シュークリームが大好きなマッシュ。世界の命運がかかった話なのに、読んでいるとおやつが食べたくなる主人公です。
甲本一の漫画『マッシュル-MASHLE-』は、全18巻・第162話で完結した作品です。原作最終回までのネタバレがあります。
マッシュルの漫画最終回で、マッシュは神覚者になれた?

マッシュは魔法を使えない人間として初めて神覚者に選ばれますが、最終話で就任を辞退します。神覚者は、優れた魔法使いに与えられる特別な称号です。
式典で披露されるのは、本人が託した手紙でした。そこには、みんなに認めてもらえたことへの喜びと、平和に暮らしたいという願いがつづられています。
難しいことはランスに任せる、といういつもの調子も健在。晴れの式典で辞退の手紙を代読するんですから、進行する人も大変ですね。
神覚者を目指した理由は、じいちゃんとの暮らしだった
魔法警察との取引でイーストン魔法学校へ
魔法界では、魔法の腕で人の身分が決まります。魔力を持たない者は排除されるため、養父レグロはマッシュを森でひそかに育てていました。
幼いころから課された筋トレは、自分の身を守るためのものです。その成果が、魔法を素手ではじき返すほどの身体能力になりました。
暮らしが変わるきっかけは、魔法警察官ブラッド・コールマンに秘密を知られたこと。マッシュの力を目の当たりにしたブラッドは、魔法学校で神覚者になれば見逃すという取引を持ちかけます。
マッシュがイーストン魔法学校へ向かったのは、レグロと安心して暮らすためでした。森での生活からいきなり名門校の頂点を目指すのですから、ずいぶん急な進路変更ですよね。
入学試験でもやり方は力ずくで、迷路の壁を突き破って進みます。校舎の修理代が早くも心配です!
フィン、ランス、ドット、レモンとできた居場所
同室のフィンは、校内で力を持つ生徒に逆らえずマッシュへの嫌がらせに加担してしまいます。けれど、友達として接してくれるマッシュへの罪悪感から、嫌がらせを断るのでした。
報復を受けるフィンを助けたのがマッシュです。この一件から、気弱な同級生は彼を支える親友になります。
重力魔法を操るランスも、初めはマッシュと競う相手でした。彼には、魔力を失う病にかかった妹アンナを救い、魔法界を変えたいという切実な事情があります。
ランスはマッシュとの勝負のあと、仲間として行動するようになりました。
ドットは、マッシュに一方的な対抗心を燃やす熱血漢です。一方、編入試験で助けられたレモンは、マッシュに好意を寄せるようになるのでした。
七魔牙を率いるアベルとの戦いを経て、マッシュは神覚者選抜試験への参加資格を得ます。しかし魔法が使えないことも露見し、魔法局で処分を問われる立場になりました。
校長ウォールバーグやフィンの兄レインの働きかけで、神覚者になることを条件に挑戦を続けられます。学校で手にした友人や支援者との関係が、彼の命を支え始めたんです。
実父イノセント・ゼロと、兄ドミナの選び直し
息子たちの心臓を狙う父親
選抜試験で音の魔法を操るマーガレット・マカロンに勝ったあと、会場へイノセント・ゼロが襲来します。時間を止める力を持つ、犯罪組織の首領です。
イノセント・ゼロはマッシュの実父で、息子たちの心臓を使い、不老不死とさらなる力を得ようとしていました。マッシュは6人の息子の末っ子にあたります。
レグロが育てた息子を守ろうとする一方で、実父は自分の目的をかなえるために子どもを利用する。マッシュの出自が明かされると、家族を巡る戦いの重さがぐっと増すんですよね。
父の愛を求めたドミナが、マッシュを助ける
三つの魔法学校が競う最終試験では、ヴァルキス校のドミナ・ブローライブが立ちはだかります。イノセント・ゼロの五男で、マッシュの実の兄です。
孤独に育ったドミナは、父に認められようと尽くしてきました。魔法を使えない弟へ父が執着することにも嫉妬し、マッシュに激しい敵意をぶつけます。
マッシュは力を抑えていたリストバンドを外し、ドミナとの勝負を制しました。敗れたドミナを父は冷たく切り捨てます。
その後、闇のマグマにのみ込まれそうなマッシュを救ったのはドミナでした。自分が巻き込まれる危険を負ってまで、弟を助けたんです。
ドミナはライオに救い出され、メリアドールが作った心臓によって命をつなぎます。終盤には、倒れたマッシュを仲間が運ぶ時間を稼ぐため、再び父の前へ立ちました。
そこで父の攻撃を受け、命を落とします。かつて父の望む自分になろうとしていた兄が、最後には自分の意思で弟と友人を守ろうとした。その変化がつらく、胸に残る場面です。
最終決戦はどう決着する?心臓を奪われたマッシュの復活

仲間が戦い、マッシュはメリアドールの特訓から戻る
最終試験後、マッシュはメリアドールの治療と特訓を受けます。イノセント・ゼロの侵攻が始まったころには、過酷な訓練の反動で昏睡状態に陥っていました。
待つ側になった仲間たちにも、正面から戦う局面が訪れます。フィンは回復魔法で兄レインを支え、二人でゼロの息子デリザスタに対抗するのでした。
ランスとドットが戦うのは、三男エピデムです。ランスがドットをかばって負傷すると、ドットが秘めていた大きな魔力を解放し、相手を倒します。
そしてマッシュは復帰し、兄弟の長男ドゥウムと対決しました。力を上げ続ける相手にも修行の成果で応じ、ついに勝利を収めます。
ただ、続くイノセント・ゼロとの戦いでは事態が急変。実父に心臓を奪われて倒れてしまいました。
大切な記憶を保ったまま、戦場へ帰る
レインたちはマッシュをメリアドールのもとへ運び、彼女は人工心臓を移植します。回復を待つ間も、メリアドールや神覚者たちはイノセント・ゼロを食い止めようと戦い続けました。
そのころマッシュがいたのは、白い空間に大きな扉がある場所です。扉の番人は、生き返る対価として、家族や友人との大切な記憶を求めます。
マッシュはそれを拒み、引き込もうとする手を力で押し返してしまいました。番人にもう一度みんなと暮らしたいと願い、記憶を渡さずに帰還を認められます。
現実では、仲間たちが魔力も体力も使い果たすまで彼を守っていました。その奮闘が限界に達したところで、マッシュが戦場に戻ってくるんです。
心臓を奪った相手へ一撃。ここまで助けられ続けた主人公が、ようやく拳で応える復活でした。
かつての敵の加勢と、何度戻しても変わらない勝敗
イノセント・ゼロは神のような姿へ変化し、闇と時間の魔法で攻撃を重ねます。かつて戦った相手まで加勢する総力戦になりました。
マッシュが相手へ近づくのを助ける者もいれば、巨大な魔法を食い止める者もいます。逃げずに立ち上がる姿に、人々も力を貸すようになるのです。
渾身の攻撃で追い込まれたゼロは、時間を巻き戻して勝負をやり直しました。完全な姿になる前に倒そうとしても、戦い方を変えても、待っているのはマッシュに打ちのめされる結果です。
やり直すたびに敗れる苦痛を知り、ゼロの心は折れていきます。最後はマッシュの投げ技が決まり、戦闘の勝敗はつきました。
大陸を動かし、人々の命と心臓を取り戻す
残ったのは、地上へ迫る巨大な闇の球です。ゼロを倒したあとも落下を続け、触れるものをのみ込もうとします。
マッシュは海へ飛び込み、陸をつかんで猛烈なバタ足を始めました。大陸そのものを動かして闇の球を避けるのが、世界を救う最後の力技です。
大陸をビート板扱いです! 海に落ちた球で津波が発生すると、今度はゼロの大きな杖をうちわのように振り、風で波を押し返します。
それでも、戦いで負った傷と失われた命が残っていました。マッシュはゼロに回復を頼み、罪を償うよう促します。
ゼロが使ったのは、人々の時間を戻す魔法です。戦闘で命を落とした人々がよみがえり、ドミナも生還し、マッシュ自身の心臓も胸に戻ります。
ゼロたちは捕らえられ、マッシュは仲間と勝利を喜びます。
戦いのあと、じいちゃんの家に集まる仲間たち

パティシエを目指して新作シュークリームを作る
最終話でマッシュが帰るのは、レグロの待つ森の家です。彼はパティシエになるための修行を始め、新作シュークリームのお披露目に仲間を招きます。
好きなお菓子を自分で作り、友人に食べてもらう。命を賭ける場面が続いたあとの、なんとも気の抜ける集まりですよね。
フィン、ドット、ランス、レモンたちが顔をそろえ、かつての敵とも同じ時間を過ごします。
ランスは妹を紹介し、レモンの恋も続く
ランスは妹アンナをみんなに紹介します。兄がずっと大切にしてきた妹と、学園でできた友人たちが顔を合わせる場面でした。
レモンはマッシュのそばに居続け、積極的な好意を向けています。最後まで勢いのある恋でしたね。
遠い将来へ向けた締めくくりでは、魔法を使えない人への偏見や差別も消えていきます。マッシュと仲間たちが得るのは、魔法の有無にかかわらず平和に過ごせる未来でした。
読む前に気になる、終盤の暴力描写への注意
序盤の軽快なギャグに対し、終盤は心臓を奪う攻撃や、父が息子を傷つける場面が続きます。子どもを自分の野望に利用する親の言動もあり、家族の場面がかなり重く感じられました。
結末の穏やかさに至るまでには、仲間が次々に傷つく時間があります。残酷な描写が苦手な人には、最終決戦の巻は注意したいところです。
原作の最終巻を読むなら、18巻へ
ジャンプチャンネルの公式「最シュー18巻発売記念PV」は、シュークリームとともに原作の名場面を振り返る映像です。
18巻は第155話から始まり、最終決戦の後半から戦後の日々までを収録しています。集英社の『マッシュル-MASHLE-』18巻に、紙版・電子版の案内と試し読みがあります。
FAQ
最終18巻はいつ発売された?
紙版・電子版ともに2023年10月4日発売です。本誌連載が終了したのは、同年7月3日発売の『週刊少年ジャンプ』31号でした。
単行本の最終話には、どんな題名が付いている?
18巻の目次では「マッシュ・バーンデッドと恒久の幸せ」です。勝負の決着に続いて、幸せそのものを題にして締めくくられます。
まとめ
大きな目標に向かって走り続けた主人公が、自分にとっての幸せをちゃんと選べる。そんな終わり方だから、この最終回の気楽さが嬉しくなります。
立派な祝辞より、いつもの顔ぶれとの雑談が似合うマッシュでしたね。