ク国の王座、大劇場の舞台、盗賊の首輪。『オクトパストラベラーII』は、欲しいものも背負っているものも違う8人を、ずいぶん遠くまで連れていくゲームです。個別の旅を終えたときほど、あの脇役は何者だったのかと気になりますよね。
『オクトパストラベラーII』は2023年発売のRPGです。8人の個別エンディング、黒幕の正体、最終決戦とエピローグのネタバレがあります。
黒幕側の中心にいるのは、軍師カザンことオボロと、神官ミントことアルカネット。本編最後の敵は邪神ヴィーデです。身近で手を貸してくれた人たちの裏の行動が、各地の事件を結びつけていました。
ソリスティアで始まる、目的の違う8人の旅
舞台は、蒸気機関などの技術が広がるソリスティア。産業が人の暮らしを変えていく一方、貧困や身分の差、暴力に苦しむ人も暮らしています。
最初に選ぶ主人公は1人。旅先でほかの7人と出会い、それぞれの事情に付き合っていく形です。商談に向かう日もあれば、殺人事件の捜査に付き合う日もある。なかなか忙しい一行なんですよ。
8人の姿とソリスティアの景色を紹介する、PlayStation公式の発売トレーラーです(英語版)。
8人の個別ストーリーは、どんな結末になる?
ヒカリは兄ムゲンを討ち、身分に縛られない国を目指す
ク国の第二王子ヒカリは、兄ムゲンの謀反によって故郷を追われます。各地で協力者を集め、軍師カザンの策と、ベンケイやライ・メイらの力を借りてク国へ帰還しました。
城で待つのは、かつての友リツ。貧しさから抜け出そうとムゲンに従った彼は、ヒカリと剣を交え、国を変える願いを託して死にます。ヒカリにとっては、友の命を奪って進む苦い戦いでした。
ムゲンは国宝の黒血剣で暗黒の力を解き放ち、自分自身もその力にのみ込まれます。ヒカリにも内なる影が襲いかかりますが、仲間の声に支えられて乗り越え、異形となった兄を倒すんです。
戴冠式でヒカリは王冠を投げ捨て、民を「友」と呼びます。戦と支配を続けてきた国を、互いに支え合う国へ変えていく。王位を取り戻した先に、彼の仕事が始まりました。
アグネアはドルシネアと競い、自分の踊りを大観衆に届ける
亡き母のようなスターを目指すアグネアがたどり着くのは、メリーヒルズの大舞踏祭です。道中で助けたジゼル座やギル、ライラが、今度は彼女の晴れ舞台を支えます。
相手は大スターのドルシネア。圧倒的な人気を前にアグネアは一度くじけかけるのですが、客席にいた父や、旅で出会った人たちの声援で立ち上がりました。
旅の中で育ててきた歌と踊りに観客の心が動き、ドルシネアもアグネアを認めます。疲れ切っていても、アンコールを求める人のためにまた踊る。アグネアがつかむのは、人を喜ばせる踊りでスターになる夢です。
普段は寡黙な父が、ここで大きな声を出すのがいいんですよね。客席にそんな応援団がいたら、もうひと踏ん張りしたくなります。
パルテティオは800億リーフの商談を成し遂げ、ロックも仲間にする
貧しい町で育った商人パルテティオは、蒸気機関を広めて人々を豊かにしようとします。権利を握るロックとの約束は、800億リーフでの買い取りでした。
大富豪アルロンドの出資で小切手を用意したところ、ロックは現金での支払いを要求。そこでアルロンド本人が巨額の現金を運んできます。支払い方法でもめるところだけ、妙に身近ですね。ただ、現金800億リーフの持参は豪快すぎます!
取引を破棄しようとしたロックは、蒸気装甲車オブシディアンを持ち出します。パルテティオはこれを破り、蒸気機関の権利を買い取りました。
さらに、敗れたロックを銀貨1枚で雇います。設立されたパルテ&ロック・カンパニーでは、ロックも相談役として再出発。パルテティオは商売敵の能力まで、新しい仕事へつなげるんです。
オズバルドは娘を救い、父として会う日を待つ
妻子殺しの罪を着せられた学者オズバルドは、監獄島を脱出し、元同僚ハーヴェイを追います。妻リタを実験に使ったハーヴェイは、娘エレナの記憶を改変して、自分を父と信じ込ませていました。
ダスクルイン霊殿でハーヴェイはエレナの血と魔の書を利用し、暗黒の魔法を得ます。オズバルドは娘を守りたいという思いから究極魔法にたどり着き、彼を撃破しました。ハーヴェイは最後に魔力を制御できなくなり、消滅します。
救出されたエレナは、助手レディ・クラリッサのもとで暮らし始めました。この個別章の終わりでは父の顔の記憶を失っており、それでも本当の父に会うことを願い、魔法学者を目指します。
オズバルドは娘の混乱を避けるために名乗る時期を待ち、ハーヴェイの協力者を調べる旅へ出ます。抱きしめてあげたくなる距離なんですよね。復讐を果たした彼が、その先で守ろうとするのはエレナの暮らしです。
ソローネは実父クロードを倒し、首輪の鍵を奪う
黒蛇盗賊団から自由になりたいソローネは、自分たちを支配するマザーとファーザーを倒します。2人が持っていた鍵の先に、さらに本当の支配者が待っていました。
ロストシードの古城にいるクロードは、ソローネの実父です。ピルロをはじめ黒蛇の仲間たちも彼の子で、団内の殺し合いは、優れた後継者を選ぶために仕組まれていました。家族のつながりそのものを、選別の道具にしていた男なんです。
ソローネは、自分が手にかけてきた人々の幻影まで繰り出すクロードを倒します。そして彼から鍵を盗み、ついに首輪を外しました。
自由を得た彼女が最後に感じるのは、血の匂いです。私は、あの一言に殺してきた人たちの重さが残っていると感じます。首元が軽くなる瞬間に、この感覚を置くのがつらいですね。
テメノスは教皇殺害とクリックの死を追い、カルディナを裁く
異端審問官テメノスの旅は、教皇の殺害から始まります。捜査に協力する聖堂騎士クリックも、事件の核心に近づいたところで聖堂機関長カルディナに殺されました。
神官なのに、まず疑うのがこの人のお仕事。軽口を交わしていた相棒が消えてからは、その飄々とした態度まで痛く感じます。
カルディナは、虐殺されたカル族の生き残りでした。一族を奪った月影教への復讐を求め、暗黒の力を得ようとしていたんです。
テメノスは裂け岩の遺跡で彼女を追い詰めます。暗黒にのみ込まれたカルディナを倒し、教皇殺害をめぐる事件に決着をつけました。彼はその後も、月影教の先導者と暗黒の正体を追い続けます。
オーシュットは故郷を守り、選ばなかった魔物と向き合う
トト・ハハ島に迫る災厄「緋月の夜」に備え、オーシュットは伝説の魔物の力を求めて旅立ちます。帰還後は、対立していた人間たちとも協力して島を守りました。
最後に立ちはだかる魔物は、子どものころ相棒に選ばなかった1体。アカラを選んだ場合はマラマフクロウ、マヒナを選んだ場合はラージャッカルです。その体は長年の虐待と暗黒に傷つけられていました。
戦いの後、オーシュットは弱った魔物に肉を食べさせ、最期に寄り添います。食べるのが大好きな彼女が、今度は相手のために食べ物を差し出す。ここは胸が詰まりますね。
災厄が去った島では、人間と獣人が共に暮らす道を選びます。オーシュットも、島を守る狩人として歩き続けました。
キャスティは薬師団の記憶を取り戻し、毒の雨から町を救う
記憶を失った薬師キャスティは、旅を重ねるうち、自分がエイル薬師団の団長だったと知ります。かつての仲間トルーソーは、死によって苦しみから救うという考えに染まり、毒の雨でヒールリークスの村人や薬師団を死に追いやっていました。
キャスティを小舟に乗せて逃がしたのは、仲間のマレーヤです。彼女自身はそこで力尽きており、旅先でキャスティを導いていた姿は、記憶から生まれた幻影でした。
記憶を取り戻したキャスティは、次に狙われたティンバーレインへ向かいます。以前救った人たちの協力で住民を避難させ、城でトルーソーを倒しました。
そこから、旅で覚えた薬や託された材料を合わせて解毒薬を作り、人々を治療します。キャスティは最後まで命を救う薬師として、亡き仲間たちの志をつなぐんです。取材に答えるときにも、町を救ったエイル薬師団の名を残しました。
4組のクロスストーリーが、最終章へつながる

2人ずつで旅をするクロスストーリーは、4組それぞれ前後編の計8編。個別の決着の間に、世界全体で起きている異変が見えてきます。
| 組み合わせ | 2人が経験する出来事 |
|---|---|
| ヒカリとアグネア | 琵琶弾きヨミと出会い、ク国で戦没者を弔う鎮魂祭を催しました。ヒカリはヨミと向き合い、アグネアは踊りで弔いに加わります。 |
| オズバルドとパルテティオ | 天文学者レグルスの天体望遠鏡作りを手伝い、奪われた望遠鏡を取り戻しました。夜空を観測すると、夜が長くなっていることが分かります。 |
| テメノスとソローネ | アルパテスから鏡の欠片を託されました。彼女の殺害後、残された手がかりをたどって月と太陽の洞窟へ向かい、もう片方の欠片を得ます。 |
| キャスティとオーシュット | クロップデールの森で獣を襲う影と戦いました。森の闇に誘われたキャスティを、オーシュットが助けます。 |
2つの欠片を合わせた「曇った鏡」は、聖火を取り戻す鍵になります。宝探しで盗賊と神官が手にした品が、こんな大仕事を任されるんですよ。
最終章「明日への旅路」で分かる、黒幕たちの役割
8人が野営から目覚めても夜は明けず、世界は闇に包まれていました。旅人たちは影の魔物に襲われ、4か所の聖火を灯し直すために動き出します。
その過程で、聖火が消えたときの出来事や、オリたちの手記から事件の裏側が分かります。邪神復活の計画には複数の人物が加担し、人の命を贄として聖火を消していました。
アルカネットは人の心を支配し、タンジーを贄にした
フレイムチャーチで旅人たちを迎えるアルカネットは、カル族の虐殺を起こさせた月影教の先導者です。カルディナが追っていた仇も、教会のすぐそばに潜んでいたことになります。
彼女は、人の悲しみや心のよりどころを利用して従わせます。ジゼル座のタンジーは、恋人を亡くした痛みにつけ込まれ、アルカネットを慕うようになりました。
タンジーは一座と旅をしながら青い炎を探し、最後にはアルカネットの手で贄にされます。アグネアの明るい旅にも、同じ計画が食い込んでいたんです。テメノスたちはアルカネットと戦い、彼女を倒しました。
オボロはク国の争いを利用し、黒血剣を手に入れた
オボロは、ヒカリの帰還を助ける一方で、兄ムゲンの謀反も仕組んでいました。ク国の争いを動かしながら、邪神復活に関わる黒血剣を狙っていた人物です。
ヒカリ編の後に消えた剣は彼の手に渡ります。さらにオボロは、ムゲンに仕えていたアゲハを贄にして、静かの洞窟の聖火を消しました。
私には、彼の行動が分かってからも、ヒカリと共に戦った時間まで冷たく切り捨てるのは難しく感じます。ただ、仲間としての思い出を持つヒカリの前で、オボロは世界の終わりを選ぶ。あの食い違いが苦いんですよね。
記者オリは兄に協力し、パルテティオとの出会いで揺らぐ
新聞記者オリは、オボロの妹です。記者として各地を回る間に旅人の動向を探り、世界を終わらせる計画に協力していました。
彼女自身も落日の遺跡で贄となろうとし、自分を刺します。しかし急所を外れ、救助されて生き延びました。
手記には、パルテティオとの出会いで世の中への思いが揺れていく過程が残ります。人を豊かにするため働く彼の姿に、オリも希望を感じ始めていたんです。兄と同じ絶望から出発した彼女に、違う明日が生まれたように私は感じます。
クロードとペトリコールの行動が、別々の事件を結ぶ
クロードはヴィーデの器となる使命を後継者に託そうとして、多くの子をもうけていました。黒蛇の選別は、その目的につながっています。さらに彼はトルーソーに夜の書を渡し、その変貌にも関わりました。
オーシュットの選ばなかった魔物を傷つけ、暗黒に染めた黒の狩人はペトリコールです。ハーヴェイの生体実験も加わり、魔物は長く苦しめられていました。
ペトリコールはその魔物に自らを食わせ、主獣の墓所の聖火を消します。薬師の暴走、盗賊団の殺し合い、魔物の異変。それぞれに別の原因があるように見えた惨事が、邪神を招く動きの中でつながるわけです。
ヴィーデとの総力戦、そして劇場での再会へ

4つの聖火を再び灯すのは、クロスストーリーで組んだ2人ずつです。「輝く鏡」となった鏡を使い、主獣の墓所、フレイムチャーチ大聖堂、落日の遺跡、静かの洞窟の炎を取り戻します。
すべて灯ると、海にヴィーダニア島が現れます。島で待っていたオボロは、黒血剣を使って自分自身を最後の贄に捧げ、ヴィーデを復活させました。
最初は4人ずつで戦い、後半は8人全員が同じ戦場にそろいます!交代しながら行動をつなぐ総力戦です。8人それぞれの旅で得た力を合わせ、世界の明日を奪おうとする邪神を倒します。
ソリスティアに朝が戻りました。その後は別れを惜しみながら1人ずつ去り、それぞれの道を歩きます。大所帯だった旅が、少しずつ静かになるんです。
そして時が流れ、エピローグのニューデルスタ。旅人たちや旅先で出会った人々が集まるのは、アグネアの公演のためでした。彼女は舞台から、苦しみや別れもあった旅と、それを共に歩いた仲間への思いを語り、歌を贈ります。
最後を飾るのが、仲間の晴れ舞台というのがうれしいですね。こういう再集合なら、私は集合時間の10分前から待っていたくなります。
最終章の注意点は、昼の探索と寄り道が一時止まること
「明日への旅路」の進行中は夜が固定され、多くのサブストーリーや昼限定の行動が一時的に止まります。昼にしか会えない住民や、その時間帯の買い物にも影響するんです。
この状態はヴィーデ戦の決着で解消されます。
最終章を始める条件と、出発前に整えること

開始条件は、8人全員の個別ストーリーと、4組8編のクロスストーリーのクリア。南クロップデール森道のキャンプ場にある焚き火を調べると、最終章が始まります。
出発前は別のセーブ枠を残し、全員の装備と回復手段を整えておくと安心です。主力だけに防具を集めていると、もう一組が大変。控えの4人にも、ちゃんと出勤日が来るんですよ。
よくある質問
ガルデラを倒すと、本編の結末が変わる?
ガルデラはサブストーリー「異界の門」で挑む任意の裏ボスです。本編の最終章とエピローグは、ガルデラ討伐と独立して進みます。
エピローグはいつ始められる?
ヴィーデ撃破後、南クロップデール森道の焚き火跡を調べると開始できます。挑戦のタイミングは任意なので、決戦後の世界で冒険を続ける時間も取れますよ。
最初に選んだ主人公は、途中でパーティーから外せる?
最初の主人公は、その人の個別ストーリーを最後まで終えると交代できるようになります。残りの7人は、加入後から入れ替えられますよ。
まとめ
「明日を望まぬ者」と向き合う旅の重さは、8人が何を失い、誰に助けられたかを知るほど増していきます。私は、最後の舞台を見終えたあと、旅先の何気ない会話まで懐かしくなる結末だと感じます。