ここからは『約束のネバーランド』原作漫画の最終20巻までのネタバレです。
アニメを見終えてから、エマの記憶がなくなると聞いて「あれ、そんな場面あった?」と思った人もいるでしょう。アニメ第2期と原作漫画は、エマの最後が違います。第2期では記憶を保っていますが、原作では約束の代償を払うんです。(出典:第2期最終回の比較記事、Beneath the Tanglesの最終回レビュー)
家族に会えたら、それで全部元どおり。そう願いたくなりますよね。原作のラストは、再会のうれしさと、失った思い出の寂しさが一緒に残る終わり方です。
原作の結末でエマはどうなる?
エマは「あの方」との約束の代償として、家族に関する記憶を失います。人間の世界でノーマンやレイたちと再会しますが、誰なのか思い出せないままなんです。それでも家族と共に生きることを選びます。(出典:最終話のあらすじ、Anitage+の結末記事、島根大学公開の作品論・154頁)
エマは生きている。記憶が戻って再会するラストではありません
エマは死んでいません。人間の世界へ渡ったあと、家族とは別の場所で老人に助けられていました。
ただ、ノーマンやレイの顔を見れば、思い出が一気によみがえるわけでもないんです。原作20巻の最終話では、家族との記憶を取り戻す場面は描かれません。再会と記憶の回復は、別の話として受け取る必要があります。(出典:Anitage+「記憶をなくしたエマの行方は?」、ciatrの最終話紹介)
ここは少しつらいですよね。家族の側はエマを覚えていて、エマの側には同じ思い出がない。その状態から、もう一度一緒に暮らしていくラストです。

エマが結び直した「約束」と、重すぎる代償
エマたちが育ったグレイス=フィールドハウスは、子供を鬼の食料として育てる農園でした。食べられるために育てられた子供たちが「食用児」です。エマの願いは、自分たちだけが逃げ切ることから、食用児全員を人間の世界へ連れていくことへ広がっていきます。(出典:第1期第2話の公式あらすじ、島根大学公開の作品論・150、155頁)
願いは全食用児の移動と、二つの世界の往来を断つこと
エマは、鬼の頂点である「あの方」と新しい約束を結びました。内容は、食用児全員が人間の世界へ渡り、その後は人間の世界と鬼の世界を行き来できなくすること。
その願いは実現し、食用児たちは人間の世界へ移ります。ただし、無条件ではありませんでした。「あの方」は約束を結ぶ相手にとって大切なものを「ごほうび」として求めます。(出典:Anitage+「エマの約束は守られた?」、ここアニの原作補足)
「ごほうび」という名前に油断しそうになりますね。もらうのはエマではなく「あの方」。名前だけ聞けばうれしそうなのに、取引の内容がまるでうれしくありません。
差し出したのは、家族と過ごした記憶とつながり
「あの方」が欲しがったのは、エマの家族でした。ただ、家族そのものを差し出せば、全食用児で人間の世界へ行く願いとぶつかります。そこで代償になったのが、家族に関する記憶と、家族とのつながりなんです。エマはそれを受け入れました。(出典:ciatr「エマが払った『ごほうび』の代償とは?」、島根大学公開の作品論・154頁、Beneath the Tanglesの原作比較)
エマはこの代償を家族に隠していました。人間の世界へたどり着いた仲間たちのそばに、エマの姿はありません。(出典:最終話記事の代償の記述、Anitage+の約束と代償の記述)
みんなと生きたいと願った本人が、みんなを思い出せなくなる。私は、この代償がいちばん苦く感じます。願いをかなえるために、大切なものを自分だけが失うんですから。
人間の世界で、記憶のないエマと家族はどう再会した?
雪山で老人に助けられ、新しい生活を始める
エマがいたのは、仲間たちと離れた雪山でした。老人に助けられますが、自分の名前や、どこから来たのかを答えられません。
記憶が戻らないまま、エマは老人と暮らすようになります。元の家族を覚えていない時間にも、彼女を助けてくれる人がいたんですね。(出典:Anitage+の雪山と老人の記述、最終話記事の記憶と生活の記述、ciatrの老人とエマの記述)
ノーマンとレイたちは、2年にわたってエマを探す
家族の側は、エマとの再会を諦めません。人間の世界で彼女を探し続けます。
最終話では、移動から2年が経過したあとに再会します。エマは突然会った人たちが誰なのか分からず、戸惑うんです。(出典:Anitage+の2年後の再会、島根大学公開の作品論・155頁)
待ち合わせで数分会えないだけでも、私はスマホを何度も確認してしまいます。2年の捜索、と聞くと長さを実感しますよね。ここで再会するまでの時間を知ると、家族の喜びも違って見えてきます。
思い出せなくても涙が出て、共に生きることを選ぶ
再会したエマは、目の前の人たちを思い出せないのに涙を流します。そして、ずっと会いたかった気がすると伝えました。
家族はエマが生きていたことを喜び、記憶を取り戻せなくても共に生きていこうと呼びかけます。エマもそれを受け入れるんです。原作の最後は、忘れた家族と再会し、これから共に生きていくと決める場面です。(出典:最終話記事「未来へ」、Anitage+の再会の記述、ciatrの最終話紹介)
会えた! でも、思い出は戻っていない。その両方が残るからこそ、私はラストの笑顔に、ほっとするだけでは済まない寂しさも感じます。

この結末はハッピーエンド? 喜びと寂しさが両方残ります
私は、家族と再会できた喜びのある結末だと受け取ります。ただ、エマの失った記憶まで含めると、手放しでよかったと言うのは難しいですね。
たとえば、家族で昔の出来事を話したとき、一人だけ「覚えているよ」と返せない。その寂しさを想像すると、記憶の代償を軽くは扱えません。
家族が選んだのは、記憶のない今のエマと生きていくことです。エマも、思い出せないままその願いに応えました。
私はそこに救いを感じます。今のエマ自身が家族と生きることを選べた、という救いです。悲しいか、うれしいか。どちらか一つに決めたくないラストですね。
アニメ第1期・第2期と、原作20巻の結末はここが違う
アニメ第2期を見終えていても、原作最終話のエマを見たことにはなりません。第2期の展開と、原作の「記憶を失ったエマとの再会」を混ぜないでください。同じ作品名でも、最後の場面が違うんです。
| 作品 | 最後に描かれること |
|---|---|
| アニメ第1期・全12話 | 第12話でグレイス=フィールドハウスからの脱獄が成功。人間の世界での結末はまだ先です。 |
| アニメ第2期・全11話 | 原作を大幅に省略し、別の展開で終わります。第11話ではエマたちが鬼の世界に残って救出を続け、のちに人間の世界へ。エマは記憶を保っています。 |
| 原作漫画・最終20巻 | エマは家族の記憶を失い、人間の世界で離れ離れに。最終話で家族と再会し、思い出せないまま共に生きることを選びます。 |
出典:第1期第12話の公式あらすじ、第2期第11話の公式あらすじ、ここアニの第2期・原作比較、Beneath the Tanglesの記憶の比較、原作の結末記事。
第2期のあとに原作の結末を知ると、「エマが記憶をなくした場面を見逃した?」と考えたくなりますよね。そこは見逃しではありません! 第2期に、原作と同じ記憶喪失のラストは描かれていないんです。
反対に、原作の代償をアニメのエマにもそのまま当てはめると、第2期のラストの説明が合わなくなります。エマの記憶について話すときは、「漫画の最終話」「アニメ第2期の最終話」と作品を指定すると伝わりますね。
原作のラストを読むなら、20巻のこの3話
エマがどうなったのかを漫画の場面で確かめるなら、最終20巻です。最終巻は2020年10月2日発売。連載は同年6月15日発売の『週刊少年ジャンプ』28号で完結しました。(出典:集英社の20巻書誌、オリコンの完結記事、GAME Watchの完結記事)
終盤の3話は、この並びで収録されています。
| 20巻の目次 | エマについて読む場面 |
|---|---|
| 第179話「代償」 | 人間の世界に渡ったあと、エマだけが仲間と離れ離れになっていました。 |
| 第180話「きみのすべて」 | エマが失った記憶と、約束の代償が明らかになる話です。 |
| 最終話「運命の向こう岸」 | 家族がエマを見つけ、これから共に生きることを選びます。 |
目次の出典:集英社の20巻ページ。場面の対応:島根大学公開の作品論・154、155頁、最終話のあらすじ。
集英社の20巻目次では、第180話の次は「最終話 運命の向こう岸」と表記されています。最終話に番号は付いていません。書籍で探すなら、この題名が目印です。
結末の場面だけを確かめたい人は、集英社の『約束のネバーランド』20巻ページで紙版・電子版と目次を確認できます。エマがここへたどり着くまでの選択も読みたいなら、原作1巻から読み進めたいですね。第2期で描かれた内容だけでは、漫画の途中の出来事をすべて追えません。
ただ、寝る前の「1話だけ」は守る自信がありませんけどね。
第1期の雰囲気を確かめる公式PV
アニプレックス公式のTVアニメ第1期PVです。原作の結末の映像ではありません。
FAQ|約束のネバーランドの結末で気になること
エマは原作の最後で死にますか?
死にません。人間の世界で生きていて、最後にはノーマンやレイたちと再会します。失ったものは、家族に関する記憶なんです。
エマの記憶は最後に戻りますか?
原作20巻の最終話では、戻ったとは描かれません。エマは家族を思い出せないまま、共に生きることを選びます。「会えたから思い出した」という結末ではないんですね。
エマは誰と再会し、その後どうなりますか?
ノーマンやレイを含む家族たちと再会します。相手が誰なのか分からないエマも涙を流し、会いたかった気がすると伝えました。家族と共に生きる決断が、原作の最後です。
アニメ第2期を見れば、原作の結末も分かりますか?
第2期は別の展開で終わるため、原作最終話の代わりにはなりません。アニメのエマは記憶を保っています。記憶を失ったエマと家族の再会は、漫画の20巻で読む場面です。
漫画の最終話は何巻にありますか?
最終20巻に収録されています。集英社の目次での題名は「最終話 運命の向こう岸」。第179話と第180話も同じ巻にあり、エマの代償から再会まで続けて読めます。
FAQの出典:Anitage+の原作結末記事、原作最終話のあらすじ、第2期と原作の記憶の比較、集英社の20巻目次。
まとめ
『約束のネバーランド』の原作で、エマは約束の代償として家族に関する記憶を失います。それでも人間の世界で家族と再会し、思い出せないまま共に生きていくと決めるんです。
アニメ第2期は別の展開で、記憶喪失のラストは描かれません。漫画の結末は、20巻の最終話「運命の向こう岸」にあります。
全部元どおりにはならなくても、会えた家族と生きていく。私は、この終わり方の寂しさも、エマが選べた未来の明るさも、どちらも大切にしたいです。