空港でジョンフが撃たれて倒れる最終回、あれは心臓に悪いですよね。
最終回の結末ネタバレです。『ヒーラー~最高の恋人~』は2014~2015年の韓国ドラマで、全20話です。
ジョンフは生き残り、ヨンシンとの恋はハッピーエンドを迎えます。ただ、最後の反撃までには、父たちを襲った事件と、彼自身に着せられた殺人の罪という厄介な問題がありました。
恋の始まりは、ヨンシンを探す仕事だった
ソ・ジョンフは、ハッカーのミンジャと組む闇の便利屋「ヒーラー」。人目を避けて仕事をこなし、お金をためて南太平洋の島で一人暮らしをするのが夢でした。
そこへスター記者キム・ムンホから、チェ・ヨンシンを探す依頼が届きます。ヨンシンはインターネット新聞「サムデーニュース」の記者です。ムンホはDNA鑑定で、長年探していた少女ジアンだと確かめました。
次の依頼は、ヨンシンの夢を調べること。ジョンフは新人記者パク・ボンスを装い、彼女の職場へ潜り込みます。依頼を受けた時点では、これが自分の家族の過去まで掘り返す仕事になるとは思っていなかったでしょうね。
気弱な後輩と、窮地を救う男が同じ人
ヨンシンは頼りなさそうなボンスの世話を焼き、危ないときに助けてくれるヒーラーに心を寄せます。ジョンフは後輩の顔で、彼女から自分への恋心を聞かされる立場になりました。本人を相手に恋愛相談。秘密を守るにも、これはなかなかの我慢大会ですよね。
やがてヨンシンは、ボンスがヒーラーだと気づきます。彼が師匠を失って部屋に閉じこもると、自ら居場所を探して会いに行きました。追い返そうとするジョンフを抱きしめ、そばに残ると決めたのがヨンシンです。
師匠ヨンジェの死が、報道による反撃につながる
ジョンフに仕事の技を教えたキ・ヨンジェは、彼を守るためにヒーラーを名乗って捕まります。そのヨンジェが、警察の取り調べ中に毒殺されました。
ジョンフは怒りと悲しみで追い詰められますが、ムンホやミンジャと協力して犯人の刑事の家を調べ、毒とつながりを示す証拠を集めます。刑事の逮捕は生中継され、ムンシクの秘書との関係も公になりました。隠れていた加害者に、カメラが向いたんです。
ヨンシンの本名はジアン――父たちを引き裂いた1992年の事件

ヨンシンの実父はオ・ギルハン、実母はチェ・ミョンヒです。ジョンフの父ソ・ジュンソクを含む昔の仲間たちは、若いころに海賊放送をしていました。ジョンフの師匠ヨンジェも、その一人だったんです。
現在の大新聞社会長キム・ムンシクはムンホの兄で、かつての仲間でもあります。そしてギルハンを失ったミョンヒの夫になっていました。ムンホも幼い二人を知る一人です。
ギルハンを殺したのは御大側の手下、ジュンソクは目撃者
1992年、ギルハンとジュンソクは権力者たちの不正を追っていました。ムンシクが車を出し、三人で取材へ向かった先で、ギルハンは相手の手下に殺されます。ジュンソクはその現場を目撃し、警察で事情を話しました。
ところがムンシクは、ジュンソクがギルハンを殺したと偽証しました。ジュンソクは汚名を着せられたまま亡くなり、ジョンフは父の真相を知らずに育ちます。
背後にいるのが、政財界や報道に影響力を持つ「御大」。オメガホールディングスを率い、ムンシクたちを従わせる黒幕でした。取材する側の命を奪い、その死の説明まで都合よく変える。腹が立つにも、ほどがあります。
後半で見つかるジュンソクの取り調べの録音は、彼が目撃者として話していたことを裏づけます。ムンホは過去の真相を放送し、ジョンフも御大の顔を生中継で公にしました。
ミョンヒが娘を手放したのは、追手から守るためだった
事件のころ、ミョンヒは幼いジアンを連れて逃げ、追手から隠すために娘を置いて離れます。母娘はそのまま生き別れになりました。
ジアンは養護施設や養子先を経て、チェ・チスに迎えられ、ヨンシンとして育ちます。幼いころの暴力の記憶が残り、目の前で暴力が起こると呼吸が苦しくなるのも、彼女の過去と結びついているんです。
一方、ミョンヒには娘が死んだという話が届いていました。ムンシクは娘の消息を隠し、その嘘を抱えたままミョンヒと暮らし続けます。母が娘を思って過ごした年月まで、彼の都合で奪われていたのでした。
第19話の偽りの自白で、ジョンフまで殺人犯にされる
御大は、告発を進めるムンホたちに報復します。第19話ではムンホとヨンシンを捕らえ、二人の命を脅しに使いました。ジョンフはパク・ドンチョルを殺したという、虚偽の自白をカメラの前でさせられます。
御大はその動画を握り、従えば大切な人たちを守ると持ちかけます。人質を用意してからの勧誘なんて、断る自由を最初から潰していますよね。
ジョンフはヨンシンを救い出したあと、偽りの自白と脅迫について彼女に話します。真犯人を突き止めるため、御大の手下たちの指紋を採取しました。ところが凶器の鉄パイプから指紋が取れず、照合による潔白の証明は行き詰まります。
自白動画は警察にも渡り、身柄を追われる危険が迫っていました。ヨンシンは、御大を捕まえる道を探し、それでも追い詰められたら一緒に逃げると申し出ます。家族や仕事がある彼女から出る言葉なので、その覚悟が重いんです。
最終回の冒頭には、御大の手下がヨンシンの家まで襲ってきます。ジョンフは縛られたチスたちとヨンシンを救い、養父にも素性と事情を説明しました。恋人だけを守って逃げ切るにも、周りの人まで狙われる状況になっていたのでした。
最終回の空港作戦――細菌研究を告発する女性を守る

反撃の手がかりは、細菌研究と村の被害をめぐる動画、そして生化学者キム・ジェユンです。ジョンフは御大の仕事を受けるふりをして内側へ入り、ヨンシン、ムンホ、ミンジャと秘密裏に連携します。
ジェユンが持ち込むサンプルと、村を襲った実験
ジェユンは細菌のサンプルと研究記録を携えて来韓し、空港でムンホたちと会うことになっていました。御大側はジョンフにサンプルの回収を命じ、彼女を始末する殺し屋も送り込みます。
ムンホが手下たちの注意を引きつける間、ヨンシンは女子トイレでジェユンと合流します。サンプルとUSBメモリーを受け取り、生放送のインタビューを始めました。ミンジャは通信を支え、ユン刑事にも実験の動画を示して空港への協力を取りつけています。
ジェユンが明かすのは、毒性を強めた細菌で水を汚染する実験です。村の被害を利用し、水の管理を民間企業に任せたほうがよいと人々に思わせるのが狙いでした。住民の恐怖を商売につなげる計画だったんです。
ジョンフが情報提供者を連れ出すのも、証拠を撮らせるため
手下たちが放送に気づくと、ジョンフはジェユンをトイレから連れ出し、サンプルをアンに渡します。その様子をヨンシンのカメラに撮らせました。御大の命令に従っているように振る舞いながら、敵が動く姿を記録していくわけです。
そこへユン刑事たちが入り、御大側の手下との間で騒ぎになります。逃げ出したジェユンの先には、殺し屋がいました。ジョンフが銃を向けた直後、ユン刑事の銃声が響き、彼は血を流して倒れます。
その後、アンや警備会社の手下たちは逮捕されます。さらにテレビの報道では、御大が殺し屋を雇った件と、実験を行った科学者に会っていた動画が結びつきました。研究の告発と空港での襲撃が公になり、御大側が隠してきた犯罪を追及する足場ができたんです。
ジョンフはなぜ死を偽装した?

空港の銃撃は、ユン刑事やムンホと示し合わせた偽装でした。あの銃声のあとに事情を知ると、やっと大きく息を吐けます!
ミンジャは、追跡資料に使われるジョンフの顔写真を別人のものへ差し替えます。ニュースに出る死亡者の顔も、その写真でした。この偽装で、殺人犯を追う捜査の対象から自分を外し、日常へ戻る道を作ったのです。
母娘の再会、ムンシクの崩壊、屋上でのキス

ミョンヒは夫の嘘を知り、娘のもとへ行く
ミョンヒはムンシクの書斎の会話を聞き、ジアンの生存を隠されていたと知ります。夫に別れを告げ、娘を探すために家を離れました。
最終回では、ムンホに連れられてヨンシンのもとを訪ね、母娘として再会します。チスは育ててきた娘のアルバムを見せ、ミョンヒはその写真を見つめました。会えなかったころの娘を、育ての父が一枚ずつ教えてくれるんです。こういう場面には、先にティッシュを出しておきたくなりますね。
ムンシクは酒に溺れ、ギルハンを名乗る
ミョンヒが去ったあと、ジョンフが訪ねたムンシクは酔い、昔の仲間と話しているように振る舞います。ついには自分をギルハンだと名乗りました。
ミョンヒの夫の座も、友を裏切って手にした地位もあるのに、心は殺された友人の姿へ逃げ込んでしまう。私には、彼が自分の人生を受け止めきれなくなった場面に感じられます。
ヨンシンは取材、ジョンフは撮影をする日常へ
事件のあとは、ヨンシンが取材をし、ジョンフが撮影をする仕事仲間としての日々が始まりました。
夜の屋上では、二人が寄り添い、キスを交わします。ヨンシンが挙げる好きなものには、彼のシャッターの音や大きな手、笑顔がありました。派手な反撃を終えたあとに、こんな小さな好きを並べる終わり方、私は好きです。
DVDは全20話と全26話で、最終回の番号が違う
日本のセルDVDは全20話、レンタルDVDは全26話です。収録を分ける長さが違うため、同じ終幕でも話番号がずれます。セルDVDのBOX2は、完結までの第11~20話を収めたセットです。
終盤をもう一度観たくなったとき、DVDのBOX名や収録話は『ヒーラー~最高の恋人~』公式作品ページで確かめられます。
日本版予告で、チ・チャンウクの二つの顔を楽しむ
日本版の予告は、シネマートの公式YouTubeチャンネルで公開されています。ジョンフを演じるのはチ・チャンウクです。完走後に気弱なボンスの芝居を思い返すと、ついにやにやしてしまいますね。
『ヒーラー~最高の恋人~』日本版予告編です。
FAQ
空港で死亡したと報道される名前は?
「パク・ボンス」です。ジョンフが職場への潜入に使った名前を、死亡した襲撃者の名前として報道に載せています。
サムデーニュースを買い取ったのは誰?
ムンホがビルごと買い取り、オーナーになりました。ヨンシンの憧れの記者が、彼女の職場で直接、取材を支えるようになる転機です。
脚本を書いたのは誰?
『砂時計』『シンイ-信義-』などを手がけたソン・ジナです。演出はイ・ジョンソプとキム・ジヌが担当しています。
まとめ
『ヒーラー』の最終回には、秘密を守るための嘘と、人を傷つけてきた嘘、それぞれの行き着く先があります。私は、甘い恋愛場面のあとにも親世代の痛みが残るところに、このドラマの味を感じました。胸がきゅんとして、腹も立つ。ずいぶん忙しい一本でしたね。