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俺の家の話最終回ネタバレ|寿一の結末は?最後のマスクの意味は?

俺の家の話最終回ネタバレ|寿一の結末は?最後のマスクの意味は?

父をお風呂に入れるときは頼もしいのに、能の稽古では父に頭が上がらない寿一。風呂場と稽古場で力関係が逆転する、あの親子が忘れられません。

『俺の家の話』は、宮藤官九郎脚本による2021年のTBSドラマ、全10話です。

最終回の結末までネタバレあり。試合中の事故と家族の死別の話題にもご注意ください。

最終回で寿一に何が起きた?

寿一は2021年12月31日のプロレス引退試合で事故に遭い、亡くなっています。42歳でした。2022年の正月にも元気そうに家族と過ごしていた寿一は、すでに死者だったんです。

対する父・寿三郎は、3度目の脳梗塞による危篤から回復しました。寿一がスーパー世阿弥マシンの姿で呼びかけ、父が応じたあの時間の後に、大みそかの試合が来ます。

親を送るために帰ってきた息子を、親が先に送る。しんどい逆転です。けれど、その別れには、幼い寿一がずっと欲しかった父の言葉も待っていました。

帰郷から家族旅行まで、寿一が引き受けたもの

寿一が担う介護と能とプロレス

父の危篤で戻ると、介護と相続の話が始まる

観山寿一は、ブリザード寿の名で活動するプロレスラーでした。父は能楽の人間国宝で、観山流二十七世宗家の観山寿三郎。幼い寿一は才能を期待されながら、父に褒めてもらえず、その寂しさを抱えて育ちます。

母の死後に家を出て、20年以上がたったころ、父の危篤の知らせで帰郷。久しぶりに会った妹の舞と弟の踊介が遺産の話をするので、寿一は腹を立てました。ところが、2人は父が以前倒れたときから、その老いと向き合ってきたんですよね。

寿一がプロレスを引退して家を継ぐと決めると、寿三郎は退院し、介護ヘルパーの志田さくらとの婚約と、全遺産を彼女に譲る意向を発表します。帰省早々、家族会議の議題が多すぎる!

さくらへの疑いも膨らむなか、寿一は父の入浴や食事の世話を始めました。相続の取り分より先に、目の前の父の暮らしがある。その毎日に、家を離れていた時間を埋めようとする息子の気持ちがにじみます。

覆面で復帰した寿一と、出生を知った寿限無

寿一はさくらへの借金を返すために一度リングへ上がり、その留守中に寿三郎が転倒してしまいます。謝る寿一のそばで、父が残りの人生で望むことを書いたエンディングノート作りが進みました。

やがて寿一は、スーパー世阿弥マシンという覆面レスラーとして本格復帰。能の稽古と介護に、プロレスまで加わる生活になります。普通の手帳なら、予定を書く欄が先になくなりそうです。

そのノートにある寿限無への「おとしまえ」は、家族の大きな秘密につながります。能を学ぶために家に入った芸養子の寿限無は、寿三郎と元女中の栄枝の実の息子でした。寿一とは母の違う兄弟です。

家に残って能を支えてきた寿限無は、長い間知らされなかった事実に傷つき、遅い反抗期を迎えました。寿一は彼をリングへ連れ出し、その怒りを自分の体で受け止めます。兄弟だと分かっても、寿限無の積もった悔しさには、それだけの時間がかかっていたんです。

秀生と大州は、それぞれ好きなものへ向かう

寿一の息子・秀生は、両親の離婚後、母のユカと暮らしていました。学習障害と診断され、学校になじめずにいる一方、能の稽古にはじっと集中できます。観山家は、秀生が得意なことを伸ばせる場所になっていきました。

舞の息子・大州は、能よりダンスに夢中。稽古で秀生と比べられる大州に、家を飛び出したころの寿一が重なります。家業を受け継ぐ子と、自分の好きな道へ進む子。その両方が、この家にはいるんですよね。

25年ぶりの家族旅行でも、寿三郎は昔の恋人たちに謝りたいと言い出し、寄り道が続きます。子どもたちの前で昔の恋の後始末まで始めるとは、父、自由すぎます。

それでも、帰りの車は行きと違って大合唱に。旅行中に残した家族写真は、後に寿一の遺影になります。家族で出かけた楽しい日の顔が、最後に彼を送る顔になるのがつらいところです。

さくらとの恋と、観山家の介護が行き詰まるまで

寿一とさくらは結婚を約束する

スーパー世阿弥マシンの正体に気づいたさくらは、寿一に惹かれていきます。家族旅行のころには好意を告げ、寿一に返事を求めるようになりました。

踊介もさくらを好きなので、寿一はすんなり応じられずにいましたが、やがて自分の気持ちを伝え、2人は結婚を約束します。さくらは、寿三郎から財産を譲ると言われても断りました。

ただ、寿一の頭は能とプロレスでいっぱい。恋人として近づきたいさくらとの間には、もどかしい距離ができます。家族のためなら即座に動く人なのに、2人の関係はなかなか進まない。さくらが腹を立てるのも分かるんです。

家族が離れ、寿三郎はグループホームへ入る

寿一はアキレス腱を断裂し、父と息子がそろって車椅子で暮らす時期を迎えます。舞は夫の不倫や、観山家で娘として育った不満を抱え、踊介は兄とさくらの関係を知って家から遠ざかりました。

寿限無も、父から入浴の世話について拒まれ、家を出てしまいます。手を動かす人が減るなか、寿三郎の認知症は進み、長く身につけてきた能の謡も思い出せなくなっていきました。

寿一は父への感謝と、さくらとの結婚の意思をビデオメッセージに残します。それを見た寿三郎は、グループホームへの入所を受け入れました。送り届けた帰り、寿一は涙をこらえきれません。父の世話を引き受けると決めたときの勢いだけでは、越えられない日が来たんですよね。

同じころ、ユカは新しいパートナーの子を出産し、寿一は病院へ駆けつけます。元夫という立場になっても、真っ先に体が動くんですよね。

帰ってきた父のために、家族がもう一度集まる

半年後、寿限無は自分には能があると気づき、観山家へ戻ります。寿一たちはプロレスの慰問でホームを訪れ、楽しそうな寿三郎に会いました。

一方、分家当主の観山万寿は、プロレスも続ける寿一が宗家を継ぐことに異議を唱えます。

その後、家に戻った寿三郎が再び脳梗塞で倒れ、在宅で最期を迎えようとする父のもとへ、離れていた家族や弟子たちが集まります。寿一は覆面をかぶって呼びかけ、寿三郎はさんたまプロレスの掛け声に応じました。

寿一は能に向かうため、スーパー世阿弥マシンとしても引退試合へ。家族を呼び戻した彼自身の暮らしが、ようやく落ち着きそうに思えたところでした。

新春能楽会の「隅田川」で父と息子が向き合う

隅田川を演じる寿限無と秀生、謡う寿三郎

食卓と稽古場の小さな違和感

2022年1月15日、寿三郎は寿一と話しながら食卓を囲みます。ところが、さくらが配るアイスは寿一の分だけ足りず、稽古中には寿限無が明かりを消してしまう。家族のやりとりが、少しずつかみ合いません。

舞たちは、父が危篤のときに介護から解放されるかもしれないとほっとした気持ちも打ち明けます。父を大事に思いながら、世話には疲れてしまう。愚痴も交わしながら介護を続けようと話したのでした。

毎日の世話には、そんな会話のできる相手も欲しいですよね。

迎えた新春能楽会で、寿三郎が長男の出演を告げると会場はざわつきました。母親役の装束を着ているのは寿限無で、息子役の秀生は涙をこらえています。寿一を探す父に、さくらが彼の死を告げました。

稽古場で寿限無が声をかけていた先には寿一の祭壇がありました。寿三郎が見ていた息子と、ほかの家族が送っていた日々。その食い違いが、一つずつつながります。

寿一の葬儀には、本人が父のために考えていた段取りが使われました。祭壇に覆面や衣装が並び、弔辞は話したい人が話す形で、だんだん収拾がつかなくなります。泣いている最中に、いつもの観山家の調子が戻ってくるのが困るんです。

子を失った母の物語を、寿三郎が生きる

能の「隅田川」は、さらわれた息子を探す母が、その子の死を知る物語です。墓の前で供養をすると、亡き息子の声と姿に接し、夜明けには再び別れが訪れます。

舞台では寿限無が母を、秀生が亡き子を演じ、寿三郎も謡を担っています。その傍らに、父の入浴を手伝うときの格好をした寿一が現れました。いつもの息子の姿なのに、父はそこで死別と向き合うことになります。

以前、父子は「隅田川」で子どもの亡霊を舞台に出すかという話をしていました。寿一は、息子の立場なら親に会いに行きたいと答えています。父と息子が交わしたあの会話を、新春能楽会では2人自身が生きるんです。

父がようやく寿一を「人間家宝」と認める

寿三郎は、ほかの人の分まで戦い、舞い、家族を笑顔にしてきた寿一をたたえます。能の成績を越えて、観山家にとっての「人間家宝」として息子を認める言葉でした。

幼いころから欲しかった称賛を受けた寿一は、うれしさと寂しさの混じった顔をします。父は、褒めると終わってしまうから褒めずにいたのだと打ち明けました。

子どもには、褒めてほしい瞬間があるんですよね。大人が次の成長を期待しているうちに、その一言を待つ時間だけが長くなる。ここは、私も親のほうの胸が痛くなりました。

寿三郎が、これからは家族で息子の分まで泣いたり笑ったりすると約束すると、寿一は姿を消します。舞台の秀生が演じる子どもの別れと、父子の別れが重なる幕切れでした。

さくらの墓参りから、家族それぞれの後日談へ

さくらと踊介、寿限無、舞と秀生、大州の後日談

遺言の後継者と、さくらに託した家族

舞、踊介、寿限無は、父のことに追われて兄の死を十分に悲しめずにいた思いを話し、ようやく涙を流します。

2022年4月、墓参りに来たさくらは、寿三郎の遺言で次の宗家に指名されていたのが寿一だったと知らせます。遺言には、資産を寿一・寿限無・舞・踊介で均等に分け、さくらには謝礼を渡す意向もありました。

そこにスーパー世阿弥マシン姿の寿一が現れ、さくらを抱き上げます。さくらは以前のきつい言葉を悔やみ、本当は大好きだと伝え、2人はキスを交わしました。

寿一は父が最期を迎えるまでそばにいてほしいと頼み、観山家をさくらに託します。会いたかった恋人を前にしても、彼の心配は家族へ向かっていたんです。

さくらは踊介と結婚し、能は寿限無と秀生へ続く

さくらが後に結婚する相手は、寿一の弟・踊介です。近くにいても遠くにいても印象が変わらない、ちょうどいい相手として彼を選びました。

寿一の語りには、家を頼んだつもりが弟との結婚になったことへの不満も混じります。あれほど人の幸せを願う人が、ここではちゃんと面白くない顔をする。急に立派すぎる人にならないのが、好きなんですよね。

後日談の語りは、その先の年月にも進みます。寿三郎は支えを受けながら最期まで能の謡を続け、その死後、寿限無が二十八世宗家を継ぎました。いずれは秀生が二十九世を継ぐ、とさらに先の未来も語られるんです。

舞は秀生を支え、大州はにぎやかな父親になる

舞は学習支援サポーターの資格を取り、公立中学へ進んだ秀生の勉強を教えるようになります。家の中で抱えていた不満を口にした舞が、今度は甥の学びを支える人になるんです。

大州は大学へ進み、結婚して双子の父に。ホストの仕事で生活を支えながら8年かけて卒業し、やがて父の名を継ぐ二代目O.S.Dとして、育児もラーメンも発信するYouTuberになります。

双子を育て、働き、大学にも通う。卒業証書を受け取るころには、入学した日の自分に話すことが山ほどありそうですね。

日々の食卓では、家族が寿一の食事前の挨拶を録画した動画に合わせて手を合わせます。大きな別れの後にも、ご飯を食べる時間が来る。寿一の声を交えて続く食卓が、たまらなく生活そのものに感じられました。

最後のリングと、残されたマスクは何を意味する?

追悼興行からリングにマスクが残るまで

追悼興行ではプリティ原が二代目を継ぐ

さんたまプロレスでは、プリティ原がスーパー世阿弥マシン二代目になります。寿一をしのぶ興行で、その二代目がリングへ上がりました。

すると長州力が、寿一がいると気づきます。本人もまたリングへ出たくなって現れ、止めようとする長州力を倒して、世阿弥のポーズを決めるんです。最後まで、そこで張り合うんですね!

寿一の姿が消えた後、リングにはマスクが残ります。

考察:息子とレスラー、2つの居場所に別れを告げる

私には、あのマスクは、寿一が自分で選んだ人生を最後までやりきった印に見えます。家を飛び出して選んだプロレスも、帰郷して引き受けた能と介護も、彼を形作ってきた時間でした。

能には寿限無と秀生がいて、リングにはプリティ原がいる。寿一が抱えていた役目を、残る人たちがそれぞれ担っていくのでしょう。

食卓の動画も含めて考えると、この結末には、人を失ってからもその人との習慣を続けられる、という慰めを感じます。大げさな記念日より、ご飯の前の一声のほうが、ふと会いたくなることってありますよね。

数の子の回想と、寿一の姿で気をつけたいこと

数の子を譲った日の話は、父の後悔につながる

寿三郎は墓参りの帰り、青信号が続き、藤田ニコルにも会い、スクラッチで5万円まで当たります。いいことが続きすぎるのが怖くなり、帰宅後に松前漬けの数の子一本を寿一へ譲りました。

寿三郎は、幸運が続いた自分の身代わりを寿一が引き受けたのかと、自分を責めます。私はこの回想に、あの日の数の子一本まで思い返してしまう、残された父の苦しさを感じました。

考察:亡霊との再会をどう受け止める?

父の前に現れる寿一を、亡霊としての再会と受け止めることも、息子を失った父の思いや記憶に重ねることもできます。

その後にはさくらや長州力の前にも現れるため、私は、会いたい気持ちに応じて少しだけ戻ってこられる物語として受け止めました。

もう一度味わうなら、本編と最終話の音声解説

全編を手元に置く選択肢には、『俺の家の話』Blu-ray BOXもあります。特典音声は、西田敏行・宮藤官九郎・磯山晶による最終話のオーディオコメンタリー。本編を見終えてから制作の話も聞きたい人には、気になる特典でしょう。

FAQ

最終回はいつ放送されましたか?

最終話の放送日は2021年3月26日でした。年末の試合や翌年の正月は、ドラマの中の日付に当たります。

原作小説はありますか?

宮藤官九郎によるオリジナル脚本のドラマです。

観山流は実在しますか?

観山家が継ぐ観山流は、ドラマの架空の流派です。実在する能の演目を通して、この家独自の親子やきょうだいの関係が語られます。

まとめ

寿一が望んだのは、家の中で誰かが困っていたら、自分の体を使って助ける暮らしだったのだと思います。それを十分すぎるほど見た後なので、家族が彼の不在を抱えて生きていく姿は、寂しくても温かいんですよね。

立派な人だけの家なら、観山家はこんなに忘れがたい家族にならなかったでしょう。勝手な父も、愚痴を言うきょうだいも、思うように動かない恋人もいる。そのにぎやかな家を好きだった寿一に、私もまた会いたくなりました。

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