大学へ持っていく荷物に、お気に入りのおもちゃを一体入れる。その手つきだけで胸が詰まる映画です。
『トイ・ストーリー3』は、2010年のピクサー製作の長編映画です。結末までのネタバレがあります。
アンディは捨てるつもりだった?保育園へ向かった理由

アンディは17歳になり、大学進学を控えています。子どもの頃のように遊んでもらえなくなったウッディやバズたちは、自分たちの行く末が気がかりでした。
荷造りでアンディが選んだのは、ウッディを大学へ連れていき、ほかのおもちゃは屋根裏で保管することです。バズやジェシーたちを黒い袋に入れますが、母親がそれをゴミと間違え、収集に出してしまいます。
袋から抜け出した仲間たちは、アンディに捨てられたと思い込んでいました。そこで、自分たちからサニーサイド保育園への寄付箱に移ります。一部始終を見ていたウッディの説明も届かず、説得のために追いかけた彼まで保育園へ運ばれることに。
サニーサイド保育園の歓迎は、ロッツォの支配につながる
子どもが次々に来る楽園で、新入りだけが乱暴に扱われる
保育園で一行を出迎えるのは、イチゴの香りがするピンクのクマ、ロッツォです。子どもたちが卒園しても、また新しい子がやってくる。ずっと遊んでもらえる場所だと知り、バズたちは残ることを決めました。
寄付されてきたバービーは、着せ替え人形のケンとたちまち恋に落ちます。一方、アンディのもとに帰ろうとするウッディは、ひとりで保育園を離れるのでした。
ところが、バズたちが割り当てられたのは、小さな子どもが集まるイモムシ組。投げられたり、体を引っ張られたりして、おもちゃたちは散々な目に遭います。ロッツォの仲間は年長の子どもの部屋で快適に暮らし、荒っぽい遊び相手を新入りに押しつけていたのです。
歓迎の笑顔だけで安心したくなる見た目なんですよね、あのクマ。香りまでイチゴなのに、待遇はずいぶん苦いです。
交渉したバズは初期設定に戻され、仲間の監視役になる
バズは年長の子どもの部屋への移動を求めようとして、ロッツォの一味に捕まります。ロッツォが認めたのはバズ一体の移動だけでした。仲間を置いていく話を拒むと、初期設定に戻されてしまいます。
バズは仲間との記憶を失い、ロッツォの命令でウッディの友人たちを閉じ込める側に回ります。自分を本物のスペースレンジャーだと思っているため、長年の仲間にも容赦がないんです。
同じ頃、ミセス・ポテトヘッドが、アンディの部屋に落とした片目を通して家の様子を見ます。そこにいたのは、おもちゃを探して困っているアンディでした。ジェシーたちはウッディの話が本当だったと気づき、家へ帰ろうとしますが、保育園の見張りとバズに阻まれます。
ボニーの家で知る、ロッツォとデイジーの過去
保育園から出たウッディは、女の子のボニーに拾われて家へ連れていかれます。ボニーはウッディを自分のおもちゃたちと一緒に、ごっこ遊びの仲間にしてくれました。久しぶりに子どもの想像の世界で活躍する時間です。
そこで出会ったピエロ人形のチャックルズが、ロッツォの昔を話します。チャックルズ、ロッツォ、赤ちゃん人形のビッグ・ベビーには、デイジーという持ち主がいました。家族との外出先に置き忘れられた三体は、苦労して家まで戻ったのです。
しかし、デイジーのそばには、同じ種類の新しいクマのぬいぐるみがいました。買い直されていたのはロッツォですが、彼はビッグ・ベビーに、全員が取り替えられたと嘘をつきます。人間への怒りを抱えたままサニーサイドへたどり着き、やがておもちゃたちを支配するようになったのでした。
ウッディは、残してきた仲間が危険な場所にいると知ります。アンディの家へ急ぐ気持ちを抱えながらも、選んだのは救出でした。ボニーのリュックに忍び込み、サニーサイドへ戻ります。
脱出作戦はどう進む?スペイン語のバズとゴミ箱の対決

監視カメラ、鍵、バズの設定を仲間で攻略する
保育園で手を貸すのは、電話型おもちゃのチャターフォンです。扉の鍵や見張りについて教わったウッディは、仲間と夜の脱出を計画しました。
監視カメラを見張るサルは、異変があればシンバルを鳴らして知らせます。ウッディとスリンキーは、この監視役をテープで縛って動けなくしました。ミスター・ポテトヘッドも体の部品をばらし、閉じ込められた砂場から抜け出して、トルティーヤを体代わりに動きます。そこに顔の部品を刺すんですか!
バービーはケンからバズの説明書のありかを聞き出し、手に入れます。仲間たちが設定を直そうとすると、今度はバズがスペイン語モードになってしまいました。
スペイン語モードのバズはウッディたちに協力し、ジェシーには情熱的に迫ります。脱出作戦と恋愛を同時進行とは、ずいぶん忙しい人です!
ビッグ・ベビーの反抗で、ロッツォの立場が崩れる
一行は建物を抜け、ゴミ箱までたどり着きます。そこにロッツォたちが待ち構え、近くにはゴミ収集車も迫っていました。
ウッディは、デイジーに買い直されたのはロッツォだったという真相をビッグ・ベビーに突きつけます。ロッツォの言いなりだったビッグ・ベビーは反抗し、彼をゴミ箱へ投げ込みました。ケンもウッディたちの側に立ち、ロッツォの支配は崩れます。
仲間が去ろうとした矢先、ロッツォはウッディをゴミ箱に引きずり込みます。救おうと飛び込んだバズたちも巻き添えになり、ゴミ収集車で処理施設へ運ばれるのでした。車内でテレビがバズにぶつかり、バズの記憶といつもの性格が戻ります。
焼却炉で手をつなぐ理由と、エイリアンの救助

処理施設のベルトコンベヤーの先には、ゴミを砕く装置が待っています。ウッディたちは金属につかまり、上にある磁石に引き上げられて危機をかわしました。ウッディとバズは、動けなくなったロッツォまで助け出します。
その先にあったのが焼却炉です。ロッツォは非常停止ボタンを見つけ、ウッディとバズの助けを借りて高い場所へ上がりました。
ここでボタンを押せば、仲間を助けられる。ところが、ロッツォは停止ボタンを押さず、助けてくれたウッディたちを置き去りにして逃げます。過去の悲しみを知ったあとだからこそ、この選択がつらいんですよね。
炎へ向かって滑り落ちるおもちゃたちは、逃れようともがいた末、互いの手を握ります。ウッディもバズの手を取り、仲間と輪になりました。
この場面を考察すると、手をつなぐ動作には、死を目前にしても一緒にいるという思いが重なります。散々走って、知恵を絞って、最後に残った行動が相手の手を握ること。観ているこちらまで、隣に誰かいてほしくなる場面です。
そこへ巨大なクレーンが下りてきます。クレーンを操縦して全員を救い上げたのは、三体のリトル・グリーン・メン/エイリアンでした。処理施設でクレーンを見つけて一行と離れた彼らが、間に合ったのです。
救出された仲間たちは、別のゴミ収集車に乗ってアンディの家へ帰ります。一方、逃げたロッツォは運転手に拾われ、ゴミ収集車の前部にくくりつけられました。
ラストのメモと、アンディがウッディを渡すまで

ウッディはボニーの住所を残し、仲間の箱へ移る
家に戻ると、バズたちは屋根裏へ行く箱に入り、大学へ行くウッディにアンディを託します。ウッディもいったん大学行きの荷物へ戻りました。
出発を前にしたアンディと母親のやり取りに、ウッディは耳を傾けます。離れて暮らす寂しさを受け止める母子のそばで、ウッディも新しい暮らしを選ぶのでした。
ウッディが残したメモの内容は、ボニーの家の住所です。アンディは母親からのメモだと思い、おもちゃの箱を持ってボニーの家へ向かいます。その箱には、ウッディ自身も仲間と一緒に入っていました。
この決断についての考察では、ボニーとのごっこ遊びが大きかったと感じます。ウッディは、彼女がおもちゃを大切にして遊ぶ子だと自分で知りました。仲間と暮らせることに、また子どもの遊び相手になれる喜びが加わった選択だと思います。
一体ずつの紹介と、思わず引いてしまうアンディの手
ボニーの家でアンディは、ジェシーやブルズアイ、レックス、ポテトヘッド夫妻たちを一体ずつ紹介します。レックスには恐ろしい恐竜の役、ハムには悪役のドクター・ポークチョップという名。大きくなったアンディの口から、子どもの頃の遊びの設定が次々に出てきました。
この紹介がいいんです。箱ごと渡して帰るなら、引っ越しの用事はすぐ済むでしょう。でもアンディは、それぞれの性格や遊び方まで、ボニーに教えてくれます。
最後にボニーが箱の底のウッディを見つけると、アンディは驚きます。ボニーが受け取ろうと手を伸ばした瞬間、アンディはウッディを引っ込めてしまいました。
大学へ持っていくほど特別だった一体ですから、手はすぐに離せませんよね。それでもアンディは、ウッディの勇気や優しさ、そして何があっても友達のそばにいるところをボニーに話し、そっと託します。
受け渡しのあとには、アンディとボニーが一緒におもちゃで遊ぶ時間がありました。ウッディもバズも、もう一度アンディのごっこ遊びで活躍するのです。
そしてアンディはおもちゃたちに感謝し、大学へ旅立ちます。ウッディは「あばよ、相棒」と見送り、仲間たちとボニーの家で暮らし始めます。
エンドロールで分かる、保育園のおもちゃたちのその後
サニーサイドにはバービーとケン、ビッグ・ベビーたちが残り、おもちゃたちの暮らしを良くしていきました。ウッディたちとは手紙のやり取りも続くのでした。
冒頭でアンディの家を去った兵隊のおもちゃ、グリーンアーミーメンも、サニーサイドへやって来ます。出ていった仲間にも落ち着く場所ができている。この近況まで含めて、やっと肩の力が抜けますね。
子どもと観るときは、炎と監視の場面に注意
かわいいおもちゃが並ぶ映画でも、夜の保育園は監視と閉じ込めが続き、終盤には大きな炎が迫ります。幼い子には、緊張の強い時間になりそうです。
怖がる様子があれば、途中で止めたり、一緒に休んだりする観方もあります。笑えるバズに安心したあとで、急に息を詰める展開なんですよね。
本編を観直したくなったら
Pixar公式チャンネルによる、2010年の映画『トイ・ストーリー3』の英語版予告編です。
ディズニー公式の『トイ・ストーリー3』作品紹介には、本編の視聴ページとDVD・ブルーレイの案内があります。
FAQ
ボニーは何歳の女の子ですか?
4歳です。
バービーの最初の持ち主はアンディですか?
以前の持ち主は、アンディの妹のモリーです。
まとめ
『トイ・ストーリー3』を観たあとだと、押し入れにしまった古いおもちゃを、つい思い出してしまいます。持ち主が大人になる時間を、おもちゃの側からも感じさせる映画でした。