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バタフライ・エフェクト ネタバレ|劇場版の結末は別れ、ディレクターズカットは死

バタフライ・エフェクト ネタバレ|劇場版の結末は別れ、ディレクターズカットは死

ここからは、2004年に米国で公開された映画『バタフライ・エフェクト』の結末までネタバレします。第1作には劇場版とディレクターズカットがあり、第2作・第3作は別の物語です。

最後に街でケイリーとすれ違ったはずなのに、「エヴァンは生まれる前に死ぬ」と聞くと、戸惑いますよね。記憶違いを疑う前に、観た版を確かめたい映画なんです。

劇場版ではエヴァンが生きてケイリーとの関係を断ち、ディレクターズカットでは胎内で自ら命を絶ちます。街でのすれ違いは劇場版の最後、胎内での死はディレクターズカットの最後です。

ただ、最後だけ知ると「なぜそこまで?」が残るはず。ケイリーを救うための行動が、トミーやレニー、母の人生まで変えてしまう。その積み重ねが、エヴァンの最後の選択につながります。

二つの結末は、エヴァンが何を失うかで違う

劇場版とディレクターズカットの結末比較

どちらの版でも、エヴァンは過去を書き換え、好きな人や友人を救おうとします。終盤で違ってくるのは、最後に戻る時点と、その場で彼がすることです。

比べる場面劇場版ディレクターズカット
使うホームビデオ幼いケイリーと初めて会った日の映像母がエヴァンを出産するころの映像
最後の行動ケイリーを脅し、親しくならないようにする母の胎内で、へその緒を首に巻く
エヴァンの生死生きて成人後の生活を送る出生前に死亡し、生まれない人生へ変わる
ケイリーとの着地大人になってすれ違うが、声をかけずに離れるエヴァンと出会わずに育ち、結婚した姿が映る

劇場版が手放すのは、ケイリーと一緒に暮らす未来。ディレクターズカットでは、自分が生まれることまで取り消してしまうんですね。似た自己犠牲でも、残る人生の形が大きく違います。

日記の空白には、幼なじみを傷つけた出来事がある

エヴァンの記憶が抜け落ちる少年時代

幼いエヴァンは、ところどころ記憶を失います。自分が描いた不穏な絵を覚えていなかったり、包丁を持っていた理由が分からなかったり。母アンドレアが心配するのも当然でしょう。

医師に勧められ、エヴァンは毎日の出来事を日記に残すようになります。父ジェイソンは精神科の病院に入院中。面会に行ったエヴァンは父に首を絞められ、父は制止に入った職員に殴られて命を落としました。

エヴァンと親しいのは、ケイリー、その兄トミー、友人レニーの三人です。ケイリーとトミーの父ジョージは、映画を撮るという口実で子どもを裸にして撮影する人物。エヴァンとケイリーが巻き込まれたこの出来事も、エヴァン自身の記憶には穴がありました。

郵便受けの爆発と、愛犬クロケットの死

13歳のころ、トミーは父の持つ爆薬を見つけ、郵便受けを爆破するいたずらを持ちかけます。レニーが爆薬を仕掛けた結果、郵便受けに近づいた母親と赤ん坊が死亡。レニーは深く傷つき、エヴァンは肝心の瞬間を思い出せません。

さらにトミーは、エヴァンの犬クロケットを袋に入れ、生きたまま焼き殺します。止められなかった子どもたちには、もう一つ重い記憶が残るんです。

母はエヴァンを連れて引っ越します。離れるとき、エヴァンはケイリーを迎えに来ると約束しました。しかし、その約束は果たされないまま年月が過ぎます。

大学生になって、日記が過去につながる

大学生のエヴァンは、昔の日記を読み返したとき、その日の自分の身体へ意識を戻せると気づきます。大人の身体で少年時代を訪ねるのではなく、子どもの自分として、その場に立つ仕組みです。

昔の日記なんて、普通は読んで赤面するくらいですよね。エヴァンの場合、読み返したら人生まで変わってしまう。気づいたことで、つらい改変が始まってしまったんです。

郵便受けの事件へ戻った際についたやけどが、現在の身体にも残ります。過去への干渉で、身体にも変化が起きています! 過去でしたことが、現在にも反映されるんです。

エヴァンは故郷でケイリーと再会し、ジョージによる撮影について尋ねます。彼女はその話に傷つき、その後、自ら命を絶ちました。エヴァンはケイリーを生き返らせるため、虐待が始まる場面を変えようとします。

過去を直すたび、四人の人生はどう変わる?

過去の改変とエヴァンたちの人生の変化

ジョージを止めると、恋人同士になれるがトミーが死ぬ

エヴァンは幼いころの撮影の場面へ戻り、ジョージを脅してケイリーへの性的虐待を止めます。現在へ戻ると、ケイリーは生きていて、二人は同じ大学に通う恋人同士。ようやく迎えに行けた、と感じる場面でしょう。

ところが、ジョージの虐待はトミーへ向かっていました。トミーはケイリーとエヴァンの関係を憎み、エヴァンにバットで襲いかかります。エヴァンはバットを奪い、トミーを殴り殺してしまったのです。

その結果、エヴァンは刑務所に入ります。ケイリーと結ばれるところまで成功しても、その人生を続けられない。恋愛映画なら喜びたい再会のあとに、この展開はきついですね。

刑務所では、母から持ってきてもらった日記を他の囚人に奪われます。エヴァンは残ったページを使って子どものころの教室へ戻り、手に傷をつけ、現在の手にも傷痕を出して能力を示しました。同房のカルロスの協力を得て、日記を取り戻し、次の改変を試みます。

犬を救おうとすると、今度はレニーがトミーを殺す

エヴァンが戻るのは、クロケットが殺される日の廃品置き場。トミーが犬を殺さずに済めば、その後の暴力も変えられると考えます。

レニーには、犬の袋を切るために鋭い金属片を渡しました。エヴァンはトミーを説得しますが、レニーがその金属片でトミーを刺し殺してしまいます。

犬を助けるために渡した道具が、トミーを殺す凶器になります。レニーはもともと、トミーの威圧と郵便受けの事件で傷ついていたんです。その苦しみは残っています。

変わった現在では、レニーは精神科の病院に入院し、ケイリーは薬物に依存しながら売春で暮らしています。犬の死を避けようとしても、二人の人生は救えませんでした。

エヴァンは途中で父との面会にも戻り、過去への干渉をやめるよう警告を受けます。子どものころには分からなかった父の言葉を、大人の意識で聞く場面です。それでもエヴァンは、郵便受けの悲劇を防ぐためにもう一度戻ります。

母子を救った現在では、エヴァンの両腕と母の健康が失われる

今度は郵便受けが爆発する前に、エヴァンが母子へ駆け寄ります。トミーが母親と赤ん坊を助けますが、エヴァン自身は爆発に巻き込まれました。

戻った現在で、エヴァンは両腕を失い、車椅子を使っています。レニーは大学で一緒に暮らす友人になり、ケイリーと交際中。トミーは信仰を持ち、人を助ける青年へ変わっていました。

以前のようにトミーが周囲を傷つけず、レニーもケイリーも笑っている。それでも、自分が望んだ恋人との生活を失った現在を、エヴァンは素直に受け入れられないように見えます。

エヴァンは自殺を図りますが、トミーに救われました。かつて襲いかかってきた相手が、今度は命を助けるんですね。トミーの変化は、それくらい大きいものでした。

この現在には、母の問題も残っています。息子の負傷をきっかけに喫煙量が増えた母は、肺がんを患っていました。エヴァンは母を救うためにも、爆薬そのものを処分しようとします。

爆薬をなくそうとして、幼いケイリーを死なせる

エヴァンは7歳のころへ戻り、爆薬を壊すための包丁を手にしますが、母に見つかって失敗します。冒頭の「なぜ包丁を持っているのか分からない少年」の姿が、ここでつながるんです。

さらにジョージの地下室へ戻り、爆薬に火をつけてジョージを脅します。ところがジョージともみ合い、手を離れた爆薬をケイリーが拾ってしまう。爆発で、幼いケイリーが死亡します。

現在へ戻ったエヴァンは、精神科の病院にいました。この人生には日記が存在せず、医師は過去を変えたという話を妄想として扱います。

改変のたびに新しい人生の記憶が流れ込み、エヴァンの脳にも負担が重なっています。日記もなく、同じ方法ではやり直せない。ここまで来て、最後に頼るのが母の持つホームビデオでした。

劇場版のラストで、なぜケイリーを脅すのか

ケイリーが父の家に残った理由を変える

ケイリーが両親の離婚後も父ジョージのもとに残ったのは、エヴァンのそばにいたかったからです。エヴァンは、二人が仲良くなること自体を変えれば、彼女が母と暮らす人生を選ぶと考えます。

母にホームビデオを持ってきてもらい、エヴァンは病院の一室に立てこもります。映画の冒頭で、彼が隠れてメモを書いていた場面は、この終盤につながっていたんですね。

劇場版で使う映像は、幼い二人が初めて会った日のもの。エヴァンはその場へ戻り、ケイリーに近寄らないよう脅して、わざと嫌われます。

ケイリーを遠ざけた結果、彼女とトミーは父の家を離れ、母のもとで育ちます。ケイリーの自殺やトミーの暴力を、その都度やり直すところから、二人が虐待の続く家に残る理由を変える選択へ進んだのです。

口から出るのはひどい言葉なのに、彼女に生きてほしくてそうする。ここは「嫌いになったから別れる」とは、まるで違いますよね。

レニーとの寮生活へ戻り、日記と映像を燃やす

エヴァンは大学の寮で目覚めます。ルームメイトはレニー。ケイリーのことを尋ねても、レニーはその名前を知らないと返します。

ケイリーとトミーが別の場所で育ったため、かつての四人の関係は成立していません。レニーがトミーを殺して病院に入る人生からも離れ、エヴァンの友人として暮らしているんです。

エヴァンは日記やホームビデオを燃やします。過去へ戻るための記録を自分で処分する行動は、もう改変を繰り返さないという決意に見えます。

「もう一回なら、もっとよくできるかも」と思う余地を残さない。何度も失敗した彼が、ようやく自分の手を止める場面でしょう。

8年後、二人は街ですれ違い、それぞれ歩き去る

8年後のニューヨークで、成人したエヴァンとケイリーが偶然すれ違います。二人は振り返るものの、声をかけず、それぞれの方向へ歩いていくんです。

会えたのに呼び止めない。その短い時間に、エヴァンが手放したものが見えるんですね。

私はこの終わり方を、ケイリーの人生を自分の望みに引き戻さない選択と読みます。幼いころの約束は「迎えに行く」だったのに、最後に彼女のためにしたことは、迎えに行かないこと。胸が苦しくなるのもそこでしょう。

ケイリーも何かを感じたように振り返りますが、改変前の人生を覚えているかは分かりません。

ディレクターズカットでは、エヴァンが生まれる前に死ぬ

出生前の死とケイリーの結婚までの流れ

ホームビデオから胎内へ戻り、出生を止める

ディレクターズカットのエヴァンが最後に使うのは、母が出産するころを映したホームビデオです。幼いケイリーとの出会いよりも前、自分がまだ生まれていない時点へ意識を戻します。

母の胎内でエヴァンはへその緒を首に巻き、自ら命を絶ちます。生まれたあとでケイリーから離れる劇場版より、はるかに取り返しのつかない選択です。

変わった人生では、エヴァンは生まれません。ケイリーが彼のそばに残る理由もなくなり、彼女は母と暮らすことになります。

残された友人たちの人生と、ケイリーの結婚

その後に流れるのは、エヴァンのいない人生を映す短い映像です。レニーは以前のような悲劇に巻き込まれない子ども時代を送り、ケイリーは成長し、結婚した姿を見せます。

ケイリーの結婚相手は、もちろんエヴァンではありません。劇場版のように、街で彼女を見送る本人さえ、この人生には存在しないんです。

母アンドレアにも、別の男性と家庭を築き、赤ん坊を迎えた姿があります。息子の負傷を苦に病気になった人生とは違う未来です。

私は、友人たちの明るい姿と、そこに加われないエヴァンの差が、この版のつらさだと思います。自分の選択で何が変わったか、本人が確かめる未来も失っている。劇場版の別れとは、悲しみの種類が違いますよね。

結末の注意点:特典の別案と、記憶・兄弟の考察

街でコーヒーに誘う結末や、エヴァンがケイリーの後を追う結末は、標準の劇場版とは別案です。劇場版・ディレクターズカットに加え、撮影された別のラストがあるため、「結末は四つ」と紹介されることがあります。

ただし、四つを順に経験する物語ではありません。第1作の完成版は劇場版とディレクターズカットの二つで、ほかのラストは映像特典の別案です。

また、ディレクターズカットには、母がエヴァン以前にも死産を経験していたという話があります。

劇場版のケイリーが別の人生を記憶しているという説も、すれ違う場面をどう受け取るかという考察です。振り返る動作だけで、二人が共有する記憶の中身までは決まりません。

日記で意識を過去へ戻す仕組みは、映画の設定です。

最後の映像とケイリーの言葉に表れる、選択の理由

第1作の予告編(英語):『バタフライ・エフェクト』配給元の作品ページ

病院で再生するホームビデオの内容は、劇場版とディレクターズカットで異なります。ケイリーとの幼い出会いか、母の出産か。その違いが、その版の最後の行動につながっています。

途中では、ケイリーが父の家に残った理由を話す場面を見返したいですね。エヴァンと近くにいたいという気持ちが分かると、なぜ最後の改変が暴力や爆発の場面ではないのか、納得できると思います。

商品や配信作品の収録内容には、ディレクターズカット本編の有無が示されています。「別エンディング収録」だけでは、ディレクターズカット本編まで入っているとは限りません。

たとえば、国内DVDの『バタフライ・エフェクト プレミアムエディション』(品番GNBF-7240)には、ディレクターズカット本編と別エンディングの特典が含まれます。国内DVDの収録内容は、商品の品番によって異なります。

特典の名前を読み飛ばして買い直すのは避けたいところです。映画の人生はやり直せても、こちらのDVD代まで戻ってはきませんからね。

FAQ

劇場版では、エヴァンは自殺しないのですか?

途中の改変後に自殺を図る場面はありますが、トミーに助けられます。劇場版の結末には、生きている成人後のエヴァンが登場します。

日記を燃やすと、時間を戻す能力もなくなりますか?

燃やすのは、過去の出来事へ戻るために使った記録です。

ラストでケイリーが振り返るのは、エヴァンを覚えているから?

見覚えや親しみを感じたようにも受け取れますが、改変された過去のどこまでを知っているかは、映像だけでは分からないでしょう。

ディレクターズカットだけが本当の結末ですか?

胎内のラストは監督・脚本家が当初考えていたもので、劇場公開に向けて別の結末が用意されました。それぞれ完成した版の終わりなので、劇場版を観た人の記憶が間違っている、という話ではないんです。

まとめ

ケイリーと結ばれる現在、レニーが罪を犯した現在、友人たちが笑う一方で母が病気になった現在。エヴァンはどれも受け入れられず、過去へ戻り続けました。

その果てに、劇場版は愛する人との接点を消して生きる道を選び、ディレクターズカットは自分の誕生を取り消します。彼女を助けたいという気持ちは共通でも、エヴァンに残る時間が違うんですね。

街で振り返り、声をかけず、それぞれ歩き去る二人と、エヴァンのいない世界で結婚したケイリー。どちらも救われた姿があるのに、素直に喜びきれない。その後味まで含めて、忘れにくい映画です。

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