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ジョーカー(2019)ネタバレ|結末まで全部妄想?あの笑いの意味

ジョーカー(2019)ネタバレ|結末まで全部妄想?あの笑いの意味

ここからは映画『ジョーカー』(2019年)の全編・結末のネタバレです。劇場公開版は、トッド・フィリップスが監督し、ホアキン・フェニックスが主演しています。2024年の『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』は続編です。

暴徒の歓声に包まれたアーサー。その次に映るのが、施設の白い部屋です。観終わっても「どこまで本当だったの?」とリモコンを置けなくなる映画ですよね。

ソフィーとの交際は妄想ですが、映画全体が妄想だったという答えは本編で確定していません!物語は、アーサーがマレーを生放送で射殺し、暴動の中で喝采を浴びたあと、施設で面談を受ける場面へ移ります。最後に残るのは、笑いと血の足跡。そこへ至るまでに、彼は何を失い、誰を殺したのでしょうか。

アーサーの転落は、仕事と地下鉄の殺人から始まる

母との暮らしと、マレーに認められる空想

舞台は1981年のゴッサムです。アーサー・フレックは母ペニーと暮らし、ピエロの仕事で生活を支えながら、コメディアンを目指していました。笑わせたいのに、自分の笑いを止められない。楽しくなくても発作的に笑ってしまう症状があり、周囲とのやり取りがうまくいきません。

バスで子どもをあやしたときも、母親にとがめられると笑いが止まらなくなります。そこで差し出すのが、症状を説明するカードです。冗談を言う前に、笑っている理由を説明しなければならない。ピエロの化粧をしていても、本人はちっとも楽しそうではないんですよね。

家ではペニーと、人気司会者マレー・フランクリンの番組を観ていました。アーサーは、客席から呼ばれ、母を世話する自分をマレーが温かく認めてくれる場面を空想します。テレビの前ではまだ無名なのに、頭の中ではもう大歓迎のゲスト。後半の出演とは違い、これは彼が思い描く理想の番組です。

護身用の銃が、仕事を失う原因になる

街頭で看板を持つ仕事中、アーサーは少年たちに看板を奪われ、追いかけた路地で暴行を受けます。その話を聞いた同僚ランドルが渡したのは、護身用の拳銃でした。これが、後の殺人に使われる銃なんです。

ところが小児病院で子どもたちを楽しませている最中、ポケットから銃が落ちてしまいます。ランドルも上司に、自分が渡した事実を認めませんでした。アーサーは解雇され、収入を失うことに。親切に見えた申し出が、仕事も他人への信頼も壊していくのが嫌なところです。

逃げる3人目まで追いかけ、事件が街の怒りと結びつく

帰りの地下鉄で、ピエロ姿のアーサーは女性に絡む3人の男を目にします。笑いの発作を起こした彼へ、男たちの標的が変わりました。殴られたアーサーは銃を抜き、2人を射殺。さらに逃げたもう1人を駅まで追い、撃ち殺します。

地下鉄の殺人は、襲われた場面だけでは終わりません。逃走する3人目を追って殺すところまで描かれます。そこを省くと、アーサーが自分で暴力を続ける選択をしたことが見えなくなるんです。事件のあと、彼はトイレに逃げ込み、やがて1人で踊り始めました。

殺されたのは、富豪で市長候補でもあるトーマス・ウェインの会社の社員です。街では事件が富裕層への反撃として受け取られ、ピエロの仮面を着けた人々が抗議に集まります。発端はアーサー個人への暴行でしたが、市民の怒りは貧富の格差へ。本人の名前が知られる前に、殺人ピエロの姿だけが支持を集めてしまいました。

さらに市の予算削減で、アーサーが受けていた福祉の面談も終わります。薬を受け取る支援も失いました。職場だけでなく、困ったときに話せる相手までいなくなる状況です。

ペニーの記録とソフィーの反応で、心の支えが崩れる

憧れのマレーに、失敗した舞台を笑われる

コメディクラブの舞台に立ったアーサーは、笑いの発作に邪魔され、思うように話せません。客席にはソフィー・デュモンドがいて、自分を応援してくれているように見えます。同じアパートに娘と暮らす隣人ですが、アーサーには恋人のような存在でした。

一方、ペニーは倒れて入院します。アーサーが病室で観たテレビには、クラブで失敗した自分の映像が流れていました。しかもマレーは、その姿を笑いのネタにするんです。空想の中では優しく認めてくれた人に、現実ではさらし者にされる。ここは、テレビを消したくなるほどきついですね。

その映像が反響を呼び、番組側から実際に出演の依頼が届きます。普通なら大喜びで出演日をメモするところでしょう。アーサーが呼ばれたきっかけは、コメディの成功ではなく、失敗を面白がられたことでした。

トーマスが父親だという手紙と、養子・虐待の記録

ペニーは、以前働いていたウェイン家に生活の援助を求める手紙を書き続けていました。アーサーがその手紙を読むと、トーマスとの間にできた息子が自分だという話が出てきます。富豪の隠し子なら、今の暮らしにも理由があるのでは。そう期待したくなる内容です。

アーサーはウェイン邸を訪ね、幼いブルースと出会いますが、執事アルフレッドにペニーの話を否定されました。その後、映画の上映会場でトーマス本人に接触しても、父親だとは認めてもらえません。逆に、ペニーには妄想があり、アーサーは養子だと告げられます。

納得できないアーサーは、アーカム州立病院でペニーの過去の資料を手に入れました。病院の資料は、ペニーが彼を養子に迎え、交際相手による幼少期の虐待を止めなかった過去を示します。

アーサーにとって、ペニーは自分が世話をする家族でした。その母が、子どもの自分を守らなかった。父親を求めて調べた先で、母への信頼まで失ってしまいます。

ソフィーは恋人ではなく、名前を知る程度の隣人だった

打ちのめされたアーサーは、ソフィーの部屋に入り込みます。けれど彼女は驚き、娘のことを気にしながら、帰ってほしいと頼みました。恋人を迎える反応ではありません。アーサーの名前を確かめるほど、2人は疎遠だったんです。

クラブで応援し、病院で寄り添ってくれたソフィーは、アーサーの想像でした。ここで崩れるのは、交際の思い込みです。ソフィーという人そのものは、同じ建物に住む隣人として存在しています。

「失恋したのか」と思う場面で、交際自体がなかったと分かる。気まずいどころの話ではありませんよね。アーサーが頼りにしていた親密さは、彼の頭の中にしかなかったのです。

アーサーは病室でペニーを殺す

ソフィーとの関係が崩れたあと、アーサーは入院中のペニーを訪ねます。自分の人生を悲劇だと思っていたが、今は喜劇だと感じるという趣旨を口にし、枕で母を窒息死させました。ペニーはここで、アーサーに殺されます。

虐待の記録を知ったことは、母への信頼を失うきっかけです。ただ、そこから殺害に至るのはアーサー自身の行動。つらい境遇を観てきたこちらも、この場面では彼を恐れることになります。

マレーを撃つ夜、ランドルは殺し、ゲイリーは帰す

ランドルは殺し、ゲイリーは帰す

同僚2人への扱いが違う理由

番組出演の準備をしているアーサーの家に、元同僚のランドルとゲイリーがやって来ました。ペニーの死を悼む訪問ですが、ランドルは地下鉄事件の捜査の話もします。アーサーは突然ランドルを襲い、刺して殺してしまうんです。

しかし、目の前の殺人におびえるゲイリーには帰ることを許します。職場で自分に優しかったのがゲイリーだったからです。銃を渡したあとに自分を見捨てたランドルと、傷つけなかったゲイリー。アーサーはその違いで、2人の生死を分けました。

私には、ここが彼の怖さをよく表す場面に見えます。まだ優しさを覚えているのに、すぐそばでは人を殺している。ゲイリーが助かったからといって、安心できる相手には戻らないんですよね。

刑事を振り切り、「ジョーカー」として生放送に出る

アーサーは緑の髪、白い化粧、赤いスーツで出かけ、階段を踊りながら下ります。追ってきた刑事2人から逃げ、ピエロの仮面を着けた人々で混雑する地下鉄へ。刑事が抗議者を撃つと車内の混乱が激しくなり、アーサーはその隙に逃れました。

スタジオでは、自分を「ジョーカー」と紹介してほしいとマレーに頼みます。マレーが失敗した舞台映像をからかったときに使った呼び名です。笑いものにされた名前を、今度は自分の名前として選ぶんです。

出演前の練習では、アーサーは銃を自分に向けています。この描写からは、生放送で自殺するつもりだったという解釈ができますが、実際の番組では他人へ銃を向けました。想像していた結末からも、さらに外れていきます。

アーサーは地下鉄の3人を殺したと告白し、自分のような人間は無視されるのに、裕福な被害者の死だけは大きく扱われると訴えます。マレーに対しても、失敗した自分を笑うために呼んだのだと怒りをぶつけました。討論の末、銃を抜いてマレーを射殺します。

本番でマレーに認められる夢は、司会者を生放送中に殺す結末へ変わります。憧れの相手に受け入れてもらいたかったアーサーが、相手を殺すことで注目を奪う。この変化は、やはり苦いですね。

結末は暴動と喝采、そのあと施設の白い部屋へ

連行と救出、歓声から白い部屋の面談へ

救急車がパトカーに衝突し、暴徒がアーサーを救い出す

マレー殺害のあと、アーサーは逮捕され、パトカーで連行されます。街では暴動が広がり、ピエロの仮面を着けた人々が暴れていました。そこへ暴徒の乗る救急車が突っ込み、パトカーが壊されるんです。

暴徒は車内のアーサーを引き出します。彼は車の上に立ち、周囲の歓声を受けて踊りました。口元の血を広げ、笑顔の形を作る姿が映ります。

ようやく人に認められた、と感じさせる光景です。ただし、彼をたたえているのは、殺人に熱狂する群衆。私には、アーサーの望みがかなったことと、そのかなえ方の恐ろしさが同時に見える場面でした。これでは素直に拍手できません!

ウェイン夫妻を殺すのは、別の暴徒

同じ夜、映画館から出たトーマス、妻マーサ、息子ブルースは、街の混乱を避けて路地へ逃れます。ところがピエロの仮面を着けた男が追い、夫妻を射殺しました。ブルースは目の前で両親を失い、その場に残されるんです。

2019年版でウェイン夫妻に銃を向けるのは、アーサーとは別の男です。地下鉄事件から広がった抗議と暴動が、ウェイン家の悲劇につながります。アーサーの行動は街を揺さぶりましたが、夫妻の殺害を本人が実行する場面ではありません。

施設で笑ったアーサーは、血の足跡を残す

群衆に迎えられる場面から、映画は施設で面談するアーサーへ移ります。白い部屋で笑う彼に、面談相手が理由を尋ねました。アーサーは、思いついたジョークを相手には理解できないだろうと返すんです。

このやり取りの途中には、亡くなった両親のそばに立つブルースの映像が挟まります。そのあと、アーサーが歩く廊下に残る血の足跡。最後は、職員に追われて廊下を走る姿で終わりました。

群衆の中からいつ、どう施設へ戻されたかは、本編では描かれていない部分です。あの歓声で終わったと思わせて、まだ不穏な笑いを残すんですよね。

どこまでが妄想?明かされた場面と、全編を疑う説

明かされた空想と未確定の全編妄想説

マレーとの温かい対話とソフィーとの交際は空想

妄想かどうかを考えるとき、まず分かるのは、序盤のマレーとの理想的な交流と、ソフィーとの恋愛関係です。前者はテレビを観るアーサーの空想として描かれ、後者はソフィーの部屋での反応によって覆されます。どちらも、自分を温かく受け入れてほしいという願いに結びついた場面でした。

ソフィーの反応は、「今は恋人と仲が悪い」という話ではありません。彼女はアーサーを親しい交際相手として扱っていないんです。母の病室まで付き添ってくれた女性が、現実には自分の名前を確かめる隣人だった。この落差で、観客もアーサーが見ていた親密さを疑うことになります。

「施設以外は全部妄想」は、ひとつの考察

全編妄想説は、施設にいるアーサーが、自分を大勢に認めさせる物語を空想したという考察です。序盤にも施設内のアーサーが短く映ることや、終盤の群衆の大歓迎が、彼の願望に重なることが根拠になります。こんなに都合よく人気者に?と疑いたくなる気持ちは分かるんですよね。

私は、事件の流れを追いながら、ところどころに本人の願望が混ざる物語として受け取りました。街の暴動を描いたあとに施設の場面を置くことで、最後までアーサーの話を全面的には信用できない感覚が残ります。別の受け取り方もできますが、2019年の本編だけに「全編妄想」という確定の答えはありません。

最後のジョークは、ブルースの不幸を笑っているのか

笑うアーサーと、両親を失ったブルースが続けて映るため、ブルースの悲劇を彼が喜劇として捉えている、という解釈ができます。親との関係に傷ついてきた自分と、親を失ったブルースを重ねた、とも考えられるでしょう。

ただ、ジョークの中身は言葉で説明されません。私は、他人の悲劇まで笑えるようになった怖さを感じました。笑っている本人しか答えを知らないなんて、最後まで厄介な人ですね。

注意したいのは、父親の正体と映らない生死

ペニーの手紙はトーマスを父親とし、トーマス本人はそれを否定しました。病院の資料でも、アーサーはペニーの養子とされます。物語の中で彼が突きつけられるのは、母が話していた家族像を崩す記録です。

一方、若いペニーの写真の裏には、笑顔を褒める文と「T.W.」の署名がありました。「写真があるから実父」「養子の記録は偽造」という話は、どちらも考察なんです。

ソフィー親子と面談相手の、その後の扱い

アーサーとの恋愛は架空で、ソフィー親子が殺されたかどうかは本編では不明です。

面談後の廊下の血が誰のものかという直接の説明はないんです。

アーサーの笑い方の変化と、ソフィーの反応

アーサーの表情と街の雰囲気を振り返る、ワーナー公式の本予告60秒です。

本編を見返すなら、ソフィーがクラブや病院にいる場面と、自宅に来たアーサーを恐れる場面を比べたいところです。彼が想像する「自分を分かってくれる人」と、隣人としての彼女では、距離がまるで違います。

もうひとつは、笑いの変化。バスや舞台で止められない笑いと、施設で自分から笑う姿を比べると、同じ笑顔でも受ける印象が変わるんですよね。ソフィーを殺したはずだ、すべて妄想だ、と最初から決めて観るより、映った反応を追いたくなります。

本編は約122分です。配信・ディスクの案内は2019年『ジョーカー』のワーナー公式作品ページにあります。見返す時間を取るなら、予告だけでは分からない会話の前後まで観たいですね。

よくある質問

2019年版の最後で、アーサーは死にますか?

この作品はアーサーの死では終わりません。終幕の廊下では職員から逃げているため、少なくとも最後に映る時点では生きています。その先の人生は、2019年版には描かれない部分です。

アーサーとブルースは兄弟ですか?

兄弟だという確定情報はありません。ペニーの主張を信じれば異母兄弟になりますが、トーマスの否定と養子の資料もあり、父親の謎は残りました。

『ダークナイト』のジョーカーと同じ人物ですか?

2019年のアーサーを、別の映画のジョーカーと同一人物として結びつける設定はありません。本作独自のゴッサムと人物関係を描く物語として受け取れます。

まとめ

家族を世話し、舞台で笑わせようとしていた男は、最後には殺人で群衆の喝采を得ます。母と元同僚を手にかけ、憧れた司会者まで撃つアーサー。誰かに認められたかった願いが、暴力による注目へ変わっていく結末でした。

交際の空想は明かされても、全編の真偽を解く答えまでは出ません。白い部屋の笑い、ブルースの姿、廊下の血。それぞれを見せたまま説明を残さないから、観終わってからもあの笑いが気になるんですよね。

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