映画

12モンキーズ映画ネタバレ|ラストの空港で少年が見たのは誰?

12モンキーズ映画ネタバレ|ラストの空港で少年が見たのは誰?

空港の銃声と、倒れた男に駆け寄る金髪の女性。『12モンキーズ』を観終わると、あの少年の顔が頭から離れませんよね。

『12モンキーズ』は、テリー・ギリアム監督による1995年の映画です。

※真犯人とラストまでのネタバレあり。

「結局、過去は変わったの?」「飛行機の女性は何者?」。エンドロール中に、リモコンを握ったまま考え込んでしまう結末でした。

ラストの空港で、少年コールは未来の自分の死を目撃する

少年コールが未来の自分の死を目撃した空港

ウイルスを散布する真犯人は、ゴインズ博士の助手ピータースです。空港でその男に気づいたライリーは、コールへ知らせます。

コールは銃を持ってピータースを追い、警察に撃たれました。ライリーが駆け寄り、彼を抱きしめる。その周囲には、人々とともに光景を見つめる少年がいます。

少年の正体は幼いコール。彼が子どものころに見たのは、過去へ戻った大人の自分が死ぬ瞬間です。ライリーは少年と目を合わせ、微笑みます。

2035年のコールが繰り返し見る空港の夢は、この幼少期の記憶だったんです! 死んだ男と泣く女性の正体を知らずに育ち、自分の旅の終点で二人とも誰なのか分かる。これはきついですよね。

少年はこのあとも生き、やがて未来のコールになる。大人と子どもが同じ日に居合わせるため、彼の人生を年齢に沿ってたどると、最後の出来事が最初の記憶につながります。

2035年から1990年へ。コールの任務は初期ウイルスの調査

地下の囚人が、地上と過去へ送り出される

物語の出発点は2035年です。ウイルスで人類の大半が死に、生存者は地下で暮らしています。ジェームズ・コールも、そこで収監されていた囚人でした。

防護服を着て地上へ出たコールは、荒れた街で昆虫を採取し、猿の印と「やった」という言葉を見つけます。人が歩いていた街に、今は野生動物がいる。あんな熊とばったり会ったら、散歩どころか全力で帰宅ですよ。

科学者たちは「12モンキーズ軍」が災害に関わったと疑い、コールを1996年へ送る計画を立てました。減刑と引き換えの危険な仕事です。

科学者が求めるのは、変異する前のウイルスを調べ、2035年の生存者の治療につなげること。犯人や発生源を特定できれば、科学者がその時代へ行って研究を進められます。

到着した1990年で、ライリーとジェフリーに会う

ところが、コールが着いたのは目標より6年早い1990年でした。未来の災害を語る彼は逮捕され、精神病院に収容されます。担当する精神科医がキャサリン・ライリーです。

同じ病院にいるジェフリー・ゴインズは、消費社会や動物実験を激しく批判する男。話す勢いがすさまじく、コールの用件を聞く前に世の中への不満を全部しゃべりそうですね。

ジェフリーはコールの脱走を手助けしますが、試みは失敗しました。再び拘束されたコールは未来へ引き戻され、病院の人々には突然消えた患者として残ります。

2035年で科学者に見せられた写真に、ジェフリーがいた。これで病院の出会いが捜索の手がかりになります。

再派遣でも時間移動はずれ、今度は第一次世界大戦の戦場です。未来の囚人仲間ホセに会ったコールは脚を撃たれ、その傷を負ったまま1996年へ移ります。

1996年、ライリーがコールを信じるまでに何があった?

ライリーがコールを信じた証拠

誘拐と、ジェフリーの父へつながる調査

1996年のライリーは、破滅を予告する人々を研究し、講演をしていました。講演後、コールは彼女の車に入り込み、フィラデルフィアへ運転するよう迫ります。

ライリーにとっては、6年前の患者に誘拐される事態です。それでも行動をともにするうちに、彼の話を確かめる手がかりを得ていきました。

二人は動物保護団体を訪ね、ジェフリーが12モンキーズ軍を率いていると知ります。しかも父親はウイルス研究者のゴインズ博士。コールには、病院の知人と危険な研究所が一本につながったように思えます。

ライリーはコールの脚から弾丸を取り出しました。その後、コールはゴインズ家でジェフリーに会い、ウイルスの所在を尋ねます。

そこでジェフリーは、人類を滅ぼすという発想を1990年のコールから聞いたと答える。災害を調べに来た本人が、災害の発想を誰かに与えたのか? コールは自分の記憶まで疑い、混乱したまま2035年へ戻されます。

少年のニュース、古い弾丸、戦場の写真

ライリーの考えを変えるのは、気迫や説得よりも、具体的な出来事でした。

コールは移動中のラジオで、穴に落ちたとされる少年のニュースを聞き、少年は納屋に隠れていると話していました。ライリーは後に、そのとおりの結果を知ります。コールにとっては、子どものころに聞いた古いニュースです。

さらに、脚から取り出した弾丸は1920年以前のものと分かりました。研究資料の第一次世界大戦の写真にも、コールの姿が写っています。

一方のコールは、未来の地下世界を自分の妄想だと考えるようになっていました。1996年へ戻った彼に、今度はライリーが時間旅行の証拠を突きつける。未来を信じていたコールと、それを疑っていたライリーの立場が入れ替わるんです。

ライリーはゴインズ博士へ連絡し、息子から研究所を守るよう警告しました。博士は助手ピータースに研究所の警備について話します。

彼女は動物保護団体の建物の壁にも、ウイルスや犠牲者について問いかける文字を残しました。それが、未来の科学者が集めた写真の一つになります。未来から届いた手がかりを追う途中で、ライリー自身も未来に届く痕跡を作っていたわけです。

12モンキーズ軍の「やった」は、動物園の解放を指していた

コールとライリーは、未来との連絡先として教えられた番号へ電話します。1996年のその番号は、カーペット清掃会社の留守電につながりました。

ライリーは12モンキーズ軍の本部についてメッセージを残します。すると、離れたところにいたコールが、その内容を言い当てる。2035年の科学者に聞かされた音声と同じだったからです!

未来の捜査を支えた録音は、過去で二人が行動した結果、生まれたものでした。しかもライリーは、まだジェフリーたちをウイルスの犯人だと思っています。切実な警告にも、思い違いは入り込むんですね。

ジェフリーたちは父親をさらい、動物園の動物を街へ逃がし、父親を檻に閉じ込めます。人間が動物を閉じ込める立場を、ひっくり返した行動です。

猿の印に添えられた「やった」は、動物を解放したという意味でした。目立つ集団とウイルス研究者の息子を追っていた二人は、空港へのタクシーで動物解放のニュースを聞き、捜索の前提が崩れたと気づきます。

ここで、地下から地上へ出たコールが見つけた言葉もつながる。災害後に残った短い文字だけから、その集団が何をしたかまで判断する危うさがあります。

二人は逃避行を選んだ。空港でホセが銃を渡すまで

コールは地上の空気や音楽に喜び、ライリーとの時間を大切にするようになります。やがて二人は、警察の追跡を避けて変装し、フロリダのキー・ウエストへ向かう計画を立てました。

途中で身を隠す映画館では、ヒッチコックの『めまい』が上映されています。ライリーが金髪のかつらを着けると、コールの記憶にいた女性の姿と重なりました。

変装すれば人目を避けられるはずなのに、その姿が昔からの夢に近づいてしまう。二人は一緒に逃げるための支度をしながら、空港の出来事へ向かっているんです。

空港でコールは、12モンキーズ軍への疑いは間違いで、自分は未来へ戻らないというメッセージを残します。すぐに現れたホセは、未来側がその連絡を受け取ったと告げました。

ホセは命令に従うよう迫り、コールに銃を渡します。科学者の仕事から離れてライリーと暮らしたいという願いに、未来側の任務が割り込んできます。

同じころ、ライリーは新聞の研究所の写真から、講演後に会ったピータースを思い出していました。空港にいる彼の旅程は、ウイルスが広がる都市をたどります。手荷物にはウイルスの容器も入っていました。

ピータースは保安検査で容器の中身を問われ、ふたを外します。目に見えない病原体は、その場ですでに放たれた。コールが駆け出す直前にも、破滅は進んでいたのでした。

ジョーンズの「保険」は何? 検体確保という考察

ピータースの隣に座る科学者ジョーンズ

ピータースは飛行機へ乗り込みます。隣に座っているのは、2035年でコールの派遣に関わった女性科学者ジョーンズです。

彼女は名前を名乗り、「保険の仕事をしている」という意味の自己紹介をしました。原語は短く、「I'm in insurance」。人類が危機にある物語で、最後に出てくる職業が保険業。妙に日常的で、かえって気になりますね。

ジョーンズは空港の銃撃を嘆き、人間も絶滅危惧種だと話しかけています。

考察|「保険」は地下の人々の治療につながるか

検体確保という解釈なら、ジョーンズはピータースに接近し、初期ウイルスを研究する機会を得ようとしていると考えられます。

ジョーンズが検体を確保し、研究に成功すれば、地下の人々が地上へ戻る希望につながるでしょう。

空港のあと、飛び立つ飛行機を見つめる少年コール。大人の悲劇と、研究へのかすかな期待を残し、物語は子どもの顔へ戻ります。

もう一度観ると、映画館の会話がぐっと苦くなる

再鑑賞で気になるのは、『めまい』を観ながらコールが話す、映画と記憶の関係です。映画は同じでも、観る自分が変われば、気づくことも変わる。彼はそんな話をしています。

犯人を知ったあとだと、ジェフリーの大声に引っ張られていた自分にも気づきますよね。初回は目立つ人物を疑い、次はライリーの警告や留守電がどう生まれたかに目が向く。

私は、映画館で二人が短い休息を取る場面がいちばんつらく感じます。朝の飛行機を待つ、ただそれだけの時間に、二人が欲しかった普通の暮らしが詰まっている。大きな謎の答えが分かるほど、その小さな予定が恋しくなる映画でした。

映画の空気を思い出す公式予告

Arrow Videoによる、1995年映画『12モンキーズ』の公式予告です。

FAQ|電話番号とピータースの発言で気になること

1990年の病院から電話したとき、連絡がつかなかったのはなぜ?

科学者から教わった番号は、1996年の連絡に使うものでした。1990年には別の相手へつながり、コールは電話で自分の話を裏づけようとして失敗します。6年のずれは、電話番号にも影響していたんですね。

ピータースは講演後、ライリーにどんな考えを話していた?

人間の活動が環境を壊し、地球を破滅させるという考えです。ライリーの話を聞いた彼は、汚染や人類の増加などを問題にしました。終盤の行動を知ると、講演後の短いやり取りにも、彼自身の終末への関心がにじんでいます。

まとめ

人類を救うという大きな言葉の陰で、囚人ひとりに危険を引き受けさせる。そのやり方まで気になってしまうのが、この映画の後味です。

少年コールが空港で目撃したのは、過去へ戻った大人の自分が死ぬ瞬間です。

-映画