「最後の秘宝」という副題を見て、ネイトまで死んでしまうのかと身構えたくなりますよね。ネイトは生きて帰ります! エレナとの間には娘のキャシーが生まれ、家族で暮らす未来まで描かれます。
ただ、敵を倒して帰宅すれば全部解決、という旅でもありません。兄のサムにだまされ、妻には自分が嘘をつき、財宝のある船で最後の決闘をすることになります。宝探しより、帰ってからの夫婦の話し合いのほうが気になる場面もあるんです。
対象はゲーム『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』(Uncharted 4: A Thief's End)の本編とエピローグです。ここからレイフの死、船からの脱出、娘に秘密を明かすラストまでネタバレがあります。
サムを助けるはずの旅は、嘘から始まった
死んだと思っていた兄が、財宝探しを頼みに来る
物語の始まりでは、ネイトは危険なトレジャーハンター稼業を離れ、エレナと結婚生活を送っています。仕事は水中の沈没物などを引き上げるサルベージです。そこへ、死んだと思っていた兄のサムが現れます。
サムの言い分は、麻薬王ヘクター・アルカサルに命を握られていて、海賊ヘンリー・エイブリーの財宝を見つけなければ殺される、というもの。兄が生きていた喜びの直後に、命の期限を突きつけられるんです。
ネイトはサムを助けようと探索に戻り、エレナにはマレーシアのサルベージの仕事に行くと嘘をつきます。黙って遠出するだけでも大ごとなのに、実際の行き先は海賊の財宝。帰宅してお土産を渡せば済む話ではないですよね。
命の危機を持ち出した話は作り話だった
探索の途中でレイフが明かすのは、アルカサルはすでに死んでいて、サムを刑務所から出したのはレイフだった、という真相です。サムはレイフとの探索から抜け、弟と財宝を追うために、アルカサルの脅迫をでっち上げていました。
ネイトを冒険に戻した「財宝がなければ兄が殺される」という理由は、サムの嘘です。兄を救うつもりで妻の信頼まで傷つけたネイトには、きつい発覚でした。
エレナもネイトの嘘を知って怒り、いったん離れます。それでも、レイフに襲われて崖から落ちたネイトを救い、サムの救出に同行するんです。ネイトは妻に助けられ、自分の過去を話しながら、再び一緒に進むことになります。
エレナの怒りはもっともですし、助けに来たことには愛情もある。私はここを「許してくれたから一件落着」とは受け取れません。終盤の会社の話まで続くことで、二人がどんな暮らしを望むのか、ようやく答えが出ると感じます。
レイフの最期は、財宝に押しつぶされる決着

サムが引き返し、ナディーンは探索を降りる
ネイトたちは一度サムを救い、エレナ、サリーとともに島を出ようとします。ところが、財宝を諦めきれないサムは単独で探索を続けてしまうんです。ここまで助けても、まだ帰ってくれない!
ネイトが追いつく先は、洞窟に隠されたエイブリーの船。船内では爆発と火災が起き、サムが木材の下敷きになっています。宝は目前にあるのに、兄は動けません。
レイフの協力者であるナディーンも、船へ来ています。ただ、彼女は財宝への執着で危険を重ねるレイフに付き合い続けません。ネイトとレイフの銃を取り上げ、三人を船内に残して去ります。
その場には、財宝を奪い合って殺し合ったエイブリーとトーマス・テューの骸骨があります。宝を手にした海賊たちの結末まで、目の前にあるわけです。ナディーンが立ち去っても、レイフは引き返しません。
剣の勝負を終わらせたのは、頭上の宝だった
ネイトはサムを助けたいのですが、レイフは剣で襲いかかります。燃える船の中で、一対一の決闘が始まるんです。
決着の瞬間、ネイトは頭上に吊られた財宝の束を支えるロープを切ります。落ちた財宝がレイフを押しつぶし、レイフは死亡します。剣で最後の一撃を刺して終わる場面ではありません。
欲しかった宝に押しつぶされる最期は、ずいぶん皮肉ですよね。海賊たちの骸骨を見ても争いをやめなかったレイフが、同じ船で命を落とす。この並びには、宝への執着の怖さを感じます。
ネイトは大砲で船に穴をあけ、サムを救い出す
レイフを倒しても、サムは木材の下から動けません。ネイトは兄を置いていかず、船内の大砲を撃って船に穴をあけます。
サムの救出に成功し、兄弟は船から泳いで脱出します。待っていたエレナとサリーも無事です。四人はサリーの飛行機で島を離れます。
ネイトが最後に必死で運び出したのは兄でした。大砲まで使う救出方法にはひやひやしますが、剣の勝負のあとにもネイトの機転を見せる場面が残っているんですね。
エレナとのその後は、夫婦で冒険を仕事にする
島を離れたあと、サムはサリーと組んで新たな仕事へ向かい、ネイトとエレナは帰国します。兄弟は同じ生き方を続けるために、ずっと一緒にいるわけではありません。
ネイトは勤務先のサルベージ会社に戻りますが、経営者のジェイムソンから会社を売ると告げられます。買い手はネイト。裏で話を進めていたのは、エレナです。
資金のもとになったのは、サムが持ち出し、エレナのポケットに忍ばせた財宝の金貨でした。サムが渡した金貨は、二人の新しい仕事につながります。
ここで「ネイトは冒険から完全に引退し、普通の生活だけに戻った」と受け取ると、その後が抜けてしまいます。二人が始めるのは、合法のサルベージや探索の仕事です。エピローグには、その仕事で成果を上げた暮らしも描かれています。
好きなことを全部やめるのは、家に帰ってきた本人にも、一緒に暮らす相手にも無理が出ますよね。エレナは冒険を望むネイトと、自分の気持ちの両方に向き合って、新しい働き方を提案したのだと私は感じます。
しかも、会社の買い取りまで話が進んでいる。ちょっとした休日の相談より、だいぶ規模が大きいですね。それでも、今度は二人で選ぶ仕事になったことがうれしいんです。
エピローグのキャシーは、両親の秘密を知る

ゲームをしていたのは、ネイトとエレナの娘
エピローグは、年月が過ぎたあとの場面です。『クラッシュ・バンディクー』をプレイする場面から始まり、操作していたのがネイトとエレナの娘、キャシーだと分かります。
海辺の家には、家族の写真や仕事に関する記事があり、サリーからの手紙もあります。夫婦が生き延びただけでなく、その先の時間を重ねてきたことが、部屋を歩いているうちに伝わるんです。
直前まで燃える船から逃げていたのに、今度は家の中で両親を探す。私は、この静かな時間の差にほっとします。最後まで次の銃声を待たなくていい家があるんですね。
鍵のかかった棚から、冒険の思い出が出てくる
キャシーは雑誌の下にあった鍵を見つけ、棚を開けます。中にしまわれているのは、両親が過去の冒険で残してきた品々や写真。これまで娘には隠されていた過去です。
そこへ戻ってきたネイトとエレナは、秘密を知った娘に向き合います。ラストでは、ネイトたちがキャシーに昔の冒険を話し始めます。娘が新たな敵と戦うところまで進む話ではありません。
兄の嘘で始まった本編が、娘に本当のことを話す場面で閉じる。私はこのつながりが好きです。危険な過去をずっと隠しておくより、今の家族に話せるようになったネイトに、長い旅の終わりを感じます。
注意したいのは、結末の分岐と「引退」の意味
会話の選択肢で、ネイトが死ぬ別のエンディングに変わることはありません。本編の結末は一本です。船での決着と、年月が過ぎたあとのエピローグは、同じ物語の続きになっています。
また、ネイトが終えるのは、家族に嘘をつき、銃を向けられながら財宝を奪い合う暮らしです。探索への情熱まで消えたわけではなく、夫婦の仕事や娘との生活がその先にあります。
キャシーへの語りは、家族が過去を共有するラストです。将来の主人公交代や、娘の冒険の筋書きまで決まった場面として扱うと、本編が描いたことを越えてしまいます。
もう一度確かめるなら、第22章とエピローグを続けて
クリア済みで結末の記憶を確かめたいときは、第22章の決闘から、会社の買い取り、エピローグの棚の写真までを続けて追うと、ネイトの選んだ暮らしがよく分かります。宝の行方だけで止めると、エレナの提案が抜けてしまうんです。
キャシーの場面では、棚へ急ぐ前に家族写真やサリーの手紙も読んでみてください。長い冒険のあとに誰との付き合いが続いたのか、家の中の小さな品にも残っています。
兄弟が旅に出る前の空気を、公式予告で思い出す
PlayStation Japanの日本語吹き替え版ストーリートレーラーです。
FAQ
ネイトの結末はハッピーエンドですか?
はい。命を落とす悲劇ではなく、妻子との未来がある結末です。旅の後に夫婦の仕事まで変わるので、生還だけで話が終わるわけでもありません。
サムとサリーは最後にどうなりますか?
二人で仕事をする仲になり、ネイトたちとは別に行動します。キャシーが暮らす家にもサリーの便りがあり、家族との縁は続いています。
ナディーンも船で死んでしまいますか?
いいえ。ナディーンは決闘に加わらず、船内から立ち去ります。ここで死亡する敵はレイフです。
キャシーが生まれるための条件や隠しルートはありますか?
特別な会話を選んで出す場面ではありません。娘の登場も、固定された本編の締めくくりに含まれます。
まとめ
レイフとの決闘、大砲を使った兄の救出、エレナの会社購入、キャシーへの昔話。ネイトのラストは、命がけの旅を越えて家族と過ごす年月まで描いています。
船の中では、宝を目の前にして命まで失いかけました。それでも最後に残るのは、娘に自分の過去を話せる家です。ネイトがそこまで帰ってこられたことが、私はうれしいですね。