ブーの部屋の扉。あの一枚を思い出すと、サリーの大きな背中まで浮かんできますよね。
『モンスターズ・インク』は2001年の長編アニメ映画です。結末までのネタバレがあります。
結末ネタバレ|最後の扉の向こうにブーはいる?

サリーとブーは、マイクが修復した扉を通じて再会します。マイクは、細かく砕かれた扉の破片を集め、一枚の形につなぎ直していました。
ただ、完成には一片だけ足りません。サリーが思い出として持ち続けていた、小さな破片でした。それをサリーがはめ込むと、ブーの部屋へ通じる扉が使えるようになります。
サリーはそっと部屋へ入り、ブーの名を呼びかける。返ってくるのは、おなじみの「ニャンニャン!」という声です。サリーの顔がほころんだところで、本編は幕を閉じました。
あのおしゃべりなマイクが、裏でこんな根気のいる作業をしていたんです。口の達者さとはまた違う相棒の優しさに、ぐっときます。
始まりは、悲鳴を集める会社に迷い込んだ女の子
サリーは会社のエース、マイクは相棒
モンスターズ社は、人間の子どもの悲鳴をエネルギーに変える会社です。子ども部屋のクローゼットにつながる扉を工場へ運び、怖がらせ屋がそこから人間の世界へ出勤します。
成績トップのサリーを支えるのが、助手で親友のマイク。サリーに対抗心を燃やすランドールは、体の色を変えたり、姿を消したりできるライバルでした。
ところが、この世界では子どもに触れることが命取りだと信じられています。同僚の背中に人間の靴下が一枚ついただけで、子供検疫局CDAが出動し、毛をそり落として消毒する騒ぎになるほど。洗濯かごなら放り込んで終わりの靴下が、こちらでは大事件です。
怖がらない子どもが増え、会社はエネルギー不足にも悩んでいました。ウォーターヌース社長は、会社を守ることに強くこだわります。
営業後に残っていた一枚の扉
仕事が終わった夜、マイクは恋人のセリアとデートへ。サリーは、マイクが出し忘れた報告書のために職場へ戻りました。
そこで見つけたのが、ランドールが使っていた扉です。サリーが様子を確かめる間に、幼い女の子が工場へ入り込んでしまいます。これがブーとの出会いでした。
サリーは彼女を元の部屋へ帰そうとしますが、扉は保管庫へ送られてしまう。困り果ててマイクのいる寿司店へ向かい、そこでブーの姿を見た客たちが大騒ぎを起こします。
CDAが駆けつける中、二人はブーを連れて逃げ、自宅にかくまいました。誕生日デートが人間の子どもの保護に変わったマイクは、すっかり取り乱しています。
ブーとの一夜で、サリーの気持ちが変わっていく
家でも最初は、ブーの動き一つに大慌てです。それでも一緒に過ごすうち、サリーは彼女に触れても平気だと気づきました。
ブーにとって、ふさふさしたサリーは大好きな「ニャンニャン」。一方で、寝室に来ていたランドールには強い恐怖を感じています。サリーは、安心して眠れるよう彼女のそばにつきます。
この夜、もう一つ大きな出来事がありました。マイクのおかしな様子にブーが笑うと、強いエネルギーが生まれ、部屋の明かりに異変が起きるんです。
翌朝、二人はブーにモンスターの着ぐるみを着せ、会社へ連れていきます。人間の子を着ぐるみで通そうという、なかなか大胆な変装。工作の宿題ならほほえましいですが、二人の立場もブーの安全もかかっています。
マイクは早く彼女を送り返して日常へ戻りたい。サリーは、ブーの本当の家へきちんと帰したい。二人の焦り方にも差が出てきました。
社内ではブーが行方不明になり、サリーが捜し回る騒ぎも起きます。そんな中、ランドールはマイクに、昼休みの無人のフロアへブーの扉を用意すると持ちかけるのでした。
悲鳴吸引機の秘密と、信じていた社長の裏切り

ブーの代わりに捕まったのはマイク
約束の扉を前に、サリーはランドールを疑っています。安全だと示そうとして子ども部屋へ入ったマイクが、待ち伏せしていたランドールに捕まりました。
連れ去られた先は、会社の秘密の実験室です。そこにあった悲鳴吸引機は、拘束した子どもから強制的に悲鳴を搾り取るための装置でした。ランドールは、誘拐を新しいエネルギー生産の手段にしようとしていたんです。
マイクを装置にかけようとするランドールから、サリーとブーが彼を救い出します。サリーは社長に助けを求め、新人の研修が行われていたシミュレーション室へ向かいました。
サリー自身の怖い顔が、ブーを泣かせる
ウォーターヌースは、エースの技を新人に見せるようサリーに促します。サリーがいつもの仕事どおりにほえると、その場にいたブーまでおびえてしまう。
今まで同僚に褒められていた怖い顔が、大切な子を泣かせている。この場面は、大人になってから観るほど胸に刺さりますね。
マイクがランドールの計画を説明すると、ウォーターヌースはブーを引き取ります。そしてサリーとマイクを、人間の世界のヒマラヤへ追放しました。
誘拐計画にはウォーターヌースも共謀しており、二人は口封じのために追い出されたのです。
ヒマラヤから帰還し、扉の保管庫でランドールと対決

サリーとマイクが決裂する雪山
吹雪の中に放り出された二人を助けたのは、雪男のイエティです。同じくモンスターの世界から追放された彼は、レモン味のスノーアイスでもてなしてくれました。親切なのは分かりますが、今は温かいものも欲しいところ。
マイクは、職場やセリアから引き離された怒りをサリーにぶつけます。サリーの頭は、会社に残されたブーのことでいっぱいでした。積み重なったすれ違いが、ここで噴き出します。
イエティから近くに子どものいる村があると聞き、サリーはそりを作って山を下ります。村の子ども部屋につながる扉から、工場へ戻るつもりなんです。マイクは同行を拒み、サリーは一人で出発しました。
会社へ帰り着くと、ブーは悲鳴吸引機にかけられる寸前。サリーは機械を壊して彼女を救いますが、今度はランドールに襲われます。そこで駆けつけたのが、仲直りのために後を追ってきたマイクでした。
ブーも立ち向かい、ランドールを人間の世界へ
合流した三人は、ブーの扉を追って巨大な保管庫へ進みます。頭上を走るレールには無数の扉がつり下がり、その向こうには世界中の子ども部屋がある。ランドールから逃げるため、三人は扉を渡り歩きます。
保管庫ではブーの笑い声が扉を動かす力になり、二人はその力も借りながら逃走しました。遊園地の乗り物のように扉が走る一方、追いかけるランドールは執拗です。
ブーを奪ったランドールは、助けに来たサリーを追い詰めます。するとブーが恐怖を振り払い、ランドールをたたいてサリーを助ける!ずっとおびえていた相手に立ち向かう、小さな体が頼もしいですね。
二人はランドールを人間の世界につながる扉へ投げ込み、その扉を壊しました。行き着いたトレーラーハウスでは、住人がランドールをワニと間違えてたたきます。ランドールは、モンスターの世界への帰路を失いました。
ウォーターヌース逮捕から、ブーとの別れ、会社の再出発へ

社長を捕まえたのは、研修室の録画
ようやくブーの扉に近づいた三人ですが、ウォーターヌースがそれを絶叫フロアへ呼び戻します。待ち構えているのはCDA。社長は二人を捕まえさせるつもりでした。
マイクがおとりとなってCDAを引きつけ、その間にサリーはブーを連れて移動します。ウォーターヌースは、逃げた二人を子ども部屋まで追い詰めたつもりになりました。
社長は、会社を救うためなら子どもをいくらでも誘拐すると言い放つ。ところが、その部屋は新人研修用のシミュレーション室です。社長の自白は録画され、ウォーターヌースはCDAに逮捕されました。
ここで、書類に厳しい事務担当のロズが、潜入捜査をしていたCDAの責任者だと分かります。マイクがいつも怒られていた相手は、会社の不正を追っていたんです。
ブーを帰す代わりに、扉は粉砕される
ロズは、ブーを人間の世界へ返すことを認めます。ただし、モンスター側の扉は処分するという条件でした。
ブーはマイクと別れを告げ、サリーと自分の部屋へ戻ります。サリーはブーをベッドへ寝かせ、最後のあいさつをしました。
サリーが退室すると、ブーはベッドを抜け出してクローゼットを確かめます。そこにあるのは、いつもの収納スペースです。モンスター側では扉が粉砕され、マイクから渡された一片をサリーが手元に残しました。
この別れがつらいのは、サリーが名残惜しさを抱えながら、ブーを家へ帰す方を選ぶところ。そばに置きたい気持ちより、あの子が眠る場所を優先したんですね。
子どもを笑わせる仕事へ切り替わる
社長が逮捕され、社員たちは会社の行く末を案じます。外へ出たマイクが、冒険の中で笑いも取れたと話したとき、サリーに新しい考えが浮かびました。
子どもを笑わせてエネルギーを集めればいい。自宅や保管庫で経験したブーの笑い声が、新しい仕事へつながるんです。
サリーは新社長となり、会社を立て直します。マイクも子ども部屋で笑いを取る仕事に就き、得意のおしゃべりを生かして活躍しました。笑い声でエネルギーを生む方式への転換が、街のエネルギー不足を解消します。
会社を守るために子どもを犠牲にしようとしたウォーターヌースと、子どもを喜ばせる仕事を始めたサリー。私には、同じ会社を引き継ぎながら、相手との向き合い方を根本から変えた結末に思えます。
子どもと観るときは、怖さの感じ方にも注意
幼い子どもの誘拐や拘束、装置を使った脅しがあるため、怖い場面が苦手な子には刺激が強い内容です。寝室に誰かが入ってくるという設定自体が、気になることもあるでしょう。
一緒に観るなら、途中で止めて話せる時間があると安心ですね。明るい場面と緊張する場面の差が大きい映画なので、かわいい見た目から想像するよりハラハラします。
サリーたちにもう一度会いたくなったら
毛並みの柔らかさや、目が一つでもころころ変わるマイクの表情は、映像でも楽しみたいところです。ディズニー公式の作品ページには、配信作品ページとブルーレイ・DVDへの案内があります。
Pixar公式のアニメ映画『モンスターズ・インク』(2001年)の3D再上映版予告編です。
FAQ
「ブー」は誰が付けた名前?
サリーが付けた愛称です。
マイクの投げた雪玉は、どこに当たった?
謝りに来たマイクが投げた雪玉は、姿を消していたランドールに当たりました。
笑い声のエネルギーは、悲鳴の何倍?
作中では、悲鳴の10倍ものエネルギーになります。
まとめ
私がこの映画を好きなのは、子どもへの優しさと、大人同士の友情を、同じくらい温かく感じられるところです。大騒動の間はついブーのかわいさを目で追ってしまいますが、見終わるころにはマイクもずいぶん好きになっていました。
誰かの寂しさに気づいて、見えないところで手を動かせる。そんな相棒が隣にいるサリーが、少しうらやましくなります。