときには、市民たちによって首を吊られていました。
体を下ろし、蘇生を試みてもルーゴは戻りません。怒ったアダムスは群衆への発砲を求め、ウォーカーは報復するか、威嚇射撃で追い払うかを選ぶことになります。
群衆を殺さずに立ち去る道はあるものの、ルーゴを助け直す分岐はないんです。アダムスはウォーカーを責めながらも、コンラッドのいる塔へ一緒に向かいます。
塔の手前で第33部隊に追い詰められると、ウォーカーは降伏しようとしました。アダムスはそれを拒み、ウォーカーを突き飛ばして退かせ、自分は残って戦います。
アダムスもこの最後の交戦で命を落とし、コンラッドの部屋へ行くのはウォーカー1人です。
コンラッドの正体:無線の声も「処刑の選択」も幻覚だった

椅子に座っていたのは、すでに死んだコンラッド
塔に入ると、残った第33部隊の兵士たちが降伏したように見えます。上階ではコンラッドが、白燐弾で死んだ母子を描いた絵の前にいました。
ようやく相手を問い詰められる。そう思った直後、ウォーカーは椅子に座るコンラッドの腐敗した遺体を見つけます。
コンラッド本人は、ウォーカーたちが到着するより前に自殺していました。もちろん、コンラッドという軍人が丸ごと架空だったわけではないんです。
実在した彼は、ウォーカーの恩人であり、第33部隊の指揮官。白燐弾の攻撃後に無線越しで責めたり、試練を与えたりしていた「生きたコンラッド」が、ウォーカーの頭の中で作られた相手だったのです。
電池のない無線と、すでに死んでいた2人
終盤の回想では、ウォーカーがコンラッドとの会話に使っていた無線に電池が入っていなかったことが分かります。アダムスとルーゴには、彼が通じない無線に話しかけているように見えていました。
道中で「水を盗んだ市民」と「その家族を殺した兵士」のどちらを処刑するか迫られた場面も、見え方が変わるんです。吊られていた2人は、すでに死体でした。
コンラッドが現実に生きた2人を用意して裁きを命じたのではなく、ウォーカーがその状況を作り変えて受け取っていたわけですね。最後に兵士が降伏し、命令を待つように見えた場面も、彼の幻覚でした。
考察:なぜウォーカーには悪役が必要だった?
私には、自分の起こした惨事を背負わせ、「あいつを倒せば救える」と信じ続けるために、ウォーカーは悪役を必要としていたように見えます。自分が救う側の人間だと信じていたいんですね。
コンラッドとの対決は、罪を押しつけていたウォーカーが自分の行動に直面する場面。黒幕を追い詰めたつもりが、自分への取り調べになっているんですよね。
4つのエンディングは、塔での対面と救援部隊で分岐する

最後の対面では、幻覚のコンラッドが銃を向け、数を数え始めます。そこでウォーカーが死ぬか、コンラッドの幻覚を撃って生き残るかが、最初の分かれ目です。
生き残った場合はエンドロール後にも場面が続きます。今度は到着した救援部隊を前に、武器を渡すか、発砲するかを選ぶことになるんです。
| 結末 | 最後の選択・結果 | ウォーカーの着地 |
|---|---|---|
| 塔で死亡 | 自分を撃つ、または幻覚のコンラッドが撃つまで待つ | コンラッドの遺体のそばで死亡 |
| 救援部隊と帰還 | コンラッドの幻覚を撃ち、エピローグで武器を渡す | 車に乗り、ドバイから離れる |
| 救援部隊との戦闘で死亡 | エピローグで部隊に発砲し、撃ち返されて死ぬ | 地面に倒れ、コンラッドとの昔の会話を思い出す |
| 救援部隊を全滅させる | エピローグの戦闘に勝つ | 無線で「ドバイへようこそ」と告げ、街に残る |
1.塔で死亡する――自分を撃っても、待っても同じ結末
鏡に映る自分を撃つと、ウォーカーは死亡します。何もせずコンラッドの幻覚に撃たれる場合も、自分の命を絶つ同じ結末です。
最後には、ウォーカーとコンラッドの遺体が並び、避難の失敗を知らせるコンラッドの古い無線が流れます。カメラは荒廃したドバイへ引いていき、救援のエピローグには続きません。
操作が2通りあるため紛らわしいものの、塔での死亡を1種類として数えるので、物語の結末は合計4つ。ここを分けて5種類とすると、同じ最期を重複して数えてしまうんですね。
2.武器を渡し、救援部隊と帰還する
コンラッドの幻覚を撃ったウォーカーは、その場を生き延びます。その後のエピローグでは、コンラッドの制服を着て、銃を手にしたウォーカーのもとへ米軍の部隊が到着するんです。
ようやく迎えの車が来たのに、ここでも一悶着。ウォーカー、まずはその銃を置いてください!
武器を渡せば、ウォーカーは救援部隊の車に乗ってドバイを離れます。ただ、車内で生き延びた理由を尋ねられると、自分が生き残ったという前提を問い返すような返答をするんです。
体は街から出られても、晴れやかな帰還にはほど遠い。私はこの結末を、罪や記憶を抱えたまま生き続ける着地だと受け取ります。
3.救援部隊に発砲し、撃たれて死亡する
迎えに来た兵士へ発砲し、その戦闘で負けると、ウォーカーは地面に倒れて死亡します。塔での自死とは場所も経緯も異なる、別のエンディングです。
最期には、アフガニスタンでコンラッドと交わした帰郷についての会話が重なります。ドバイで想像していた黒幕としての声を聞く物語から、かつて実際にいたコンラッドを思い出して終わるんですね。
4.救援部隊を全滅させ、ドバイに残る
部隊に発砲したあと全員を倒すと、ウォーカーは生き残ります。兵士の無線を取り、「ドバイへようこそ」と呼びかけて、荒れ果てた街へ戻る結末です。
彼はコンラッドの制服を着たまま、救援そのものを殺してしまいました。私は、追い続けたコンラッドの立場へ自分が収まってしまうラストだと感じます。
銃撃戦には勝っても、帰る機会を自分で潰している。戦闘の勝利が救いにつながらないところが、最後まで苦いんですよね。
注意:2012年本編の結末と「墜落後は地獄」説
4つの結末は、2012年のシングルプレイヤーの最終対面からエピローグにかけて生じる分岐です。対戦用のマルチプレイヤーと、追加の協力ミッションは別モードで、この最終選択を補う後日談にはなっていません。
「冒頭のヘリ墜落でウォーカーは死んでいて、その後は地獄を巡っている」という読み方は考察になります。空中戦の反復、ウォーカーの既視感、死者が迫る幻覚は、その読み方につながる場面ですね。
コンラッドの死と無線の幻覚は終盤の種明かしですが、ヘリ墜落でのウォーカーの死亡は考察です。
結末を知ったあと、無線とヘリの場面を見返す
もう一度本編を振り返るなら、コンラッドの声だけでなく、その横にいる2人の反応にも注目してみてください。ウォーカーが聞いている内容と、アダムスやルーゴが反応している内容が食い違うんです。
- 白燐弾攻撃後の無線:ウォーカーがコンラッドを責めるそばで、部下たちがどう振る舞うか。
- 吊られた2人を裁く場面:コンラッドの命令に従っているつもりのウォーカーを、部下がどう見ているか。
- 冒頭と後半のヘリ戦:同じ出来事を、最初の勇ましい印象と、破壊を重ねたあとの印象で見比べること。
別の結末を追うなら、コンラッドの幻覚を撃ったあともエンドロール後まで続ける必要があります。救援部隊との場面に、帰還と2種類の戦闘結果が残っているためです。
2K公式の発売時予告
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よくある質問(FAQ)
ルーゴやアダムスが生き残るエンディングはある?
ありません。最後の分岐にたどり着く前に2人とも命を落としており、変えられるのはその後のウォーカーの行動と最期です。威嚇射撃で群衆を逃がしても、ルーゴの死亡を覆す救出にはつながらないんですね。
コンラッドを撃つと、実在した大佐も殺すことになる?
大佐本人は、対面より前にすでに死んでいます。最後に照準を合わせる相手は、ウォーカーが作った生きたコンラッドの像なんです。
グッドエンドと呼べるのはどれ?
生きたまま帰る結末を求めるなら、武器を渡すルートになります。ただ、仲間や避難民を救い直せる結果ではありません。私は、すっきりした大団円よりも、帰ったあとも続く苦しさを想像する結末だと思います。
まとめ
救助に向かったウォーカーは、報告して帰る機会を越えて戦い続け、避難民の命、水、仲間を失わせてしまいました。コンラッドを悪役にすれば、自分はまだ救う側でいられる。その思い込みが、電池のない無線での対話へつながったんです。
最後に残るのは、塔で命を絶つか、救援と帰るか、救援との戦いで死ぬか、迎えの兵士を殺して残るかという4つの着地です。私には、投降して街を離れる結末にも、簡単に「助かってよかった」と言わせない重さが残ります。