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ドラゴン・タトゥーの女ネタバレ(2011)|犯人は誰?贈り物を捨てた結末

ドラゴン・タトゥーの女ネタバレ(2011)|犯人は誰?贈り物を捨てた結末

あのラスト、事件が解決した安心感を一瞬で持っていきますよね。ようやく少し笑えそうだったリスベットの顔を思うと、後味が苦いです。

※連続殺人の犯人、失踪の真相、最後の場面までネタバレがあります。

『ドラゴン・タトゥーの女』は、デヴィッド・フィンチャー監督による2011年のアメリカ映画です。

先に答えを言うと、女性たちを殺していたのは、ヴァンゲル家の父ゴットフリードと息子マルティン。失踪したハリエットは生きており、ロンドンで「アニタ」を名乗っていました。

そしてラストでリスベットが捨てるのは、ミカエルに渡すつもりだったジャケット。彼が長年の恋人エリカと親しく歩く姿を見た直後の行動です。犯人を追う話に決着がついたあと、二人の気持ちのずれが残ります。

犯人は父と兄。ハリエットはロンドンで生きていた

父と兄の犯行とハリエットの生存

連続殺人を始めたのはゴットフリードで、その犯行を息子マルティンが引き継いでいました。ハリエットはゴットフリードの娘で、マルティンの妹です。家族の中で起きていた性暴力から逃れ、別の名前で暮らしていました。

冒頭の依頼人ヘンリックは、彼女を家族の誰かに殺されたと考えています。その思い込みをたどっていくうちに、ミカエルとリスベットは実際の連続殺人へ行き着く。失踪の捜査と殺人事件が絡むので、途中で頭の中の相関図が渋滞しがちなんですよね。

人物事件との関係本編での結末
ゴットフリードハリエットとマルティンの父。女性たちを殺し、娘にも性暴力を加えていたハリエットの抵抗によって溺死
マルティン父に続いて女性を殺害し、妹への虐待も続けた兄リスベットから逃走中、車が事故を起こして炎上し死亡
ハリエット16歳で失踪した少女。いとこのアニタの助けで逃れたロンドンでの生存が判明し、ヘンリックと再会
アニタハリエットの逃亡と新しい生活を助けたいとこ本物のアニタは、夫とともに過去の交通事故で死亡

40年前の失踪を調べる理由は、届き続ける押し花

ミカエル・ブルムクヴィストは、雑誌『ミレニアム』の記者です。実業家ヴェンネルストレムの不正を告発した記事をめぐって名誉毀損の裁判に負け、仕事の信用も傷ついていました。

そこへ、大企業ヴァンゲル・グループをかつて率いていたヘンリックから依頼が来ます。家族史の執筆という名目で、約40年前に消えたハリエットの行方を調べてほしい。さらに、ヴェンネルストレムを追い詰める証拠を渡すという約束まで付きます。ミカエルにとっては、失った信用を取り戻す機会でした。

ハリエットが姿を消したのは1966年。島と本土を結ぶ橋で交通事故が起き、大騒ぎになった日です。ヘンリックは、その日の島にいた親族を疑い続けてきました。

執着を強めたのが、誕生日に届く押し花。ハリエットは失踪前から彼に額入りの押し花を贈っており、その贈り物が失踪後も届きます。ヘンリックは、殺人犯が自分を苦しめるために送り続けていると受け止めていました。

花は同じでも、受け取る人の理解で意味が変わる。最初はあの小さな額が、長年の苦痛の原因になっているのです。ミカエルは島のコテージに滞在し、写真や証言、古い捜査資料を洗い直します。寒い部屋で昔の書類をめくる仕事。温かいコーヒーのおかわりが欲しくなる光景です。

手帳の数字と写真が、父と兄の犯行につながる

手帳と写真から父と兄の犯行が判明

リスベットが後見人の支配を押し返すまで

ミカエルの調査に加わるリスベット・サランデルは、調査会社で働く優秀なハッカーです。他人のコンピューターに侵入して情報を探る技術を持ち、ヘンリック側の依頼で、先にミカエルの身辺を調べていました。

その一方、彼女自身のお金や生活は、法的に面倒を見る役目の後見人に管理されています。以前の後見人パルムグレンが倒れ、代わった弁護士ビュルマンは、生活費を握って彼女に性行為を強要。さらに暴行を加えます。

リスベットは暴行を録画しておき、後日ビュルマンを拘束して反撃します。体に性犯罪者であることを示す文字を刻み、録画を公表すると迫って、自分のお金を自分で管理できるよう要求しました。

ここで彼女が奪い返すのは、日々の生活を決める権限です。胸が痛む場面ですが、彼女が他人を簡単に信用できない背景にもつながります。後にミカエルと親しくなることの重さは、この出来事を経るといっそう強く感じられますね。

電話番号に見えた数字は、聖書の章と節

ハリエットの手帳には、女性の名前と数字が並んでいました。捜査の転機になるのは、ミカエルの娘が、その数字と聖書の章・節の対応に気づいたことです。

数字を聖書の記述と結びつけると、過去に殺された女性たちの名前と殺害方法がつながります。リスベットは各地の事件を調べ、ヴァンゲル社の資料から、ゴットフリードが被害者のいた土地を訪れていたことを突き止めました。

ところが、被害者の一人レーナの殺害時期は、ゴットフリードの死後に当たります。ここで父から息子へ捜査が進む。マルティンの昔の写真にある制服の校章と、レーナが通っていた学校がつながり、兄の犯行が浮かび上がるのです。

失踪当日のパレード写真で、ハリエットは通りの向こうを見て、強い恐怖を浮かべています。ミカエルは、その場で撮影していた女性を探し、当時の写真を入手しました。ハリエットの視線の先に写っていたのは、マルティン。何を見て怯えたのかが分かると、彼女の失踪にも新しい意味が生まれます。

調査が進む間、ミカエルのコテージには殺された猫が置かれ、彼自身も何者かの銃撃を受けます。リスベットは負傷した彼を手当てし、やがて二人は体の関係も持つようになりました。資料を分け合う仕事仲間だった二人が、危険の中で近づいていきます。

地下室で捕まったミカエルと、マルティンの最期

マルティンへの疑いを強めたミカエルは、その家を調べるうちに本人と鉢合わせします。マルティンは彼を家に招き入れ、地下室へ誘導。そこでミカエルを拘束し、殺す準備を始めました。

表ではヴァンゲル・グループを率いる人物が、地下では女性を監禁し、殺害していた。マルティンは父の犯行と、自分が続けてきた殺人について語ります。客を迎える穏やかな態度が、そのまま相手を捕らえる手段になっているのが恐ろしいです。

ハリエットについて聞かれると、マルティンは彼女の行方を知らないと答えます。ミカエルは、ハリエットが生きている可能性を考えるようになります。

ミカエルを救うのは、駆けつけたリスベットです。ゴルフクラブでマルティンに反撃し、拘束されたミカエルを解放。車で逃げたマルティンを、今度はバイクで追います。

逃走した車は道路を外れ、事故を起こして炎上し、マルティンは死亡しました。地下室で続いていた殺人は、彼の死で終わります。救われる側に回ったミカエルと、自ら追跡するリスベット。

ロンドンの「アニタ」はハリエット本人だった

ハリエットの別名と押し花の送り先

ミカエルたちは、ハリエットを助けた可能性のあるアニタに目を向けます。ロンドンでアニタを名乗る女性にマルティンの死を知らせ、ハリエットへ連絡する動きを探るのです。

そこで二人は、目の前の女性こそハリエット本人だと気づきます。ハリエットは、いとこのアニタに助けられて逃亡し、ロンドンでその名前を使って生きていました。本物のアニタと夫は、ずっと後に交通事故で亡くなっています。

彼女が語る過去は、家族の中で逃げ場を失っていく日々です。父ゴットフリードは娘に性暴力を加え、ある夜には殺そうとします。抵抗したハリエットによって父は溺死。その現場を見ていたマルティンが、今度は妹を虐待するようになりました。

父を倒しても、兄による暴力が続く。失踪当日のパレードでマルティンの姿を見た彼女は、この生活から逃れることを決めます。写真の恐怖は、兄を目にしたときのものだったのです。

アニタの助けで島を離れ、新しい名前で生きることで、ハリエットは身の安全を得ました。一方、ヘンリックへは誕生日の押し花を送り続けています。あの花の送り主も、ハリエット本人でした。彼女の生存につながる贈り物を、ヘンリックは殺人犯からの嫌がらせだと思い込んでいたのです。

兄の死を知ったハリエットは、ヘンリックのもとへ戻り、再会します。長い捜査の果てに、彼が会うのは、大人になったハリエット。この場面は、冷たく張りつめた映画の中で、ようやく肩の力が抜けるところです。

汚職告発の逆転と、ジャケットを捨てるラスト

リスベットが贈り物を捨てるラスト

ミカエルの信用を取り戻すのもリスベット

ハリエットの件が解決すると、ミカエルは約束されていたヴェンネルストレムの証拠を受け取ります。ところが、ヘンリックの持つ情報は古く、ミカエルが望んだ決定打には足りませんでした。ここまで命を張った報酬が古い資料、という肩透かしです。

そこでリスベットが、ヴェンネルストレムのコンピューターから得た新しい情報を渡します。犯罪組織の金を事業や口座に通し、出所を分かりにくくする資金洗浄が、不正の核心でした。

ミカエルは新たな証拠をもとに『ミレニアム』で不正を告発し、記者としての信用を取り戻します。冒頭で負けた相手への反撃まで、ここで実を結びました。

リスベットは、さらにヴェンネルストレムの隠し資産へ手を伸ばします。ミカエルから資金を借り、偽の身分と別人の外見でスイスへ。銀行で資金を移し、自分のものにしました。

リスベットは借りたお金をミカエルへ返し、以前の後見人パルムグレンのもとを訪れます。そこで、友人ができたと話す。強烈な反撃や鮮やかな銀行での行動を経たあとに、この小さな報告があるのがいいんですよね。友人ができたと喜ぶ姿に、こちらもほっとします。

その後、ヴェンネルストレムは殺害された状態で発見されます。ミカエルを訴えた実業家の転落まで、終盤の出来事は続きました。

贈り物を捨てる理由――リスベットの気持ちの考察

クリスマス、リスベットはミカエルのためにジャケットを用意します。渡しに行った先で見たのは、ミカエルとエリカ・ベルジェが親しく歩く姿。エリカは『ミレニアム』の共同編集者であり、以前から彼の恋人でもあります。

リスベットは二人を目にすると、贈り物をごみ箱へ捨て、バイクで去ります。事件の決着よりも、この行動が映画の最後に置かれるので、彼女の孤独が強く残る終幕です。

私は、あのジャケットには、ミカエルともっと親しくなりたい期待がこもっていたと感じます。生活を支配され、人を警戒してきた彼女が、相手のために贈り物を選んだ。買った袋を持って会いに行くまでには、事件の調査と違う種類の勇気が要ったはずです。

だから、エリカといるミカエルの姿が痛い。リスベットが期待した特別な関係と、彼が続けてきた恋人との関係のずれが、目の前に現れたと受け取れます。渡す前に捨ててしまう動作には、期待ごと引っ込めるような寂しさがありますね。

命も記者としての信用も救ったのはリスベットなのに、恋の場面はこんなにあっけない。せめてジャケットを渡す時間くらいあってもいいでしょう! そう思わせる終わり方です。

性暴力の場面と、日本公開版の違い

本作には、リスベットが受ける性暴力や、女性の殺害についての生々しい場面があります。彼女の反撃も激しく、ハリエットの過去も重い内容です。謎解きの面白さとともに、観ていてつらくなる要素が強い作品でした。

日本では2012年2月10日に公開され、R15+版に加えて、後からR18+版も上映されました。両版で変わったのは、ミカエルとリスベットの裸を含む2場面のぼかしです。年齢区分の表記には、この公開の経緯があります。

押し花とパレード写真を知ってから、もう一度観ると

真相を知ったあと、冒頭の押し花は、生き延びたハリエットと家族をつなぐ物に変わります。パレードの写真も、父の死後に続いた兄の暴力を恐れる表情として浮かび上がる。二つとも、結末によって同じ物や顔の意味が変わる場面です。

そして終盤には、リスベットが選ぶ別の贈り物がある。押し花はヘンリックのもとへ届き続け、ジャケットはミカエルに渡る前に捨てられます。この対照も、私は気になります。相手を思って選んだ物の行き先が、二つの関係の距離を感じさせるんですよね。

上映時間は158分、2時間38分です。休日の夜なら、飲み物を用意して腰を据えたい長さ。作品の基本情報は、ソニー・ピクチャーズの公式作品ページにまとまっています。

2011年版のソニー・ピクチャーズ公式予告(英語)です。

FAQ

ハリエットを殺した犯人は誰ですか?

ハリエット本人は、別名で生存していました。父と兄に殺された女性たちの事件が、彼女を探す調査の中で判明します。ヘンリックの考えた「少女の殺人」と、実際に解明される連続殺人が重なるところが、謎を複雑にしています。

アニタとハリエットは、もともと同じ人ですか?

二人はいとこです。アニタが逃亡を助け、ハリエットがその名を引き継いで暮らしました。ロンドンでミカエルが会う「アニタ」の正体が、成長したハリエットです。

リスベットとミカエルは恋人になるのですか?

捜査の中で親密になり、性的な関係も持ちます。終盤、ミカエルは長く付き合ってきたエリカと一緒におり、それを見たリスベットが立ち去ります。私は、恋への期待が傷ついた結末だと受け取りました。

2011年の映画なのに、日本では2012年公開なのですか?

アメリカでの公開は2011年12月21日、日本の初公開は翌年の2月10日でした。作品の製作年と、日本で観客が観られるようになった年にずれがあります。

まとめ

ハリエットの失踪を追う捜査は、ゴットフリードからマルティンへ続く殺人と、家族内の虐待を暴きました。リスベットの救出でミカエルは助かり、兄を恐れて隠れていたハリエットは、ヘンリックのもとへ帰ります。

ミカエルは不正告発によって仕事の信用も取り戻しました。その一方、リスベットは気持ちを託したジャケットを手放します。再会を喜ぶヘンリックと、バイクで去るリスベットの距離が、この結末の苦さです。押し花で始まった映画が、別の贈り物の寂しさで終わる。その余韻まで含めて、忘れにくい一本ですね。

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