医療ポッドで目覚めると、セツがこちらを気にかけています。顔も名前も覚えた相手を投票で眠らせる宇宙船で、この人と最後にどうなれるのか。エンドロールの先まで気になるんですよね。
通常エンド・真エンドまでのネタバレがあります。『グノーシア』は2019年にPS Vitaで発売された、一人用のSF人狼ゲームです。
投票で勝っても、銀の鍵が満ちるまで旅は続く
同じ顔ぶれでも、味方と敵が入れ替わる
船の中には、人間のふりをして人を消し去るグノーシアが潜んでいます。乗員たちが選んだ対策は、話し合いと投票で疑わしい相手をコールドスリープさせることでした。
議論や投票の雰囲気が分かる、PlayStation Japan公開のゲーム版リリーストレーラーです。
一度の勝負が終わると、主人公はまたループへ。人間側だった乗員がグノーシアになり、主人公自身も人を欺く立場に回ります。エンジニアの調査、ドクターの判定など、役割ごとの情報が議論の手がかりです。
昨夜は一緒に生き延びた相手を、今日は真っ先に疑う。投票のたびに関係が揺れる一方、夜の会話や特定の勝敗から、その人の過去や事情が少しずつ分かっていくんです。
セツと主人公のループは、体験する順序が違う
セツも主人公と同じくループを経験しています。ただ、二人が世界を巡る順序は異なり、片方にとって初めての出来事を、もう片方が知っていることがあります。
この旅を起こしているのが、体に寄生して情報を集める生命体「銀の鍵」です。乗員ごとの秘密が埋まる「特記事項」は、その収集した情報に当たります。
銀の鍵は情報で満ちると別次元への扉を生み、その向こうで鍵を抜いて扉を閉じると、元の宿主のループが終わるんです。ラキオが知るこの仕組みが、脱出の手がかりになります。
グノーシア0人の船で分かる、主人公とセツの始まり
消されたはずの主人公が、翌朝の船にいる
電脳化は、人の意識をデータへ移す技術です。夕里子が明かすグノースの正体は、そうして電脳化した人間の集合体でした。
人間・グノーシアに加え、宇宙を崩壊させる「バグ」も登場します。どちらかの陣営の勝利が決まったとき、バグが生き残っていれば、勝つのはバグ側です。
主人公にも、船の成り立ちと食い違う事情があります。普段たどり着く世界では、本来の主人公はDay0のうちにグノーシアに消されていました。そこへ、ループ中の主人公がDay1に現れるのです。
ところがグノーシアを0人にした世界には、医療ポッドで眠る本来の主人公が残っています。誰も襲われない平和な船で、かえって自分が二人になる。やっと安心できると思ったのに、自分自身がいちばん厄介な問題になるんですよね。
この世界でDay1を迎えると主人公の二重存在が確定し、宇宙が崩壊します。主人公とセツは、皆が生きているこの船を救う方法を探すことになりました。
セツに最初の鍵を渡したのは、主人公だった
もう一つの節目が、「セツの始まり」の出来事です。その世界のセツは、まだループを経験していません。船の事故で致命傷を負ったセツを救うため、主人公はラキオの持つ銀の鍵を使います。
鍵を寄生させたことでセツのループが始まり、命が助かりました。主人公に旅の手ほどきをしてくれた相棒にも、何も知らずに助けられた最初の日があったんです。
最初に会ったセツから主人公へ。そのセツの始まりには主人公から。二人が互いに鍵を渡す因果がつながると、親切な案内役に見えていたセツとの距離がぐっと変わりますね。
通常エンドでは、セツが眠る主人公と扉を渡る

主人公の鍵で脱出できても、セツの鍵は満ちていない
特記事項を集めきった主人公は、満ちた鍵を持ってグノーシア0人の世界へ戻ります。セツが選んだのは、眠っている本来の主人公をポッドごと別次元へ運ぶ方法でした。
セツが扉の向こうで鍵を抜けば、船に残る主人公はループから解放されます。同じ宇宙にいたもう一人も移動するので、二重存在の矛盾が解ける仕掛けです。
ここで使うのは、主人公の満ちた鍵。セツ自身の鍵にはまだ足りない情報があり、セツの旅は続くことになりました。主人公と船の仲間に未来を残す代わりに、自分は相棒と離れる選択をしたんです。
セツがポッドとともに渡る先は、主人公がゲームの最初に目覚めた世界へつながっています。そこで眠る主人公へ鍵を渡すことで、最初のループの出来事も成立します。
救われた船の仲間は、セツのことを忘れている
船に残った主人公を待つのは、セツの存在が仲間の記憶から抜け落ちた世界でした。主人公はセツを覚えていても、ルゥアンから助け出された乗員たちは、その恩人を思い出せません。
通常エンドの後日談では、ジナが航宙管制官に復職し、SQはジナのもとに居候します。SQは学校へ通い、やがて探偵になる道を歩むんです。船内で疑われ続けた人にも、下船後の生活がある。その小さな続きがうれしいですね。
ククルシカは、去ったセツのことも理解しているように主人公へ応じます。皆との別れを終えても、セツだけがループに残ったことは引っかかる。ここでゲームを閉じるのは、なかなかつらいところです。
真エンドで決着する、SQとマナンとククルシカ
セツの鍵を満たす最後の情報は、主人公の意識
真エンドの再会は、主人公にとって最初だったループで起こります。会話の中で以前の二人しか知らない思い出を示すと、セツは目の前の相手が、別れたはずの主人公だと気づくんです。
ここでセツの側に加わる主人公の特記事項が、「別の次元から、意識だけを繋いでいる」。この発見でセツの鍵も満ちました。主人公が再び会いに来たこと自体が、欠けていた情報だったわけです。
次にループする前に、この船で全員を生かして終わらせる。そう決めたセツが、最後の議論を主導します。何度も疑い合った経験を、今度は皆を救うために使うんですね。
グノーシアのSQには、母マナンの人格がある
セツが名指しする汚染者はSQです。そして、その身体で話している人格の名は、母親のマナンでした。
SQの身体は、母が人格を移すために用意した肉体です。人間のSQは、移植の失敗によって生まれた独自の意識と、母の記憶の断片から成り立っています。一方、セツが出会ってきたグノーシアのSQでは、マナンが表に出ていたんです。
マナンはかつてレムナンを支配していた人物でもあります。レムナンがSQの顔や言動に怯える背景には、その過去がありました。軽い調子の会話に別の人間の記憶が混じっていたと分かると、あの笑顔まで怖くなるでしょう。
議論では、マナン本人だと認めさせたことが、グノーシア汚染を突き止める決め手になります。ラキオもセツの経験と推論を理解し、協力する側に回りました。
マナンは人形へ移り、SQの身体を返す
セツが提案する解決は、SQの身体からマナンを移すことです。移植先として選ぶのが、格納庫にある人格を持たないククルシカの人形でした。主人公たちと議論していたククルシカの人格も、マナンから続くものだったんです。
さらに、人形へ移ったマナンがセツの銀の鍵を持って別次元へ渡り、向こう側で鍵を抜くことも条件になります。不老不死を求めるマナンに、セツは鍵で時間を繰り返せる利点を示しました。
ただし、人形への人格移植には、自分の人格が削れてしまう危険もあります。マナンはその条件を承知したうえで取引を受け入れるんです。
マナンを宿したククルシカが去ることで、船からグノーシアが離れ、セツのループも終了します。母の人格が去ったSQは目を覚まし、ジナが付き添います。
SQを丸ごと眠らせてしまえば、その奥の人格も眠ったままです。セツは、これまで出会ったSQを知っているから、その人を取り戻す道を選びました。正体を当てたところから、さらに救う方法を探す。ここが最後の議論のいいところです!
セツの最後の言葉は、誰への別れなのか【考察】
解決後、セツは主人公がもう一度来てくれたことに感謝し、別れを告げます。以前は相棒のいない場所でずっとループする覚悟だったセツが、自分も強くなれたことを伝える時間でした。
セツはその相手を、この世界にとって特別な、異質な存在だと捉えています。だから最後の言葉は、船内の人物へ話すと同時に、画面の前で操作してきたこちらへ向いている、と私は受け取りました。
コントローラーを置くことまで別れに変わってしまう。いつもならセーブして電源を切るだけなのに、今回は少し手が止まるんですよね。
通常エンド前の注意|特記事項には敗北が条件のものもある

人間側で勝ち続ける進め方では、特定の敗北や役割を条件とするイベントが残ります。SQに協力を求められたあと、人間の主人公が負けることから始まる会話も、その一つです。
特記事項の条件には、登場する人物、生存者、協力関係、主人公の役割などが組み合わされています。勝つ直前に相手を眠らせたら、その相手から聞けるはずだった話も途切れてしまうんですね。
イベントサーチは、出来事が起こりやすい編成を作る機能です。実際の発生には、そのループ中の会話や生存状況も関わります。設定後に一勝すれば必ず新情報、という仕組みだと、同じところで首をかしげることになります。
終盤の進行条件は、セツ以外の特記事項を埋め、セツの最後の項目「セツの始まり」を終えること。鍵が満ちたあとの通常エンドは、乗員15人・グノーシア0人の設定で到達するDay0からです。
真エンドへ進む操作|再会の合図は二人の思い出

通常クリア後の続きは、クリア済みデータからのループ再開とは違う操作で始まります。空いているセーブ枠なら、それまでの記録も残せる形です。
- 通常エンドを最後まで終えます。
- タイトルの「NEW GAME」から、新しいゲームを開始する流れです。
- 最初にセツから説明を受けた場面で、以前の二人の思い出に触れる追加の返答を選びます。
合図になるのは、一緒に遊んだときの映画で寝ていた話、またはオトメ釣りの話です。そのときの体験によって、再会時の選択肢が変わります。
宇宙の危機を越えた再会の第一声が、休日の過ごし方への苦言。もっと立派な挨拶もありそうなのに、こういう話こそ二人だけの思い出なんですよね!
FAQ
150ループまで進めば、エンディングになる?
到達回数はプレイごとに変わります。特記事項とイベントの進み具合で決まり、150回は固定の到達条件にはなっていません。
新しく始めるとき、名前や性別を変えても大丈夫?
名前・性別を変更しても真エンドへ進めます。名前を変えた場合も、再会を果たしたセツは以前の名前で主人公に呼びかけるんです。名前の入力まで覚えていてくれるのは、ちょっとずるいですね。
通常エンドは、同じデータでもう一度見られる?
終盤の条件を満たしたデータなら、Day0へ行ける編成を再度設定することで見直せます。仲間たちの後日談を確かめたいときにも戻れる形です。
まとめ
『グノーシア』で胸に残るのは、何度も疑った相手のことを、それでも知ろうとした時間です。嘘を見抜くために集めていた情報が、最後にはその人を救う理由になる。セツが自分の言葉で議論を終える姿に、ここまでの付き合いの長さを感じます。
最後の「ありがとう」を聞いたあとなら、序盤の頼もしさも、少し違って感じられるでしょう。相棒と過ごした日々を覚えていられる、いい結末です。