姉と離れたくなくて、出航前の荷物に潜り込む妹シメア。『モアナと伝説の海2』は、こんな小さな抵抗が胸に残る冒険です。海の向こうへ進むモアナにも、家に残る妹にも、それぞれ切ない事情があるんですよね。
『モアナと伝説の海2』は2024年の長編アニメーション映画です。
結末と、クレジット途中の追加場面のネタバレがあります。
モアナが再び海へ出るのは、島々の人々をつなぐため
モアナと新しい仲間たちが登場する、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ公式の英語版予告です。
タウタイの称号と、先祖が見せた故郷の未来
物語の舞台は、前作の冒険から3年後。モアナは故郷モトゥヌイの外にも人々が暮らしていると信じ、島々を探っていました。ある島で手にした古い土器には、人々の姿を思わせる模様があります。
故郷へ戻ったモアナは、優れた航海者をたたえる「タウタイ」の称号を授かります。タウタイは、人々を導く航海者として認められた称号です。このときのモアナは、人間の船乗りとして使命を引き受けました。
儀式の最中、モアナは先祖タウタイ・ヴァサの幻を見ます。かつて海の人々を結んでいた島モトゥフェトゥは、人間を憎む嵐の神ナロによって海底に沈められていたのです。島々をつなぐ海の道も失われ、人々は離れ離れになっていました。
ヴァサが見せるのは、孤立したまま人々が消えてしまったモトゥヌイの未来。モアナは、モトゥフェトゥを見つけて呪いを解くよう託されます。先祖自身もたどり着けなかった場所へ、今度は自分が向かうことになりました。
手がかりは、空を横切る炎のような彗星です。ほかの島の誰かに会いたいという願いに、故郷の未来まで懸かってきます。モアナの肩に乗る荷物、急に重くなりましたよね。
シメアとの別れと、個性の強い新しい船員たち
モアナは、遠い海を渡るための仲間を集めます。船に加わるのは、得意分野の違う3人でした。
| 仲間 | 航海で頼りになること |
|---|---|
| ロト | カヌーの設計や改造を得意とする船大工。危険な状況でも船を工夫します。 |
| モニ | 島の歴史や伝説に詳しく、絵で物語を表す青年。モアナとマウイの大ファンです。 |
| ケレ | 植物や農作物を知り尽くした年長者。食料を支える料理担当を務めます。 |
ブタのプアとニワトリのヘイヘイも乗船。進む船を改造したがるロト、英雄への憧れが止まらないモニ、陸の植物が恋しいケレと、船上は出発早々にぎやかです。モアナ、操船しながら全員の相手までしています!
旅立ちのつらさは、妹との時間に表れます。シメアは姉の帰りを心配し、モアナは海が自分たちの友達だと教えました。シメアが姉に渡す小さなヒトデは、故郷を思い出すための贈り物なんです。
カカモラとの遭遇が、マタンギのいる巨大な貝へつながる

コトゥが協力する理由は、カカモラも故郷へ帰りたいから
彗星を追う一行の前に、ココナッツのような姿のカカモラが現れます。攻撃されて捕まったモアナたちは、彼らもナロの呪いの被害を受けていると知りました。モトゥフェトゥが沈んで以来、カカモラは自分たちの島へ戻れずにいたのです。
モニが彼らの身ぶりや絵から事情を読み取り、双方の目的が重なります。モアナたちが海の道を取り戻せば、カカモラにも帰る道ができる。戦士コトゥの協力を得て、一行は航路をふさぐ巨大な貝に挑むことになりました。
貝を麻痺させようと奮闘するうち、モアナたちはその体内へ飲み込まれます。モアナは仲間とはぐれ、ロトたちは別の場所でマウイと遭遇。久しぶりの合流場所が巨大な貝の中とは、待ち合わせの難易度が高すぎます。
マタンギはナロの支配から抜け出したくて、モアナを助ける
マウイもモトゥフェトゥを探していましたが、ナロに仕えるマタンギに捕らわれていました。釣り針を取り上げられ、自由を奪われた状態です。モアナを巻き込めば命が危ないと考え、助けを求めるのを避けていたのでした。
一方のモアナは、コウモリを操るマタンギと対面します。マタンギ自身もナロに縛られ、巨大な貝から出られずにいたんです。モアナに呪いを破ってもらい、自分も自由になることが、マタンギの望みでした。
マタンギが教えるのは、行き詰まったときに別の道を探す発想。モアナは、見えている出口へ戻ることにこだわっていたところから、未知の方向へ身を任せる勇気を得ます。相手の登場の仕方はかなり怪しいのに、助言はしっかり役に立つんですよね。
モアナはマウイや船員たちと合流し、マタンギに導かれて「神々の道」を通ります。渦を抜けた先に広がるのは、これまでの航海よりはるかに危険な海でした。
怪物に追い込まれたモアナを、今度はマウイが励ます
ナロの領域では、モアナの友達である海の助けも届きません。海の怪物が襲い、カヌーは壊れ、モニまで危険にさらされます。マウイに救われた仲間たちは、傷んだ船とともに小さな島へ流れ着きました。
人々を救おうと進んできた自分が、目の前の仲間を死なせるかもしれない。モアナは責任の重さに押しつぶされそうになります。そんな彼女を立ち直らせたのがマウイです。
マウイはモアナの勇気や知恵を認め、歌と勢いで背中を押します。大きな声も自信たっぷりの態度もいつもどおりですが、今度は落ち込んだ相棒のためでした。モアナが自分を信じられないとき、マウイは彼女を信じているんですよね。
ロトたちが船を直し、嵐へ挑む準備が進みます。呪いを解く条件は、人間がモトゥフェトゥの地面に触れることです。マウイが釣り針で島を引き上げ、モアナが上陸する作戦になりました。
ナロは人間を狙って攻撃します。モアナたちの船が嵐を引きつけ、その間にマウイが島へ向かう。互いの仕事を信じて、離れて動く覚悟が問われる作戦です。
結末のネタバレ|モアナの死と、半神としての復活

マウイの力が奪われ、モアナは海底へ潜る
一行は巨大な波や竜巻をかわして嵐の中心へ迫ります。ところが、島を引き上げようとするマウイにナロの雷が直撃。体のタトゥーが消え、半神の力を奪われたマウイは海へ落ちてしまいました。
カヌーもひっくり返り、モアナたちは海上に投げ出されます。島を海面まで上げてもらう作戦は、ここで崩れました。迫る嵐の中、モアナは別の方法を思いつくんです。
島が海底にあるなら、自分がそこまで泳げばいい。マタンギに教わった発想を、自分の判断に変えた瞬間です。モアナは仲間にマウイの救助を託し、深い海へ飛び込みました。
雷が水中まで追いかけてくる中、モアナは沈んだモトゥフェトゥへ手を伸ばします。指先が地面に届いた直後、ナロの雷撃を受けたモアナは命を落としました。呪いが解け、嵐は晴れていきます。
マウイの祈りに先祖たちが集まり、モアナを呼び戻す
船員たちに救い上げられたマウイは、モアナが戻ってこないと気づき、海へ潜ります。海底で抱き留めたモアナは、力なく横たわっていました。力を失ったマウイにできるのは、彼女の命を願って歌うことです。
その祈りに、タウタイ・ヴァサや先祖たち、タラおばあちゃんが集まります。彼らの力がモアナを包み、再び命を吹き込む。モアナは半神として復活し、左腕に新しいタトゥーを得ます。
半神とは、マウイのように人間でありながら神の力も持つ存在です。モアナの腕には今回の偉業を表す模様が刻まれ、オールにも魔法の力が宿りました。
同じ場面で、マウイのタトゥーと力も戻ります。自慢のタトゥーを失ったときの痛々しさを思うと、小さなミニ・マウイの復活もうれしいんですよね。
モトゥフェトゥの浮上から、家族との再会と再出航へ

ホラ貝の呼び声に、ほかの島の航海者が応える
力を取り戻したマウイは、太陽にも縄をかけ、モトゥフェトゥを海から引き上げます。モアナも魔法のオールで海を進み、浮かび上がった島へたどり着きました。
モアナがホラ貝を吹くと、島から海へ道が伸びていきます。ほどなく別の船の呼び声が聞こえ、水平線の向こうから航海者たちが姿を現しました。孤独な呼びかけに返事が届く、この瞬間がうれしいんですよね。
カカモラも故郷へ戻る道を得て、コトゥたちは自分たちの島で再会を果たしました。
モアナが家へ連れて帰ったのは、新しく出会った人々
モトゥヌイでは、マウイがひと足先にシメアの前へ現れます。姉からの贈り物を受け取った妹の向こうに、モアナたちのカヌーが見えてきました。姉妹は駆け寄って抱き合い、両親もその輪に加わります。
モアナの後ろには、ほかの島から来たたくさんのカヌーが続いています。故郷へ人々を連れて帰ることで、モアナは島の孤立を終わらせました。お土産の規模が、ずいぶん大きくなりましたよね。
島では人々を迎える祝いが行われ、新しい交流が始まります。その後、モアナと仲間たちはふたたび出航し、マウイも合流。魔法のオールが海に進路を作り、カヌーはさらに遠くへ向かいました。
私は、この帰還を挟むラストが好きです。待つ家族の不安にも区切りがつくので、再出航の笑顔まで素直に喜べるんですよね。
ラストの追加場面|ナロ、マタンギ、タマトアはどうなった?
追加場面は、クレジットの途中に入る「ミッドクレジット」です。そこで待っているのは、モアナの成功に怒るナロでした。
雲の上で姿を現したナロは、モアナが自分の呪いを解いたことを責め、彼女を助けたマタンギを雷で拘束します。マタンギは役目を終えたとして解放を求めますが、ナロは彼女を支配下に置き続けます。
そこへ、巨大なカニのタマトアも登場。モアナとマウイに屈辱を味わわされた恨みがあり、自分も仕返しに加わりたがります。おどろおどろしいナロの場面に、妙に調子のいいカニが割り込んでくるんです。悪役側でも、全員の温度がそろいません。
考察:ナロが恐れる、人々のつながり
ナロにとって、人々が互いに行き来する未来は、自分の支配が弱まる未来でもある。私は、追加場面の怒りをそう受け取りました。
もう一度観るなら、二人の励まし方と船上の連携が面白い
マタンギがモアナへ歌う場面と、マウイが落ち込んだモアナへ歌う場面は、続けて思い返したくなります。道に迷ったとき、二人が彼女に渡す言葉や態度はずいぶん違うんです。マタンギの軽やかな誘いと、マウイの押し出しの強い励まし。どちらも相手の性格が出ています。
船上の連携も、再鑑賞で楽しめるところでしょう。前半は仲間同士のずれに笑えて、後半は同時に動く一人一人が気になります。モアナを追っていた目が、自然にカヌーの端まで忙しくなるんですよね。
本編は、公式の商品ラインナップにブルーレイ・DVDとデジタル購入・レンタルが並んでいます。ブルーレイには、シング・アロングやソング・セレクションも収録されています。
FAQ
日本語吹替のモアナとマウイは誰ですか?
モアナ役は屋比久知奈さん、マウイ役は尾上松也さんです。タラおばあちゃん役は夏木マリさんが務めています。
マタンギの歌の曲名と、日本語で歌う人は?
曲名は「迷え!」で、日本語版ではマタンギ役のソニンさんが歌います。声の表情までころころ変わるので、あの場面の印象が強いのも納得でした。
日本公開日はいつですか?
2024年12月6日です。
まとめ
『モアナと伝説の海2』で胸に残るのは、誰かの力を借りるたびに、モアナ自身の決断も試されるところです。助けが届くことと、自分で踏み出すことが一緒にある。勇敢な主人公を見ているうちに、そばにいる人たちまで好きになる冒険でした。