牢の中で鎖につながれた狼の前に、小さなミドナが現れます。頼る相手はこの人で大丈夫?と聞きたくなる出会いですよね。
『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』は2006年発売のゲームキューブ・Wii用ゲームで、2016年にはWii U版『HD』が発売されました。
ミドナの正体・最終決戦・最後の別れのネタバレ注意。
ミドナは最後に故郷の影の世界へ帰り、リンクたちとの別れを選びます。
子供たちを追ったリンクが、ハイラルの危機に巻き込まれる
リンクはトアル村で暮らす牧童の青年です。ハイラル王家への献上品を届ける役を任されますが、出発前に魔物が村を襲い、幼なじみのイリアや子供たちが連れ去られてしまいました。
後を追うリンクは、森をふさぐ黒い壁の向こうへ引きずり込まれます。手の甲の紋章が光り、身体は狼へ。その姿で捕らわれた彼を助けるのが、影の力を操るミドナでした。
二人が城の塔で会うゼルダは、侵攻してきた影の王ザントに国を明け渡した王女です。民を守るために降伏したハイラルは黄昏に覆われ、人々は自分の変化に気づかないまま魂の姿になっています。
リンクは大切な人たちを救いたい。ミドナはザントに対抗する力が欲しい。目的の違う二人が、取引で行動を共にするんですね。
フィローネの森で光を取り戻し、最初の影の結晶石を得る
各地を影に沈めているのは、光の精霊から光が奪われたためです。リンクは狼の感覚で闇の虫を探し、光の雫を集めてフィローネ地方を解放します。
人の姿へ戻ったリンクは、森の神殿へ向かいました。囚われたサルたちと協力して魔物を倒し、ミドナが探す「影の結晶石」の一片を手に入れます。
この結晶石は、古い魔力を封じたものです。森の神殿に続き、ゴロン鉱山と湖底の神殿にも破片が眠っていました。
カカリコ村で子供たちと再会し、ゴロン族を助ける
オルディン地方の光が戻ると、カカリコ村に保護されていた子供たちと再会できます。ところが、今度はコリンがキングブルブリンに捕らわれるんです。
リンクは愛馬エポナで追い、オルディン大橋の騎馬戦を制してコリンを救出しました。小さな村の届け物から始まった予定が、ずいぶん大きな話になっていますよね!
デスマウンテンでは、影の結晶石に触れたゴロン族の長ダルボスが魔物に変わっていました。リンクはトアル村長ボウから相撲を習い、ヘビィブーツを受け取ってゴロン族に力を認めさせます。
鉱山の奥でダルボスを倒すと、彼を変えた結晶石が外れました。族長は元に戻り、人間を遠ざけていたゴロン族とカカリコ村の交流も再開します。
イリアは記憶を失い、ゾーラの王子を案じていた
ラネール地方で見つかるイリアは、城下町のテルマの酒場にいました。衰弱したゾーラの王子ラルスを気にかけているのに、リンクの顔も自分の名前も思い出せない状態です。
一方、ゾーラの里は住民ごと氷に閉ざされていました。リンクとミドナはデスマウンテンの巨大な溶岩を運んで氷を溶かし、水の流れを復活させます。
亡き女王ルテラの魂は、息子ラルスの救助をリンクに託しました。ラネールの光を取り戻したリンクは、イリアたちの馬車を護衛してカカリコ村へ向かいます。
レナード牧師のもとで王子の回復が見込めるようになると、ルテラは約束のゾーラの服を授けました。水中を進める装備を得たリンクは湖底の神殿を攻略し、三つ目の影の結晶石を回収します。
瀕死のミドナを救ったのはゼルダだった

集め終えた結晶石を持ってラネールの泉へ戻ると、ザントが待ち構えていました。彼は三つの破片を奪い、リンクには人へ戻れなくなる呪いをかけます。
ミドナはザントへの協力を拒み、光の精霊の光を浴びせられて瀕死になりました。ようやく旅が進んだと思ったところで、頼りにしていた相棒が背中でぐったりしている。ここは本当に苦しい場面です。
狼のリンクはミドナを背負い、再びハイラル城のゼルダのもとへ走ります。ミドナが求めるのは、自分の救命よりもリンクの呪いを解く方法でした。
ゼルダは森の聖域にある退魔の剣を示し、自らの力をミドナへ与えました。ゼルダがその場から姿を消すのと引き換えに、ミドナは命をつなぎます。
光の世界を軽く見ていたミドナにとって、ゼルダの行動は大きな転機です。救ってくれた王女への思いが、影の国のために始めた旅へ重なっていくんですね。
マスターソードが解くのは、狼の姿に縛る呪い
森の聖域でマスターソードを手にすると、リンクの身体からザントの呪いが抜けます。取り出された影の結晶をミドナが持つことで、その後は人と狼を使い分けられるようになりました。
剣で戦う場面も、においや魂をたどる場面もある冒険です。強制された変身が、自分たちで使える力へ変わったのがうれしいところ。
陰りの鏡の破片を集める旅で、イリアの記憶も戻る

ザントのいる影の世界へ渡る鍵が、ゲルド砂漠の「陰りの鏡」です。砂漠の処刑場を越えた二人が見つけた鏡は、四つに砕かれ、一片だけが台座に残っていました。
賢者たちは、かつてガノンドロフの処刑に失敗した過去を明かします。胸を貫かれても聖なる力で生き延びた彼は賢者の一人を殺し、残る賢者たちによって鏡の向こうへ追放されました。
影の世界でザントに力を与えたのが、このガノンドロフです。目の前の侵略は、光の世界が送り込んだ脅威ともつながっていたんですね。
鏡を砕いたザントの力には限界があり、破片を集めれば修復できます。陰りの鏡を完全に消し去る力を持つのは、影の一族の真の長です。
雪山の廃墟では、鏡の魔力から夫婦を救う
雪山の屋敷で破片を持っていたのは、そこで暮らす夫婦でした。鏡を気に入った妻は体調を崩し、夫はスープを作って看病しています。
リンクも寝室の鍵を探す途中で、カボチャやトアル産のチーズを見つけます。鍵を探していたのに、収穫はスープの材料。宝箱から台所まで、お使いが増えてしまいました。
やがて寝室へたどり着くと、妻は鏡の魔力に取り込まれ、氷の魔物へ変貌しました。リンクが倒して破片を回収すると正気に戻り、駆けつけた夫と抱き合います。
王国の大事件の途中に、こういう小さな救いがあるんですよね。
時の神殿でコピーロッドを手に入れる
再び森の聖域を訪れたリンクは、過去の時の神殿へ進みます。石像を操るコピーロッドを使って奥へ進み、巨大なクモの魔物を倒して次の破片を得ました。
神殿から戻ると、コピーロッドの力は失われています。最後の破片がある天空へ向かうまでに、その力をよみがえらせる手がかりをたどることになるんです。
馬笛がイリアの思い出を呼び戻し、天空への道もつながる
イリアの過去をたどるうち、リンクは彼女が囚われていた忘れられた里へ行き着きました。魔物を退けると、里に残っていた老婆からイリアの持ち物を受け取ります。
それをイリアへ届けたとき、リンクやエポナとの思い出が戻るんです。持ち物の正体は、出発するリンクに贈ろうと彼女が作った馬笛でした。
村で途切れた約束が、ここでようやく果たされます。世界を救う力と同じくらい、この小さな贈り物を待っていた気持ちになりますね。
さらに老婆から得た天空の古文書と、テルマの仲間シャッドの研究が、コピーロッドや古い石像の謎を解く助けになります。リンクは各地の石像から文字を集め、天空へ飛ぶ大砲を発見しました。
大砲を修理して天空都市へ渡り、都市を襲う竜を倒すと、最後の鏡の破片がそろいます。雪山、過去の神殿、空を巡った旅が、砂漠の鏡の間へ戻ってくるわけです。
ミドナの正体は、王位を奪われた影の世界の王女
修復された鏡を前に、ミドナの身の上が明かされます。彼女こそが、影の世界を治める王家の姫「トワイライトプリンセス」です。旅をしてきた小さな姿は、ザントにかけられた呪いによるものでした。
王位を望んだザントは、ガノンドロフを神としてあがめ、授かった力でミドナから国を奪います。影の一族の祖先は、かつて強大な魔術で聖地を支配しようとし、影の世界へ追放された者たちです。
ミドナが取り戻したかったのは、王家の立場や自分の姿に加え、ザントに脅かされた故郷と民の暮らしでした。あの強気な態度の奥に、帰る国を失った悔しさがあるんですね。
ザントを倒しても、戦いはガノンドロフへ続く
鏡を通って影の宮殿へ渡ったリンクは、ザントと対決します。戦場は森の神殿やゴロン鉱山などを思わせる場所へ次々と変わり、それまで使ってきた道具や戦い方で追い詰めていく勝負です。
リンクに敗れたザントへ、取り戻した影の結晶石の力を使うミドナがとどめを刺しました。彼女はまだ小さな姿のままです。
二人はゼルダを救い、元凶を倒すために光の世界へ戻ります。ミドナが結晶石の力でハイラル城の結界を破り、最後の城へ踏み込むんです。
ガノンドロフとの最終決戦は、四つの戦いで決着する

ゼルダへの憑依と、魔獣ガノン
玉座で待つガノンドロフの上には、意識のないゼルダが浮かんでいました。まず彼はゼルダに乗り移り、その身体でリンクへ襲いかかります。
リンクが光弾を剣で打ち返して憑依ゼルダを退けると、ミドナがガノンドロフを引きはがしました。続いて現れるのは、巨大な獣の姿のガノンです。
リンクは額や腹の傷を攻め、狼の姿でも突進を受け止めて戦います。剣と狼、旅の途中で身につけた両方の力が、ここで大きな敵を倒すためにそろうんですね。
ゼルダを救ったミドナが、城に残ってガノンドロフへ挑む
魔獣を倒したあと、ミドナが預かっていたゼルダの力が戻り、王女は意識を取り戻します。
それでもガノンドロフは復活しようとしていました。ミドナはリンクとゼルダを城の外へ転送すると、影の結晶石をまとって強大な姿へ変わり、一人で迎え撃ちます。
直後にハイラル城は崩壊しました。現れたガノンドロフは黒い馬にまたがり、ミドナのかぶっていた結晶石を手で砕きます。
あの頭の飾りを見せつけられると、助かったゼルダの横で今度はミドナを案じることになる。息をつく間もない展開です。
ゼルダと共に戦う騎馬戦から、一対一の剣の勝負へ
ゼルダは光の精霊へ祈り、光の矢を得ました。リンクがエポナを駆り、後ろに乗るゼルダが矢を放ち、ひるんだガノンドロフへリンクが斬りかかります。
騎馬戦を制したあとは、地上でリンクとガノンドロフの一騎打ちです。剣を交え、倒れた敵の胸へマスターソードを突き立て、リンクはついに決着をつけました。
ガノンドロフは立ったまま、最期を迎えます。
本来の姿に戻ったミドナが、涙で鏡を砕く

ガノンドロフとの戦いのあと、光の精霊たちのもとに倒れている人影が現れます。駆け寄ったリンクが目にするのは、長い髪と背の高い身体を持つミドナでした。
ミドナは生還し、ザントの呪いから解き放たれて、本来の姿を取り戻しています。リンクが言葉を失うほど姿が変わっても、からかうような態度はあの相棒のまま。やっと無事を喜べる場面なんです。
鏡の間で、ミドナは鏡があればまた会えるとリンクたちに話します。けれどリンクへは何かを言いかけ、最後には別れの挨拶を口にしました。
その頬を伝った涙の一粒が、陰りの鏡へ飛んでいきます。ミドナが転送されるのとともに鏡は完全に砕け、二つの世界を行き来していた道が閉ざされました。
なぜ鏡を壊した?二つの世界を守る決断という考察
二つの国を守るために往来を絶った、という動機は考察です。国を治める人の責任と、相棒と離れたくない気持ちがぶつかった、と私は感じました。
笑って別れようとする人が一粒だけ泣くのは、ずるいですよね。
ザントの最期とリンクの旅立ちで気になること
ザントの姿に、最後の一撃を重ねる解釈
ガノンドロフの最期には、ザントの姿が一瞬重なります。ザントが直接ガノンドロフを殺した、という読み方は考察の一つです。
自分を神とあがめた男が、最期に見つめ返してくる。ガノンドロフの立場まで揺らぐようで、私はここにぞっとしました。
イリアや子供たちは村へ帰り、リンクはエポナで発つ
終幕では、イリアや子供たちが馬車でトアル村へ帰り、家族と再会します。村の入り口で迎える人がいる光景に、長かった不安がようやくほどける思いです。
最後にはイリアが見送るなか、リンクがエポナに乗って村を発ちます。行き先は不明です。
ミドナへ会う方法を探す旅、と想像したくなる気持ちも分かります。これは旅立つ背中から広がる解釈で、私は、見送るイリアにも思わず目がいってしまいました。
リンクとミドナの旅を、公式紹介映像でもう一度
任天堂公式『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス HD』の紹介映像です。
Wii U版『HD』は画面が高精細になり、ウルフリンクのamiiboで挑戦する連戦型のミニダンジョン「獣の試練」も加わりました。あの狼の背中に、もう一度ミドナを乗せたくなりますね。
FAQ
ミドナとリンクの関係は恋愛?
恋愛として受け止めるのは、一つの解釈です。私は、一緒に危険を越えてきた二人の親密さにひかれます。別れ際に言いかけた言葉を想像すると、あの間がいっそう切なくなるんですよね。
影の宮殿にいる住民も、最初から魔物だった?
ザントの力で姿を変えられた影の一族です。宮殿の光の球「ソル」を近づけると、元の姿へ戻ります。ミドナが救いたかった人たちに、ようやく会える場所でもあるんですね。
エポナは狼になったリンクに気づいている?
はい。狼のリンクは動物と話せて、エポナは姿が変わった主人をちゃんと見抜いています。愛馬と話せるなんて、そこはちょっとうらやましいですよね。
まとめ
ミドナは本来の姿を取り戻して故郷の影の世界へ帰り、陰りの鏡は彼女の涙で完全に砕けます。
ミドナの軽口まで恋しくなる別れでした。