結末と人物の正体、途中で分岐するバッドエンドまでネタバレがあります。『メタファー:リファンタジオ』は2024年発売のRPGです。
眠っている王子を助けるはずの旅で、主人公が王子自身になる。『メタファー:リファンタジオ』の終盤は、このひっくり返り方が強烈です。
結論からいうと、王子の身体はいったん命を失い、王子の願いから生まれた主人公と一つになることで生を取り戻します。その主人公がルイを倒し、ユークロニア連合王国の新王に即位する結末です。
即位から1年後も差別や貧困が残り、主人公は仲間たちと再び旅へ出ます。あの長い旅は、王になるための旅から、王として人々の暮らしに向き合う旅へ変わるんですね。
国王を殺したルイと、王子を呪った人物は誰?

物語の発端は、国王ユトロダイウス5世の暗殺です。手を下したのは国軍将校のルイ。王子も死んだと世間では信じられており、王国は後継者を失った状態になります。
実際の王子は、茨の呪いで長く眠り続けていました。エルダ族の主人公と妖精ガリカの目的は、その王子を救うことです。呪いをかけた術者が死ねば解けるため、二人は犯人だと考えていたルイの暗殺を目指します。
国王を殺したのはルイ、王子に呪いをかけたのはレラ。その命令を出した黒幕がフォーデンです。この違いが、歌劇場での暗殺計画を大きく狂わせます。
葬儀で始まった選挙と、グライアスの死
国王の葬儀で発動するのが、死んだ王の仕込んだ「王の魔法」です。英雄の日までに国民から最も支持された者が、次の王になる資格を得る。出自を問わず支持を競わせる、巨大な王位争奪戦が始まります。
宮殿が空へ浮かび、王の顔が国中を見下ろす光景は、選挙の開幕としては規模が大きすぎます。街頭演説の看板より先に、空の王様が目に入る国ですからね。
さらに王の魔法は、有力候補者を不当な攻撃から守ります。仲間のグライアスは葬儀でルイを襲いますが、魔法に阻まれ、ルイに殺されてしまう。正面から刃を向ける計画は、ここで破綻しました。
主人公はストロール、王子の元近衛騎士ヒュルケンベルグと行動し、王都の大聖堂でルイの部下ゾルバを倒します。そこで倒れたゾルバは生き延びており、後に再び主人公たちの前へ姿を現す人物です。
国教・惺教の大教主フォーデンは、支持を集めるための催しとして王権競技会を開催します。王の魔法による支持争いが国全体の仕組みで、王権競技会はその中で候補者が実績を競う催し。主人公たちは競技会で名を上げ、ルイに近づく方針へ切り替えます。
王位争いと旅の雰囲気が分かる、アトラス公式のストーリートレーラーです。
マルティラの誘拐事件で、ハイザメが仲間になる
最初の大きな実績になるのが、マルティラの子どもたちの誘拐事件です。犯人扱いされたハイザメは、息子を失った元騎士でした。主人公たちが追ううちに、街の権力者である司祭ジョアンナの罪が明らかになります。
ジョアンナは混血の息子を種族差別によって殺され、その喪失から怪物のニンゲンを自分の子のように扱っていました。さらった子どもたちを、その怪物に食べさせていたのです。
同じく子を失ったハイザメが彼女の悲しみに向き合い、罪を認めるよう促します。ジョアンナは公衆の前で告白し、処刑される結末を迎えました。主人公たちの功績は広まり、ハイザメも旅に加わります。
子を失った痛みと、さらに別の子を犠牲にする行為が同じ人物の中にある。つらい事件ですが、差別が被害者を生み、その傷が新しい被害へつながる流れがはっきりしています。
呪いの設計図と竜神の槍――ルイ暗殺計画が崩れるまで
ジュナとユーファが加わり、古い世界の痕跡に触れる
主人公たちはルイのもとへ入り込み、王子の呪いに関する設計図を盗み出します。この時に協力する歌姫ジュナも、王子を救う側の人間でした。設計図を入手した後も、術者を倒して呪いを解く方針は続きます。
競技会の次の課題は神器の獲得です。ルイの部下フィデリオとバジリオの兄弟も同行し、一行はビルガ島へ向かいます。そこで出会う巫女ユーファは、島を守るための生贄になる覚悟をしていました。
神殿で待っていた竜神は、怪物のニンゲンに取り憑かれていました。そして本来の巫女の役目は、島の人々とともに災いと戦うことだったのです。ユーファはその教えを知り、主人公たちと怪物を倒して旅に加わります。誰かのために死ぬつもりだった人が、生きて誰かを助ける側へ移るんですね。
島の神殿に眠るのは、古い新宿の痕跡を残す「辰祝ノ都」。剣と魔法の世界に、見覚えのある都市の跡が出てくる仕掛けです。この遺跡は、終盤に明かされる人類の歴史へつながります。
一行が手に入れる竜神の槍は、王の魔法による守りを破れる神器でした。これで有力候補者のルイにも攻撃が届く。偽物の槍をルイに渡し、本物を暗殺に使う計画が動き出します。
ルイの生還、フォーデンの死、フィデリオの最期
アルタベリーの歌劇場で、主人公たちは竜神の槍を使ってルイを襲います。屋上での決闘を経て、ルイは舞台へ落下。死んだと判断されたのに、王子の呪いは残ったままでした。
これで一行は、呪いの術者を取り違えていたと気づきます。しかもルイはゾルバの治療で復帰し、翌日の歌劇場に現れるのです。
ゾルバは死亡確認をする側に入り込み、槍をすり替えていました。本物はルイが持ち、フォーデンの手には偽物がある。勝利を確信していたフォーデンは、復帰したルイに殺されます。
ルイは王子の生存を察すると、その居場所を聞き出すため、逃げ遅れた人々に攻撃を向けました。そこへ立ちはだかったのがフィデリオとバジリオです。フィデリオは弟と人々を守って致命傷を負い、息を引き取ります。
二人は、種族を問わず力を認めるルイに望みを託していました。そのルイが弱い人々へ振るう暴力に、兄弟は自分の身体で抵抗したのです。バジリオは兄を失い、アーキタイプに目覚めて主人公の仲間となります。
アーキタイプは、恐怖に向き合うことで目覚める英雄の力です。バジリオの加入は戦力が増える場面であると同時に、兄の思いを受け継ぎ、ルイと決別する場面でもあります。
王子の呪いを解いたのは、レラ自身の死
フォーデンの後に惺教側の中心となるのが、ジュナの姉レラです。彼女は主人公たちを王立魔法学院跡地へ呼び、竜とともに戦って、その力と覚悟を試します。
幼い頃、フォーデンからジュナの命を盾に脅され、王子へ茨の呪いをかけた。
その呪いはレラ自身にも及んでいました。彼女はフォーデンと自分の罪を公に告白し、最後に氷に包まれて自ら命を絶ちます。王子の茨の呪いが解けるのは、術者レラが命を落とした時です。
ジュナは姉を失います。呪いが解けた喜びと別れが重なるんですよね。ジュナはその悲しみを抱えて、主人公たちとの戦いを続けました。
主人公の正体は王子の願い――身体と一つになって復活する

ルイにニンゲンへ変えられ、古仙郷へ戻る
9月24日、王都でルイと戦った主人公は、大量のマグラを注ぎ込まれて怪物のニンゲンへ変貌します。マグラは人の不安から生まれる魔法の源です。ルイはその力で主人公を怪物にし、民衆の恐怖をあおりました。
人の姿に戻った主人公は、支持を失い、仲間とエルダの古仙郷へ退きます。そこで待っていたのは、ゾルバに襲われて命を落とした王子の身体でした。呪いが解けた王子を救うはずだった旅は、ここで最も厳しい壁にぶつかります。
主人公を導いてきた声の主は、王子の母の魂です。その声によって、主人公の記憶と存在の謎が明らかになります。
「王子の親友」という記憶の奥にあった真実
主人公の正体は、王子が抱いた希望や理想がマグラによって形を得たアーキタイプでした。王子が夢見た、自由に外へ出て人々と関わる自分です。王子と一緒に本を読んだ記憶も、王子自身の記憶から生まれたものでした。
親友を救うために走っていた少年は、自分のもう一つの姿を救おうとしていた。
主人公が自分を王子として受け入れ、王子の身体と一体になることで、王子は新たな生を得ます。主人公には「プリンス」の力が目覚め、以後は王子としてルイに対抗していくのです。
ヒュルケンベルグにとっても、仕えていた王子と旅の仲間が一人につながる瞬間でした。守れなかった主君を今度こそ守る。その決意には、一緒に旅してきた時間が加わっています。
怪物のニンゲンと、人間だった古い世界
古仙郷では、王国の種族とニンゲンの由来も明かされます。遠い過去には人類の文明があり、マグラを利用した争いで世界が崩壊しました。過剰なマグラにさらされた人間は、怪物のニンゲンへ変わったのです。
生き残った人々は長い時間を経て異なる種族へ分かれ、エルダ族は古い人間の姿を受け継いできました。街で差別されていた少年の種族が、古い人類につながる存在だという反転です。
そしてルイもエルダ族でした。彼の故郷もフォーデンに焼かれており、惺教と種族による序列への憎しみが、その思想の背景にあります。
ルイとの最終決戦で、モアが理想郷へ誘う理由
ルイは国民をニンゲンに変え、強い者を選別しようとする
ルイが狙うのは、王笏に蓄えられたマグラです。国民の不安が生む力を逆流させ、すべての人をニンゲンに変え、そこから人の姿に戻れる強い者だけが生きる世界を作ろうとします。
種族や生まれで扱いが決まる社会を壊す、という点には主人公と重なる願いがあります。ルイが選んだ方法は、国民全員を危険にさらす強制的な選別でした。主人公たちはその計画を止めるため、ルイのもとへ向かいます。
空中の宮殿でゾルバを再び倒し、ルイの提案を拒絶すると、最後の決戦へ進みます。10月26日の戦いでは、主人公が再びニンゲンへ変わりかけ、自分の心臓を潰して食い止めました。理想のために国民を傷つける相手へ、自分の命を懸けて抵抗する場面です。
モアの正体は、前王が生み出した若き自分
倒れた主人公をアカデメイアへ導くのが、幻想小説の作者モアです。彼は主人公に、東京を思わせる大都市の理想郷を見せ、ユークロニアでの旅は幻想で、こちらが現実なのだと説きます。
本の中の理想の街へ行けば、苦しい戦いから離れられる。主人公がその誘いを受け入れると、そこで物語はバッドエンドになります。
通常の結末へ進む主人公は、旅で出会った仲間との時間を選び、モアと戦います。そこで分かるのが、モアもまた、国王ユトロダイウス5世が生み出したアーキタイプだったという真実です。理想を持っていた若い頃の国王が、モアの姿のもとになっています。
妻を失い、王子への呪いにも苦しんだ国王は、次の世代を導く存在を生み出していました。モアが主人公を助け、アーキタイプを研究してきた役割は、国王から未来へ渡すものだったのです。
モアは主人公の決意を受け入れ、主人公には「キング」の力も目覚めます。仲間の待つ戦いへ戻るのは、本の街で過ごす未来より、旅で知った人々との未来を選んだからです。
ニンゲン化したルイを倒し、王笏を破壊する
最終局面では、ルイ自身も巨大なニンゲンへ変貌します。仲間たちは生きて主人公のもとへ集まり、ルイとの最後の戦いに挑みました。主人公たちはそのルイを倒し、国民の不安を集めていた王笏を破壊します。
敗れたルイは命を落とし、国民をニンゲンに変えて選別する計画も終わります。民の支持を集めた主人公が新王となり、空を覆っていた王の顔とモアの姿は消えていきました。
王位を争っていた少年が、王の子として正体を取り戻し、民の支持を集めた新王になる。血縁、旅の実績、ルイとの決着が、ここで一つの即位へつながります。
即位から1年後、仲間たちは生きて再び旅に出る

通常エンディングの主人公は生存し、新王として戴冠します。ストロール、ヒュルケンベルグ、ハイザメ、ジュナ、ユーファ、バジリオも生き残り、ガリカとニューラスを含む旅の仲間が新しい時代を迎えました。
1年後の王都では、人々や支援者たちの暮らしの変化に触れられます。種族差別や貧困が残る国をより良くするため、主人公たちは再び鎧戦車で出発する結末です。王様になっても出張。
鎧戦車は長い旅を支えてきた移動の拠点です。
仲間たちは「王の六本槍」として、国を支える
一緒に戦った6人は「王の六本槍」と呼ばれ、それぞれ王国を支える役目に就きます。
| 仲間 | 1年後に担う役目 |
|---|---|
| ストロール | 将軍となり、国の軍を支える。 |
| ヒュルケンベルグ | 近衛隊長として、王の守りを担う。 |
| ハイザメ | 騎士団を率いる団長になる。 |
| ジュナ | 魔法学院の長となり、教育に関わる。 |
| ユーファ | 司法を担う法官になります。 |
| バジリオ | 王都の自警団を率いる。 |
姉を失ったジュナは教育へ、兄を失ったバジリオは街を守る役目へ進みます。生贄になる予定だったユーファは、人の暮らす国の司法に関わる立場です。生き残ったその先に、ちゃんと新しい仕事があるんですよね。
ヒュルケンベルグも、かつて守れなかった王子を今度は新王として守ります。傷や願いを持った仲間たちが、異なる役目を担って同じ国を支える。それぞれに新しい日常ができたあとで、もう一度旅に集まってくれるのがうれしいんですよね。
結末の考察:理想郷は、これから暮らしの中で作っていく
私には、このエンディングは「理想を持った人が、理想に届いていない国へ戻る話」に感じられます。モアの見せる街にとどまる選択を退け、主人公は問題の残るユークロニアの王になるからです。
ルイは強い者を選別することで社会を一気に作り替えようとしました。主人公は仲間と人々のもとへ戻り、即位後も旅を続けます。この違いから、差別や不安に向き合うには、他人と暮らしながら変えていく時間が要るのだと私は受け取りました。
「新王誕生!」で気持ちよく終われるところから、さらに1年後の仕事がある。この少し泥くさい余韻が好きです。理想の実現にも、足と手が要るんですよね。
3つのバッドエンドは、終盤の会話で分岐する

物語上の選択で迎える結末には、最後まで戦い抜く通常エンドと、途中で旅を終える3つのバッドエンドがあります。
| 場面 | 分岐する選択 | 迎える結果 |
|---|---|---|
| 9月24日・エルダの古仙郷 | 王子を救う旅を否定し続ける、または自分が王子だと認めることを拒む | 主人公の旅が途切れ、ルイが王となる。王国は破滅し、歴史から忘れ去られる。 |
| 9月26日~10月25日・空中の宮殿でのルイとの会話 | 国民をニンゲンへ変えるルイの計画に賛同する | 主人公はルイとニンゲンの国を治める道へ進み、国は混乱に陥ります。 |
| 10月26日・アカデメイアのモアとの会話 | ユークロニアを幻想として捨て、モアの理想郷に残ることを受け入れる | 主人公は仲間の待つ戦場へ戻らず、そこで物語が終了する。 |
主人公の存在を受け入れ、ルイへの同意とモアの誘いを退けることが、最後の決着へ進む条件です。その先でルイに勝ち、戴冠と1年後の旅まで進むのが通常の結末になります。
モアが世界を幻想と呼ぶ言葉は、その会話で主人公を引き留めるための主張です。主人公は旅で築いた関係を信じて戻ります。私には、仲間と過ごした日々を選ぶ姿が、この場面のいちばん大切なところでした。
結末を確かめるなら、終盤のセーブを残しておくと安心
分岐の会話を自分で試したい場合、9月24日に入る前、宮殿でルイに会う前、10月26日の最終決戦へ出る前のセーブがあると、それぞれの場面へ戻りやすくなります。別の保存先を使うのは、会話前の状態を残すためです。
通常エンディングへ進む条件は、終盤の分岐を越えてルイを倒すこと。支援者全員のランクを最大にする作業は、支援者との交流や戦力を充実させる要素です。
支援者のランクが最大だと、1年後の王都でその人の近況を聞けます。世界を変えた結果を身近な人の暮らしから感じられるので、クリア前の交流にも楽しみがあるんですよね。
FAQ
主人公は王子の身代わりだったのですか?
王子の希望が独立した姿を得た存在です。外へ出て行動したいという願いが主人公を生み、最後には王子の身体と統合されます。「友人を助ける」という旅の動機にも、本人の記憶が重なっていました。
王子は死ぬのですか、それとも助かるのですか?
ゾルバの襲撃で肉体は一度死を迎えます。その後、主人公との一体化によって復活し、新王として終幕を迎える流れです。生還までに、呪いの解除と身体への襲撃という二段階の出来事があります。
ルイとモアは同じ結末を勧めているのですか?
ルイは人々を怪物に変える選別への参加を求め、モアは争いのある世界を離れて理想の街に残るよう誘います。主人公は両方を拒み、仲間との戦いを選びました。
仲間が全員死亡するエンディングですか?
通常の終幕では、主人公と最終パーティの6人がそろって未来へ進みます。一方、旅の途中ではグライアス、フィデリオ、レラとの死別があり、その喪失も仲間たちの決意につながっています。
まとめ
『メタファー:リファンタジオ』の結末は、王子の願いから生まれた主人公が自分の正体を引き受け、王子の命と国の未来を取り戻すものです。
モアの理想の街を後にした主人公は、ルイとの戦いを制して王になります。1年後に仲間と走り出す鎧戦車は、問題を抱えた国でも変化を続けていくという決意。王冠を得たあとにも旅が続くから、あの理想に体温が残るんですね。